火山の独り言

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年金消滅の主犯を暴く

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「歴史上、最初に年金制度を考案したのは初代ローマ皇帝・アウグストゥスとされる。国家の平安に貢献した兵士の老後を保証することによって、永く国の繁栄をもたらした」(「文芸春秋」7月号・106頁)。ローマ帝国を支えた年金制度に注目、現代の年金の原型を作ったのはドイツのビスマルク宰相(1815〜1898)。日本の年金もドイツの労働者年金保険をコピーして1942年に創設された。「わが国における年金制度ははじめから国民のためのものではなかった」と文春。

「年金消滅の主犯を暴く」(7月号・106頁)で岩瀬達哉(年金ジャーナリスト)は書く。「横領、癒着、怠業…もはや国家的詐欺行為だ」――。日本の年金を作った厚生省の初代年金課長の花澤武夫は自著「厚生年金保険法大要」(1944年刊)で「勤労力の増強と浮動購買力を吸収してその巨大なる資金を国家的に動員することを目標とし、之が目的達成の手段として、社会保険の制度の活用を企画した。即ち日本的年金保険は社会保険たることを要しない」(106頁)。呆れる。社会保障ではないのだ。

だから花澤課長は別の出版物(厚生年金制度回顧録)の中で「なにしろ戦争のどさくさにまぎれてやってしまったから、それがいちばんよかったのですね。落ち着いて、みんながまともに考えるようになってからこれを作ろうと思ったら…法律はできなかったでしょう」(107頁)――。なんとも正直だが、実は後輩の年金官僚への自慢話なのだ。「年金を払うのは先のことだから、今のうち、どんどん使ってしまっても構わない。せっせと使ってしまえ」(同)と号令までかけている。ナンタルチーヤ!!

「花澤氏が、邪(よこしま)な思いを実現するために忍び込ませた掛け金の<中抜き条文>は現在の厚生年金保険法79条と国民年金法74条に生きている。今回の社会保険庁が廃止・解体されるにあたっても、同条文は文言を変え存続することになっている」(107頁)。<せっせと使った>のは<天下り>用の大規模年金保養基地グリーンピアや日常の事務費やコンピュータ経費。これまで総額で6兆円を超えるという。呆れる。今、問題の「記録漏れ」もNTTデータなどに1兆3200億円を払って生み出した。素晴らしい。

もっと素晴らしいのは社保庁幹部が深刻な<記録不備>に気づいたのは27年前。1980年に年金記録のオンライン化が始まったが、半年後のサンプリング調査で、名前の読み間違い、生年月日の間違いなど、かなりの入力ミスがあることが報告されていた。だがオンライン化計画の遅れが発覚すれば、作業に支障が出るとの理由から検証や不備の補正を見送ったというのだ。官僚お得意の先送り。事なかれ主義の典型だ。

幹部社員の中には「社保庁の記録が間違っていても、年金受給を申請する本人が<証拠>を添えてその間違いを指摘できなければ本人の責任だ」とうそぶく者までいたという。システムの提供者はNTTデータ、日立製作所、日本電子計算機の3社。NTTデータは1社だけで1兆480億円も支払を受けている。総額1兆3200億円の8割は我々の掛け金から支出されている。NTTデータは最有力の<天下り先>だ。

「NTTデータとの契約は『データ通信サービス』契約。システム開発費をNTTデータが負担、開発したシステムの使用権を提供する。電話料金のようにシステム使用料を払う。費用は10年で回収する。NTTには未回収のコストが残債で残る。毎年のように行われるシステム変更。残債は増えることはあっても減ることはない。残債が消滅しない限り契約は解除できない。社保庁との契約は半永久的に続く」(108頁)。まさにおいしい契約だ。

社保庁のオンライン化とは全国の年金加入者と納付記録等を社保庁の記録管理部門である社会保険業務センターに集約、大型コンピュータと全国309ヶ所の社会保険事務局、事務所をネットワークで結び、「正確かつ迅速な事務処理」(108頁)を図るために導入された。だが現時点で判明しているだけで5095万件の年金記録が宙に浮き、厚生年金で1340万件、船員保険で36万件が未入力。1兆3200億円の巨費を投入しながら、お粗末極まりない。

