火山の独り言

時ならめ 風に挑みて 鯉のぼり

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「国と東京電力の両方に賠償を命じた福島地裁の判決だった。原発事故の被災者ら約4千人が起こした裁判で津波の予見性と対策をしなかった責任を明確にした点は極めて大きな意味がある。『なりわいを返せ、地域を返せ』のスローガンで全国最大規模の訴訟だった。原告は福島全59市町村だけでなく宮城、茨城、栃木にまたがる。居住地の放射線量を事故前に戻す『原状回復』を求めたが、認められなかった」と「東京」社説(10月11日)――。

「だが国と東電に対し、約5億円の賠償を認めた。この判決が画期的といえるのは原告勝訴に導いた論理の明快さといえる。まず出発点に挙げたのが『長期評価』である。文科省の地震調査研究推進本部。その地震調査委員会が2002年に作成した『三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価』のことだ。これを判決は『専門的研究者の間で正当な見解として是認されたものであり、信頼性を疑うべき事情は存在しない』と断言する」(東京)――。

「そうすると国も東電も福島第一原発付近では最大15.7メートルの津波を<予見>することができた。実際<08年>に東電自身がそのように<試算>している。判決はいう。経産相は長期評価が公表された後、シミュレーションに必要な期間が過ぎた02年末までに東電に非常用電源設備を技術基準に適合させるよう行政指導すべきだった。東電が応じない場合<規制>権限を行使すべきだった。判決は津波対策の回避可能性にも具体的に言及する。

安全性確保を命じていれば東電はタービン建屋や重要機器室の水密化の措置を取っていただろうから、全電源喪失による事故回避は可能だった。何とも整然とした論理である。国の責任をはっきり明言した判決に<敬意>を払う。『経産相の02年末の津波対策義務に関する規制権限不行使は許容される限度を逸脱、著しく合理性を欠いていた』。02年から東日本大震災の11年までの間、国も東電もすべきことを何もせず<漫然>としていた」(東京)。

「『大地震も大津波も確かに自然の力による<天災>。しかし原発事故は<予見>できたのに手を打たなかった<人災>である』。今回の<裁判>で鮮明に見えてきた」(東京)――。
「原発賠償判決。国と東電への<警告>だ」と「朝日」社説(3月19日)――。「東京電力はもちろん、国の原子力行政に厳しく反省を迫り、自覚を促す判決だ。福島第一原発事故で避難生活を余儀なくされた住民が、東電と国に賠償を求めた集団訴訟で<前橋地裁>は両者の<責任>を認める判決を言い渡した」…。えっ、唖然!「朝日」もハッキリ<断言>!

「根底に流れるのは<事故>が起きれば<甚大>な被害をもたらす<原発>を『国策民営』で推進してきた以上、事業者も国もそうした事態を招かないようにする、極めて<重い>義務を負うという考えだ。頷く人は多いだろう。一方、刑事と民事の違いはあるが、東電の元幹部について検察が2度にわたって不起訴にした末、検察審査会が強制起訴の議決をするなど、事故を巡る法的評価は定まっていない。今回と同じような集団訴訟は各地の地裁に起こされている」(朝日)…。「原発、即時ゼロ」の小泉純一郎元首相、どんな気分か――。

「救済すべき住民の範囲や金額も含め今後の裁判例の集積を注視する必要がある。判決を聞いて改めて思うのは<3・11>前に関係者全体を覆っていたか。『慢心』である。地裁は<東電>は遅くとも02年には<大津波>を予測できたのに簡便な対策さえ怠った。そして国は必要な措置をとるよう東電に命じるべきだったと指摘した。判決には『経済合理性を安全性に優先させた』『国の不合理な態度も東電と同様の非難に値する』といった苦言が並ぶ。

これは事故翌年に国会の事故調査委員会が『東電や国がリスクを認識しながら、対応をとっていなかったことが根源的な原因』と指摘したのと重なる。にも拘わらず、この<津波>リスクの扱いについて<東電>は今に至るもキチンとした<検証>結果を公表していない。事故を防ぐには、いつ、誰が、どのような<判断>をすべきだったのか。いかなる組織だったらその<判断>が通ったのか。こうしたことを調べ、考え、他の事業者にも伝える。事故を起こした当事者が負う<当然>の責任を<東電>は果たさねばならない」(朝日)――。

