火山の独り言

時ならめ 風に挑みて 鯉のぼり

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「資本主義と格差社会、その先を見通すために」――。「貧富の格差を生み出す資本主義最大の秘密。それは<資本>そのものである。この秘密を解明するために、まずマルクス『資本論』を読まなければならない。『ロスト・ポピュレーションズの政治学』を新たに提唱。『資本論』理解を刷新する最高の精華。『誰一人として、ジェイムソンほどの情熱で、いま<資本論>を語ることはできない』。マンスリーレビュー誌絶賛」と<野尻英一>訳『21世紀に、資本論をいかによむべきか』(フレドリック・ジェイムソン。作品社。2400円)――。

「巨匠は、いかに資本論を読むのか」…。「マルクスの『資本論』は、資本主義の高度な生産性を実現するのと全く同時に、必然的に失業を生み出し、彼らの困窮を生み出すメカニズムを明らかにしたものである。この『失業』と新たな概念『ロスト・ポピュレーションズ』をキーワードに、古代ギリシャの詩から現代SF、サブカルチャーまで、貪欲に批判し続け、世界を圧倒する著者が、初めて本格的に資本論を読解した現在最高の精華である」と<帯>。

<フレドリック・ジェイムソン>…。1934年アメリカ、オハイオ州生まれ。フランス、ドイツ留学後、イェール大学で、エーリッヒ・アウエルバッハの指導のもと博士号(フランス文学)を取得、ハーバード大学、イェール大学、デゥーク大学等で教鞭をとる。現代思想、そしてアメリカを代表する知識人である。<主な著作>:Sartre(Yale University Press,1961)。『サルトル』(評論社、1999)…。Marxism and Form(Princeton University Press, 1971)。『弁証法的批判の冒険』(晶文社、1980年)…。多数だが、以下省略――。

「マルクスとともに資本主義の終わりを考える」(的場昭弘。亜紀書房。1800円)――。「5年前のリーマンショック以降、資本主義世界は立ち直ったかに見えます。もちろん景気が蘇ったというにはほど遠いのですが、株価を見る限り少なくとも前の状態に戻ったようにも見えます。バブル以降の失われた20年を体験した日本人にとって、少しでも経済成長の光が見えれば、安心感があるかもしれません。ガラパゴス化した日本から見れば、なるほど資本主義経済は落ち着きを取り戻したかのようです」(18頁)…。的場は慶大ゼミの後輩。

<的場昭弘>…。1952年生まれ。神奈川大学経済学部定員外教授。著書に「マルクスを再読する」(五月書房)…。「マルクスだったら、こう考える」(光文社新書)…。「マルクスに誘われて」(亜紀書房)…。「超訳『資本論』」(全3巻。祥伝社新書)…。「国家の危機」(佐藤優との共著。祥伝社新書)…。「トリーアの社会史」(未来社)など多数――。

「マルクスを再読する――。<帝國>とどう闘うか」(的場昭弘。五月書房。2500円)――。「現在社会運動がありえるとしたら、近代市民社会を批判する運動以外ありえないでしょう。資本主義が世界を支配し、代議制民主主義が世界に普及している現在において、あえて近代市民社会を批判することは確かに勇気がいります。しかしこの勇気こそ、全体の流れに掉さし、新しい世界を展望するきっかけとなるのです…」(本文より)と<帯>――。

「マルクス主義」(倉田稔。成文社。1200円)…。「マルクス主義とは何か。その成り立ちから発展、変遷を、歴史上の思想、人物、事象を浮き彫りにしながらたどる。今日的課題を考えるときの、一つの大きな視点。マルクス主義はソ連崩壊後、人気を失った。しかし政治と学問とは、違うものである。学問上のマルクス主義は通用するだろう。政治上のマルクス主義は今まで通りでは通用しないだろう。だから活かしたいと思う人は改造する必要がある」(「はじめ」より)――。この倉田も「慶大」ゼミの後輩である。エッヘーン!

<倉田稔>…。小樽商科大学講師・名誉教授。経済学博士(慶応大学)。本書と関連のある主な著書。「金融資本論の成立」(青木書店。1975年)…。「若きヒルファーディング」(丘書房。1984年)…。「ベーベルと婦人論」(成文社。1989年)…。「現代世界思想史・序説‣上」(丘書房。1996年)…。「マルクス『資本論』ドイツ語初版」(成文社。1997年)…。「大塚金之助論」(成文社。1998年)…。「グローバル資本主義の物語」(NHK出版。2000年)…。「ハプスブルグ・オーストリア、ウィーン」(成文社。2001年)…。多数あるも省略――。

「SAVING CAPITALISM。最後の資本主義」(ロバート・ライシュ。雨宮寛/今井章子訳。東洋経済新報社。2200円)…。「米国の良心。絶望と希望を語る。『トランプ誕生』の深層。中間層の消滅を警告し続けた経済学者。ハーバード大学教授。カリフォルニア大学バークレイ校教授。ビル・クリントン政権時の労働長官。オバマ大統領のアドバイザー等を歴任。『今ならまだ、大勢のための社会を作ることができる』」…。クリントン、オバマの盟友か――。

「日本経済の再建策〜経済学・経営学からの提言」(影山僖一。同友館。2800円)…。「現代の人類の多くが生活している社会は、資本主義経済制度のもとで個別企業の活動による自由な競争原理のもとで運営されてきたとされている。しかし、自由な市場取引とはいえ、その実態は時代の推移とともに徐々に組織化されている。民間の私企業がJA活動を展開するプロセスにおいては、取引を確実にするために他の企業との競争と協調の過程において、企業間の協定や話し合いによる協力関係が強化されている」(1頁)…。この影山もゼミ先輩。

「財、サービスの価格、販路、品質などは企業側での協定が行われて、自由な競争が徐々に排除される傾向にある。現代社会では、財・サービスの提供の当事者である供給業者の意向で市場の組織化が進展している。そうした多様な形態で組織化された市場の中で企業活動が展開されている」(1頁)――。1957年(昭和32年)4月、20歳の火山、マルクスと本気で向き合った。「格差と貧困」…。以後60年が過ぎた。火山の格闘は今後も続くだろう。
(平成30年2月28日)

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