「掛け金の<中抜き>と浪費、ズサンな記録管理の露呈は起るべくして起きたといえる。現場を管理できない長官と(職員)組合の横暴がもたらしたモラルハザード、申請主義をたてに国民への冷淡な対応を続けてきた勤務姿勢、そしてシステム提供企業と年金官僚たちとの癒着関係など複合的要因が<組織風土>となって堆積していたからである」(111頁)。

<組織風土>――。現役時代、火山が一番研究してきたテーマ。電機メーカーの教育担当。組織活性化!つまり<一人一人が主役>という<組織風土>作りに心血を注いできた。<ミートホープ><不二家><社保庁>みたいな企業・組織を作らないことがテーマ。「社保庁がガバナンス(統治)の効かない組織になったのは、ひとえに歴代長官が職場管理を放棄してきたことに尽きます」(111頁)――。厚労省年金局の心ある幹部の言葉だ。日産の再建を急速に進めたゴーン社長。まさに<組織風土>を変えた。天地雲泥の差だ。

「社保庁には長官以外にも総務部長、運営部長、社会保険業務センター所長など約30名のキャリア官僚が厚労省か出向し、運営管理に当たっている。しかし、彼らは2,3年で本省に戻ったり、内閣府や厚労省参加の独立行政法人に異動していく。社会保険の業務に精通しているものは一人もおらず、そもそも管理職としての適格要件を欠いている。だからこそ彼らは社保庁のノンキャリアの神輿におとなしく乗っていなければ何もできない。自らが先頭に立って、この腐敗した組織を立て直すなど考えも及ばなかったろう」(111頁)。
(平成19年7月16日)

「年金で<未来責任>を果たせ」(日経・8月9日)は「<参院逆転>問われる針路(2)」の見出し。筆者は編集委員<大林尚>。日経の<社説>はほとんど大林が書くという。
だがこの記事、気になるのは「官僚の論理」そのまま!<役人の発想>に毒されている。編集委員なら<調査報道>を心がけてほしい。独自の<哲学精神>を持ってほしい。

「21世紀は日本にとって人口減の世紀だ。前半は特に少子化と長寿化が加速する。飛躍的な経済成長も望みにくい。民意は真に安心できる年金の再構築に尽きる。負担と給付の両面で痛みを分かち合わなければ制度を保てないと自覚しつつある。将来世代への責任感、<未来責任>ともいえよう」―――。これ、実は<官僚の論理>そのもの!

「<少子高齢化>で未来は暗い。年金は<給付減負担増>が避けられない」。これは<官僚の論理>。だが年金ジャーナリスト岩瀬達哉は「年金大崩壊」(講談社・2003年)に書く。
「少子・高齢化で年金崩壊はウソだった。年金官僚たちの陰謀に新聞・テレビは騙され、そのお先棒を担いだ。(147兆円の積立金という)<年金利権>を確保し、悠々と暮らす<年金官僚>の高笑いが聞こえる」(12頁)。

岩瀬は「新聞、正義の仮面の下に腐敗あり」「大蔵官僚たちが溺れた<京都の宴>」で1996年に「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の企画賞とスクープ賞を受賞している。
要するにいい加減なジャーナリストではない。「年金大崩壊」第1章は「少子・高齢化で年金崩壊のウソ」。「年金積立金は<147兆円>(2001年3月末)もある。「(厚労省)年金局数理課の『厚生年金の財政見通し』によれば年金財政が赤字に転落することはない。積立金が対前年比で増加しない年が初めて現われると記されている」(53頁)。

「「論より証拠」―――。火山がインターネットで「厚生年金・積立金」と打ち込んで調べたところ、厚生労働省年金局の「積立金運用ホームページ」が出てきた。平成17年度(2005年)の積立金は150兆円。4年前にくらべ3兆円も増えている。

「2000年の年金法改正で厚生省は厚生年金の給付額(報酬比例部分)を5%カットした上で、60歳から受け取れるはずだった年金の支給開始年齢を段階的に引き上げ、2003年現在、42歳以下の男性サラリーマンは65歳からでないと、年金を満額受け取れないようにしてしまった。その結果、60歳から厚生年金を満額受給できている世代と比較して、受け取れる年金額が試算値で1749万円も削られたことになる」(12頁)―――。<少子・高齢化>宣伝は岩瀬達哉の指摘通り<負担増・給付減>を国民に押し付ける<演出>だったのだ。

