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「いい国つくろう鎌倉幕府――。語呂合わせで覚えた年号は忘れにくいものだ。ところが最新の学説では成立の時期を巡り他に5説あるという。高校生向け参考書に紹介されていた。源頼朝が守護・地頭の任命権を握った年として1185年が学界で最有力説らしい。▼研究成果を反映、語呂も変わるかもしれない。『歴史とは現在と過去の尽きることのない対話である』とのE・H・カーの言が浮かぶ。こちらも、そうした『対話』の結論なのか」と「日経」コラム<春秋>(12月4日)…。ピンと来た。同感!火山も実は<削減案>に怒り心頭!
「このほど歴史の教員らで作る研究会が高校の日本史や世界史で学ぶ用語を半分の1600語ほどに減らそう、との提言案をまとめた。▼用語は1950年代の3倍弱にも増えたという。先生は教えきれず生徒の方も暗記を嫌って敬遠する。大胆に人名など削り、かわりに『気候変動』『グローバル化』など大きな流れの理解につながる語を追加したそうだ。『暗記ものという固定観念を脱し考える楽しさを伝える教育に』とは研究会会長の弁である」(春秋)…。
「▼とはいえ、削除案にはちょっと驚く。蘇我馬子、新撰組、坂本龍馬、クレオパトラ…。
<ヒーロー>や<悪役>に導かれ歴史に関心を持つ生徒も多いだろうに、学びの好機を逸することになりはしまいか。将来「過去との対話」が成立しなくなるのではと心配にもなる。パイプを閉ざすことにならぬよう、切に願いたいものだ」(春秋)…。火山、大賛成――。
「大学入試で教科書に載っていない<細かい知識>を問う問題が出ると、その用語が教科書に追加。これが繰り返され、<用語数>は増え続けてきた。一方、週<3コマ>の高校授業で教えられる用語数は年2000語程度。高大研会長の油井大三郎・東大名誉教授は『<用語>が多すぎて、<授業>でとても教えきれない。<暗記>を嫌う生徒にも歴史科目が敬遠される』と指摘する」と「日経」(11月18日)…。授業は小中高とも年間200日(40週)が標準。週<3コマ>とは年間<120コマ>!50分×120=6000分(100時間)――。
「高大研は『教科書本文に必ず載せ、入試でも知識として問える用語』を目安に約1年、用語を精選。特に<人名><文化>に関する用語は<知名度>が高くても、歴史上の<役割>を考慮、大幅に減らした。『上杉謙信』『坂本龍馬』『ガリレオ・ガリレイ』『マリー・アントワネット』などは外れた。一方、歴史の<流れ>の理解に必要として『共同体』『官僚制』など社会制度上の<概念>を示す用語や『気候変動』『グローバル化』など現代社会の<課題>につながる用語を追加した」(日経)…。ナヌッ!削減に<ガリレオ>も入る。唖然!
「用語案をまとめたのは高校、大学で歴史教育に携わる教員でつくる高大連携歴史教育研究会(高大研)。日本史B、世界史Bの主な教科書には3400〜3800語が掲載されている。10年前から1割増、1950年代の3倍弱に増えた。油井氏は『歴史=暗記という<固定観念>を脱し、<考える>楽しさを伝える教育に変える必要がある。用語案は<教科書>作成や<入試>作問の参考にしてもらいたい』としている」(日経)…。火山、「文科省」「教委」と目にすると<ヘド>を覚える。「無責任」「他人事」「隠蔽」を連想!ぶっ飛ばしたい――。
だが「歴史」は好きだ。だから「日本の歴史」(中央公論社・全26巻。昭和40年2月初版)を予約!「月1」で2年2ヶ月、<前26巻>を通読した。「神話から歴史へ」(第1巻。井上光貞)から「よみがえる日本」(第26巻。蝋山政道)まで今も愛蔵…。歴史の<流れ>を学び、慶大経済でマルクス「唯物史観」「資本論」専攻の<一里塚>となった思い出がある。
「2014年夏には、日本学術会議高校歴史教育分科会、日本歴史学協会歴史教育特別委員会、高等学校歴史教育研究会の3者による高等学校の歴史<教育>と大学<入試>に関係するアンケート調査が実施され、2ケ月という短期間であったにも拘わらず、700名近い回答が寄せられました。3分の2は高校教員、3分の1は大学教員でした。つまり高等学校や大学の歴史教育のあり方に関し高等学校と大学の<壁>を超え多くの方が強い<関心>を寄せられていることが明らかになったと思います」(高大連)…。だが期待にどう応えたか――。
「アンケート結果は多くのマスコミでも詳しく報道され、より広い社会的関心も呼んだと思います。その上、2019年からは『高等学校基礎学力テスト』が、2020年にはセンター試験に代わる『大学入学希望者学力評価テスト』の導入が予定され、各大学の個別試験の多様化なども提案されています。また初等中等教育の教育課程に関しては全教科におけるアクティヴ・ラーニングの実施や『日本史の必修化の扱いなど地理歴史科の在り方』の検討が、2016年度中に行われるといわれています」(高大連)…。大袈裟な<言い回し>――。
「用語を精選。特に<人名><文化>に関する用語は<知名度>が高くても、歴史上の<役割>を考慮…」というが、重要なのは<知名度>より<画期的>!つまり<歴史>を変えるほどの<役割>を果したか、ということではないか――。「宗教裁判」で有罪とされたガリレオ。「それでも地球は動く」と<信念><真理>をつぶやいた。「天動説」から「地動説」へ。ローマ教会、キリスト教、科学史に与えた<衝撃>の大きさを、どう見るのか――。
「フランス革命」に至る人類<民主化>…。マリー・アントワネットを生み出した「ハプスブルグ王家」は中世ヨーロッパに君臨した巨大<王朝>!「陽の沈まぬ広大な領土」をもつ名門。モーツアルトやリスト、ショパンらも、お世話になっている。フランス王家との<政略>結婚が<悲劇>を生み出した。龍馬は<薩長同盟><明治維新>の生みの親。画期的!残念ながら、火山は「削減案」について<把握>できる立場にない。だからこれ以上の<論評>はできない。だが複数の「日経」記者も<疑問>を呈している。皆さん、どうお考えか。
(平成29年12月4日)
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