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10月30日(月)の<たけしのTVタックル>は「<血税>ばらまき<農政>の闇。<減反>補助金とマル秘<票田>&巨大組織<農協>改革」だった。政治評論家の<三宅久之>が<超>珍しく<正論>を吐いた。

「戦後の<自民党><農政>は全部<失敗>だった。経済産業省を筆頭に<他省庁>には<成功>事例があるのに、農水省だけは全部ダメ。<補助金漬け>にして、何か一つでも良いことができましたか。生産性が上らない。迷惑したのは<消費者>です」―――。
「自民党の<農政>は徹底した<保護主義>!<国際競争力>とは<無縁>だった。<減反>といって<田んぼ>を<減らす>―――。コメを作らないと<奨励金>が出る。<農業>をやらないと<補助金>がもらえる。<農業>を<育てない>」―――。

「コメの<価格>は国が決める。国が<全量>買い上げる。<市場>とは無縁。6兆6000億円の<補助金>をつぎ込んだが、<40%>が<休耕田>になった。生産性は低い。<778%>という驚異的な<高関税>をつけないと<外米>の侵入を防げない。消費者は割高のコメを食べさせられる。それでも<自給率>は<40%>。先進国中で<最悪>…」―――。
これは全部、テレビのナレーション。火山の考えたセリフではない。

日経<社説>(10月30日)も指摘する。「農業改革の実現に向け経営感覚を磨け」―――。
「日本の農業政策が正念場を迎えている。補助金ばらまきと批判されてきた農家の助成制度を改める農政改革関連法が6月に国会で成立。大規模経営を目指す篤農家や営農団体に国の支援を集中する新制度がコメ、麦、大豆、てん菜、デンプン用バレイショの主要5品目について、来年の収穫分から適用されるからだ」。

<「担い手」育成が急務>「柔軟なFTA(自由貿易協定)戦略を展開するためにも、食料自給率を維持するためにも、高コストの日本の体質改善を一日も早く実現する必要がある。経済成長を重視する安倍晋三政権には、新制度を狙い通り確実に機能させる政治指導力が問われている」と社説は続く。

「国内総生産のわずか1.3%を占めるだけの農林水産業に政策的経費(一般歳出)の6.4%も充てるのは多すぎないか。特に1兆3700億円の農林公共事業にはとかく無駄が多いという指摘が多い」―――。<1.3%>の農林水産業に<6.4%>の歳出をつぎ込む。
「<血税>ばらまき<農政>の闇。<減反>補助金とマル秘<票田>&巨大組織<農協>改革」という<TVタックル>のタイトルは<核心>を突く―――。要するに<族議員><農協><農水官僚>…。お馴染みの<政官業>の<癒着>が食い物にしてきた。

「制度改革の成否もカギを握るのは<大規模>な<農家>が増えるかどうかである。<担い手>に認定された農家には、過去3年間の生産・出荷実績に応じて、国から一定額の補助金が支給される。天候などの要因で収穫や販売収入が落ちた場合は、最近の平均収入との差額の<9割>までが補てんされる」―――。
だが<呆然>とするのは<水田>の場合、<担い手>となり得る農家は全国<160万戸>のうちたった<3万戸>…。これが現状。つまり<減反>と<補助金漬け>の高価なツケだ。

<160万戸−3万戸=157万戸>―――残りの<157万戸>はどうなるのか。
「反面、担い手に認定されない農家は、受け取る補助金が大幅に減る。数字だけを見れば、条件を満たせず農業を断念する小規模農家は少なくないはずだ。農業就業者の6割が65歳以上という現実もある。確実に先細りとなる補助金を頼りに高齢者が農作業を続けるより、農地を若い担い手に貸すことで貸地収入を得る方が経済的に合理的な場合が多い」と社説。

