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「菅直人首相が本格的に動き出したのは6月29日、料理店3軒をはしごした夜のことだ。夜10時過ぎ、東京・六本木ヒルズのイタリア料理店で『日本の技術力があれば、脱原発でも電力不足を跳ね返せる』と首相に説いたのは、脱原発派のイタリア人。国民投票で脱原発を決めたイタリアの情勢を聞くため、首相と民間ブレーンが計画した会合だった」――。
「これに先立つ1時間前には、六本木の焼肉店で、側近の阿久津幸彦内閣府政務官、加藤公一前首相補佐官、国家戦略室スタッフと『埋蔵電力』の話で盛り上がった。企業が非常時に備えて保有する自家発電設備をフル稼働すれば、電力不足は補えるとの理屈だ。2つの会合で、首相は『脱原発路線』に意を強くし、原発再稼働を簡単に認めない意向を固める。だが同じ日、海江田万里経産相は佐賀県で古川康知事に『安全なところは政治が動かす』と九州電力玄海原発再稼働にゴーサインを出していた――。
つい10日前に首相は『経産相はと思いは同じだ』と発言した。佐賀県へ行った翌日の6月30日、海江田氏が一連の経緯を報告すると、首相は『納得できない。佐賀県には行かない』と答えた。首相自らの心変わりが、閣内混乱の導火線となった」――。「原発」を巡る「閣内混乱」が標的!なぜ、長々と「日経」を引用したか。マネジメントの「イロハのイ」も弁えぬ菅直人の「閣議」!<幼稚>な政権運営に「見て見ぬふり」ができないからだ。
リーダーが自分で示した「方針」を勝手に変更したら、「方針」に従った部下・海江田大臣がどんな<恥>をかくか、<気配り>不要と思っているのだろうか。幼稚だ。「民主党政権<失敗の本質>」――。「日経」(囲み記事「核心」・6月6日)で<論説委員長>も、見かねて<指摘>していた。火山も全く同感。以下<引用>する――。
「組織運営にも問題がある。なぜだろうか。幹部クラスに<組織運営>の経験のないメンバーが多い。市民運動家、弁護士、松下政経塾といった出身者は、組織とは別の世界で育ってきた人たちだ…。人前で解説・説明することには、たけていても、人を動かす人情の機微には疎い。不思議で仕方がないが、事前の根回しなどなしで、いきなり会議でものごとを決めようとする。どんな小さな組織でも事前に、うるさ型や利害関係者には耳打ち、時には肩をもんで、スムーズな着地を目指すものだ」――。そう。これが「イロハのイ」。
だが実に不思議。民主党<お偉い>さん、全然、わかっていない。鳩山由紀夫政権の時代から何度も失敗。同じドタバタを繰り返す。そして全然<懲り>ない。<学習>もしない。佐賀県から戻った海江田大臣に菅首相は『納得できない。佐賀県には行かない』と発言。海江田大臣のメンツは潰され、これが混乱の導火線となった。「親しい議員や部下たちも『首相は共産党や社民党に親近感を抱いているようだ』『政治家ではなく、市民運動家に戻った』といぶかるほどの『脱原発路線』への前のめり」(「日経」7月10日)――。
「リーダーシップ」――。企業戦士だった火山、必死に追求した。<電機>は高度成長を支えた最先端<輸出産業>!「メガ・コンピティション」(国際的大競争)に直面、厳しく「リーダーシップ」を問われた。<組織文化>の革新=リーダーシップ開発と格闘した。寝ても覚めても「組織活性化」「リーダーシップ」を必死に考え、実践した。
「リーダーの一番大事な資格――それは、リスクをとって判断し結果責任を負う、ことだ。総理にその覚悟がなかったのか、あるいは官僚が自分たちの責任を逃れるために、東電に判断を押し付けようとしたのか……」(古賀茂明「日本中枢の崩壊」講談社・30頁)。例の<ベント>事件――。初動ミスが放射能汚染を拡大、チェルノブイリに匹敵する<レベル7>の「引き金」となった。すべて「構想力・行動力・勇気」=「リーダー3原則」に無知・無能な菅直人の<資質>が原因。「方針」を明示できなかったことが原因――。
「方針とは<判断><行動>の基準」――。「方針」が明示されていれば<迅速><果断>な行動が生まれる。東日本大震災への対応もスピードアップ。モタモタ、ゴタゴタもない。<脱原発>を「方針」にするなら、広瀬隆「福島原発メルトダウン」(朝日新書)から学習しないとダメ。「<火力と水力>だけで過去10年の最大消費電力でさえも、賄える」――。メディアも「節電も原発も不要」と、なぜ<報道>しないのか。ワイドショーのコメンテータやゲスト…。誰も<組織>を知らない。現場で苦労していない。<ド素人>ばかり。
「『調べ直せ!』。7月4日、松永和夫経産次官と細野哲弘資源エネルギー庁長官を追い返した。首相と戦略室スタッフは六本木での会合後、電力不足を乗り切る切り札として自家発電に期待し、経産省に調査を指示した。その答えとして持ってきた数字が、期待とはほど遠かったからだ。首相は経産省を敵に見立てる手法をとる。中部電力浜岡原発への停止要請以降、首相が『体制擁護派の経産省と、改革派との戦いだ』『経産省はすさまじい組織だ』と語るのを聞いた関係者は多い」(「日経」7月10日。「迷走・原発再稼働」)――。
お酒の席で「『埋蔵電力』の話で盛り上がった」――。何とも情けない。これが一国の総理、官邸か。NHKBSプレミアムで「ケネディ家の人々」を見た。<天地雲泥>の差。小出文章「原発のウソ」(扶桑社新書)。広瀬隆「二酸化炭素温暖化説の崩壊」(集英社新書)を読んだら、一発でわかる。確かに「経産省はすさまじい組織だ」!だが菅直人も、メクラだ。「原子力マフィア」――。<政官業学報>の癒着は巨大・強力!だったら、もっと先手を取れ。「夜の六本木」では、情けない。もっと「ケネディ家」の大統領府運営に学べ!
(平成23年7月11日)
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