「原子力規制委員会ができ、態勢は強化された。だが近年、原発立地近くの活断層の認定や基準地震動の設定を巡り、電力会社側が<抵抗>しているようにみえる場面が散見される。事業者優位といわれ続けてきた関係を脱し、新たな知見に基づき、迅速に対応させる。今回の判決を、規制業務のあり方を点検する機会にしてほしい。安倍首相は今年の東日本大震災の追悼式の式辞で『原発事故』の言葉を使わなかった。掘り下げるべき<課題>は沢山、残ったままである」(朝日)…。いかがだろうか。国にも東電にも<慢心>は残ったまま――。

「原発避難訴訟、国の責任認める。『津波予見できた』。前橋地裁判決」と「日経」社説(3月17日)――。「福島第1原子力発電所事故後に福島県から群馬県に避難した住民ら137人が国と東京電力に1人あたり1100万円(総額約15億円)の損害賠償を求めた集団訴訟の判決が17日、前橋地裁であった。原道子裁判長は請求の一部を認め<国>と<東電>に<賠償>を命じた。『国は2002年には津波の到達を<予見>できた。国が事故を防げなかったのは<違法>と国の責任を認めた』と」(朝日)…。我々も「判決」を<銘記>したい。

「全国20の地裁・支部で避難者ら約1万2千人が起こした集団訴訟の最初の判決。原発事故を巡り国の賠償責任を認めたのは初めて。東電も津波を予見できたと認定した。原裁判長は判決理由で、02年7月、政府の長期評価が巨大地震で津波が原発敷地を大きく上回ると試算していた点などを挙げ、『遅くとも02年7月から数カ月後の時点で国は非常用配電盤を浸水させる<規模>の<津波>到来を<予見>できた』と指摘」(朝日)…。凄い――。
(平成29年11月14日)

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「11月9日には日経平均株価が25年ぶりに2万3000円を超え、景気回復期間も『いざなぎ景気』を超えたと報道されていますが、日銀が目標とする2%の物価上昇は未だ達成されず、何より日々の生活で『好景気』を実感することはありません。なぜこのような事態となっているのでしょうか。メルマガ『国際戦略コラム有料版』では著者の<津田慶治>さんが、国内外の様々な要素を鑑みつつその分析を試みながら、日銀の金融政策の誤りや今すぐ手を打たねばならないこと等を記しています」と「まぐまぐニュース」(11月14日)――。

「日銀ETF買いでバブル助長」――。「日経平均株価は2万3000円にもなるが、まだ日銀は少しの下落時でも<ETF>買いを中止しない。この<バブル>助長は今後大きな<禍根>を残すことになる。それを見よう。トランプ氏は日本で歓待されたが、中国では米国の要求を撥ねつけられたのに、中国を非難しないで歴代の米大統領が貿易赤字を放置したことを非難している。中国が<28兆円>の製品を買ったことで、トランプ大統領は<ディール>として<成功>と我慢した」(まぐまぐ)…。火山も同感!ここまでは「正論」と思う――。

「短期の取引しか見ないトランプ政権と中国<習近平>政権の長期戦略で見る交渉の違いを見せつけている。しかも、28兆円の半分がLNGなどエネルギーで、中東サウジの混乱とみて、中国はサウジから米国のエネルギーに乗り換えるようである。そして、米国は大企業のトップを連れてきて、中国でのビジネス交渉しているので、中国と決裂するわけがない。米国企業の収益の半分以上を中国で稼いでいるので中国と友好関係を失うこともできない。それを中国も知っているので<強気>に出ている」(まぐまぐ)…。ナルホド、納得できる。

「特にこの半年、<中国>の景気がよく景気の良さで世界の企業は儲けを増やしたことで、世界株式市場が<好調>に推移している。安倍首相の圧力一辺倒が世界の非常識であることは既にこのコラムで述べているが、中国から北朝鮮との対話を米国は迫られ、60日ルールなるものを持ち出し、北朝鮮との交渉を開始するようだ。中韓会談でも北朝鮮と戦争ではなく<対話>で合意した。安倍・トランプの<圧力>一辺倒は世界の<非常識>であることが明確化してきている」(まぐまぐ)…。えっ、知らなかった。安倍は世界の非常識――。