2005年、農業人口は300万人を切った。6割が65歳以上。しかも280万戸の農家のうち4分の3(75%)は<農業収入>が全収入の<15%>以下なのです。担い手(後継者>が育たなかったのは当然。<減反>に<奨励金>を出し、構造改善事業という美名でゼネコンを喜ばせる農道など<土木工事>に湯水のように補助金をつぎ込んだ自民党と官僚。
1955年1650万人だった農業人口は50年の間に5分の1の300万人に激減した。全部、「<血税>ばらまき<農政>の闇。<減反>補助金とマル秘<票田>&巨大組織<農協>改革」という<たけしのTVタックル>の指摘のとおりなのです。

6月に成立した<農政改革関連法案>―――。「大規模経営を目指す篤農家や営農団体」を支援するという。だが<担い手>の目標は<都府県4ヘクタール以上><北海道10ヘクタール以上>―――。競争相手の米国は<1.25ヘクタール>の日本に対し<70倍>、オーストラリアにいたっては<476倍>の耕地を持っている。生産性は格段の違いです。

今回の<関連法案>には<抜け道>がある。<集落営農>という仕組み。「農家が仲間どうしで作業を共同で担う」という形式をとれば<担い手>と同じ<補助金>が出る。
社説は「この集落営農という枠組みが小規模農家の<駆け込み寺>となる可能性はないだろうか。担い手になれない農家を寄せ集めただけに終れば、生産性は変わらない」と書く。

「改革は官僚任せでは実現できない。補助金制度だけでなく、非効率な流通機構や組織の肥大化で日本の農業のコストを押し上げている農業協同組合の改革にも力を尽くすべきだ。安倍首相は強い指導力を発揮して、国民全体の利益となる<農>のあり方の議論を深めてほしい」と<日経>は結ぶ。同感だ。
(平成18年11月1日)

10月30日の<たけしのTVタックル>が面白かった。レギュラー・コメンテーターの<三宅久之>が<超>珍しく<正論>を吐いた。
「戦後の<自民党><農政>は全部<失敗>だった。経済産業省を筆頭に<他省庁>には<成功>事例があるのに、農水省だけは全部ダメ。<補助金漬け>にして、何か一つでも良いことができましたか。生産性が上らない。迷惑したのは<消費者>です」―――。

<片山虎之助>参院自民党<幹事長>が反論した。「小沢(一郎・民主党党首)さんは『自給率100%』『すべての農家に<補助金>』と言っている。そんなことができますか。<自給率100%>なんてありえない。もっとも、だから自民党の<農政>がいいというつもりもありませんが」―――。なら黙っていろ! 第一、<民主党>は「<所得補償>を<農家>に支払う」というのであって、<農協>経由で<補助金>を払うということではない。

<所得補償>と<補助金>は全然違う。先週の「サンデー・プロジェクト」でも田原総一朗が区別できない。改めて<議論>することになっている。本日のテーマは「<血税>ばらまき<農政>の闇。<減反>補助金とマル秘<票田>&巨大組織<農協>改革」だ。
小沢一郎が言った。「私も岩手の出身。農業の現場はずいぶん歩いた。自民党の<農政>は評判が悪い。必ず<民主党>が支持される」―――。

「自民党の<農政>は徹底した<保護主義>!<国際競争力>とは<無縁>だった。<減反>といって<田んぼ>を<減らす>―――。コメを作らないと<奨励金>が出る。<農業>をやらないと<補助金>がもらえる。<農業>を<育てない>」―――。

「コメの<価格>は国が決める。国が<全量>買い上げる。<市場>とは無縁。6兆6000億円の<補助金>をつぎ込んだが、<40%>が<休耕田>になった。生産性は低い。<778%>という驚異的な<高関税>をつけないと<外米>の侵入を防げない。消費者は割高のコメを食べさせられる。それでも<自給率>は<40%>。先進国中で<最悪>…」―――。
これは全部、テレビのナレーション。火山の考えたセリフではない。

