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TBSの「ひるおび!」が今も、バカ騒ぎ。「明日からの“節電生活”は」を特集中。プロデューサーやキャスターの不勉強ぶりに火山、腹が立って、腹が立って、見ていられない。何が「東電が言うところでは…」だ。「一人一人が真剣に考えないと…」などと内容空虚な決まり文句が続くと、蹴っ飛ばしたくなってくる。東電のウソを援護するデタラメ<危機感>煽りが日本中を<迷走>させている。いい加減にして欲しい!
「『電力不足の中で夜間興行など怪しからぬ』といわれる方々は、ぜひとも正しい情報を知ってもらいたい。『電力』というものの性格である」(堺屋太一「第三の敗戦」講談社・25頁)。火山も全く同感。以下<引用>したい。各位もキチンと<精読>してほしい。「地元に民主主義を!」とは<迂遠>のようだが、この国難を乗り越える一番の<近道>だ。
「電力は貯蔵できない。だから5月に節電しても8月に使える量が増えるわけではない。深夜に倹約しても翌日の昼の冷房や工場電力が増えるわけではない。その上、日本の場合、関東と関西(富士川が境)に50サイクルと60サイクルの差があり、東西の間は百万キロワットほどしか移送できない。つまり西日本で節電しても東京や東北の電力事情は改善しないのである。ピークは夏の数日、それも昼間の数時間だ(第1図)」(27頁)。
第1図とは「東京電力管内需要(2010年8月・日別)」(29頁)――。転載できないので、結論だけ、ご紹介する。8月ほとんどの<日>の消費電力は「4500万キロワットから5200万ワットキロワット」の間に収まっている。「5500万キロワット」を超える日は<数日>。しかも「5200万キロワット」を超える時間帯は「10時から20時まで」の間だけ。だから「真夏の<数日>だけ。しかも<10時から20時>の間だけ<節電>に取り組めばよい」。その<ピーク>こそが<問題>。それなのに、年がら年中<一律節電>バカ騒ぎ――。
「(節電より)むしろ、夜間、オフィス需要や冷房需要が低下した後は、街のネオンや深夜テレビを大いに活用、需要を増やし経済を復興し、世の中を明るくする方が、日本人の生活と日本経済のためになる。節電計画や電力配分を行なう者は、このことを電力消費者や一般国民によく説明すべきである。これこそAC広報の務めだろう」(27頁)――。
「AC広報」とは「ACジャパン」(旧公共広告機構)が行うCM。最近では「遊ぼって言うと、遊ぼって言う。馬鹿って言うと、馬鹿って言う…」で大ヒット。火山も多大に感動したCMを出した機関。現在の理事長はサントリーの佐治敬三氏のご子息・佐治信忠氏。確かに、堺屋太一の言うとおり。火山も賛成。面白いのが、このAC。もともとは堺屋太一が推進した「大阪万博」が機縁で発足している。
だが、なぜ東電の「節電」政策が日本中を<壟断>するか。「誰も東電には逆らえないのである」(古賀茂明「日本中枢の崩壊」講談社・31頁)という<凄い>指摘がある。
「私は過去に電気事業関係のポストに就いた経験のある同僚から、『東電は自分たちが日本で一番偉いと思い込んでいる』という話を何回か聞いたことがある」(31頁)。
「その理由は…主に、東電が経済界で断トツの力を持つ日本最大の調達企業であること、他の電力会社とともに自民党の有力な政治家をほぼその影響下に置いていること、全国電力関連産業労働組合総連合(電力総連)という組合を動かせば民主党もいうことを聞くという自信をもっていること(電力総連会長から連合会長を務めた笹森清氏は菅政権の内閣特別顧問)、巨額の広告料でテレビ局や新聞などに対する支配を確立していること、学界に対しても直接間接の研究支援などで絶大な影響力を持っていること、などによる」(同)。
「誰も東電には逆らえない」――。これがどんな凄まじい<人災>を巻き起こしているか。東日本大震災には「想定外」などは、本来一つも<実在>していない。それなのに「万事<想定外>」で片付けられてしまう。「『想定外の地震』『想定外の津波』『想定外の原発事故』……。すべてが『想定外』の一言で許される。そんな空気が支配した」(24頁)。
「福島第一原発の大事故は、天災でも宿命でもありません。この悲惨な出来事は、悪意によって引き起こされた人災です。人知の及ばない自然災害に比べれば、はるかに容易に予測でき、この大きな危機を予め回避できた出来事なのです」(広瀬隆「福島原発メルトダウン」朝日新書・11頁)――。広瀬隆は「原子炉時限爆弾」(ダイヤモンド社・2010年8月26日初版)で、今回の福島第一原発の大事故を予測していたジャーナリスト。1980年代から反原発の市民運動を展開、「東京に原発を」(集英社文庫)など著書も多い。
「テレビでは、原子力推進の学者ばかりが『専門家』として解説してきました。聞いていると、とんでもない大嘘の楽観論が語られてきたため、国民が事実を知らされずに、生活してきたのです。彼らの言葉がすべて外れて、最悪の事態になったではないですか。そもそも、原発災害の警告もできなかったような人間が、専門家ヅラをして、よくもテレビに出て、恥ずかしくもなく事故の解説ができるものだと、呆れるばかりです」(福島・15頁)。
「筆者は彼ら原発推進してきたリーダーたちをひとくくりに『原子力マフィア』と呼んでいるが、とりわけ腹立たしさを覚えたのは『学』の面々だ。原発立地のために各地で開かれる公開ヒヤリングで、住民が抱く素朴な疑問や不安に対して『シロウトに何がわかるか』
とばかり、専門用語を駆使して煙に巻く御用学者たちの傲慢かつ不遜な態度を許せなかった」(恩田勝亘「東京電力・帝国の暗黒」七つ森書館・7頁)。火山は彼らの著書を全部読んだ。彼らの怒りが良く分かる。「節電」を叫ぶテレビ、実は何も<学習>していない。
(平成23年6月30日)
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