火山の独り言

時ならめ 風に挑みて 鯉のぼり

「『ダス・ゲマイネ』との再会」

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家内は「太宰治全集」(全12巻)を鬼気迫る勢いで読んだ。妹夫婦の上京前に、太宰の親友だった義弟の父親を探そうとしたのだ。義弟の父は地元の名門、青森中学(現青森高校)、弘前高等学校(現弘前大)と太宰と同じコースを辿る。太宰と親友の4人は、文学、絵画、音楽、金融とそれぞれ別の道を志したが、義弟の父は上野(芸大)でヴァイオリンを学ぶ。

「全集」第11巻(書簡集)の232頁に「日本浪漫派」の同人・中谷達雄に宛てた太宰の書簡を発見した。昭和15年10月11日、三鷹町下連雀113番地から出した葉書。太宰は義弟の両親の結婚式に出る予定だった。
「A(仮名)君の結婚式には私も亀井君も欣然参加のつもりで居りましたが、14日、甲府方面へ団体旅行…欠席せざるを得ない具合になり…中谷氏に出ていただき、Aにもよろしくと」。(Aとは仮名。全集はもちろん実名)。

亀井とは亀井勝一郎。太宰は昭和9年、檀一雄、中原中也らと「青い花」を創刊、翌10年3月、佐藤春夫、亀井勝一郎、萩原朔太郎、中谷孝雄、外村繁らの「日本浪漫派」と合流。心許した仲間に親友の結婚式へ代理出席を頼んだのだ。

太宰は昭和5年3月、弘前高等学校卒業、4月東京帝国大仏文科に入学。22歳。すぐ井伏鱒二に師事した。昭和14年1月、井伏鱒二夫妻の媒酌で石原美知子と結婚している。
義弟の両親の結婚式は昭和15年10月14日。この日、太宰は「佐藤春夫、井伏鱒二らと甲州に遊ぶ」と全集第12巻の「年譜」。師匠で媒酌人・井伏鱒二の誘い、太宰が断れるわけがない。

義弟の父親(ヴァイオリニスト)は太宰27歳の作品「ダスゲマイネ」に登場していた。全集第2巻。井伏鱒二が全集の月報に「ダスゲマイネの頃」を寄稿していた。
「なぜドイツ語の題をつけたんだろう、妙にハイカラな題をつけたものだと思った。本にする時に変えるんだろうと訊いたら、いや絶対に変えないと意外にも逞しい口吻で言った。先年、津軽へ行き、津軽の言葉にも通じていることを知った。ン・ダスケ・マイネ」――。

この程度の津軽弁なら火山も分る。「だから駄目」という意味。井伏鱒二は太宰の死後、「なぜあの時、太宰が説き明かさなかったのか」と不思議に思った。太宰が残した随想がある。人間は「人の性よりしてダス・ゲマイネ(卑属性)を駆逐し、ウールシュタンド(本然の状態)に帰」る必要がある。「そこにこそ、まことの自由がある」。だが「人の心の奥底に必ず巣食っている…ダス・ゲマイネという泥沼からなかなか抜け出せない」と嘆じている。
<つづく>


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