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「『明瞭な活断層だ』。10日の評価会合で敦賀原発の問題点に警鐘を鳴らし続けてきた鈴木康弘名古屋大教授が2号機直下を走る破砕帯(断層)でこう主張すると、異論は出ず、5人の専門家の見解が一致した。日本原電側は追加調査の必要性を訴えたが、5人は聞く耳を持たなかった。会合は10、11日の2日間を予定していたが、1日目で終了。事務局の原子力規制では日本原電に追加調査を求める案が有力だっただけに、初日の議論打ち切りに『寝耳に水』と驚きが広がった」(「日経」・12月11日)。火山も驚いたが、安堵もした。
「原子力規制委員会の評価会合が10日、以前から活断層リスクがとても高いと指摘されてきた日本原子力発電敦賀原子力発電所(福井県)に事実上の『クロ』判定を突き付けた。廃炉をどうするかなどの重い課題は衆院選後の新政権にのしかかる」と記事は続く。「原発の断層調査で規制委がほぼ活断層と判定するのは敦賀が初めて」とは画期的だ。規制委で断層問題を任されたのは日本地震学会会長を務めた島崎邦彦委員長代理。
「『本当にこんな会計処理をしなければいけないのか…』。10月下旬、大阪・門真市のパナソニック本社ビル。最高財務責任者(CFO)常務の河井英明(58)は何度も自問した。だが迷っている時間はない。A4用紙にして5枚の経理報告書を携え、2階にある『報告会議室』に向かった。待ち受ける社長の津賀一宏(56)に祈るような気持ちで報告書を差し出した。津賀の顔がみるみる赤みを帯びるのがはっきりわかった。『なんやこれ…。去年と同じやないか』」…。そこには、2013年3月期連結決算の最終赤字が7千数百億円とあった。
「パナソニックは前期、製造業で過去最大規模の7721億円の最終赤字を計上したばかり。あの時、社員の誰もがウミを出し切ったと思っていた。いつもは即断即決の津賀も、この時ばかりは言葉を失った。最終赤字は2年で1兆5千億円にのぼる」(「日経」)――。
「日本原電は独自に追加調査をして、年明けにも規制委に再判断を仰ぐ。敦賀原発への厳しい評価が覆る可能性は低い。廃炉となれば資産価値がほとんどなくなり、日本原電は巨額の損失計上を迫られる見通しだ」と「日経」(12月11日)――。<巨額>の損失計上…。「本当にこんな会計処理を…」とパナソニックも悩んだ。だが日本原電に悩みはあるのか。
29歳、新婚早々だった火山、経営に行き詰まった当時のわが社からリストラされた。人事部のエリート社員だったはずが、「生協」という名の「会社売店」に<左遷>の内示――。
「<経理>をやってほしい」と人事部長から依頼(?)された。火山、仰天。「大学の専攻は理論経済学。簿記のボの字も知りません。商業高校出身は大勢います。他に適材が…」。だが人事部長は「お前な、そんなこと言っていると、働く場所がなくなるぞ」――。げっ!
「会社を見返してやる」!<公認会計士>になろう。新婚早々の愛妻を泣かせたくない。彼女は職場でも評判。“オードリー・ヘップバーン”のソックリさんだった。女子寮の管理人は元小学校校長。彼女に忠告したらしい。「悪いことは言わない。火山さんだけは、やめときなさい。“あっちゃん”ならいくらでも相手はいる。あの人は<見込み>がない」――。
彼氏、毎朝、火山に寮の報告をしていた。「二日酔い」で髪はボサボサ、ズボンはヨレヨレ…。だがヘップバーンがデートで会う火山、颯爽たる“慶應ボーイ”会話も知的で面白い。
だが管理人の予言が当たった。人事部から追放。奮起して簿記・会計を猛勉…。3ヵ月で「生協」に「<伝票>会計」方式を考案して導入。経理は女子社員に全権委任。売り場に立った。“女ボス”がホザイタ。「火山さんは学校の先生になっていたら成功したかも…。ここは私たちに任せて事務所で帳簿でも…」「黙れ!今日から売り場はオレが仕切る」――。
「主人からも、あんなに怒鳴られたことはありません」…。“女ボス”が後日、打ち明けた。だが「売り場」はあっという間に<変身>!デパート式「対面販売」から「流通革命」最先端のスーパーになった。<売上げ>も倍増!マーチャンダイザーとしても成功した。地域ナンバーワン生協(仕入担当)と生協本部(公認会計士候補)から<スカウト>が来た。
人事部に“凱旋”した火山、“研修課長”になった。「貸借対照表」「損益計算書」も読める。パナソニックや日本原電の<財務>も分かる。「(敦賀の)再稼働は認められそうもない。今は電力各社との契約で日本原電に『基本料金』が入るが、再稼働できなければいずれ資金繰りが行き詰まる。経産省の試算では全3基の原発を今期中に廃炉にすれば、日本原電の損失は約2500億円に膨らみ、1600億円程度の純資産を上回る」(「日経」・12月11日)。
火山、いつも不満。「日経」に限らずメディアは<原発>となるとキチンと報道しない。「1600億円程度の<純資産>を上回る」とは債務超過!<破産>だ。「日本原電が追加調査で時間稼ぎに動くと見られるのは、国の支援体制が整っていないから。経産省は内々に再建策を練る。他の電力会社との統合や廃炉の損失を国が一時的に肩代わりする案とみられる」…。「日経」の記事、実は重大。「再建策」「統合」「損失の肩代わり」…。<破綻>処理なのだ。「廃炉」の「特別損失」を電力各社は負担できるのか。東電には<損害賠償>もある。
「<脱>原発」とか「<卒>原発」というが、実は「日本原電」同様<時間稼ぎ>に電力各社も政府も必死。実態を隠蔽、破綻を<先送り>している。「原発は決して安くない」…。「日本原電の再建策…統合…廃炉…。具体化していない。支援に必要な法改正などは衆院選後の政権が固まるまで動きにくい」と「日経」は気楽に書く。だが日本未来の党は「東電を<破綻>処理する」と<公約>に書く。なぜか?メディアはキチンと報道してほしい。
(平成24年12月11日)
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