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「もらえるはずの年金がもらえていなかった。年金制度への信頼を揺るがしかねない事態がまた明るみに出た。『振替加算』と呼ばれる上乗せ年金の支給漏れが約10万6千人分見つかった。総額598億円にのぼる。支給漏れが最も多い人は約590万円、未払い分を受け取らないまま亡くなった人も約4千人いるとみられる」と「朝日」社説(9月18日)。
「年金制度は1986年、全ての国民が加入する仕組みになった。その際、任意加入だった専業主婦らの加入期間が短く、年金額が少なくならないように設けられたのが<振替>加算。支給漏れは加算の支給が始まった<91年>から生じていた。振替加算を巡っては旧社会保険庁時代の<2003年>にも約3万3千人分、約<250億円>の支給漏れが見つかった。にもかかわらず、どうして<再び>このような事態になったのか」(朝日)。反省の色がない!
「03年の時は夫婦双方のデータを管理する旧社保庁内でのミスだった。これに対し今回は、支給漏れの96%が夫婦のどちらかが元公務員のケース。旧社保庁を引き継いで10年に発足した<日本年金機構>と公務員の年金を扱う<共済組合>にデータがまたがっていたという。共済組合と機構との間で、加算の支給に必要な情報がきちんと伝えられなかったり、情報の確認が必要な人を抜き出すシステムに不備があったりしたことが今回の支給漏れの主因だ」(朝日)…。いい加減な「分析」を書くな!システム全体の理解の欠如が問題――。
「一昨年秋の厚生年金と共済年金の一元化。機構が共済側のデータの一部を見ることができるようになって、ようやくわかったということのようだ。だが旧社保庁のズサンな年金記録への<反省>から発足したのが機構。再出発後も<不備>を放置してきた責任は重い。他にも支給漏れなど問題が残っていないか。長年のウミは今回で完全に出し切れたのか。<徹底的>な洗い直しが必要だ」(朝日)…。「機構・共済組合」側の発表を<鵜呑み>!ロクな分析も思索も割愛。いい加減のまま書き流す。これでは今回も反省不足。不備のタネとなる。
「機構と共済組合は、情報共有が進んだとはいえ、今も<別組織>のまま。<官民>で分けることを疑問視する声も根強くある。組織統合も視野に効率的な運営態勢を考えるべきだ。支給漏れの背景には、制度が複雑でわかりにくいという問題もある。例えば振替加算がつく配偶者の方が年上の場合、加算の対象になる時点で機構への届け出が必要だが、手続きをしていない人も多くいた。機構は今後、届け出もなくせるものは廃止するという。他にもこうした<改善>の余地はあるだろう。国民の立場にたった業務の見直しも急務だ」(朝日)…。
なぜ「届け出」が必要なのか。今や<AI><IT>の全盛時代。コンピュータのデータ管理や処理能力を、フル稼働させるという<発想>に立てば「届け出」など即時に<廃止>できる。こんなところにも<お役所>仕事の<甘え><怠慢>がミエミエ。こんなことが安易な「届け出」制度を温存させる。「機構は今後、届け出も<なく>せるものは廃止するという」…。こんな<甘ったれ>を無造作に<コピー>して残す。「朝日」新聞もナンタルチ〜ア――。
「年金大崩壊〜年金はなくなる」(岩瀬達哉・講談社。2003年9月11日初版)は名著…。火山、発売直後に<精読>!衝撃を受けた。今回、再びチェック。<表現>は古いが、<内容>は今もピカピカ――。「◎役人と政治家の年金はガッチリ守られている…。◎預けた掛け金が湯水のごとく浪費されている…。◎厚労省は霞が関で最も経費の使える省庁…。◎年金財政は危機的状況にはない…。◎サラリーマンが割を食わされている…。◎天下り財団が裏ガネづくりに使われている」(「年金大崩壊」裏<帯>から)――。これも信頼できる。
「厚生労働省は、はなから、われわれの『福祉』ではなく年金官僚たちのための利権づくりを目論んでいたのである。このことは、戦前の厚生年金保険課長で、厚生年金の前身、労働者年金保険法を起案した花澤武夫氏が証言している。『いよいよこの法律ができるということになった時、すぐに考えたのは、この膨大な資金の運用ですね。これをどうするか。これを一番考えましたね。(厚生年金の掛け金は)何十兆円もあるから、一流の銀行だって敵わない。その理事長というのは日銀の総裁ぐらいの力がある』」(「年金大崩壊」・20頁)――。
「花澤課長の証言――。『この資金を握る。次に年金を支給するには20年もかかるのだから、その間、何もしないで待っているという馬鹿馬鹿しいことを言っていたら間に合わない。戦争中でも何でもすぐに福祉施設でもやらなければならない。すぐ団体を作って、政府の福祉施設を肩替わりする。年金保険の掛け金を直接持ってきて運営すれば、年金を払うのは先のことだから今のうちどんどん使ってしまっても構わない』」(「年金大崩壊」・22頁)――。
「『使ってしまったら先行困るのではないかという声もあったけれども、そんなことは問題ではない。早いうちに使ってしまった方が得する。20年先まで大事に持っていても貨幣価値が下がってしまう。だからどんどん運用して活用した方がいい。何しろ集まる金が雪ダルマみたいにどんどん大きくなって、将来払えなくなったら賦課式にしてしまえばいいのだから、それまでの間にせっせと使って使ってしまえ』」(「年金大崩壊」・22頁)…。
「『賦課式』とは、支払うべき年金額に応じた掛け金を、その都度集める方式。<積立金>を持つ現行方式(修正賦課方式とも修正積立方式ともいう)に比べ掛け金が高くなるとして厚労省はこの方式に一貫して<否定的>見解を示してきた」(「年金大崩壊」・23頁)――。だがお立合い。ここがポイント!最近のメディア、「朝日」含め<世代間扶養>と簡単に書く。「<少子高齢化>で<若い>世代の負担が増える」「次の世代に<負>の遺産を残せない」…。あれ!政府もメディアもいつの間にか<賦課式>…。<積立金>はいつ消えた――。
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