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「日本の<失業率>は、先進国でも最低の2%台だ。欧州には10%を超える国もあり、世界が羨む『完全雇用』を実現している。しかし、働く人々は嬉しそうではない。国税庁によると、民間企業で働く社員やパートらが昨年手にした給与は平均約<422>万円で前年より1万円以上多かった。とはいえ、世界経済が一気に冷え込んだリーマン・ショックの前年2007年の約<437>万円には届いていない」と「毎日」社説(11月27日)…。「上場企業9月末、利益剰余金<56%>が最高」(日経・11月27日)というのに火山、残念だ――。
「そして<雇用>形態による<格差>がある。<正社員>は約<487>万円で非正規社員は約<172>万円と、立場の違いが315万円の差を生んでいる。世紀・非正規の分類が始まった12年以降、格差は年々広がっている。厚生労働省の調査によると、働く人の数はこの間、<5161>万人から<5391>万人に増えた。だが、企業はもっぱら<低コスト>の雇用拡大に力を入れ、<非正規>が1816万人から2023万人に<増加>している」(毎日)――。
「一人親世帯の貧困50%」――。「政府が民間に正規雇用増や春闘での賃上げを働きかけ、圧力をかけても限界がある。4年連続の<ベースアップ>は<経団連>加盟の大手企業の正社員に限った話なのだ。そして、年172万円あれば、将来の生活設計を描けるかという現実問題が立ちはだかる。厚労省は『国民生活基礎調査』で日本の貧困状況を明らかにしている。15年の相対的<貧困率>は3年前の16・1%から15・6%に下がった。だが<一人親>世帯に限れば50・8%と経済協力開発機構(OECD)加盟国で<最悪>の水準にある。
この調査は生活の状況も聞いており、<母子>家庭では38%が『貯蓄がない』と答え、『生活が苦しい』は83%に上る。OECDによれば、日本の<一人親>世帯は親が働いていても貧困に陥る率が高く、多くの国でそうした世帯の貧困率が10〜25%なのに比べ対照的だという。困窮を象徴する悲劇が3年前、千葉県内で起きた。40代の母が中学2年の娘を殺した事件である。給食センターのパート収入と児童扶養手当をあわせ手取りは月約12万円。
だが娘に不自由をさせたくない思いで制服や体操着を買うために借金をする一方、県営住宅の家賃1万2800円を滞納した。裁判では勤め先に『掛け持ちのアルバイトは無理と言われていた』と話し、生活保護を相談した市役所では『仕事をしているなどの理由で断られ頼れなかった』と説明した。部屋を明け渡す強制執行の日、心中するつもりで犯行に及んだ。身勝手な動機や無知を責めることはたやすい。県や市の対応にも問題がある。しかし、なぜ、こうした悲劇が生まれたかを政策面や制度から考える必要はないだろうか」(日経)――。
「格差」と「貧困」!これは「資本主義」経済の<宿命>なのだろうか!昭和30年代初期の火山、<慶大経済>ゼミで「資本論」を<精読>していた…。卒論のテーマは「資本主義における窮乏化法則とプロレタリア革命」だった――。卒業は1960年(昭和35年)3月。それから<57年>(半世紀超)の歳月が流れた。だが火山の思想・信条は不変――。
「『社会の分断、不安定招く』…。「10月の衆院選では殆どの政党が公約に貧困問題への取り組みを盛り込んだ。『貧困の連鎖を断つため』『格差と貧困の是正』『子どもの貧困対策を強化』。政治的な立場を超えて共通認識になったことが、問題の重さを裏付けている。かつてのように『自己責任』と突き放すのではなく、放置すれば社会保障制度自体が危ういという意識が広がりつつある」と「日経」社説(11月27日)…。えっ!火山、思わず刮目――。
「総務省の調査によると昨年の時点で親と同居する35〜44歳の未婚者は全国に288万人いる。うち52万人は経済的にも親に依存、潜在的な貧困層と言える。『働けど貧しい』世帯も親に生活を頼る層も日々の暮らしを維持するのに手一杯だ。社会保険料を負担するなど制度を支える側としての役割を期待するのは難しい。更に貧困世帯の多くは子どもの進学・教育の機会が閉ざされるという不安が強い」(日経)――。「格差」「貧困」は今も不変か。
「『働けど貧しい』が次世代に引き継がれる悪循環が広がれば支える側はますますやせ細るだろう。欧米は1990年代から低所得の労働者『ワーキングプア』問題について国際会議などで議論を重ねてきた。社会保障の持続性を損ない、社会の分断や国の不安定化を招くと考えたためだ。そして税制や社会保障手当の仕組みなどを使って問題解消を図ろうとした。だが成果は覚束かず、未だ試行錯誤である。世界に先駆けて超高齢化を迎える日本にとって手本はない。長期的な視点に立った方策に早急に取り組まなくてはならない」(日経)――。
「成長か衰退か」――。「日本経済に影を落とす人手不足。パーソナル総合研究所(東京・渋谷)は今後の実質国内総生産(GDP)の成長率が足元の潜在成長率並の0.8%と仮定した場合、女性や高齢者、外国人の労働参加率が現状のままでは2025年に583満員の労働力が不足すると予測する。克服するためには、労働生産性の伸び率を14年までの20年間の平均値の0.9%から3倍超の3%にする必要があると試算。女性らの労働参加率を最大限に高めても、なお3割増の1.2%に高める必要があると見る」(日経・11月27日)――。
「いてもたってもいられず飛行機に飛び乗った。『これしかない』。深刻な人手不足に苦しんでいた資源リサイクルのシタラ興産(埼玉県深谷市)設楽竜也社長にとって残る頼みの綱は人づてに聞いたフィンランドのロボットだけだった。同社の施設では昨秋から人手に代わってアーム型ロボットが活躍する」(日経)…。これも上記と同じ「1面トップ」記事――。「成長か衰退か」…。人手不足に関わる<政策>論議――。昭和30年代初期、<慶大>経済で「労働政策」「賃金政策」研鑽に励んだ火山。主張は明快!賃上げバネの<成長>――。
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