安倍晋三総理が選んだ農水大臣<松岡利勝>も<槍玉>に上った。「安倍総理は<農政族>を起用した。<保護>を訴えてきた<急先鋒>!『農政に<命>を賭けてきた』という。だから農水省の幹部は全員揃って<拍手>で迎えた!」。でもこんな男に<改革>が<期待>できるのでしょうか。
松岡農水相が掲げた<政策>―――。(1)農産物の輸出(攻めの農政)。(2)バイオマス。(3)担い手の育成。

<バイオマス>とは「家畜の排泄物や生ゴミ、木くずなど動植物から生まれた再生可能な有機性資源のこと。地球温暖化防止、循環型社会形成、戦略的産業育成、農山漁村活性化のため農水省など各省が協力して進めるプロジクト。平成14年(2002年)12月に閣議決定した。大変結構ですが、まだまだ<絵空事>―――。当面、農家が食えるわけでも<担い手>が見えるわけでもない。

「たけしのTVタックル」は楽しかったが、<稔り>はない。茶化して<空しく>終った。
次は日経<社説>(10月30日)だ。「農業改革の実現に向け経営感覚を磨け」―――。
「日本の農業政策が正念場を迎えている。補助金ばらまきと批判されてきた農家の助成制度を改める農政改革関連法が6月に国会で成立。大規模経営を目指す篤農家や営農団体に国の支援を集中する新制度がコメ、麦、大豆、てん菜、デンプン用バレイショの主要5品目について、来年の収穫分から適用されるからだ」―――と始まる。

「制度変更は改革の第一歩に過ぎない。東アジア地域に自由貿易協定<FTA>の網を張りめぐらせ、日本経済が同地域の活力を取り込むには、海外への農産物の市場開放は避けて通れない」と続く。
<「担い手」育成が急務>「柔軟なFTA戦略を展開するためにも、食料自給率を維持するためにも、高コストの日本の体質改善を一日も早く実現する必要がある。経済成長を重視する安倍晋三政権には、新制度を狙い通り確実に機能させる政治指導力が問われている」。

「国内総生産のわずか1.3%を占めるだけの農林水産業に政策的経費(一般歳出)の6.4%も充てるのは多すぎないか。特に1兆3700億円の農林公共事業にはとかく無駄が多いという指摘が多い」―――。
<1.3%>の農林水産業に<6.4%>の歳出をつぎ込む。この意味は重大だ。「<血税>ばらまき<農政>の闇。<減反>補助金とマル秘<票田>&巨大組織<農協>改革」という<TVタックル>のタイトルを噛み締めてほしい。

東アジア外交の重要性が説かれる。だが最も重要な<WTO>や<FTA>交渉。日本は国内の農業問題を解決できずに、中国に大きく遅れを獲っている。
「<経済成長>を重視する安倍晋三政権には新制度を狙い通り確実に機能させる<政治指導力>―――」。どういう意味かお分かりだろうか。<国際競争力>のある電機・自動車・機械・精密・電子部品・IT…。これらの産業が自由な貿易ができていないのだ。当然、利益が出ない。<税収>=<歳入>がない。だから<増税>=<消費税>―――なのだ。

国民はバカ高い<農産品>を買わされ、増税も負担。農政族議員と農協、農水官僚が太る。
(平成18年10月31日)

去る5月16日の日経の記事。見出しは「農業再編へ<再生機構>」とある。「経営不振の農家や農業法人に対し、耕作地などを別の担い手に譲渡・売却するよう促すほか、金融面で再編を支援する組織を各都道府県につくる」とリード。
「農業収入が所得の5割以上を占め、65歳未満の労働力がある中核農家<主業農家>は05年時点で43万人。1990年の82万人に比べると、この15年で激減している」。ピンチだ!