「よってティラーソン国務長官の主張が米国の政策となる方向である。このように中国の意見が、米トランプ大統領の主張と違っても採用され始めている。米トランプ政権には筋の通った戦略や戦術がないことで、世界の主導権が徐々に中国になり始めてしまった。このため日本も中国と友好関係を結び、中国の主張と折り合いをつけることが必要になっている。このため日中首脳会談も頻繁に開催する必要がある」(まぐまぐ)…。これ、火山は歓迎。

「中国の景気動向で世界の<株価>はどうなるか」――。「中国の景気動向は資金のバラマキによるミンスキー・モーメントが近く、金融崩壊を避けるためにも資金を絞る方向になる。当然、今より景気は悪くなる。米国の株高は米国の税制改正というが、企業業績の半分は中国に依存する部分であり、この中国での儲けがなくなると株価は落ちることが予想できる。米国株価が落ちると、日本の日経平均株価も落ちることになる」(まぐまぐ)…。ナルホド!

「金融政策は、特に<量的>緩和は景気後退期に行うことで通貨量を増やし、通貨量を維持することで、物価下落を止め景気の<底上げ>を図ることである。しかし現時点、世界的な景気上昇時であり、金融政策は引き締めの方向にする必要がある時期なはず。内閣府は2012年12月に始まった景気回復局面が高度成長期の『いざなぎ景気』を超え、戦後2番目の長さとなったと言っている。自動車販売店に行くと、土日は多くの客がいてなかなか対応してくれない。有名な料理の店でも多くの客が列を作り、景気が良いことを<実感>する――。

これ以上の景気拡大を起こす必要がないはず。この景気上昇は中国の景気が良いことで起こり、中国の景気は今後落ちることが見えている。現時点では量的緩和を止め、買ったETFを売り、次の景気後退に備えるべき時である。日銀は手持ちETFを今売れば膨大な<儲け>を得ることができる。それを国庫に回し、政府はその資金で<国債>を大量に<償還>した方がよい。こうして次の景気後退期に備えるべきである」(まぐまぐ)…。えっ、ホンマ!

「もし日銀がETF買いを続けると<株価>は上昇していくが、それは<バブル>を助長していることになり、景気後退時に、その分株価が落ちる。バブル崩壊になると景気後退の深さが大きくなる。よって今の日銀ETF買いには良いことは殆どない。だが<物価>はなかなか上がらない。これには理由がある。全人口に占める60歳以上の高齢者数が50%になり、年金生活者が拡大、この<年金>が年々<減額>されているからである」(まぐまぐ)――。

「高齢者層でも所得が高い人の年金を減らしたり、所得税を上げ…。しかし、年金の低い人の年金を下げないようにしないと<消費>を下げざるを得ない人口が半分いることによる。もう1つが非正社員や中小企業社員が雇用数の半分になり、<給与>が増えない。社会保障費が上がり手取り収入は増えない。減っている場合もある。アルバイトの賃金は上がったが、非正規の契約社員より低い。よって消費は全体的には下がり、物価が上昇しないことになる。

物価が上がる理由の多くが原材料の高騰である。価格が上がると消費を下げることになる。この部分が大きいので景気が良いと実感できない人が多い。財政均衡のため年金や社会保障の削減より労働人口を増やし、社会保障費を払う人を増やすしかない」(まぐまぐ)――。正直に告白しよう。今の火山には、これは<仮説>に見えるが、<検証>するスベがない。だがアベノミクスの<物価2%>が実現できない<一因>かも…。困ったものだ――。
(平成29年11月14日)

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「高い<収益>を一層の<賃上げ>など人への<投資>につなげたい。<守り>の経営から脱却する時である。東京証券取引所上場企業の2017年9月中間決算発表が山場を越えた。1部上場企業全体の売上高は、前年同期比<9%>増、最終利益は<23%>も増えた。最終利益の総額は2期ぶりに過去<最高>の見込みだ。18年3月期の業績予想を上方修正する企業は300社を超えた。<円安>や海外経済の回復が追い風となり<電機>や<自動車>など<外需>産業を中心に<好調>ぶりが際立つ」と「読売」社説(11月14日)――。