堺屋太一は「団塊の世代<黄金の十年>が始まる」(文藝春秋・2005年)で指摘する―――。<人口は減ってもルネッサンスは起った>。「15世紀のイタリアでは人口が猛烈に減りました。1340年に930万人だったイタリア半島の人口が、1500年には550万人になった。そしてその間にこそルネッサンス(文藝復興)の花が開きます」(250頁)。

「団塊がまた時代を変える!新しい労働力、新しい市場、新しい欲求が新しい文化を創る」(扉)―――。堺屋太一はだから「<黄金の10年>が始まる」と書く。「少子高齢化で日本の未来は暗い」―――。官僚の論理に騙されてはダメ。堺屋太一も岩瀬達哉も同じ主張。
「日経」の<編集委員>ともあろう者が、ちょっと調べれば分かることを、検証もせず<官僚の論理>を<鵜呑み>にする。<哲学精神>とは<根本を疑う>ことなのに―――。

「保険方式か税方式か。この論は国のあり方を問う選択であり、ある意味で哲学的な論争でもある」―――<編集委員>大林尚は書いている。
<税方式>は民主党の主張。「財源が不足するなら<消費税>を年金の目的税に改めよう」。<保険方式>は自民党・公明党の主張。「現行方式の維持」。だが少子高齢化が進む。「与党は3年前に掲げた<百年安心>という看板を下ろせ」と書く。だが「小さな政府」(リストラ)という発想がない。「年金は年金」という財布でしか考えない。タテワリ発想だ。

民間サラリーマンの平均年収は国税庁発表で442万円。一方、公務員は国696万円、地方688万円。つまり民間より6割も高給。仮に半分の3割をカットするだけで、公務員403万人の人件費は35兆円だから10.5兆円が浮く。10.5兆円は消費税5%分に相当する。
「税方式か保険方式か」という発想自体<哲学的>ではない。公務員リストラを断行すれば<財源>は簡単に捻出できる。3割カットしても民間よりまだ3割も<高給>なのだ。
それなのに前提(根本)を疑わず「税方式か保険方式か」と<官僚の論理>に乗せられる。

「保険方式か税方式か。この論は国のあり方を問う選択であり、ある意味で哲学的な論争でもある。それぞれに一長一短がある。与野党は胸襟を開き、わかりやすく丁寧に協議を尽くすべきだ。行政府も態勢を立て直さなければならない。長年、改革の原案づくりは厚労省とその意をくむ委員が多数を占める審議会が独り占めしてきた。膨大な数値資料を解読できるのは同省の一部の数理官僚に限られる」―――。情けない。だが情報独占は事実。

「日本の厚労省の情報独占体質は年金改革に経済や財政の視点を生かす妨げだ。『世代間格差を言い募るのは上品ではない』という審議会などの一部意見も封印する時だ」―――。大林尚は続ける。若い世代ほど少子高齢化の被害を受ける。給付減負担増の犠牲を受ける。バレると年金や政府への不信が広がる。だから審議会が<封印>する。確かに<官僚の論理>。だが大林尚さん、今、必要なのは<哲学>。もっと本質を突いて欲しい−<完>−
(平成19年8月14日)

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「年金消滅の主犯を暴く」は年金ジャーナリスト岩瀬達哉が「文芸春秋」7月号に書いた論文。タイトルを借りて火山も<連載>を続けてきた。だが<主犯を暴く>と言いながら、岩瀬達哉は指名していない。だが火山は指名したい。

1979年3月13日「オンライン化に伴う切替準備一切の経費については一般予算とは別個に配付する」と覚書に署名した八木哲夫(社保庁長官)、鈴木善彦(職員組合代表)、丸山康雄(自治労委員長)の3人。年金<流用>を<青天井>にしたからだ。
だが厚生年金という国民の重要資産を3人に壟断させた時の総理大臣は<大平正芳>。厚生大臣は<橋本龍太郎>だ。厚生省の事務次官、官房長も許せない。そしてこの流れを放置してきた歴代関係者。みな重罪だ。だが真の<主犯>は<官僚支配>―――。

