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「自民党が憲法改正推進本部の会合を開き、改憲に向けた<議論>を再開した。衆院選で自民党は▼自衛隊の明記。▼教育の無償化・充実強化。▼緊急事態対応。▼参院の合区解消の4項目を<公約>に謳った。公明党とあわせた与党で、改憲発議に必要な3分の2を上回る議席を獲得した。与野党を問わず、国会議員の<改憲>志向は強まっている。本紙と東大の調査では<当選者>の<82%>が改憲に<賛成>姿勢だった。一方、<国民>の意識と大きなズレがあるのも確かだ」と「朝日」社説(11月17日)…。ズレがあるのに<改憲>へ?
「本紙の今月の世論調査で『首相に一番力を入れてほしい政策』を聞くと、社会保障32%、景気・雇用20%、教育15%などが高く、憲法改正は6%に留まった。自民、公明両党にも温度差がある。公明党の山口那津男代表は最近、こう指摘した。『発議は、国会内の多数派工作で可能な場合もあるが、国民投票でぎりぎりの過半数では大きな反対勢力が残ってしまう。国民の憲法としては不幸な誕生になる。発議の3分の2の背景には、それ以上の国民の支持があるくらいの状況が望ましい』。見識だろう」(朝日)…。火山も<同感>――。
「国会による発議にこぎつけたとしても、最終的に改憲の是非を決めるのは主権者である国民による投票だ。国民の納得が不十分なまま強引に発議に持ち込めば、国民投票の結果がどうあれ、国民の間に深刻な分断をもたらす恐れさえある。憲法のどこに、どんな問題があるのか。その問題は憲法を改めなければ解消できないのか。他の政策課題より先に今、改憲を急ぐ必要性はあるのか。まず衆参両院の憲法審査会での超党派の議論が重要だ。少数意見を排除せず、丁寧な議論を積み重ねる。少なくとも野党第1党の賛成を得る」(朝日)…。
「手順を踏んだ合意づくりの努力を尽くすことしか、国民の幅広い納得を得る道はない。安倍首相は5月に憲法への自衛隊明記を訴え、『2020年を新しい憲法が施行される年にしたい』と意欲を示したが、夏以降は『スケジュールありきではない』と述べている。当然の姿勢だろう。何よりも大事なのは国民の多くがその改憲は必要だと理解、同意することである。改憲ありきの姿勢は厳に慎むべきだ。ましてや安倍氏自身の首相在任中の施行を視野に、期限を区切るようなやり方では、国民の合意は広がらない」(朝日)…。これは<正論>だ!
「首相の<冒頭>解散。<違憲>の疑い。権力の自己利益なら<非立憲>」と「東京」社説(9月25日)――。「安倍晋三首相が28日召集の臨時国会の冒頭で衆院を解散するという。野党による憲法規定に基づく臨時国会の求めは6月下旬から。解散でそれも流れてしまう。違憲の疑いが出てこよう。『権力者が都合のいい時に解散する。過去になかったことではないか』。かつて衆院議長を務めた河野洋平氏は20日に千代田区の日本記者クラブで語った。
加計学園問題などで野党が臨時国会の召集を求めていたことにも触れ『(首相が)一度も丁寧な説明をしないで解散するのは理解できない』と述べた。吉田茂首相の<抜き打ち>解散を巡って、1960年の<最高裁>判決がある。高度に政治性のある国家行為は裁判所の審査権の外にあり、最終的には国民の政治判断に委ねられる。これが首相の解散権の<判例>である。『審査権の外』だから首相による解散権の行使は裁判所から自由に行われる」(東京)。
「だからといって『法からの自由』ではない。憲法学の泰斗・芦部信喜著『憲法』(岩波書店)には次のように記されている。『内閣に自由な<解散権>が認められるとしても、解散は国民に対して内閣が<信>を問う制度であるから、それにふさわしい<理由>が存在しなければならない』。政府提出の重要法律案の否決、予算案の否決…。最高裁判決の中でも例示があった。解散権のような権限は本来、権力者が好き勝手に振り回してはいけないものなのだ。成文化されてはいないが、『法』に潜むブレーキである。
権力の自己利益のための解散は『非立憲』、つまり憲法に基づく政治である『立憲』ではないとみなされる。今回の場合は野党4党が憲法53条を使い<臨時>国会を6月22日に求めたことがポイントだ。この条文はいずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は臨時会を召集せねばならない。もう3カ月もたつ。条文に期限は書いていないが、常識的に考えて合理的期間はとうに過ぎていよう。かつ28日に開かれる臨時国会を冒頭で解散するとすれば、総選挙が行われ、国会審議はますます遠のく」(東京)――。
「首相の解散権を制約する主要先進国からみれば『乱用』と映るかもしれない<冒頭>解散劇になる。25日の首相の会見ではしっかりした説明を聞きたい」(東京)…。「主要先進国からみれば『乱用』」…。つまり、西欧諸国からみれば<非常識>に等しい」――。
「台風18号に張り合うかのような、突然の<解散風>である。またたく間に列島を駆け抜けた。来月22日の投開票とされ『受けて立つ』とか『大義がない』など野党も声高だ。政界の秋の陣は<風雲急>を告げている。『バカヤロー』やら『黒い霧』にならって、通称を考えたい。▼まず<疑惑>を封じる『モリカケ解散』。臨時国会で追及され、政権の体力を落とさぬためであろう。次の候補は野党第1党がフラつくうちの『敵失解散』か」と「日経」コラム<春秋>(9月20日)…。「モリカケ」疑惑を雲散霧消させたい――。
「政権の政策は『アベノミクス』から『人づくり革命』まで何かやっている感じを出しつつ、まとまりに欠ける面もある。『とっちらかし解散』とでも評されようか。▼いずれにせよ、決断は北朝鮮の核やミサイルによる挑発への対応で支持率がジワリ上昇した機を捉えたふうだ。軍師の如き首相の勘に驚く。しかし『なぜ信を問うか』との疑問には答えず外遊の途についてしまった」(春秋)…。だが言いたい!火山なら「消費増税」を問うてほしい――。
(平成29年11月18日)
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