火山の独り言

時ならめ 風に挑みて 鯉のぼり

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「製品検査データの偽装により値下がりを続ける神戸製鋼ですが、買いのチャンスは訪れるのでしょうか。賢明な投資家は、いくら値下がりしてもダメな企業には手を出しません。バフェットは、ダメな企業の典型例として『コモディティ型企業』を挙げます。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)」と「マネーボイス」(10月17日)…。

<栫井駿介>…。「株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東大経済学部卒業。大手証券で投資銀行業務に従事した後、2016年に独立。つばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏主宰のBOND-BBTプログラムでMBA取得」…。ナルホド、<MBA>ですか――。

「鉄は国家なり。不正発覚で株価4割減の神戸製鋼所は復活するのか」(マネーボイス)…。
「<検査データ偽装、納入先500社>…。神戸製鋼所はアルミ製品などに関する仕様不適合品について検査証明書のデータ書き換えを行っていたことが発覚、発表前から株価が約4割値下がりしています。納入先は国内外の自動車や航空機メーカーなど500社。調査が進むに連れ新たな改ざんも発覚。騒ぎは収まる様子を見せていません」(マネーボイス)…。

「一方、不祥事による株価下落はバリュー株投資に千載一遇のチャンスとなる場合があります。このまま株価が下がって割安な域に達した場合、神戸製鋼は買える銘柄と言えるでしょうか。製鉄業界は世界的に厳しい競争に曝されています。建設などに使用する量産分野では差別化が難しいため、貿易が自由化されれば新興国から安い製品が流入します。この10年は中国で需要が増加したものの、それ以上に中国国営企業が多額の投資を行い、生産能力を急速に高めました。今や世界生産の半分は中国で行われています」(マネーボイス)…。

「安値に対抗するには既存企業は規模を大きくして<固定費>を下げるか、<高付加価値化>に舵を切るか<選択>を迫られます。結果、合従連衡が進み、国内では新日鐵住金とJFEホールディングスという巨大企業が誕生、海外でもアルセロール・ミタル(欧州系)やポスコ(韓国)が買収を繰り返し<巨大化>しています。世界的な<寡占化>が進んでいますが、状況が改善する<兆し>は見えていません」(マネーボイス)…。火山も同感――。

「最大の要因は中国。鉄鋼生産量の世界上位10社のうち5社は中国企業。これらの企業から大量の鉄鋼が生産され続けている。製品価格の下落により、国内最大手の新日鐵ですらたびたび赤字を計上しています。製鉄所は存在する限り<稼働>を続けなければなりません。そのため少しでも需要が減少すると、大量の鉄鋼が市場にあふれ、極端な値下がりを起こしてしまいます。<固定費率>が非常に高いことから、売上高が減少すれば簡単に大幅な赤字に転落してしまうのです」(マネーボイス)…。

「2015年のチャイナ・ショックでは需要の減少から危機的な状況に陥りました。もちろん、中国企業も置かれている状況は同じ。そのため中国政府は過剰生産能力の削減を表明。それは国の成長率の低下にも繋がることから、そう簡単には進まないでしょう。再び景気が悪化すれば、業界全体が大赤字を計上してしまう可能性があるのです」(マネーボイス)…。

「神戸製鋼の主な事業は製鉄。新日鐵住金やJFEと直接競合する分野ですが、売上高規模はこれらの企業の5分の1〜8分の1と大きく劣ります。製鉄事業が厳しい環境に置かれる中、神戸製鋼は合従連衡に加わらず独立を維持しています。この規模でメガ製鉄会社と同じ土俵では戦えません。そこで多角化を進めました。現在、売上高に占める鉄鋼事業の割合は35%に留まり、アルミ・銅事業や建機、電力事業など鉄鋼以外の事業に力を入れています。

鉄鋼に次いで大きな割合を占めるのが、今回問題となったアルミ・銅事業です。昨年度は鉄鋼事業で290億円の損失を計上している一方、アルミ・銅事業では120億円の利益を出しています。利益面では電気事業の130億円に次いで高い貢献度です。規模を追わずに多角化・高付加価値化で業績に貢献してきたという点では<戦略>としては正しい方向性を示していました。一方、<多角化>事業で必ず利益を出さなければいけないという<焦り>が、今回の<不祥事>の遠因になってしまった可能性は否めません」(マネーボイス)…。

「高付加価値商品に対してデータを改善してしまうことは最もやってはいけないことです。信頼を失った会社の商品を高い価格で売ることは難しく、短期的な回復は容易ではありません。アルミ・銅事業が難しいとすれば、他に同社を支える事業があるでしょうか。3番目に売上高の大きい建機事業は、昨年度一時的に赤字となったものの、それまでは200億円前後の利益を生んでいました。しかし、同事業も業界ではコマツやキャタピラーに遠く及ばず、安心はできません。残る安定事業は電力事業くらいでしょう」(マネーボイス)…。

「現時点で、不正による短期的な損失がどこまで膨らむかはまだ見当が付きません。多くの自動車会社に納入しており、大量のリコールが発生するようなら<破綻>したタカタのように<兆円>単位の損失が発生する可能性も否定できません。とにかく<予断>を許さない状況です。このような状況で投資できないのは当然のことですが、もし大きな損失に至らなかったとしても、その先は決して明るくありません」(マネーボイス)…。

「主力の鉄鋼事業は既に赤字続き、アルミや電力事業で何とか赤字を埋めきました。それでも過去5期のうち3期は最終赤字を計上しています。アルミ事業の信頼を失ったとなると、もはやこの先どうすることもできなくなる可能性があります」。――<続く>――。
(平成29年10月28日)

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