火山の独り言

時ならめ 風に挑みて 鯉のぼり

万葉の世界

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鳴呼見(あみ)の浦に 船乗りすらむ をとめらが 珠裳(たまも)の裾に 潮満つらむか(柿本人麻呂・巻1ー40)

舟遊びをしている乙女たち。きっとキャアキャアいいながら笑い興じている。真っ白な、豊かな大腿をチラッとでも見せてくらないか――。血が騒ぐ。人麻呂も男だ。嬉しい。

持統6年(692年)2月。女帝は伊勢への行幸を思い立った。3月3日に出発したいと女帝はせがんだ。海浜での<禊(みそぎ)>をやりたかったのだろう。だが廷臣の中には反対もあって出発は遅れて6日になった。なんたること、官僚というのは当時も<抵抗>やら<先送り>が好きだったのだろう。帰京は5月の7日。中西進「万葉を旅する」(ウエッジ)によると「晩秋から盛夏までの海を楽しんだことになる」(128頁)とある。暦が今とは違う。

2ヶ月の行幸には大勢の女官も従った。彼女らも張り切ったことだろう。廷臣たちも多人数従ったに違いない。何しろこの国のお役人は<役得旅行>は大好きだ。トリノ・オリンピックも選手より随行した役員の方が多い。それらは天下った文部官僚という。凄い。

留守の飛鳥の都、火が消えたように寂しくなった。その中に何と、我らの柿本人麻呂もいた。参加を許されなかったのだろう。この歌は留守居を命じられた人麻呂が賑やかな海浜を思いやって詠んだという。もちろん、きゃあきゃあはしゃぐ<乙女>らとは若き女官たちだろう。宮廷の男たちはどんな思いで眺めたろう。

我が中西進氏は「万葉を旅する」で続ける。「鳴呼見(あみ)の浦で船遊びに興ずる女官たちは、さながら宮廷を移動させたような華麗さを見せた。この歌にかすかに漂っているエロスの匂いは、そんな欠落から来る、女体への憧れなのである」――。つまり、人麻呂は寂しかった。幻想を夢見たのだ。妄想でも、幻想でも、想像は美しい。いや、女体はいつでも美しいか…。人麻呂も、やはり男だった。火山にはこれが一番<愉快>だ。

<鳴呼見(あみ)の浦>は、どこにあったのか決められないという。<阿胡の浦>とか鳥羽市<小浜町>とする説があるという。ただ「万葉」には<網の浦>(巻1−5)もあり、素直にアミの浦と読む方が良い。網を張って漁をするのに適した浦は各地にあったのだ。

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