アジア太平洋戦争のため<国家総動員>を完成させたのは近衛文麿内閣の<40年体制>!昭和30年、保守大連合で誕生したのは自民党<55年体制>!いずれも本質は<官僚支配>。
厚生省の初代年金保険課長の花澤武夫はドイツの年金制度をそっくりコピー、昭和17年に厚生年金を創設した。「金を払うのは先のことだ。せっせと使ってしまえ。いくらでも天下りできる。将来、払えなくなったら<賦課式>にしてしまえばよい」と巨額資金を最初から<流用>するつもりで年金を作った。戦後、後輩の年金官僚たちに自慢している。

火山の連載や岩瀬達哉「年金大崩壊」(講談社)を読めば分かる。厚生年金は<積立式>で設計、スタートした。だが<払えなくなった>から、今や花澤課長のシナリオ通り<賦課式>と言い出した。実に罪深い。賦課式とは<世代間扶養>のことだ。
<積立>(貯金)式とは自分たちが貯金、これを利殖、払い戻す方式。<自己扶養>だ。<世代間扶養>ではない。だが<流用>を嵩ね、払えなくなったら<世代間扶養>と連呼し始めた。まさに岩瀬達哉のいう「国家的詐欺行為」(「文芸春秋」7月号)なのだ。

年金創設は<戦争目的>だった!<福祉目的>ではないことは諦めるにしても、<流用>がエスカレート、無駄リゾートのグリンピア、官僚の海外旅行、黒塗り乗用車、社保庁長官の交際費、職員のゴルフ用品やカラオケセット、テニスコート、消えた年金や天下りを作っただけのNTTデータ向けオンラインシステムに青天井に使われたのではたまらない。
堺屋太一は「無能、無責任、無駄の官僚を追放せよ」(「文芸春秋」7月号)と絶叫した。

「日経」編集委員<大林尚>の「年金で<未来責任>を果たせ」(8月9日)を読んだ火山、<愕然>とした。あまりに<見識>がない。官僚に騙され、盲目となっている。「日経」の<社説>もほとんどが彼の筆になるというから絶望もした。余りに<官僚の論理>に<汚染>されている。<官僚支配>に<毒>されている。具体的に見てみよう。

「参院選で与党が大敗したのは最大の争点になった年金問題への戦術を誤ったのが主因だ。年金制度や社保庁の問題点を指摘する野党に対し、議論を封じ込めようとするのが政府・与党の常套手段だったが、今回は通用しなかった。年金記録が大量に漏れた問題では、社保庁の仕事のずさんさをあぶりだした民主党議員に安倍晋三首相は当初『いたずらに不安をあおるだけだ』と取り合わず、有権者の離反を招いた。年金が不当に損なわれるかもしれないという高齢者の心配を軽くみたのだ」と始まる。確かに安倍首相は空気を読めない。

「封じ込め戦術は制度論にも共通した。年金は将来も本当に大丈夫かとの問いかけを、不安をあおるという理由で締め出そうとする空気がいまだに厚生労働省にある」―――。
語るに落ちた!不安をあおる。だから説明しない。<官僚の論理>に踊らされている。
「年金記録漏れ<5095万件>」と指摘したのは民主党の長妻昭議員。2月のことだ。だが社保庁幹部は「大丈夫」とシラを切った。柳沢伯夫厚労相も年金官僚を追及しなかった。

「総務省の『年金記録問題検証委員会』(座長=松尾邦弘・前検事総長)が(7月)10日に発表した中間報告は、参院選を前に該当者不明の約5000万件の実態などを国民に説明、不安解消につなげる狙いもあった。だが報告は実態解明にほど遠い内容、むしろ5000万件の解明が一向に進んでいないことを浮き彫りにした。報告は調査に非協力的な社会保険庁への不信感も随所に盛り込んでいる」。7月11日の「読売新聞」。役人の傲慢を、なぜ許す!

