|
世界経済の先導役となっているのがアジア太平洋地域。しっかりとした自由貿易圏を築き、活力を取り込んでいくことは、日本経済の立て直しには不可欠。「環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加問題で、交渉を主導する米国との事前協議が終わり、米政府は日本の参加を支援すると表明した。日本政府は、豪州などからの同意取り付けを急ぐ。それを待って米政府は国内手続きを進める。日本が加わればTPPの交渉参加国は12カ国となり、国内総生産(GDP)の合計は世界の約4割を占める」(「朝日」社説・4月13日)――。
「安倍晋三首相は『国家百年の計だ』と意気込みを語った」(「日経」・4月13日)という。安倍首相は12日の関係閣僚会議で「国益を実現する本当の勝負はこれからだ。一日も早く交渉に参加、交渉を主導していきたい」との決意を明らかにした――。「政府は、したたかな戦略で交渉に当たってもらいたい。何より大事なのは、自由貿易の拡大でアジアなどの活力を取り込み、日本の成長に弾みを付けることだ。交渉と並行して、一段の市場開放による国際競争に備え、農業強化策を急ぐ必要がある」(「読売」社説・4月13日)――。
交渉の入り口に立つまで、日本の政治は遠い回り道をしてきた。もはや、ムダにできる時間は残されていない。安倍首相の強いリーダーシップに期待したい。「国内市場に<聖域>を設け、競争力が弱い産業を<保護>することが最優先の国益ではない。海外を舞台に強い産業を伸ばし、成長産業を生み出す仕組みを築くことが最重要の国益」(「読売」社説)。
「米国とは既に、米国が日本車にかける関税の撤廃を『最大限<後ろ倒し>する』ことなどで合意した。日本が<コメ>など<高関税>で守っている農産品への配慮を求めたことの裏返しだが、『聖域』にこだわるあまり、早くも米国ペースになっている」(「朝日」社説)。<クルマ>が<コメ>の犠牲となった。フザケルナ!火山、怒り心頭だ。
「メディアは日銀や財務省のポチか」(長谷川幸洋「運命の参院選へ霞ヶ関との死闘」・「VOICE」3月号・126頁)――。「(安倍政権は)何を目指しているのか。『憲法を改正して国防軍をつくり、やがて徴兵制を導入するのではないか』『<経産省政権>だから、もう改革を諦めたに違いない』『バブルの再来を狙っているだけだ』など様々な見方がメディアに流れた。有識者とおぼしき人びとでさえも、そんな推測に毒されている」と冒頭にある。
長谷川幸洋は「東京新聞・中日新聞論説副主幹」――。だが火山のゼミの後輩でもある。
長谷川幸洋は第一次安倍政権で「政府税調」、今回の第二次でも「規制改革」で安倍総理に接し、個人的にも電話やメール、会食等で総理と率直な意見交換、総理の人柄や政権の内情に精通。その長谷川幸洋は「安倍政権が当面注力するのは、一つはデフレ脱却・景気回復。もう一つが日米関係の再構築。この二つが内政と外交の最重要課題」(126頁)と見る。
「デフレ脱却のために、安倍は三本の矢からなる『アベノミクス』を用意した。2%の物価安定目標と徹底的な金融緩和、拡張的財政政策、それと『成長戦略』である。2%の物価目標付きの金融緩和+拡張的財政政策(ポリシーミックス)は必ず効く。経済学のイロハのイだ」――。「経済学のイロハのイ」!同じゼミに学んだ火山、呵呵大笑。全く同感。
「日本では『金融緩和も財政出動も効かない。経済の生産性を高めないとダメ』といったような話が大手を振って流れている。記者たちも一見もっともらしい話に毒されている。もっといえば日銀と財務省に毒されている。私は第一次安倍政権で政府税調はじめ審議会をいくつも経験して、経済学者やエコノミストの実態を見てきた。彼らの多くは日銀や財務省とケンカできない。学者は研究材料と機会を提供してもらっている。エコノミストは出身母体の金融機関が国債売買などで財務省や日銀のお世話になっている」(126頁)――。
「TPPへの対応は貿易自由化と日米関係の強化という二つの文脈がある。私はどちらの文脈で考えても、TPP交渉に参加すべきと思う。貿易自由化でいえば、日本は米国を中心としたTPP,そして東南アジア諸国連合(ASEAN)+日中韓印豪NZによる東アジア地域包括経済連携(RCEP)という2枚のカードを手にしていた方が交渉力は強い。
「農業の衰退に歯止めがかからない。60年から2005年までの50年の推移を見ると、GDPに占める農業生産は9%から1%へ、農業人口は1196万人から252万人へ、総就業人口に占める農業人口の割合は27%から4%へ、農家戸数は606万戸から285万戸へと、いずれも減少している」(山下一仁「農協の大罪」宝島社新書・22頁)――。山下は2008年まで「前農水省農村振興局次長」…。「昔陸軍、今農協」と山下一仁は「農協の陰謀」(宝島社新書)。GDP<1%>の農業いや農協に巨大な<政治力><利権>があって解決できない。
「参院選挙制度は農村部の小県が定数1の小選挙区で、中規模以上の都道府県が定数2以上の中選挙区であることにより、農村部を基盤とした政党が圧倒的に有利となる仕組み。勝者総取りの1人区は他党との差を稼ぎやすく、比例的な中選挙区では他党に差を広げられにくい結果、55年体制下の参院で自民党は圧倒的支配力を保つことができた。現在の政党配置状況は農村を基盤とする自民党と、都市部に立脚する群小政党という、55年体制同様の構図」(菅原琢「55年体制の再来を避けるには」=PHP「Voice」3月号・35頁)。
「TPP」というが、実は農村部を基盤とした<政治力><利権>との戦い。「昔陸軍、今農協」と山下は指摘するが、「この国民にして、この政府あり」(福沢諭吉「学問のすすめ」――。あの太平洋戦争の悲劇を二度と繰り返してはならない。「農協の陰謀」を潰そう!
(平成25年4月16日)
|
「ノンちゃん」様。次は火山が近く行う「講演」原稿の一部。
安倍晋三政権の復活――。実は秘かに予想していた。キッカケは安倍晋三の地元での講演。<美女>政治評論家・桜井よしこと一緒に来た。安倍の話を聞いて、カブリツキで眺めて確信した。きっともう一度<総理>になる。
民主党の破綻を見て、確信を深めた。急に「岸信介」の伝記を読みたくなった。福田和也「悪と徳と岸信介と未完の日本」(産経新聞社)。工藤美代子「絢爛たる悪運、岸信介伝」(幻冬舎)。「60年安保」に反対した自分が恥ずかしくなった。安倍晋三政権が誕生するとすぐ、小川榮太郎「約束の日〜安倍晋三試論」(幻冬舎)を読み、正直、感銘を受けた。「明確な理念と果断な実行力で日本を改造しようとした政治家の、ドラマチックな挫折と葛藤――。
もっとも勇敢に官僚の壁と戦い、戦後の利権構造を打破しようとした安倍晋三が、なぜ一年で政権を投げ出さざるを得なかったか?安倍の再起を願う筆者の痛憤渾身のドキュメントである」――。政治評論家・三宅久之。
2013/4/16(火) 午後 3:23 [ kom*_19*7 ]