「電機大手のソニーは20年ぶりに営業利益が過去<最高>となった。テレビ事業の低迷にあえいだソニーの<復活>は、スマートフォンなどに使う<画像>センサーの売り上げ増が牽引役となっている。新型<ゲーム>機の売り上げが好調な任天堂も、18年3月期の営業利益が前期比<4倍>増の見通し。<強み>を持つ技術や製品に磨きをかける<戦略>が功を奏している。世界競争が激化する中、経営資源を<得意>分野に<集中>させるのは、有力な選択肢だろう。好業績は、外部要因の<円安>による部分も大きい」(読売)――。

慶大経済の<優等生>だった火山、マルクス「資本論」とケインズ「雇用、利子および貨幣の一般理論」を精読、研究してきたが、卒業後も半世紀以上、関連専門書を読み、企業の現場で経済、経営、会計、政治を学び、日本と世界のマクロ経済を見つめてきた。個人投資家でもある。持論は「<賃上げ>が<成長><景気>を呼ぶ」――。だからこの社説に刮目!

「海外で稼いだ利益が円換算で膨らみ本来の<実力>を超える好決算も少なくない。トヨタ自動車は18年3月期決算で最終<増益>の見込みだが、<円安>の押し上げ効果が1750億円に上る。この特殊要因を除けば実質的に<減益>という。自動車業界は、電気自動車や自動運転車の実用化に向け、大きな技術革新期を迎えている。円安の好機を逃さず研究開発体制を一段と強化する必要があろう。内需関連の企業業績は、もたつきが目立つ」(読売)。

「従業員確保のための<人件費>が嵩み、ヤマトホールディングスは最終赤字だった。携帯大手のNTTドコモも営業減益となった。18年3月期に減益を見込む百貨店大手の三越伊勢丹ホールディングスは<早期退職>制度を拡充、1000人規模の追加削減を計画している。日本経済を底上げするには、潜在成長力を高める地道な取り組みが不可欠である」(読売)。

だがちょっと待った。「従業員確保のための<人件費>が嵩み、ヤマトホールディングスは最終赤字」…。「人件費が嵩み、赤字」とはナンタルお粗末な<発想>か――。若き日の火山、昭和40年代(1965年〜)。新婚早々、人事部からリストラされ、「生協」という名の「会社売店」の経営に身を粉にした。会社を見返したい。その一念を原動力に「公認会計士」を目指し<猛勉>!ナント、3年目(1968年)に「日本生協連」本部の公認会計士から「自分の<後任>になってほしい」とスカウトされるまでに成長した。プロと認められた――。

「会社生協」の経営でも頑張った。<売上倍増>の「旗」を掲げ、主婦パートを育て、彼女らをプロの「マーチャンダイザー」や「売り子」「経理」「店長」として活用、「好業績」「高賃金」経営を実現した…。この時のモットーが「企業は<自己実現>の場、人生は一人一人が<主役」「常識を疑う<哲学>精神」だった――。「<賃上げ>が<成長>の原動力」も実践した。「近隣トップの<時給>」をモットーに<主婦>人材を集め、OJTを含め、育成・活用した。人材を<現場><仕事>で育て、育つのだ…。これが<鉄則>――。

「工場を高度化する<設備投資>で生産性を高める。<研修>の充実など手厚い<人材>育成で<技術革新>を促進する。非正規労働者の正社員登用で裾野の広い<賃上げ>を図る。こうした施策で<好業績>を起点に<投資>と<消費>の<好循環>を導きたい。安倍政権は<3%>の賃上げを経済界に求めている。政府も新事業を生み出せるよう<規制緩和>で企業を<後押し>せねばならない」(読売)…。昭和40年代は、ダイエー、ユニー、イトーヨーカ堂などアメリカ直輸入のSSDDS(スーパー)の流通革命の勃興期でもあった。

「ビッグストアへの道」(渥美俊一、川崎進一。全9巻)が評判を呼び、「ペガサスクラブ」の講座に<野心的>経営者が殺到していた。火山も徹底的に研究、売り場で<実践>!手ごたえを<確認>しつつ、<売上倍増><経営革命>に邁進した――。<実績>も上げた。だから「人事リストラ」から僅か<2年半>…。昭和43年(1968年)9月には会社から乞われ、「人事部研修課」に<凱旋>!昭和62年(1987年)2月、「マーケティング推進本部<初代>研修部長」に<大抜擢>!平成9年(1997年)6月、教育部長で<定年>――。