「農業の<貿易自由化>は日本の農業を破滅させる」と農水省は<長年>農家を手厚く保護してきた。だが肝心の農業人口は1955年の1560万人から1975年の669万人へ<半減>―――。田中角栄が<土建的地方利益論>を極端に進めた結果なのだ。
「農業・農村・農家を破壊したのは<日本列島改造>。『土建的<地方>利益論』(「ミスター円」榊原英資の造語)による<補助金漬け>」が原因。これを詳細に分析したのが<書庫>「立松和平の誤り」にある火山の連載。ぜひ読んでほしい。

農水省の<補助金漬け>という<保護>の結果、「日本の農業は零細でコスト高。わずか470万ヘクタールの耕地を280万戸もの農家が経営しているのが現実である。その結果として40%にまで下がった食料自給率(熱量ベース)をせめて45%に高めたい」(日経・6月28日)と農水省は<切望>している。
だが1955年<1560万人>だった農業人口は2005年<300万人>を切った。50年で<5分の1>に激減したのだ。背筋が寒くなる。それだけではない―――。

「1955年、日本の農家の4分の3は専業・兼業を問わず所得の主要部分を農業で稼いでいたのに、今や農業所得が総所得の15%に満たない兼業農家の4分の3を占める。米国の米作農家の農地平均114ヘクタールに対して、日本の農地は平均1ヘクタールしかない」(ジェラルド・カーティス「永田町政治の興亡」新潮社・50頁)。
日本農業には国際競争力がない。後継者も生まれない。補助金漬けのツケだ。補助金で特に酷いのが1965年から始まった<土地改良計画>というゼネコン向けバラマキ―――。

「1965年から始まった『土地改良計画』によって農業基盤整備事業費という補助金が4回にわたって投入されてきた。2006年度に終る第4次計画までの累積投資額は実に約75兆円。75兆円といえばオーストラリアの農地のほとんど、アメリカの農地の6割が買える金額である」(大前研一「ロウアーミドルの衝撃」講談社・156頁)―――。げっ!
<国際競争力>は強化されたか。「生産性は最悪のまま。農業基盤整備の名目で国道や県道より農道を造るなどゼネコンが儲かるカネの使い方をしてきたからだ」(同・160頁)。

「農業従事者は経営が行き詰まっても、自治体など公的な組織の仲介がなければ、他の担い手への売却もできない。再生委(こんど新設される)を通せば円滑に売却できる。これまでは売却が難しく、耕作放棄地は05年時点で38万ヘクタールと、この15年で8割も増えた」―――。酷い惨状。これが農水省や農協、彼らと組んで<利権>を総動員、補助金漬けで<票>と<金>を食い物にしてきた<族議員>の<仕業>だ。

「05年衆院選<改革>を問う」という昨年9月5日の日経<社説>は「ばらまきを競う農政では困る」―――。「日本の農政改革の遅れは危機的な状況にある。今回の衆院選は補助金漬けで国際競争力を失った国内農業のあり方を問い直す絶好の機会でもある。だが自民・民主両党のマニフェスト(政権公約)は重要な論点を避けており、改革の具体的な道筋は全く見えてこない」と社説は始まっている。

「自民党は公約で<攻めの農政>をうたった。次世代の農業の<担い手>を育成し、農林水産物の輸出を2009年度に倍増させて6000億円に拡大すると約束している。だが肝心の<担い手>が誰であるかは記していない。輸出拡大の具体策もない。直接支払い(<担い手>を育成する<新>補助金方式)の総額や財源にも言及せず、農業土木予算の削減など財政措置の中身も示していない」と社説は厳しく迫る。

なぜ<担い手>を明記できないか。理由は簡単だ。担い手になりえる<主業農家>は人口に換算して<43万人>。残りの<300万人−43万人=257万人>は<育成>=<補助金対象>から外す議論になるからだ。総スカン。族議員は<落選>する。
といって<農業基盤整備事業費>という名の<農業土木予算>の削減を打ち出せば地元ゼネコンから総スカン。つまり<農政改革>は絶対できないのだ。

「(9月)1日に世界貿易機関(WTO)事務局長に仏出身のパスカル・ラミー氏が就任し、多国間の農業交渉が本格的に動き出す。アジア各国との自由貿易協定(FTA)交渉では、日本の農産物市場の閉鎖性が大型の経済連携の障壁となっている。国民の食糧の安全保障を確保し、通商政策の成否を左右する農政改革は、一刻を争う日本の政治課題である」と社説は続く。

