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「『地震を予知したら警戒宣言を出す』という虚構がなくなります。しかし、南海トラフ巨大地震は<必ず>起きます。自らの命は自ら守る心構えが大事です。東海地震はかつて『明日起きても不思議ではない』と言われました。<予知>を前提に1978年、大規模地震対策特別措置法(大震法)が施行されました。予知ができれば<対処>の仕方もあります。警戒宣言が出たら安全な場所に避難すればよいのです。大震法は警戒宣言が出たら、新幹線、高速道路を止め学校や銀行などを休みにすると定めています」と「東京」社説(10月1日)。
「当時は中国で海城地震(75年)の予知に成功。米地震学者ショルツが地震の準備段階から発生までを統一的に説明した『ショルツ理論』も登場していました。<前兆>を捉えられれば<予知>もできると考えられたのです。観測網が充実すると、前兆らしきものが見えても地震が起きないなど科学者が考えていた以上に地震は複雑な現象だということが分かってきました。先週、予知はできないことを<前提>に、新たな対策を検討することが決まりました。予知が無理となると、いつ起きてもよい備えが必要です」(東京)――。
「想定する地震も変わりました。40年前は静岡県の駿河湾などを震源域とする東海地震でした。現在、警戒が必要なのは駿河湾から紀伊半島、四国沖を通って九州の近くまで震源域が延びる<南海トラフ>巨大地震。南海トラフ地震の想定震源域では44年に昭和東南海地震、46年に昭和南海地震が発生。その時の空白域が東海地震の想定震源域でした。もう次の巨大地震が来てもおかしくないというのです。発生確率は今後30年で70%。死者は最悪で約32万人とされます。2013年に南海トラフ地震を対象とする特別措置法ができました。
気象庁は11月1日から南海トラフ全域を対象に、前震や地殻変動などの異常現象を観測した場合は『南海トラフ地震に関連する情報』を発表する方針です。情報が出たらどう行動すればよいのかは、これから検討されます。<危険度>を数値化、レベル1ならどうする、2ならどうする、といった具体的な行動例を示すことが望まれます。私たちはどう備えるべきでしょうか。<参考>になるのは過去の経験。東日本大震災では多くの人が津波で亡くなりました。防潮堤も壊れました。一方、高所に移転していた集落は無事でした」(東京)…。
「昨年の熊本地震では地盤による被害の差の大きさが明らかになりました。安全な場所に住むことの重要性を示しています。南海トラフ地震に備える高知市でこんな話を聞きました。高知市は昭和南海地震で地盤沈下が起き、津波に襲われました。その時、水没した地域が今では住宅地になっています。高知城に近く便利のよい場所です。ここにあるマンションに、そうした歴史を知らずに転勤族が引っ越してくるというのです」(東京)…。えっ!
「住宅を<新築>する際や<引っ越し>の時には<防災>面も考慮するようにしたいものです。通学や通勤のルートも一度、チェックしてはいかがでしょうか。例えば気象庁から『情報』が出たら海岸から遠いルートに変えるといった対策も取れます。残念ながら防災情報を手に入れるのは容易ではありません。地震、洪水、液状化の<危険度>や<地盤>の強度や標高といったデータは、個別には公開されているものもありますが、収集して総合的に判断するのはかなり難しい」(東京)…。
「<IT>企業のリブセンスは、先週から不動産業者向けに東京都など一都三県で物件ごとに<災害リスク>を数値化、提供するサービスを始めました。地震や液状化、津波、洪水といった自然災害に対して、どの程度強いのかを数値化しています。見ると、同じ市区町村の中でも大きく違います。<不動産>価格に影響を与える可能性がある。自治体ではやりにくいのかもしれませんが、防災、減災には重要な情報です。<官民>のどちらが主導するにしろ、全国に広がってほしいものです」(東京)…。不動産価格に影響。だからパスとは唖然!
「地震は<本震>だけではありません。東日本大震災の後、静岡県や長野県などで大きな<誘発>地震がありました。昭和東南海地震でも翌年、三河地震が起き、死者・行方不明者約2300人の<大災害>となりました。南海トラフ地震が起きたら被災地から遠くても警戒する必要があります。いや、発生前から地震が増えるという見方もあります。どこに住んでいても大地震は<他人事>(ひとごと)ではなく<我が事>として考えたいものです」(東京)。
「<巨大>地震を覚悟。<準備>万端。もし<不発>に終わったら<喜び>としたい」――。これは2008年4月、神奈川県<県央>のコミュニティで<自治会長>となった火山が翌2009年、自主防災組織<防災本部長>として創案したスローガン。「美化デー」「防災の日」など節目のイベントで「防災訓練」を繰り返しつつ、月2回、<全世帯>に「防災ニュース」を配布、<減災>(自助・共助・公助)の育成・徹底に努めた。基本は<自助>。被災時<公助>を期待できない最初の「3日分」の食糧と水の<備蓄>を強力に呼びかけた。
自治会長となり、<減災>に無防備な現状に<驚愕>したのがキッカケ。引継ぎの際、前任自治会長が言った。「火山さん、来年は防災<副本部長>をお願いします。何、簡単です。『防災倉庫』の消火ポンプの備蓄ガソリンを買い替えるだけ.。私も1人で1年間やってみました」…。「えっ、1人で」!火山、絶句!無謀だ――。火山、すぐ「災害救援ボランティア」訓練を受け、<防災>に熱心な自治会の実態を理解・体得…。形骸化していた「自主防災規約」を見直し、<全世帯>参加型「新規約」を起案、「自治会」役員と協議を始めた。
実は「首都直下地震」30年発生確率<70%>とは極めて危険!「東京」社説は実にズサン。「巨大地震を覚悟。準備万端。もし不発に終わったら喜びとしたい」は絶対不可欠なのだ。
(平成29年10月29日)
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