「従業員確保のための<人件費>が嵩み、ヤマトホールディングスは最終赤字」…。「人件費が嵩み、赤字」とはナンタルお粗末な<発想>か――。「人件費は<コスト>ではない!<投資>なのだ」…。<高賃金>を<武器>に<人材>を集め、活用!業績を伸ばす――。これが「企業の社会的責任」であり「経営者の使命」なのだ。これを忘れては、ダメ――。火山の持論は「賃上げが<成長>や<景気>を呼びこむ」…。次を、ご参照ください。

「企業は収益が上がっているのに賃上げに十分回さずため込んでいる。アベノミクスが始まって以来、3年間で企業の内部留保(利益剰余金)は73兆4千億円も増え、合計で約380兆円に達した。うち現金・預金は約2百兆円もある。これに対し<給料>は1年目は合計で3・4兆円減少、2年目は4兆円、3年目は2兆円それぞれ増えたが、合計すると3年で2・6兆円しか増えていない」「東京」社説(昨年10月7日)…。これでは<家計>の消費が増えない。<有効需要>の不足!だから<デフレ脱却>も<景気回復>もできるわけない!
(平成29年11月14日)

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高校3年の昭和30年10月。筑摩書房から「太宰治全集」が刊行された。全12巻を予約、毎月1冊、箱入り豪華装丁の新刊を読み始めた。我が青春の記念碑。大事業だった。ある作家の全作品を読んだのは太宰治ただ一人。最初の配本の「思い出」に国語教師から太宰が聞いた赤い糸の話があった。私たちの右足の小指には目に見えない赤い糸が結ばれていて長く伸び、もう一端がある女の子の同じ足指に結びつけられている。私たちはその女の子を嫁にもらうことに決まっているという。

今回、五所川原の家内の姉が太宰の生家に案内してくれた。車で20分、金木町が買い取り、今は太宰治記念館「斜陽館」。貴族院議員の父親が明治40年(1907年)に建てた。1階11室、2階8室、泉水を配した庭、敷地680坪の豪邸。小作300人以上を持つ大地主、金融業も営む大金持ちだったのだ。

家内は太宰と同じ津軽の人。案内の姉も太宰に深い愛着と誇りを持っている。太宰の長兄・津島文治は長く青森県知事を務めた。姉は自分の家族のように語る。家内が数年前、太宰の作品を夢中になって読み始めた。妹の伴侶(義弟)の父親が太宰の親友だったからだ。義弟の祖父の屋敷は太宰の生家の対面にあった。今はその一部が記念館の駐車場になっている。大地主で呉服商でもあった。

その義弟が上京する。家内は義弟が両親と過ごした新大久保の旧居の辺りを案内したい。義弟は一人っ子。両親を乳児の頃亡くし、伯母に育てられた。父親の記憶は全くない。幼時の頃のことは何も知らされていないのだ。家内は、そんな義弟(妹の伴侶)のために、太宰の作品から父親の足跡を探そうと思った。半狂乱のように「全集」全12巻を読み始めた。本来、無茶な話だ――。
<つづく>――。この作品、はるか昔に書いたもの。「書庫」に眠っていました。

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「建久元年(1190年)旧暦2月16日、西行は73歳の生涯を終えた。長年の友だった歌人・藤原俊成は歌集「長秋詠藻」に西行をしのんで次のように記した。

「かの上人、先年に桜の歌多くよみけるに〜<願はくば花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月の頃>〜かく詠みたりしを、をかしく見たまへしほどに、つひにきさらぎ十六日、望月(もちのひ)をはりとどけること、いとあはれにありがたく覚えて、物に書きつけ侍る」(ウエッジ社<感じる旅、考える旅>「トランヴェール」3月号・18頁)―――。

人はいずれ死ぬという運命の中に生きている。西行も死期が近いと悟り始めると<出家遁世>の<初心>を自己完結させた姿で死を迎えようと、ひたすら念ずるようになる。そして<釈尊>の<入寂>と同じ日に死ぬことを願った。

旧暦2月16日、望みどおりの満月の夜、今を盛りと咲く桜のもとで西行は寂滅した。歌人たちは驚愕した。そして西行の予告どおりに見えた、死は彼の歌名を不朽のものとした。しかし、仏教者の多くは<数奇者の演技>と冷ややかに見た。いつの世にも嫉妬はある。だが<愚管抄>で知られる天台座主の慈円は、後鳥羽上皇の宮廷で西行とともに歌を詠んでいた。慈円は西行の死を高く評価している。

