|
「もともと比べられないデータを比べ、国会で説明したのはまずかった。しかし政策の中身には影響がないから<法案>は予定通り、近く<国会>に出す。安倍首相の国会答弁とその<撤回>を巡って論戦が続く裁量労働制の適用拡大について、政府の姿勢をまとめれば、こうなる。こんな説明は通らない。<野党>が求める通り、政策論議の基礎となるしっかりした<データ>を揃えてから<議論>するのが<筋>だ」と「朝日」社説(2月21日)…。
「問題となっているのは、予め定めた時間を働いたとみなす裁量労働の人と、一般の労働者の1日の労働時間を比べたデータだ。『裁量労働制の拡大は<長時間>労働を<助長>しかねない』と懸念する野党に対し、首相は1月末の国会答弁でこのデータに基づき『平均的な方で比べれば一般労働者より<短い>というデータもある』と反論した」(朝日)――。
「しかし、裁量労働の人と一般労働者では質問内容が異なり、両者は比較できないものだった。厚生労働省によると、調査の担当者とは別の職員が15年に野党への説明資料として作り、国会審議でも使われてきた。あくまでミスだったという。だがこんな重要な資料を大臣に報告もせず職員が勝手に作るとは、俄かに信じがたい。誰の<指示>で、どんな<意図>で作られたのか。徹底的に解明することが不可欠だ」(朝日)…。火山も同感――。
「問題となった比較データそのものは、裁量労働制拡大を検討した厚労省の労働政策審議会には示されていない。従って<法改正>を進めることに問題はない。政府はそう強調する。しかし政府はこの<データ>を、長時間労働への懸念に<反論>する支えとしてきた。誤った<説明>を繰り返し、賛否が分かれる論点の議論を尽くさずにきたこと自体が、大きな問題である」(朝日)…。全くの「正論」!政府の<ごり押し>こそ<奇異>だ――。
「疑問に答える先頭に立つべきは、行政の責任者である首相だ。裁量労働を広げても心配ないと言わんばかりだった基本認識が問われる。ところが首相は『厚労省から上がってきた答弁(案)にデータがあったから、紹介した』『全て私が詳細を把握しているわけではない』と、ひとごと(他人事)のようだ」(朝日)…。そう、いつもの<詭弁>の連発――。
「データ比較は不適切だと厚労省が認識したのは、最初の首相答弁から4日後の今月2日。7日に加藤厚労相に報告されたのに、首相が答弁を撤回したのは14日だった。<2週間>近くも問題が<放置>されたことになる。政府の対応は余りに鈍く、国会軽視も甚だしい。
こんな状況で、法案を国会で審議するわけにはいかない。政府に再考を求める」(朝日)…。
「裁量労働制の不適切データ。<3年>も使い続けた責任は」と「毎日」社説。(2月21日)。
「裁量労働制は<長時間>労働を<助長>するのではないか。その懸念を政府が否定してきた<根拠>が崩れた。『裁量労働制で働く人の労働時間は平均的な人で比べれば一般労働者よりも短いというデータもある』。安倍晋三首相が1月の衆院予算委員会で行ったこの答弁を<撤回><陳謝>した。根拠となるデータ自体に重大な疑義が生じたからだ」(毎日)。
「厚生労働省の2013年度労働時間等総合実態調査では、平均的な一般労働者の『1カ月で最も長く働いた日の残業時間』を1時間37分と算出した。裁量労働制で働く人については単に『1日の労働時間』を調査、結果を比較して『約20分短い』と結論づけたのが問題のデータだ。前提条件の異なる調査を単純に比較することに統計的な意味はない。長く働いた日のデータを敢えて持ち出し、裁量労働制の方が労働時間が<短い>と<見せかける>意図があったのではないか。そう疑わざるを得ない」(毎日)…。火山も同感!ミエミエ――。
「厚労省は『意図的ではなかった』と釈明している。だが問題データは<3年間>にわたり、裁量労働制の対象業種を拡大する政府方針の<正当化>根拠に利用されてきた。単純ミスと謝って済む話ではない。首相は『厚労省から上がってきた答弁(資料)にデータがあったから紹介した』と自身の責任を否定した。そうであれば不適切なデータを3年も使い続けた厚労省の責任を問い、正確な実態調査をやり直すよう指示すべきだ」(毎日)――。
「予め定めた時間を働いたとみなし賃金を決めるのが裁量労働制。専門的な職種などで働き方が労働者の裁量に委ねられる半面、<長時間>労働による<過労死>が相次ぐ。対象外の業務に適用して残業代を払わないケースも摘発されている。政府は裁量労働制の対象拡大を盛り込んだ働き方改革関連法案を今国会に提出する方針だ。法案作成の過程で問題のデータが検討材料に使われた可能性がある。裁量労働制の労働時間が短いことを示すデータは他にないと厚労省は認めている」(毎日)…。「毎日」はなぜ、厚労省を追及しないのか。
「安倍政権は今国会の<最重要>法案と位置づけ、長時間労働の規制強化などと<一括>して法案に盛り込もうとしている。裁量労働制の拡大については少なくとも法案から切り離し、別に議論するのが筋だ」(毎日)…。「長時間労働の規制強化など」と「毎日」は<安倍一強>に遠慮・忖度してみせるが、<経営>側に大きく<譲歩>!<恩>を売りたい政権の<意図>はミエミエではないか。だから<裁量労働>まで<一括>提案しようと<不適切>どころではない<インチキ>データの<厚労省>を<放置>!<悪用>してきた――。
「労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を総合的に推進するため、長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保等のための措置を講ずる」…。これが「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」(労働政策審議会29.9.15答申)<概要>。唖然!
(平成30年2月21日)
|