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「更に深刻化する日本の<デフレ>」…「米国やEUは物価が<2%>に近づき、デフレの懸念から遠ざかっています。うまく金融政策を行ったわけです。しかし、日本はデフレが深刻化しています。東京の成城(世田谷区)では駅前の『不二家・成城店』が5月28日に閉店。また『神戸屋・フォーニル成城店』も今年3月31日で36年間の営業に幕を閉じました。更にマクドナルドが撤退した跡もスーツ販売店が入ったものの、それも撤退、今は空き店舗となっています」と「まぐまぐニュース」(6月17日)…。
「もしかしたら、ビルの建て替えとか、あるのかもしれませんが、ちょっと、それにしても…という感じ。小田急の駅のすぐ前、一等地での話です。田園調布のように、駅周辺に店舗のスペース自体があまりない場合は、空き店舗になることは殆どありません。しかし世田谷区の成城でこういう状況であれば、日本各地で、大変なところが多いのではないでしょうか。
「日本の景気上昇を示す兆候も」…。暗い話ばかりですが、10年ぐらい先ということでは、景気が良くなっていることが考えられます。超長期サイクルの『コンドラチェフサイクル』が上昇期に入っている。1990年のバブル崩壊とは逆の現象が起きるタイミングが近づいている。1990年の場合は景気が良かったところにバブル崩壊が起きましたが、今度のサイクルでは逆。とんでもなく景気が悪い中、突然良くなるということが起きるはず」(まぐまぐ)。
「全く、そうとは思えませんが」…。「戦時中の人が、10年後に日本の景気が良くなっているのが予想できないのと同じ。それまでの間、かつての第二次世界大戦と同じように何かが起きる可能性もある…。景気が良くなれば戦後の日本のように、30年間ぐらいは良い時期となるはず。つまり、2050年ぐらいまで景気が良い状態が続くサイクルなのです。今では考えにくいですが、1980年代などは実際に、日本のOLが海外旅行に大挙して出かけてブランド品を買いまくるという時代だったんです。また日本が良くなればよいですね」――。
<久保田博幸>=「フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数」。
「欧米の中央銀行が出口に向かう中、日銀だけが出口に向かえないのは何故なのか」と「日経」(6月19日)――。「6月13日の米国の金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場で予想されていた通り政策金利を年1.50〜1.75%から1.75〜2.00%に引き上げた。これは8人のメンバー全員一致で決定した。因に次回からはFRB副議長に指名されているクラリダ氏と、同理事に指名されているボウマン氏が加わり、メンバーは10人となる。
「13日に発表された会合参加者による金融政策見通しではあと年2回の利上げを見込むことになっていた。これにより今年の利上げ回数はこれまて見通しの3回から計4回となる。議長会見が予定されている9月と12月のFOMCにおいて利上げが決定される可能性が強まった。議長会見については来年からは8回のFOMC全てで行われることも発表された。
「欧州中央銀行(ECB)も正常化ステップを歩み始めた。14日にECBは金融政策を決める政策理事会で資産を大量に買い入れる量的緩和政策を年内に終了することを決めた。月300億ユーロの買入は9月まで続け、10月から12月にかけ月間の資産買入額を150億ユーロに減らし、買入そのものは12月で停止する。主要政策金利となるリファイナンス金利は少なくとも来年の夏まではゼロ%のままとし、利上げは以降になるとを示した」(日経)。
「資産保有額は維持することも発表、国債償還分についてその分は買い入れることになる。正常化に向けての慎重姿勢はイタリアの政治リスクや物価が目標を達成していないことも理由となろうが、市場に配慮していることも確か。日銀は15日の金融政策決定会合において長短金利操作付き量的・質的金融緩和策の維持を決定した。欧米の中央銀行が出口に向けて慎重ながらも舵を取る中、日銀は非常時の政策とも言える異次元緩和策を継続している。
ただし、現実には国債買入規模を縮小しているなど出口戦略も意識しているかにみえるが、未だに買入れペースの保有残高の増加額年間約80兆円と言う数字を残している。また長期金利の誘導目標もゼロ%程度としており、平時とも言える状況になっているにも関わらず、非常時のような対応を続けていると言わざるを得ない」(日経)――。
「なぜ、日銀は柔軟な対応を取れないのか。欧米の中央銀行が出口に向かう中、日銀だけが向かえないのは、なぜか。日銀が大胆な緩和策を取れば物価のグローバルスタンダードとした物価の前年比2%の上昇は、いとも簡単に達成しうるとしたリフレ派の意見を政府が日銀に押し込んだことが要因。しかし、その考え方が間違っていたことはこの5年間の日銀と物価の動きを重ねればわかる。日銀が目標に掲げた2%の物価目標が日本経済にとって適切か。
黒田総裁は15日の会見で7月末に公表する新たな『経済・物価情勢の展望(展望レポート)』に向け議論を深めると明言した。元々日銀は物価についての適正水準はゼロ近傍、もしくは前年比1%あたりを想定していたはず。とすれば目標の物価、つまり消費者物価指数(除く生鮮食料品)は今年に入り一時1%台に乗せていた。目標2%に達成していないものの、出口戦略に舵を取ったECBのように日銀も出口戦略を採り得たはず」(日経)――。
(平成30年6月21日)
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