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「大枠合意を目指してシンガポールで開いた環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合は、膠着状態を打開できずに終わった。昨年末の閣僚会合での合意見送りに続き、2度目の挫折となる。極めて残念な結果である」と「日経」社説(2月26日)――。
「『瑞穂の国』というのは安倍首相がよく使う言葉のひとつだ。日本人は古来、汗を流して田畑を耕し、水を分かち合いながら五穀豊穣を祈ってきたと著書『新しい国へ』にもある。そんな日本には、米国流の『強欲』ではない『瑞穂の国の資本主義』がふさわしい、と。▼だからといって旧態依然の農業でよしと安倍さんが言っているわけではない」と「日経」コラム<春秋>(2月27日)――。素晴らしい。メディアにもTPPの理解が浸透…。
「しかし首相のこうした『瑞穂の国』への思いは、環太平洋経済連携協定(TPP)参加にあらがう人々の心のよりどころになっているようだ。聖域死守に躍起の農協はもちろん、右から左からも『瑞穂の国を守れ』のスローガンが聞こえてくる」と<春秋>は続く。
「農業の衰退に歯止めがかからない。食料自給率は1960年の79%から40%までに低下。日本農業には<不変の三大基本数字>といわれるものがあった。農業面積600万ヘクタール、農業就業人口1400万人、農家戸数550万戸だ。明治初期の1875年から1960年までの85年間、この3つの数字に大きな変化はなかった。大きな変化が生じたのは農業基本法(農地維持と食料安全保障。零細農業の構造改善が目的)が作られた61年以降。それは農業にとっては好転ではなく、暗転だった」(山下一仁「農協の大罪」宝島社新書・22頁)。
「60年から2005年までの50年の推移を見ると、GDPに占める農業生産は9%から1%へ、農業人口は1196万人から252万人へ、総就業人口に占める農業人口の割合は27%から4%へ、農家戸数は606万戸から285万戸へと、いずれも減少している」(同・22頁)。
ハッキリ言おう。「農村社会を崩壊させている」のは、バカな<農水大臣>や<農水議員>や<農協>なのだ――。「農協の大罪」の著者・山下一仁は、2008年まで<前農水省農村振興局次長>だった。だが官僚の中にも<山下>みたいな<良識派>もいるのだ。
「この50年間で、現在の全水田面積に相当する250万ヘクタールを超える農地が消滅したが、その約半分は宅地や工業用地への転用である。農地への転用が認められない農振法の農用地区域への見直しは5年に一度が原則である。しかし、農家から転用計画が出されると毎年のように見直される結果、農用地区域の指定は簡単に解除されてしまう。これは農用地区域の指定を市町村長に任せているからである。地域振興が役目の市町村長としては、土地を生産性の低い農地にするより、宅地や工業用地にした方が地域振興に役立つ。
農地法は農地を農地として利用する責務を確立しなかった。高米価政策とともに農地制度も、農地の流動化による規模拡大、それに伴う零細農業構造の克服を困難にしてしまったのである」(「農協の大罪」58頁)。「農地法改正」は<至上命題>だ。
「農協の大罪〜『農政トライアングル』が招く日本の食糧不安」(宝島社新書)は火山が感銘を覚え、重視している<良書>。著者は<農水省>農村振興局<元次長>山下一仁氏。
「こんな農協はいらない」(「WEDGE」2008年9月号)でセンセーションを起こした。
「農協は農地改革で保守化した農家・農村を組織化し、自民党を支える戦後最大の政治団体となった。さらに、組合員の中で圧倒的多数の兼業農家に軸足を置くことによって、農業から抜け出そうとしている兼業農家の農外所得や、莫大な農地転用利益を預金として吸い上げ、これを運用して経済的にも目覚しい発展を遂げた。農協は金融でも保険でも、わが国トップレベルの企業体である。“農業”団体であるはずの農協が、農業を<衰退>させ、農業を<犠牲>にすることによって発展するという奇妙な事態が生じている」と山下…。
「難航する関税分野では、全ての貿易品目で関税をゼロにするのが当初のTPPの目標である。日本は高い目標を共有する仲間に遅れて加わったが、関税撤廃の例外とする「聖域」を主張した。『ならば我々も』と、今回の閣僚会合ではマレーシアやベトナムなどのアジア新興国が、それぞれ自国の聖域を公然と主張し始めている。同じ理念の下での結束が緩み、いまTPP交渉は空中分解の危機に直面している」――。「日経」社説(2月26日)。
「▼こんどこそ大枠合意、の観測もあったシンガポールでのTPP交渉閣僚会合は関税分野での日米の対立が響いて物別れに終わった。あてどなき漂流が始まる気配だが、この土壇場でことを動かそうというなら首相が一大決心をするほかない。触れただけで火花が散りそうなニッポンの聖域である。他に誰が踏み込めよう」(コラム<春秋>・2月27日)。
「▼そんな挙に及べばどんなしっぺ返しを食らうかと、政権としてはやはり恐怖が先に立つだろうか。「日本は名誉ある孤立を選べ」などという言説の飛びかう昨今だから、交渉離脱の誘惑さえ沸いてくるかもしれない。けれど、その先に何がある。瑞穂の国と言いつつ耕作放棄地が滋賀県の面積に匹敵する列島に、何がある」と<春秋>は続く。素晴らしい。
「通商交渉の中でもTPPは高い目標を掲げ、貿易・投資の自由化に向けて世界各国を突き動かす原動力となってきた。交渉の勢いが衰えれば、グローバル経済の進化に合った通商ルールを築く機運が縮みかねない。とりわけ交渉の推進役・日米両国の責任は重い。失敗を真摯に反省し、交渉を立て直さなければならない」(「日経」社説・2月26日)。
(平成26年2月28日)
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「真の健康と本物を見抜く感性を求めている方」がモットーの<健康>様、ようこそ!さあ、面白くなってきた。
「グローバリゼーション」と、どう向き合うか。それは<現代>資本主義と、どう向き合うか、ということにも通じる。さらに本質を問えば、マルクスの「資本論」や、レーニンの「帝国主義論」かも…。
あるいは塩野七生「ローマ人の歴史」の「民主主義」かも…。
火山は企業の教育部長として「企業は<自己実現>の場。人生は一人一人が<主役>」と提唱してきた。人間は<主役>たり得るのか。いいかがでしょうか。
「真の健康と本物を見抜く感性を求めている方」と、火山について、<対決>できますか。
2014/3/1(土) 午前 0:43 [ 火山 ]