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「貿易および輸出で日本の競争相手である韓国がどのような金融政策をとっているのか。注目すべきは韓国ウォンと日本円の為替レート」(岩田規久男「リフレは正しい」PHP・58頁)。調べてビックリ――。「マネタリーベース(現金通貨と準備預金)はリーマン・ショック以降、増え続け、2012年8月、リーマン・ショック直前よりも60%増。一方、日本は東日本大震災まで10%前後。2012年半ば以降やっと40%程度。このスピード差が円高ウォン安の原因。2012年10月には、リーマン・ショック直前よりも46%も円高」――。
もっとビックリが「韓国は金融政策としてインフレ目標値は3%±1%」という話。しかもリーマン・ショック以降ほとんど毎月、マネタリーベースを見事にコントロール、インフレを目標値の範囲に収めてきた。韓国のマネタリーベースが急増したのは「中期的目標を達成するため」と聞くに至っては「白川日銀」への<怒り>が爆発しました。マネタリーベースは金融政策の<緩和度>を見る重要な<変数>――。
リーマン・ショックは2008年9月15日。その前月の8月を<100>と基準化、2012年10月と比較して、各国・地域の中央銀行がどのくらいマネタリーベースを増やしたか。最も増えたイギリスで<4倍>。アメリカは<3倍>。ユーロ圏は<1.9倍>(約2倍)。ところが日銀は、東日本大震災前までほとんど増やさなかった。
大震災以後、ようやく増やし始め、2012年10月、やっと<1.5倍>――。日本以外の主要国とユーロ圏はマネタリーベースを思い切って増やし、デフレを回避した。円だけ米ドルやユーロ、ウォン等に対して極めて<希少>となり、<超円高>となってしまった!
「日本が世界貿易で勝てない理由はハッキリしている」(岩田・62頁)――。「(超円高の結果)日本は製品をドルで売る場合、日本は46%高く買ってもらわないと以前と同じ円の手取りが得られない。ユーロで売る場合も37%高く買ってもらわないとダメ。これでは日本が世界貿易で韓国に勝てるはずがない。映像音響機器のシャープ、パナソニック、ソニーが軒並み大赤字になった。家電業界の崩壊――。
その理由として日本の経営戦略が悪いとか、サムスンは経営戦略がよいという人もいる。それも一因かも知れないが、最大の原因は<超円高・超ウォン安>…。これでは競争にならない」と岩田規久男。全く同感。
「その象徴が昨年破綻した半導体企業エルピーダメモリ」と藤原正彦。「日銀の無策によって、円はドルに対して30%も高く、韓国ウォンに30%も安くなった。エルピーダメモリはライバルのサムスンやLGなどの韓国企業に対して、為替上、計60%も高いハンディを背負わされた。その意味で、エルピーダは日銀によって潰されたといっても過言ではない。日銀が他国のように適切な金融緩和策を採っていれば、パナソニック、ソニー、シャープなどの電機メーカーも危機に瀕することはなかったはず」と浜田宏一。
私が定年まで勤めた電機メーカー――。私が入社した昭和35年(1960)当時は「三種の神器」と言われたテレビ、冷蔵庫、洗濯機をつくる総合家電メーカー。トランジスタラジオ、テープレコーダをアメリカに輸出、ソニーより業界の地位は上でした。「東の(当社)、西の早川」と呼ばれ、シャープとも張り合っていた。この年採用した新入社員は1800名。凄い鼻息でした。創業者社長が死んでから<迷走><沈没>した。でも同じ家電業界。為替の荒波は何回も乗り越えました。<超>円高の痛みは充分承知。
私に言わせれば最近、ちょっと「円安」になり、ガソリンや食品が高くなったと不安をあおるメディアには正直。腹が立ちます。「失われた20年」、「超円高」で<甘い汁>をずっと吸い続けてきた。リーマン・ショック前の円に近付いてきただけ。まだ120円に戻ったわけではない。自動車や電機が負担してきた「痛み」や「改革」を何と心得るのか。あまりに浅薄皮相の<論評>――。負担すべきコストはキチンと負担すべき。
今、私たちに求められているのは<パラダイム・シフト>。「日本の常識は、世界の非常識」ともいわれる。最近ようやく陽の目を見たり、復権した<アベノミクス>学派。新しい「論理」を正しく<理解>すべき。その意味でも「物価だけが上がり、給与や雇用は増えない」とか「ハイパーインフレ」が来る、という<脅し>にもウンザリ。
現に韓国も、アメリカも起こっていない。日本だけハイパーインフレ。そんなバカなことが起きるはずがない。日本国債が破綻するとか、暴落するというのも、あり得ない。「経済学は<実学>」。胸を張りませんか。本日は<神学論争>する気になれません。時間のムダ。
「失われた20年」――。私は<怒り>狂っていた。我が家に<何>が起こっていたか。退職金が元手の<株>資産が<大暴落>!巨大な<赤字>を抱えていた。でも昨年12月、アベノミクスが登場した途端、一気に<株>が<倍増>!450万円以上増えました。ホント!まだ赤字ですが、日経平均が1万4500円を超えたら<赤字>は消える――。
経済評論家<森永卓郎>は「週刊現代」(1月19日号)の特集「プロ50人はこうみている『安倍バブル』」で「日経平均は<今年中>に2万円を超える」と予想。<2万円>を超えたら、家内に訴えている。「持ち株半分売って<世界一周クルーズ>に行こう」。半分でも残高は<元値>。だから老後は安泰。世界一周クルーズは「金婚式」特別プレゼント。
(平成25年5月7日)
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