火山の独り言

時ならめ 風に挑みて 鯉のぼり

長谷川櫂の俳句入門

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「四季が巡る」「繰り返しの文化」――。日本列島の緑の島々の上を、太陽がめぐり、月がめぐり、夜と昼、季節が音楽のように流れていく。太古の昔から、人々は緑豊かな野山に抱かれ、季節と暮らしてきた。そして四季折々に「季節」を映した言葉…「季節」を内包した言葉…「季語」をちりばめて<賛歌>を<詩歌>を…<俳句>を作ってきた。

「歳時記」はこの「季語」をちりばめた宇宙の見取り図である――。「歳時記を開くと、膨大な数の季語が春夏秋冬、四季ごとにまとめられて並んでいる。あまたの季語が星屑のように循環する時間の流れにちりばめられている。まるで銀河系宇宙やアンドロメダ星雲のような一つの宇宙さながらの眺めではないか。季語はこの循環する時間の流れを漂いながら、季節が来れば浮かびあがり、季節が去れば沈む」(長谷川櫂「一億人の俳句入門」講談社現代新書・162頁)――。

さて「長谷川櫂の俳句入門」シリーズ最後のテーマが「日本語の構造」。つまり「文語体と口語体」と「旧仮名遣いと新仮名遣い」――。「俳句はなぜ文語体、旧仮名遣いなのだろうか。なぜ、今さら昔の文語体や旧仮名遣いで書くのかという疑問を抱く人は多いだろう。まず文体の区別から」(176頁)と長谷川櫂。

江戸時代以前、日本語は「話し言葉」(口語)と「書き言葉」(文語)が異なっていた。だが明治になって、口語と文語を一致させようという「言文一致運動」が始まった。この流れの中から生まれた「新しい<書き言葉>が口語体」と長谷川櫂。これに対して「古い書き言葉が<文語体>」――。そうか、火山、知らなかった。口語体は「話し言葉」とばかり思っていたが、両方とも「書き言葉」だったのか。

「言文一致運動」は「文語を口語に近づけようとしたのであって、その逆、口語を文語に近づけようとしたのではなかった。これは大事なこと」(176頁)と長谷川櫂。なぜか。文語は「話し言葉」の暴走を抑制、話し言葉は「文語」に養分を提供する関係にあった。「話し言葉」と「書き言葉」(文語)はお互いに<牽制><刺激>しあいながら両立していた。

「大人たちは子どもたちに、素読(そどく)や暗唱という方法によって『書くように話す』ことを教えた。素読とは漢文などを意味のわからないまま朗読することである」(177頁)。
ところが「言文一致運動」は逆に「話すように書く」ことを目指していた――。
だがこの結果、何が起こったか。長谷川櫂は嘆く。「話し言葉」が「口語体」の手本となってしまった。「話し言葉」が「書き言葉」の優位に立ち「口語体」(書き言葉)が「話し言葉」を正すという本来の役割=機能が失われた。話し言葉の暴走を抑えられなくなった。

「現代の若者の言葉の乱れの決定的な原因は、この明治の言文一致運動にあることになるだろう。明治時代に新しい書き言葉として口語体が誕生したとき、将来の話し言葉の乱れが当然、予想されなければならなかった」(177頁)――。火山、笑いたくなる。俳人・長谷川櫂。1954年生まれ、というから57歳。火山より17歳も若い。だが「日本語」の乱れを嘆き、怒っている。「言文一致運動」を、呪っているのだろうか。

「言文一致により、思想・感情を自由・的確に表現するための文体革新運動。明治初期に起こり、二葉亭四迷・山田美妙・尾崎紅葉らが各自の作品に試みてからしだいに普及し、現在の口語文に至る」――。インターネットで検索したら「デジタル辞書」と題するサイトが情報発信していた。「二葉亭四迷」…。中学生の火山、「浮雲」「其面影」「平凡」などを愛読した。火山は呪ったりは、しないのだが…。

<旧仮名と新仮名>――。「新仮名遣い(現代仮名遣い)は、戦後、日本語をローマ字表記にしようとしたアメリカの圧力によって生まれた新しい仮名遣いである。ただ、日本語のローマ字化を防いだということでいえば、アメリカの圧力に抗して、とみることもできる。昭和21年(1946年)11月、日本国憲法公布の半月後に吉田内閣によって告示された」(178頁)――。「日本語のローマ字化」!火山も鮮明に記憶している。そんなウワサが流れ、火山たちは、ローマ字学習を強要された時期があった。ほんの「いっとき」だったが…。

「新仮名遣いは一言でいえば、発音記号である。それは仮名には違いないが、本来、仮名のもっていた意味を捨てて、発音を忠実になぞるように考案されている」(178頁)。これも笑える。いや、面白い。確かにそうだ。「『蝶々』は本来、仮名で書けば『てふてふ』。これは蝶の羽ばたきによる空気の震えを写していた」(178頁)――。ナルホド!やっぱりそうだったのか。これも初耳、面白い。――「新仮名遣いでは『ちょうちょう』と書く。これは蝶の羽や空気の動きではなく、発音を示しているだけである」(同)。

「稲妻は『いなづま』となるはずだが、新仮名遣いでは『いなずま』と書かせる。稲妻は稲の妻であり、『づま』が『つま』の濁ったものであるということは、新仮名遣いではどうでもよい。『づ』も『ず』も『ず』と標記する」(同)――。笑えるのは長谷川櫂の「こだわり」「しつこさ」…。上記の文章を読むと、一発でわかる。『いなづま』『づま』『づ』と3回も繰り返す。こうした「表記」問題、実は火山も、こだわっている。

「新仮名遣いに対して、旧来の仮名遣いは旧仮名遣い(歴史的仮名遣い)と呼ばれる」(同)と長谷川櫂は結ぶ。彼氏、次に「新旧の共存」と「小見出し」をつけ、さらにこの問題を続ける。火山の意見、感想を含め、次回に譲りたい。
(平成23年11月8日)

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