「21世紀は日本にとって人口減の世紀だ。前半は特に少子化と長寿化が加速する。飛躍的な経済成長も望みにくい。民意は真に安心できる年金の再構築に尽きる。負担と給付の両面で痛みを分かち合わなければ制度を保てないと自覚しつつある。将来世代への責任感、<未来責任>ともいえよう」―――。大林尚は続ける。火山、地団太!<官僚の論理>だ。

「団塊の世代<黄金の十年>が始まる」(文藝春秋・2005年10月刊)。堺屋太一の近著。
<人口は減ってもルネッサンスは起った>―――。「15世紀のイタリアでは人口が猛烈に減りました。1340年に930万人だったイタリア半島の人口が、1500年には550万人になったのです。そしてその間にこそ、ルネッサンス(文藝復興)の花が開きます」(250頁)。
<少子高齢化>―――。岩瀬達哉も指摘する。年金官僚の<悪巧み>なのです。<給付減・高負担>を国民に押し付ける<官僚の論理>なのです。火山も<保証>する!!

「団塊がまた、時代を変える!新しい労働力、新しい市場、新しい欲求が新しい文化を創る」―――。<黄金の10年>が始まる。官僚のウソに騙されてはダメ。だから堺屋太一は「文藝春秋」(7月号)に書いた。「無能、無責任、無駄の官僚を追放せよ」―――。
(平成19年8月13日)

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「民主党は年金保険料流用禁止法案を参院に提出した」と8月10日(金)の「日経」。
「今国会は10日で閉会するため、秋の臨時国会への継続審議を求めるが、与党の理解が得られない場合は秋の臨時国会で再提出する。社会保険庁の調べによると、1945〜2005年度までに福祉施設など給付以外に使われた保険料は6兆4千億円にのぼった」と続く。

だが「日経」、またもや<社保庁>発表を<鵜呑み>!ウソの数字を垂れ流しにしている。流用額は<6兆4千億円>というが、甘い!岩瀬達哉「年金大崩壊」(講談社・2003年)には<9兆3684億9089万3909円>(2002年12月末現在)とある。

岩瀬達哉は「<年金食いつぶし>官僚弾劾裁判」(「文芸春秋」(04年5月号)で堺屋太一(作家、元経済企画庁長官)や金子勝(慶大教授)との座談会でも発言している。「莫大な年金財源が年金官僚によって食いつぶされていた。厚労省は業務経費という名目で年間2965億円(2003年度)もの年金を、職員旅費、外国旅費、研修費、交際費などに使い果たしてきた。我々が老後のために営々と納めてきたお金から累計1兆5千億円にも及ぶ年金が国民の誰にも給付されることなく、官僚たちに掠め取られたのです。

たとえば厚生年金の事務費のうち年金官僚が専門家からアドバイスを受けたり、講演会の講師に贈る謝礼の8割を年金で賄っています。厚労省の保有する<黒塗り>15台の高級車や社保庁の1215台の普通車が、年金で購入されている。しかも悪質なことに、国会に提出する予算書にも決算書にも流用の事実は明らかにされていません」(「文芸春秋」・98頁)。

事務費の流用はさすがに国会でも問題になった。厚労省も一時は流用をやめると言った。だが「実はここにもトリックがあります」と岩瀬達哉―――。「国会で問題になっているのは財政構造改革特別措置法で流用している1000億円のみ。他に厚生年金保険法から福祉施設費として流用している1800億円には議論が及んでおらず年金官僚は隠そうとしている。私は、年金官僚は今後も流用をやめないとみています」。げっ!

事務費への流用は橋本龍太郎が首相の時、国の予算を削減させるため、「財政構造改革法」に基づいて98年度から開始した。だが<悪辣>な年金官僚は<焼け太り>を図った。なんと社保庁長官の交際費や職員のゴルフ用品やカラオケセット、テニスコートなどにも流用したのだ。<発覚>後、政府・与党は04年に「保険料の使途は年金給付に限定する」と合意した。当然だ。だが財務省が抵抗した。「財政負担を減らすためやむを得ない」と頑強に主張、<特例措置>として06、07年度で計2000億円の流用が認められた。

もちろん<期間限定>の<特例>措置のはず。だがここにも<悪辣>な官僚の<知恵>が働いた。2年間<先送り>を図ってホトボリを冷まし、<焼け太り>を手に入れた。6月30日の<通常国会>で成立した「社保庁改革関連法」に<給付以外への流用>条項が盛り込まれていたのだ。しかも許せないのは例の「女性は<産む機械>」発言をした柳沢伯夫厚労相は、年金官僚が作成したペーパーをこう棒読みしたらしい。「保険料徴収などの経費は給付と密接不可分なコスト」―――。だから<流用>を<恒久化>する。げっ!

