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政権交代後、初の国政選挙となった参院神奈川・静岡両選挙区の補欠選挙。10月25日投票、即日開票の結果、民主党公認候補が<初当選>を果たし、鳩山首相は<初陣>で2連勝、来夏の参院選で民主党の<単独>過半数獲得に大きな<弾み>をつけた。毎日、マスコミ論調の<変化>に注目する火山、25日の「風見鶏」(日経)にコメントしたい。題して「小沢流の国会改造計画」――。もっとも火山、この「政権交代・6」で「豪腕・壊し屋、独断専行に懸念!『小沢』流へ『風見鶏』の『見当違い』」で前段を論じた。
「風見鶏」は「小沢流の国会改造計画」には<小沢独裁>がチラツク!「果たして改革は、国会を活性化させるのか、空洞化させるのか」と問題提起――。
「与党の議員立法を原則認めず、質問機会を減らす考えも(小沢幹事長は)示している。自民党の若手は最近、顔を合わせた民主党の同僚議員に皮肉をぶつけた。『国会から官僚や与党議員を排除し、目指すところは独裁じゃないのか』。小沢氏への警戒感が根強いのは『豪腕』『壊し屋』などの異名をとってきた過去の行動と無縁ではない」と<風見鶏>。
<当>の小沢一郎は21日(水)「小沢一郎政治塾(都内)で国会から官僚支配をなくしていかなくちゃならない。今までは国会中継なんてNHKでしょうがなくやっているけど、誰も関心ない。それではいかん。自分たちの理念、政策を議論しあう議会にしなくては」と会社員や学生を前に熱弁を振るったという。まさに持論「脱官僚依存」の提唱――。
「政治家が<理念><政策>を議論する場に国会を<改造>したい」――。今までの国会はどうだったか。質問する議員に官僚が予め<質問取り>を行い、<答弁>を徹夜で<書き上げ>、総理や各大臣はそれを<読み上げ>る。早い話、官僚のシナリオに沿って芝居をしているだけ。理念も政策も、実際は<官僚>がお膳立て――。まさに「官僚依存」。
もっと酷いのが「政府参考人」制度。「小沢『国会審議には、役人を入れない。自自連立政権時代、<政府委員制度の廃止>を実現させたというのに、いままた<政府参考人>として大きな顔をして出席している。もちろん、政治家の能力も求められる。だから、能力のない奴は政府のポジションにつけなければいい。勉強をしない馬鹿な奴は、どんどん替えていく』」(大下英治「民主党政権」KKベストセラーズ・28頁)。大下の質問に、小沢が生々しく答えた。先週末、行政刷新会議の新人引上げで<一騒動>!この実践ではないか。
「脱官僚依存」には政治家の力量が問われる。勉強しない政治家は脱落する。「どうなる?機能不全の自民党。その弱体化の理由を明らかにし、今後を展望する」(野中尚人「自民党政治の終わり」ちくま新書・帯)。野中尚人は学習院大法学部教授で「比較政治学」専攻。
著書に「自民党政権下の政治エリート」(東大出版会)、共著に「公務員制度改革」(学陽書房)など多数があり、「自民党政治の終わり」は稀にみる<良書>!ジェラルド・カーティス「永田町政治の興亡」新潮社)など、多くの良書を読んだ火山も、特に感心した。
官僚のシナリオを<読み上げる>だけの<自公連立>政権時代の大臣。難しい問題になると<禁止>された「政府委員」に替え、「政府参考人」にオンブニダッコ。これこそが「勉強しない馬鹿」の典型。だから「機能不全」の陥り、「自民党政治の終わり」が来た。だから「政権交代」が起こり、「鳩山政権」が誕生――。「八ッ場ダム廃止」「羽田ハブ化」「温暖化ガス25%削減」など<しがらみ>を絶った政権の<新鮮>な船出に、国民もビックリ。それが<参院補選・2連勝>に、弾みをつけた。
大阪府の橋下徹知事は支持率がモーレツに高い。人気抜群!連日のようにテレビに登場、歯切れのよいメッセージを発信、さらに熱烈なファンを増やしている。この橋下知事に出馬を促し、口説き落とした張本人が誰か。ご存知だろうか。「自治体改革への道―徹底検証『橋下主義』」(読売新聞・大阪本社社会部編著。梧桐書房)によれば<堺屋太一>――。大阪万博を大成功させた堺屋の選定基準は「しがらみのない人」「スピード感のある人」「大阪を愛している人」――。<大阪>を<日本>に置き換えれば、鳩山政権にピッタリだ。
小沢一郎を「豪腕・壊し屋、独断専行・独裁」と決め付ける声は、今も大きい。「政府と与党の二元化」――。「文藝春秋」11月号の「立花隆『小沢一郎』<新闇将軍>の研究」などはその筆頭だろう。週刊誌、新聞、テレビ…。際限なく並んでいる。だが本当だろうか。
火山は平野貞夫「我が友 小沢一郎」(幻冬社)を読んだ。平野貞夫は元参院議員、小沢を良く知る盟友。ジョン万次郎の研究家として知られる良識派。「わが友」も良書。平野は「小沢とは直接話せ。彼を知る最善の方法」と説く。人を介すとバイヤスが…。意味深だ。
「豪腕・壊し屋」――。「当の本人は与野党のざわめきを気にする風もなく『前例通りにやっていては何の進歩もない』と意気軒昂だ。はたして改革は国会を活性化させるのか、空洞化させるのか――。時代を変える政治手腕への期待と独断専行への不安が交錯するのは、これまでも小沢氏が実権を握ったときに繰り返されてきた光景である。本人はきっと『おれに批判的なやつはいつも色眼鏡でしか見ない』と反論するだろうが」――。「風見鶏」は結ぶ。編集委員<坂本英二>の署名。
平成18年4月7日、民主党の再生を懸けた代表戦。小沢一郎は政見演説で「変わらず生きるためには、自らが変わらなければならない。まず私自身が変わります」と宣言した。平野貞夫は「改めて格別の感慨を覚えた」(「わが友 小沢一郎」164頁)――。火山も、これに懸けてみたい。本格的な<政権交代>は小沢一郎の、生涯を賭した夢だったのだから。
(平成21年10月26日)
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