<国民の食糧を確保>というと国産と思う。だが日本のコメはオーストラリアの7倍も高い。コンニャクや落花生も物凄い割高。いくら国産にこだわって<食糧安保>と言っても<石油>が<禁輸>になれば、灌漑用水やトラクターなどの農機具、トラックもストップ、<半年>で<お手上げ>と前回、指摘した。国際コンサルタント大前研一のレポートだ。
中国は国内農業を犠牲にしても<WTO><FTA>に熱心。東アジアのリーダーの座を狙っている。<輸出立国>が<国是>だ。日本は<危機的>状況にある。その自覚がない。

(平成18年10月26日)

「日本の農業・農村・農家を破壊したのは田中角栄の<日本列島改造>で頂点を極めた『土建的<地方>利益論』(「ミスター円」榊原英資の造語)による<補助金漬け>」というのがこの連載が<論証>したいこと。関連記事が<書庫>「立松和平の誤り」にある。

田中角栄は明治以来の<土建的地方利益論>を極端に進めた。この結果、農業人口は1955年当時の1560万人から1975年年の669万人へ<半減>した。特に酷いのが1965年から始まった<土地改良計画>というゼネコン向けバラマキ―――。

「1965年から始まった『土地改良計画』によって農業基盤整備事業費という補助金が4回にわたって投入されてきた。2006年度に終る第4次計画までの累積投資額は実に約75兆円。75兆円といえばオーストラリアの農地のほとんど、アメリカの農地の6割が買える金額である」(大前研一「ロウアーミドルの衝撃」講談社・156頁)―――。げっ!
<国際競争力>は強化されたか。「生産性は最悪のまま。農業基盤整備の名目で国道や県道より農道を造るなどゼネコンが儲かるカネの使い方をしてきたからだ」(同・160頁)。

国際的競争力のない日本の農業を守るため、日本政府はWTO(世界貿易機関)の<農業合意>の<先送り>を繰り返してきた。昨年10月24日の日経<社説>の切り抜きがある。題して「消費者不在のWTO農業交渉では困る」。

「今回のラウンド(交渉)で先進国の農業が最優先の自由化対象となったのは当然の流れだった。この方向を事前に読んでいた米国と欧州連合(EU)は交渉の本格化に先立って国内農業改革を進め、関税や補助金削減要求の高まりに備えていた。日本はどうか。農業改革は遅れに遅れている。世界の自由貿易に貢献すべき日本だが、このままでは議論の中核に参加できず、農業の防戦一色で終る。国際外交の発言力が衰える事態は、日本にとって国家的な損失である」と社説は説く。

これでは<常任理事国>など<夢のまた夢>―――。自由貿易の<敵>となれば<輸出立国>のはずの日本は<中国>にますます<遅れ>をとる。中国は東アジアに対し競争力のある農産物は一つもないのに<WTO><FTA>(自由貿易協定)交渉に極めて熱心なのだ。

「日本は精米に778%、コンニャクに1706%、落花生に737%、デンプンに583%という法外な関税をかけている。WTOでは上限関税の導入を断固阻止し、できるだけ多く例外品目を確保する交渉をとっている。輸入品をせき止めない限り、日本人の食料源である日本農業は滅びる、という悲観的な見方をしているからだ。本当にそうだろうか。欠けているのは消費者の視点である。関税削減で低価格の輸入農産物が流れ込めば、たしかに一部農家は打撃を受けるだろう。だが価格低下は消費者全体の利益となり、日本の農産物需要の拡大にもつながるはずだ」―――。日経の記事だ。

<一部農家>と日経。2003年度の農業人口は330万人に過ぎない。1955年は1560万人。8割も減った。角栄に始まる<土建的地方利益論><補助金漬け>が農家を<離農>に追いやった。しかも「農業収入が所得の5割以上を占め、65歳未満の労働力がある<主業農家>は2005年時点で43万人」(5月16日の日経)―――。これが「国内農家を守る」というWTO交渉の成果だろうか。農水省や族議員のウソをなぜ許すのだろうか。

