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「民主党の小沢一郎元代表は26日の無罪判決を機に『復権』への動きを加速させることになる。同党の輿石東幹事長は強制起訴を理由とする元代表の党員資格停止処分を解除すると明言しており、元代表の発言力が増すのは確実。元代表は野田佳彦首相が政治生命を賭ける消費増税法案の今国会での採決を阻止し、9月の党代表選へ向け倒閣姿勢を強める構えで、首相の政権運営は厳しさを増す」と「毎日」(4月26日)は報道。さあ、どうなる。
東京地裁は「虚偽記入について『元秘書の故意が認められる』と認定。『4億円を借入金として公表することで、マスメディアの取材や報道で(元代表が)政治的に不利益を被る可能性を避ける』と動機を指摘した。元代表の関与については『報告と了承はあった』とする一方で、元代表と元秘書との共謀は認めず、無罪判決を導いた」と「日経」(4月26日)。
秘書らへの判決は「小沢事務所が公共工事の談合で『天の声』を発し、多額の献金や裏金を受けたと認定している。小沢氏は約束した国会の政治倫理審査会に出席、被告としてではなく、政治家として国民への説明責任を果たすべきだ」と「朝日」(4月27日)社説。
2007年2月、小沢氏は所有する13の土地、建物について記者会見。その中に、今回の争点となった世田谷の4億円の土地も入っていた。だが小沢氏は「土地の名義は小沢一郎になっているが、実際は政治団体、陸山会の所有物である」と「確認書」を示し、釈明した。
だが登記した日に「確認書」を作成すべきなのに6件は同じ日に書かれたと<後>に判明。今回の裁判では「いつの間にか『4億円の土地は自己資金で買った。だから問題ない』という話にすり替わっている」と政治評論家・屋山太郎の「正論」(4月27日)は指摘――。
「自己資金なら<確認書公表>という大芝居を、なぜ打つ必要があったのか。あれから5年、小沢氏は一度も説明していない」と「正論」の指摘はますます手厳しい。
「無罪判決が出たからといって、元代表の政治的・道義的な責任がなくなるわけではない。国政をつかさどる国会議員には一般人に増して高い倫理観が求められる。政治資金は選挙活動などに使うことを前提に、普通の所得とは区分され、非課税になっている。政治資金規正法が不動産取引を禁じていないのは、利殖などの事態を想定していなかったからだ。
元代表は土地の購入目的について『秘書が住む寮を建てるため』と語ったが、他にもマンションなどを購入。個人的蓄財の思惑があったのではという疑念も払拭されていない。
政治資金収支報告書への虚偽記載に関しては、元秘書がすでに一審で有罪判決を受けた。元代表には監督者としての責任もある」――。「日経」社説(4月27日)は手厳しい。
「政治資金規正法の抜け穴を防ぐ必要性が明らかになった。民主党のマニフェストに盛った<企業・団体献金廃止>も棚ざらしのまま。<強制起訴>で厳しい視線が司法にも注がれた。これも根の深い政治問題。国会でキチンと論議してほしい。
検察審査会が求めたのは、検察官の不起訴処分で終わらせずに、法廷で黒白をつけること。裁判は、検察の深刻な問題もあぶり出した。捜査段階の供述調書の多くが不当な取り調べ。検事は実際なかったやり取りを捜査報告書に作った。法務・検察は事実関係と原因、背景の解明を急ぎ、国民に謝罪しなければならない」と「朝日」社説(4月27日)は続く。
「小沢元代表、無罪」――。この報道は日本中を揺るがし、海外からも反響があった。だが火山の関心は、ただ一点にある。「消費増税」阻止!財務省<傀儡>に成り下がった野田内閣<打倒>だ。クルクル変わる政権!<短命>総理の連続は<国益>を損なう。国辱だ。
鳩山、菅、野田…。ロクでもない男を総理に選ぶ。民主党というのは政党とは言えない。「永田町政治の興亡」(新潮社)を書いた<超>知日派の米コロンビア大<政治学者>ジェラルド・カーティス教授が最近の「時事放談」(TBSテレビ)で語った。火山も全く同感…。
「日本はいまだ近代国家に非ず」(ビジネス社)の著者は「政治学、理論経済学、数学、社会心理学…あらゆる学問に通暁した本物の知の巨人」小室直樹。火山、最近の<大発見>!
「京都大学理学部数学科出身。大阪大学経済研究科修了。東京大学法学博士。フルブライト交換留学生で米国に留学。計量経済学をサムエルソン(1970年ノーベル賞)とソロー(1972年ノーベル賞)、理論経済学をクープマン(1975年ノーベル賞)に学んだという履歴の持主」――。「信長」(近代日本の曙と資本主義の精神。ビジネス社)が特に面白い…。
小室直樹がズバリ<喝破!>する。曰く…「田中角栄こそが、唯一人のデモクラシー政治家であった。立憲政治、進んでデモクラシーの眼目は、議会を有効に機能せしむることにある。角栄は、これを見事に実行した。そして角栄亡き今、一人としてこの道を辿る者なし。では今、国権を行う者は誰か、役人である」(「日本はいまだ近代国家に非ず」・1頁)。
「役人が法律を作り、解釈し、施行する。日本の国家権力は立法、司法、国政の三権の悉(ことごと)くを、役人に簒奪されてしまった。デモクラシー死して<役人>クラシーとなったのである。彼らの視野にあるのは、法律と前例と、自らの権限と昇進のみ。自由な意志、自由な言論とは無縁の衆生である」(同・1頁)――。
「第三章 果たして金権政治は“悪”か〜デモクラシーは膨大なコストで購うもの」――。「未発達な<日本資本主義の精神>」「日本の賄賂は忠義宣言」「賄賂は特殊な人間関係確立のための触媒」「有能な金権政治家の条件」…。小室直樹は「政治とカネ」は<デモクラシー>のコスト。理解できない国民もメディアも<未発達>という。凄い!――続く――
(平成24年4月27日)
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