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「消費増税関連法案を巡り、野田佳彦首相と民主党の小沢一郎元代表の駆け引きが熱を帯びている。首相が米国で『党員なら(賛成は)当然だ』と発言した内容が伝わった1日、元代表を支持するグループ議員は一斉に反発。党執行部には元代表の党員資格停止処分の解除で関係改善を期待する声もあるが、元代表が消費増税で譲歩するのは難しい。首相も妥協の余地は乏しく、成立に向けた打開策を見いだせていない」(「日経」・5月2日)。
「小沢無罪」――。4月26日(木)の一審判決。野田首相は「やるべきことはやる」と強気を崩さないが、小沢グループの反発は強まる一方に見える。<政局>は一気に風雲急を告げる状況となった。だが火山、「消費増税」「原発再稼働」のどちらにも<反対>――。
「税と社会保障の<一体>改革」というスローガンが魔術のように<空気>を作り、<消費増税>が既定路線になったかのような流れがメディアを支配している。だが大学で「理論経済学」を学び、現役の企業戦士時代もマクロ経済や財政、政治関連の専門書を読み漁ってきた火山、野口悠紀雄「消費増税では財政再建はできない」(ダイヤモンド社)、高橋洋一「財務省が隠す650兆円の国民資産」(講談社)、三橋貴明「増税のウソ」(青春出版社)などを読めば読むほど、<消費増税>には絶対に賛成できない。
「『消費増税は財務省がやりたいだけ。官主導の野田内閣にウンザリ』と米カーティス教授」とは火山が最近、書いた記事。「日本経済新聞社の世論調査では、消費増税自体や最低限の原発の必要性は認めながら、民主党政権の取り組みに批判や不満が強い現状が浮かび上がる。発足以来初めて野田佳彦内閣の支持率が3割を切り、危険水域に入りつつある」と日経」(4月23日)は指摘する。ドジョウ総理は「やらなければならないことはきちんとやる」と見栄を切るが、どう見ても<官主導>!主体性欠如が国民にも見えてきたのでは…。
「本格的な政権交代が生じた。もちろん過去にも政権交代はあった。だがそれは政策転換をともなっていなかった。<本格的>と書いたのは、自民党から民主党連立政権への転換は、政策の極めて<大きな>変化を予想させ、それが期待と批判をひきおこしているからである」(伊東光晴「政権交代の政治経済学〜期待と現実〜」岩波書店・3頁)――。
「鳩山内閣、政策に期待。支持率75%」(「日経」2009年9月18日。一面の見出し)――。「鳩山由紀夫内閣は歴代2位の高い支持率で発足した。内閣支持理由では『政策がよい』『民主党中心の内閣だから』が上位で、清新さへの期待の高さが伺える。最近の自民党の内閣の発足時に、支持理由で最も多いのは『人柄が信頼できる』(小泉、安倍、福田各内閣)や『指導力がある』(麻生内閣)だった。『政策がよい』が最も多いことはほとんどなかった。それだけ『脱官僚主導』などを掲げた民主党の政策が評価されているといえる」と本文。
これが2年半前の「日経」――。だが、鳩山・菅・野田の<裏切り>は、あまりに酷い…。
前原誠司国交大臣(当時)は就任早々「八ツ場ダムの建設中止」を打ち出した。国民は颯爽たる勇姿に拍手喝采。火山も驚いた。だが前原は1996年4月末、「公共事業チェック機構を実現する議員の会」メンバーとしてアメリカを視察している。アメリカは1994年5月、ブルガリアで開かれた国際会議でダニエル・ビアード(開墾局総裁)が「アメリカにおけるダムの開発の時代は終わった」と歴史的な演説を行った。
「前原国交大臣の態度は一朝一夕にして考えついたものではない。民主党結成以前からの実証の上での確信であり、敵対していた旧建設省の官僚が知らないはずはない。この政策転換はアメリカと違って大きな政治システムの変化を必要とし、それへの抵抗は強い」(伊東光晴「政権交代の政治経済学」・18頁)――。だが<八ツ場ダム>はその後どうなったか。あの熱気は去り、前原も沈黙した。これも<裏切り>…。<官主導>の復活は、歴然!
「『何人たりとも党員であるなら(党の)方針に従ってほしい。いかなる人にもご理解いただきながら一緒に行動してもらいたい』。首相は30日夜、ワシントンで強調した。元代表に近い議員は首相発言に『消費増税には賛成できない』と反発した。(「日経」・5月2日)。
伊東光晴「政権交代の政治経済学〜期待と現実〜」(岩波書店)を読んだのは2010年9月。
「第三論文『心に確たる対抗軸を』は参議院選挙直前に(雑誌「世界」に)掲載され、菅内閣の敗北を予測」したことで話題となった。伊東は京大名誉教授だが、日本を代表する理論経済学、経済政策の大家。参院選敗北は「自民党との<対抗軸>喪失」と指摘する。
「政権交代は日本の政治の上で少なくとも二つの、目に見えるプラスをつくりだしている。第一は、長期政権と利益集団との癒着関係のもたらす社会のゆがみの是正、第二は、野党時代に貯えた人材と知識の顕在化…。ダム建設政策の転換は、十年以上も前から、当時のさきがけ、社民党によって研究・討議されたものであり、その人たちが民主党の結成に参加した。それは、日本の財政構造のゆがみ是正と自民党を地方で支える草の根=利益集団への批判でもあった。その解体に切り込むのは、敵対政党としては当然」(伊東光晴・4頁)。
だが「対抗軸を失わせたのは、菅首相による消費税引上げ論。(参院)選挙中に参加したサミットでのEUの財政危機とそれへの協調的対策で、各国が財政赤字の縮小を約束したのが頭の中にあり、自民党が10%に引上げると公約を掲げたのを好機に財政欠陥で論議する共通の場を作ろうと消費税10%を明言した」(伊東・183頁)。だがこれが<稚拙>!「財務省の<傀儡>となる好餌」!民主党の迷走、そしてドジョウ総理の誕生!――続く――
(平成24年5月3日)
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民主党に政治は任されないですね。
2012/5/3(木) 午後 0:54
<ノンちゃん>様、お気持ちはわかりますが、火山は複雑な思いです。伊東光晴!お気付きと思いますが、政権交代に大きく期待したから、「政権交代の政治経済学〜期待と現実〜」(岩波書店)を出版した。
「心に確たる対抗軸を」(第三論文)も、民主党への助言のつもり。実は火山も同じ思い。
八幡和郎「松下政経塾が日本をダメにした」(幻冬舎)は説く。「演説は上手だが実行力はゼロ」!ドジョウ総理はその典型。なんの見識もない。鳩山宇宙人、菅自己チュウとともに日本の災難です。
火山は実は小沢に期待している。政権交代のために例のマニュアルを作った。それを安易に捨てるな!というのが小沢論法。火山も実は一緒。霞が関に対抗できそうな腕力。目下、彼氏しかいない。それがこのシリーズの狙いなのです。
2012/5/3(木) 午後 1:10 [ kom*_19*7 ]