「スリム化を中心に財政正常化を図れ」とは2004年8月28日の日経<社説>―――。
「経済活性化策と平行で」という記事の中に「国内総生産のわずか1.3%を占めるだけの農林水産業に政策的経費(一般歳出)の6.4%も充てるのは多すぎないか。特に1兆3700億円の農林公共事業にはとかく無駄が多いという指摘が多い」―――。これが農業人口を減らし、土木事業に従事するゼネコン人口を増やした。農業を破壊したのだ。

バカ高い農産品を買わされ、被害を受けているのが国民の8割を占める<ロウアーミドル>以下の生活者だ。「今や、日本人の8割が<中流の下>(ロウアーミドル)以下。社会の地殻変動が始まった!」とは大前の近著の<キャッチコピー>―――。ショッキングな表現だが、日本人の<意識改革>を迫っている。(「<ロウアーミドル>以下」という<以下>の一人が、かくいう火山。はっきりいえば年収は<300万円>に満たない。げっ!)

火山がいつかブログに書こうと思って<執念>を込めてとってある「切抜き」をご披露しよう。2004年9月21日の日経<平成の開国・早分かり>(4)だ。題して「<農業政策>補助金バラマキ転換へ」―――。内容は既に察しがおつきでしょうが…。<開国>とは「<関税>を<撤廃>せよ」ということ。読めば読むほど火山<怒り>が込み上げる。普通なら「<血圧>が上る」となるが、低血圧の火山、決して上らない。

「世帯の一人当たりの年間家計費はサラリーマンよりも農家の方が15万円多い―――。農林統計協会が2000年時点で比較したところ、農家は135万円に対し、勤労者は120万円だった。1970年は勤労者が農家より12万円多かったが、80年に逆転。その後は一貫して農家が勤労者世帯を上回っている。農家の収入が多いのは補助金の恩恵もある。70年代以降、政府はコメ余りを受けて農家の経営を安定させるため補助金を増やした」げっ!

「自由貿易協定(FTA)で増える輸入農産物に対抗できる強い農家を育てるのは時間との戦い。農家の懐を温めるだけの農業政策は転換期に来ている」と記事は終る。チクショー!
(平成18年10月21日)

「市場開放が生活の<質>を劇的に変える」―――。「世界的にみれば高収入なのにもかかわらず、日本のロウアーミドルの人たちが豊かさを実感できないのは物価が高いからだが、その根本的な原因は日本の市場の閉鎖性にある。その典型が農業である。日本の食料品はバカ高い。米はアメリカ、シンガポールの約4倍、牛肉はオーストラリアの5倍…」―――。大前研一の近著「ロウアーミドルの衝撃」(講談社)の一節だ。

日本の農業には<国際競争力>がない。その原因は田中角栄の<日本列島改造>計画にある。田中角栄は明治以来の<土建的地方利益論>を極端に進めた。この結果、農業人口は1955年当時の1560万人から1975年年の669万人へ<半減>した。さらに追い打ちをかけたのが1965年から始まった<土地改良計画>というゼネコン向けバラマキだ。

「1965年から始まった『土地改良計画』によって農業基盤整備事業費という補助金が4回にわたって投入されてきた。2006年度に終る第4次計画までの累積投資額は実に約75兆円。75兆円といえばオーストラリアの農地のほとんど、アメリカの農地の6割が買える金額である」(大前研一「ロウアーミドルの衝撃」講談社・156頁)―――。げっ!
<国際競争力>は強化されたか。「生産性は最悪のまま。農業基盤整備の名目で国道や県道より農道を造るなどゼネコンが儲かるカネの使い方をしてきたからだ」(同・160頁)。

その被害を受けているのが、国民の8割を占める<ロウアーミドル>以下の生活者だ。
「今や、日本人の8割が<中流の下>(ロウアーミドル)以下。社会の地殻変動が始まった!」とは大前の近著の<キャッチコピー>―――。ショッキングな表現だが、日本人の<意識改革>を迫っている。(ついでにいうと火山は「<ロウアーミドル>以下」というその<以下>の生活者。はっきりいえば年収が<300万円>に満たない。げっ!)