社保庁を<解体>!職員を<非公務員化>する!怠け者は再雇用しない」―――。もっともらしい<美辞麗句>が並び、安倍晋三首相は「私たち自民党は実行します。<改革実行力>とCMを流した。だがやったことは<特例><期間限定>のはずの<流用>の<公認><恒久化>―――。<非公務員化>したというが<解体>社保庁は<ねんきん機構>という名の<行政独立法人>になる。職員は公務員より<10%>高い給料がもらえる。<焼け太り>だ!

「流用の恒常化に関し、社保庁は『年金事務費の使途は保険料徴収に関係する経費に限定する』」と説明。同改革関連法では、保険料を年金給付以外に使用する場合、インターネット上での公開を義務付けている。 しかし、こうした流用が年金財源を目減りさせているのも事実だ。野党は『事務費はバケツの穴になる恐れがある』と批判しており、保険料流用の是非が再び問題化する可能性がある」と「毎日新聞」(中西拓司)は書く。だが中西拓司のホンネは「流用額は今後も膨らみ続けることが予想される」という見方なのだ。 げっ!

年金ジャーナリストの岩瀬達哉。「年金は給付以外に使うことはない」とずっと信じていた。これは諸外国を含めた常識。だから<流用>の事実を知って愕然。担当官に質問した。
「年金掛け金から福祉施設費を出すのは年金制度の趣旨に合いません。厚生年金を批判するわけではないが、掛け金を給付以外に使うなんて考えられないこと。うちでも福祉事業は行っていますが、別途、福祉掛け金を集め、その範囲内で行っています」(岩瀬達哉「年金大崩壊」同・23頁)。国家公務員共済年金の財務省主計局給与共済課・武内良樹企画官。

「年金掛け金は、あくまで年金の給付のための財源です。それを他の事業に回すというのは、やってはならないこと。福祉事業は福祉掛け金で行っています」―――。地方公務員の共済年金を所管する総務省自治行政局公務員部の中平真課長の言葉!!公務員たち。自分たちの掛け金はちゃんと管理している。掛け金流用はないのだ。

火山が悔しいのはこんな悪巧みを許す自民党や公明党。いったい誰の味方なのか。それとも政治家らしい見識がなく、官僚に自由自在に操られているだけなのか。<ねじれ国会>とマスコミは囃す。だが民主党さん、頑張ってほしい。秋の臨時国会に期待します。
(平成19年8月11日)

<津島氏、首相続投に疑問>!8月5日の「日経」朝刊。
「自民党津島派の津島雄二会長は5日のフジテレビ番組で、惨敗した参院選の投票日当日に安倍晋三首相が続投を表明したことについて、『<えっ>と思った。ついていけないというのが国民の感覚が』と述べ、疑問を呈した」―――。

「永田町政治の興亡」(新潮社)の著者・米コロンビア大のジェラルド・カーティス教授(政治学)も「サンデープロジェクト」(テレビ朝日)で明快に指摘した。
「日本の総理はアメリカの大統領とは違う。議会(国会)が選んだもの。衆院で多数を占めているから自民党政権ができた。これは2005年、小泉首相の<郵政解散>で得た多数。小泉退陣で誕生した安部政権は国民が選んだものではない。政権<初>の国政選挙でこの歴史的惨敗。国民の審判を無視すれば、自民党も安倍政権も崩壊する」―――。

7月30日、自民党の<惨敗>が判明した朝、火山は購読中の「日経」を読んだ後、駅の売店へ「朝日」「読売」「毎日」「産経」各紙を買いに行った。社説を読みたかったからだ。
「民意は<安倍政治>を否定した。衆院解散で信を問え」(毎日)が最も明快。全面的に支持したい。「安倍政治への不信任だ」(朝日)―――。これも悪くない。

だが「読売」は「国政の混迷は許されない。選挙の審判を重く受け止め、民主党との協調を模索し態勢の立て直しを」と主張。「産経」も「民主党の責任は重い。首相は反省し態勢強化を図れ。民主党が真に政権を担える勢力たりうるか、自ら証明せよ」とあった。
「参院選は政権選択の選挙ではない。安倍首相が辞めても次の首相は自民党内のたらい回しで選ばれるから何も変わらない。参院選の結果で首相が頻繁に変わることは本来好ましいことではない」と「日経」。だがこれらの主張はおかしい。カーティス教授が正論だ。

