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「食材の偽装が問題になったが、その度『名器のニセ物』のことを思い出す。人はブランドを買いたいのか、中身を欲するのか。昔、ニセ名器の売買を巡って『売った方が悪いのか』の論争があった。楽器の場合、食材と違い試し弾きができる。自己の判断、決断を経て自己責任の上買う。名器には由緒ある老舗の鑑定書があり大丈夫と言われるが、それだって偽造可能ではないか。弾ける人なら鑑定書に頼らず、自分の耳で確かめればよいが、弾けない人は鑑定書等第三者を信じ、ブランドとしての価値を買ってしまうだろう」――。
これは「日経」コラム<あすへの話題>(12月6日)の書き出し部分。タイトルは「ブランド」。筆者は美女バイオリニストの<呼び声>が高い<千住真理子>――。大ファンの火山、毎週金曜日の彼女のコラムを楽しみに読んでいる。この美女、意外と<男っぽい>!「走る」「待てない」「考えない」――など<妙>に気になる<タイトル>が多い。
「11年前私はストラディバリウスを買った。ご承知の通り大変高額な楽器、実際に試奏するまで『そんな高価な買い物はしたくない』とその気はなかった。目前に現れこの腕で奏でた瞬間、生涯でただ一度の恋に落ちた。『音』に惚れ、『もう何も要らない』と天を仰いだ」と美女…。実は火山、この名機を彼女が手に入れた最初のリサイタルで演奏を聴いた。
「千住真理子(せんじゅ・まりこ、1962年4月3日…)は日本のバイオリニスト。ジャパン・アーツ所属。レコードレーベルは、EMIミュージック・ジャパン。慶應義塾大学文学部哲学科卒。A型」とインターネット情報。1962年生まれ!えっ、51歳――。
「愛器は1716年製ストラディバリウス。『デュランティ』の愛称で知られる。ストラディヴァリが製作してすぐにローマ教皇クレメンス14世に献上され、その後フランスのデュランティ家に約200年間所蔵されていた。次いでこの楽器はスイスの富豪の手に渡ったが、その約80年後の2002年にその富豪が演奏家のみを対象に売りに出した為、千住家が数億円で購入した。約300年間誰にも弾かれずに眠っていた幻の名器とされている――。
この300年は『城に隠され、演奏家“が”弾くことはなかった』と2011年NHKの番組『イタリア特集』…。11歳から江藤俊哉に師事。小学校低学年まではほとんど練習をせず、コンクールに出ることもなかったが、1972年、第26回全日本学生音楽コンクール東京大会小学生の部で第2位を受賞。翌1973年、同コンクール東京大会、全国大会小学生の部で第1位を受賞した。1975年、NHK交響楽団と共演、12歳でプロデビュー。1979年、17歳の時、第26回パガニーニ国際コンクールに最年少で入賞」とインターネット情報――。
「11年前私はストラディバリウスを買った」――。彼女はアッサリ書く。だが火山、アッと思った。この<名機>を本邦<初公開>したリサイタルも<11年前>――。今でも<鮮明>に思い出すのは異常なまでの<厳重>警備…。ステージの<両袖>に制服姿の警備員が<物々しく>張り付いていた。<数億円>という価値もさることながら<歴史的>名器を<毀損>させたくない。事故を完全に回避したいというピーンとした緊張感があった。
そして彼女の何とまあ<若く><可憐>に見えたこと。まだ20歳後半と思った。
だから「日経」コラム<あすへの話題>で、この7月から「連載」が始まるとすぐ、彼女の履歴をインターネットで<検索>!<1962年>生まれ!51歳と知って仰天した――。
<企業戦士>時代の大半は<人事>マン。人事係長の実務含め、<老若男女>を併せ大勢の人物を鑑定してきた。「人を見る目」は…と思い上がっていた。その昔<若き血に燃え>た火山も慶應ボーイ。今秋も「連合三田会」出演の彼女をカブリツキで眺めたばかり…。
生き生きとした<挙措動作>!見事な<弓>捌き!とても<51歳>とは思えない――。だがストラディバリウス<デュランティ>を入手したのは<11年前>――。火山が初めて眺めた彼女は、まだ「華の<アラフォー>」だったのだ。だったら、ナントなく納得!
去る12月1日(日)に発表された<流行語大賞>――。今年は「おもてなし」「じぇじぇじぇ」「倍返し」「今でしょ」に決まったが、<アラフォー>は「2008年度」の流行語大賞。
2008年4〜6月に放映された天海祐希主演のドラマ「Around40」(TBS)のヒットが火をつけ、クルム伊達公子やエド・はるみなどの活躍もあり、流行語になった。ドラマのサブタイトルは「注文の多いオンナたち」。自立心が強く、またバブル絶頂期に青春を満喫したこともあり、購買欲・消費欲が強いのも、この世代の特徴」という――。
「(音に惚れ)この音と共に一生音楽を奏でる事ができるなら如何なる物も要りません、と誓い、だから神様お願い、と祈り願い、相棒となった。楽器の素性を知ったのは3ヵ月後だった。鑑定書に『1人目の所有者はローマ法王』とあり、腰が抜けるほどびっくりした。
2人目の所有者フランス貴族デュランティ家に200年隠されていたため『デュランティ』という名称が付き、舞台で一度も弾かれずにいたと知る。複雑な気持になった。愛した男性が突然、王子様だと知ったような――」。千住真理子は続ける。ウーン、分かる、分かる!
「『私は貴方の中身に惚れたのよ。素性なんて関係ない。たとえストラディバリウスでなくとも私は貴方を選んだ』。愛器を手にとり、そっと胸元に抱えながら私はそう呟いた」と<あすへの話題>「ブランド」は終わる――。いかがでしょうか、お立合い!さすが「哲学科」出身だけのことはある。「常識を疑う<哲学>精神」――。自分で<原理原則>に遡って考える。<鵜呑み><垂れ流し>を嫌う。<偽装>についても<暗>にコメント…。
(平成25年12月6日)
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