ロウアーミドルとは年収600万から300万円のクラス。国際比較では<富裕>なのに<実感>がない。これは<市場開放>がないから。市場開放すればたとえばサイクロンという<大型台風>に耐えられる非常に<丈夫>で<良質>なオーストラリアの住宅が手に入る。
「オーストラリアの住宅は2×4(ツーバイフォー)に似た工法で、建築費は坪20万円。30坪の家を建てても600万円ですむ。オーストラリアから横浜港まで運ぶ費用は、家一軒分のコンテナーでたった6万4000円である」(大前・166頁)―――。

「結局、75兆円もの補助金は、ただモノを作ればオシマイで、生産性の向上にはまったく役に立たなかった。それどころか、かえって世界最悪の生産性を助長する役割しか果たしていないのである。それで誰がこの悲惨な結果に責任をとったというのか。いまだに農政族といわれる人々は補助金を要求し続け、農水省は農家の収入補償さえ検討し始めている。
農業補助金ではなく、農家救済という究極のばらまきを画策しているである。リストラにあったサラリーマンはなぜ黙っているのだろう」(大前・160頁)。

「農業補助金はこの10年間で40兆円も使われている。『40兆円も使って生産性はどれだけ上ったのか』とか『市場開放の準備はできたのか』とか質問しなければいけないはずだ。ところがマスコミは何も言わないし、国民の間からも怒りの声がまったく出てこない」(160頁)―――。補助金を<集票><集金>マシンにしてきた<族議員>というネズミ、それと癒着したゼネコンと官僚が太った。過去10年で<40兆円>です。

「生産性の悪い日本の農産品は、コスト競争力ではまったく太刀打ちできないため、国は700%というケタ外れの関税をかけて米農家を守ってきた。農業保護を主張する人間は『輸入がストップしたら大変だ。だから食料安保が必要なのだ』などというが、少し思考を働かせれば、この理屈はまったく成り立たないことがわかる」(160頁)と大前研一は鋭い。

海外から農産物が輸入できない非常事態になれば<石油>も輸入ストップ。石油がなければトラクター、灌漑用水をくみ上げるモーター、米を運ぶトラックも鉄道もストップ。石油備蓄が180日しかない日本はお手上げ。「国内で米を作れば安心」とはとても言えない。
火山の書庫に「立松和平の<誤り>」という連載がある。農水官僚の「食料安保」がいかにインチキかを論証している。読んでください。

「スリム化を中心に財政正常化を図れ」とは2004年8月28日の日経<社説>―――。
「経済活性化策と平行で」という見出しの記事に「国内総生産のわずか1.3%を占めるだけの農林水産業に政策的経費(一般歳出)の6.4%も充てるのは多すぎないか。特に1兆3700億円の農林公共事業にはとかく無駄が多いという指摘が多い」―――。これが農業人口を減らし、土木事業に従事するゼネコン人口を増やした。農業を破壊したのだ。
東アジア外交の重要性が説かれる。だが最も重要な<WTO>や<FTA>交渉。日本は国内の農業問題を解決できずに、中国に大きく遅れを獲っている。次回、論じたい。

「中国はASEANとの自由貿易協定(FTA)に極めて熱心。中国の農産物はASEANより安いものがない。競争力がない。それでも2000年11月、朱(溶)基首相は2001年11月から交渉を開始、2002年11月の枠組み協定調印、2003年の基本合意と急進展。2003年からは特例の早期自由化でタイ産の熱帯果物、肉、魚介類、野菜の対中輸出がスタート。
2005年から他の分野でも関税削減を実施、中国とASEANとのゼロ関税はASEAN先発6カ国とは2010年から、後発4カ国とは2015年から、実施されることとなった。凄い政治のリーダーシップです。
(平成18年10月18日)

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