「小沢さんを取るのか、それともこの私・安倍を取るのか。これを問うのがこの参院選だ」。
安倍晋三首相はこう言って参院選を戦った。だが歴史的惨敗の当日、早々と続投宣言。
「首相が民意を無視して続投を決めたため、国民は激怒している。マスコミの世論調査では内閣支持率が暴落し、退陣を求める声が圧倒的に高くなるだろう」(「週刊朝日」8月10日号)に出た政治評論家・小林吉弥氏の見解。

「今回の選挙は本質的に首相の信任を問う選挙だったと与党幹部は述懐する。『当初は年金記録問題や松岡前農水相、赤城徳彦農水相などの事務所費問題が大きかった。しかし、途中からは、それらにきちんと対処できない安倍さんのマネジメント能力に国民が不安を感じ始めた安倍さんに今後数年間の国政を任せていいのかどうかが問われた選挙だった』。

「農相辞任、どうして今更」―――。<歴史的惨敗>から2日後の8月1日、事務所費に加え、顔のばんそうこうの理由さえ説明できない。赤城徳彦農相がついに<更迭>された。
首相に辞表提出の農相は記者の取材に応じた。『私に対する様々な報道が敗北の一因となったのは事実。大変申訳ない』。前大臣の自殺に続いてわずか2ヶ月余。2度の大臣交代劇に農水省に戸惑いが広がった。『短期間に2度も大臣が代わるとは。国民の信頼がまた低下する』と頭を抱えた」と日経。

だが<頭を抱える>農水省幹部の茶番に腹が立つ。歴代農相を<癒着>で縛り、意のままに操ってきたのは彼らだ。大前研一「ロウアーミドルの衝撃」(講談社)で指摘している。
「日本では1965年から始まった『土地改良長期計画』で農業基盤整備事業費という名の補助金が4回にわたって投入されてきた。2006年度に終わる第4次計画まで累積投資額は実に約75兆円にのぼる。それだけの莫大な金を使うなら、市場開放しても大丈夫なように生産性を高める目的にしなければならないはず。ところが生産性は最悪のままだ」(156頁)。

75兆円といえばオーストラリアの農地のほとんど、アメリカの農地の6割を買い占められる金額。莫大な補助金はどこへ消えたか。「農業基盤整備の名目で国道や県道などより立派な農道を造るなど、農家よりゼネコンが儲かるようなカネの使い方をした」(160頁)。
「農村を崩壊させたのは<土建国家的>地方利益論。補助金漬けのバラマキ行政」―――。
補助金が<官僚>と<族議員>を癒着させ、<政治とカネ>のシガラミが松岡利勝前農相を自殺させた。赤城徳彦の事務所費疑惑も偶然ではない。莫大な補助金が<闇>に消えた。

国際競争力を失った日本農業。農村は年寄りだけ。若い後継者のいない農業。<ミスター円>榊原英資が「分権国家への決断」(毎日新聞社)で書いている。「土建国家的地方利益論」が農村を疲弊させた。自然も破壊。地方格差の原因は意外、農業補助金なのだ。
数多くの知事、市長、村長、地方議会を巻き込む官製談合。田中康夫長野県知事を追放したのも<土建国家的地方利益>復活。「総裁選で論功や自分の仲間を重視する人事が行われたのも<癒着>と無縁ではない」―――。前回の連載(17)で火山は指摘した。

8月5日の「サンデープロジェクト」(テレビ朝日)が「もう一つの惨敗真相・組織候補初敗北密着」を放送した。抜群の集票力を誇った<土地改良団体>の段本幸男(前中国四国農政局長)の落選。役に立たない贅沢な農道。農家の負担で官僚や族議員が潤う。こうした構図がバレ、嫌悪が蔓延した。<癒着>と<腐敗>を断つには<政権交代>しかない。

<社保庁>に代表される<役人天国>!堺屋太一も書く。「<無能、無責任、無駄>の官僚を駆逐せよ」(「文芸春秋」)。安倍首相が続投するというのでは自民党は崩壊する」。
(平成19年8月6日)

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