<愚管抄>――。鎌倉時代初期に天台座主の慈円が書いた歴史書。だが関白・藤原兼実の実弟だった慈円。天皇家と運命を共にし、源平盛衰の歴史の中に生きた。その意味で「愚管抄」は単なる歴史書ではない。慈円は多くの人物にインタビューを試み、自分の歴史観を検証しながら、自らが考える理想を説こうとした。慈円が見た西行、その意味で面白い。実は火山、定年直後から4年間、ある高校の公開講座で原典を読み通した。

西行の俗名は佐藤義清(のりきよ)。鳥羽上皇の宮廷を守る「北面の武士」だった。23歳の保延(ほうえん)6年(1140年)に出家していることが内大臣・藤原頼長の日記「台記」によって知ることができる。
史上最年少の17歳で内大臣になった頼長は「日本一の大学者、和漢の才に富み」と謳われる人物。実は慈円の叔父だ。しかも鎌倉幕府を開いた頼朝の父・源義朝が敗死する原因となった保元・平治の乱を引き起こした<張本人>なのだ。頼長の「台記」の記述。

「そもそも西行は、もと兵衛尉(ひょうゑのじやう)義清なり。重代の勇士をもって法皇に仕え、俗時より心を仏道に入る。家富み、年若く、心に愁いなきに、ついにもって遁世す。人これを歎美する也」――。
内大臣頼長から見ても<家富み>といわせるほど裕福で<重代の勇士>。武勇にも優れていた義清の前途は誰が見ても有望だった。それなのに出家・遁世した。人々が<歎美>して当然と内大臣頼長は書く。

上皇の御所を警護する<北面の武士>は「武芸に秀れ、美貌をそなえ、教養を身に付けていることが、この職を全うする条件であった」(小松和彦ほか「西行と兼好」ウエッジ・29頁)――。歴史のめぐり合わせは面白い。義清の先祖は藤原秀郷。あの平将門を滅ぼした豪族だ。奥州に覇を唱えた藤原秀衡も義清の遠縁にあたる。凄い名門だ。

その義清(西行)が、なぜ出家したのか。諸説があって定説はない。出家とは仏門に入って修行すること。23歳の義清にはすでに妻子がいた。23歳の脱俗は<世の無常>に帰すには早すぎる。面白いのは鳥羽天皇のお后で絶世の美女と謳われた待賢門院璋子(しょうし)に失恋したというもの。だが義清は女性に非常にもてたらしい。「倫(みち)ならぬ恋、恐れ多い恋であっても、これは失恋とは言い難いだろう」(「西行と兼好」30頁)。

「方丈記」で有名な鴨長明の<発心集>に面白い記述がある。義清には20歳前後の弟がいた。その弟に莫大な財産を譲り、妻子の扶養を含め、後事を託したというのだ。「出家しても霞を食べて生きていけるわけではない。まして草庵を結んだりする費用や旅の路銀など、あの時代にしても多額にのぼるはずであるから、出家遁世を企てた段階からその算段はしていたはずである。そのことを本人が口外しないだけである」(「西行と兼好」33頁)。

「西行と兼好」で<西行とは何者か>(27頁)を書いた松永伍一は鋭く分析する。「経済問題を無視して大胆に行動に出るほど無謀な男ではなかった。『妻子はどうする』と質問する人がいても、『世を遁れて生きるのだから、そういう事柄は一切関知しない。そんな世俗のしがらみを排することにこそ意味がある』と答えればよい。西行の二重人格性の面白さは、スタートから、つまり(出家の)謎の始まりのところから発揮されていて、美化された伝説に飼い馴らされた私たちが、それをいとも易々と見落としていたのだ」(34頁)。

「準備万端を整え、妻子の安全も確保した上で<出家遁世>した」では<歌人西行>の評判に響く。剛毅な武士の魂を持った義清も後の西行も実は世俗の本質を知悉していた。全部、計算づくだった。

「企画力と演技力は死の場面にまで続けさまに発揮された、といえようか。伝説は見事に彼の存在をかばってくれた」(松永・34頁)――。<願はくば花の下にて春死なんむ>は<数奇者の演技>だろうか。連載で考えてみたい。
(平成19年3月30日)

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