火山の独り言

時ならめ 風に挑みて 鯉のぼり

長谷川櫂の俳句入門

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日本列島は草木の緑に覆われている。緑の島々の上を太陽がめぐり、月がめぐり、夜と昼、季節が音楽のように流れていく。太古の昔、人々は大陸や南方の海を越えてやってきた。緑豊かな野山に抱かれ、季節と暮らしてきた。荒々しい自然が人間を拒む砂漠のような地球上の別の土地から見れば別天地。人々は四季折々に「季語」を賛歌に詩歌を作った。

「四季が巡る」「繰り返しの文化」――。長谷川櫂は「一億人の俳句入門」(講談社現代新書)第8章「循環する時間」(149頁)で、「歳時記と暦について知っておかなくてはいけないことをいくつか書いておきたい」(165頁)と指摘する。

私たちはカレンダーや時計を見て「<唯一の時間>に従って暮らしている」と思っている。明治6年(1873)、欧米の時間に合わせるために「太陽暦」(新暦)が採用された。だが「日本人は実際にはもっと複雑な時間体系の中で生活している」(165頁)と長谷川櫂。「日本人の暮らしを支配する『3つの時間』。『歳時記』と『季節感』に混乱が生まれた」――。これが火山の「長谷川櫂の俳句入門」シリーズ、前回のタイトル――。

「太陽暦」の採用前、私たちの暮らしに使われてきた「二つの時間」がある。「太古の暦」(太陰暦の一種)と「旧暦」(太陰太陽暦)――。「太古の暦」とは推古天皇12年(604)に「中国から太陰太陽暦が輸入されるまで使われていたと考えられる不文の暦…。太陰暦の一種だが、太陰太陽暦が新月を月の初めとする高度な暦であるのに対して、満月を月の初めとする原始的な暦だった」(167頁)――。

太陰太陽暦の時代は、1年の始まりのお正月と季節の始まりの立春は前後して巡ってきた。
七種(ななくさ)と若菜、雛祭と桃の花、端午の節句と菖蒲など月ごとの行事と季節も、だいたい一致していた。月のめぐりの輪と季節のめぐりの輪が重なりあっていた。ところが明治6年に太陽暦が採用されると「1年の始まりが旧暦よりひと月早まった。旧暦時代には春の初めと重なっていた正月は真冬になった」(長谷川・170頁)。

現代の日本に流れている「3つの時間」…。よくわかるのが「正月」。「私たちは1月1日に正月を祝う。ところが、1月15日を小正月としている。さらに2月の初めには旧正月がある。この3つの正月はいったい何か。1月1日はいうまでもなく太陽暦の正月、旧正月は太陽太陰暦の正月である。これに対して、小正月の暦は太古の暦の名残なのだ」(167頁)。

「暦と季節感」――。面白いテーマだが、恥ずかしい。火山、まったく知らなかった。ナント、「旧正月とは旧暦1月の<新月>の日」。げっ!そして「小正月とは旧正月の半月後の<満月>の日」というではないか。ナントモハヤ、火山にとっては神秘的。だがもっと驚いたのは「お盆」や「中秋の名月」。これらは皆「満月にちなむ行事」。どれも「太古の暦で<月の初め>を祝う<満月祭>」だった。つまり、月の運行、月の満ち欠けに合わせて暦を決めていた。だから必ず「満月」!ウーン、知らなかった。ビックリ仰天!

「お盆」は新暦になって「7月15日の<新盆>」と「8月15日の<旧盆>」に分かれた。どちらも「太陽暦の<15日>」…。月の満ち欠けとは無縁。だから「15日」とは言っても「満月」とは限らない!だが「旧暦時代、旧7月15日のお盆は必ず満月だった。これが盆の月という季語がある理由。このお盆はもともと太古の満月祭に中國から伝わった仏教の行事が重なってできた行事だ」(長谷川櫂・168頁)――。参った!無知とは、恐ろしい。

だが火山が、さらにビックリした<発見>がある。長谷川櫂は「太古の正月である小正月から半年後の満月の夜、1年の折り返し点にあたるこの夜に小正月とならぶ盛大なまつりがあったに違いない」(168頁)と書く。ウン、よく分かる。だが現代、この<祭り>は失われ、伝わっていない。だがここにも、ビックリがある。「(その失われた満月祭の夜の)半月前の新月が夏越(なごし)の祓(はらえ)、四半月前が七夕である。二つともこの(失われた)盛大な満月祭を前にした準備の日だったろう」(同・168頁)。げっ!

「この満月祭の1か月後の満月が中秋の名月。太古の昔、主食だった芋の収穫をこの夜、満月のもとで祝っていたのである」(同・168頁)――。おお、ビューティフル!凄い。

♪ぬけがらに ならびて死ぬる 秋のせみ(丈草)

「満月」から一転、「秋の蝉」――。これが自然の妙!だが「中秋の名月」が過ぎれば「蝉」も「空蝉」になる。そして旧暦の1月1日(旧正月)が新暦では2月初旬。1ヵ月ズレた。「旧暦」のカレンダーに合致させていた「歳時記」の季節感が「新暦」ではズレた。「初春」だったお正月が、1ヵ月繰り上がって「晩冬」になってしまった――。この結果、何が起こったか。これも火山、知らなかった。ウーン、恥ずかしい。

「雛祭、端午の節句、重陽の節句などの月の行事もみなひと月ずつ早まる。その結果、雛祭には桃の花は間に合わず、端午の節句には菖蒲が間に合わず、重陽の節句には菊が間に合わない。さらに重陽の節句は中秋の名月よりも早くめぐってくることになった」(172頁)。
げっ!ナントモマア!――そして、この事実を長谷川櫂は、なんと評するか。「新暦にとって代わられた太陽太陰暦も、はるか昔に役割を終えたはずの太古の暦も滅ぶことなく今も動いている。日本の文化の土壌には新旧すべてのものを生かす仕組みがある」(同・168頁)。
(平成23年11月3日)

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