火山の独り言

時ならめ 風に挑みて 鯉のぼり

アベノミクス、TPP、日銀人事

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「日米の株式市場は楽観と不安が交錯する中で年を越した。米国の次期大統領にトランプ氏が当選して以来、減税やインフラ投資で景気が刺激されるとの期待が高まる。だがそれで昨年の世界を揺るがせた経済システムへの人々の不信が消えるとは考えにくい。米国や英国で噴き出た『自国中心主義』は経済のグローバル化への反発に深く根ざしているからだ。冷戦終結後、あくなき利潤の追求を推進力に、ヒト・モノ・カネの国境を越える往来を広げてきた資本主義。問われているのは、その未来の姿である」と「朝日」社説(1月3日)。

「資本と民主主義の衝突」と「毎日」社説(1月1日)…。「トランプ氏の勝利と先立つ英国の欧州連合(EU)離脱決定はヒトやカネの自由な行き来に対する大衆の逆襲。グローバルな資本の論理と民主主義の衝突と言い換えることもできるだろう。フランスの経済学者ジャック・アタリ氏は『21世紀の歴史』(2006年)で歴史を動かしてきたのはマネーの威力だと指摘した。その法則を21世紀に当てはめると地球規模で広がる資本主義の力は国境で区切られた国家主権を上回るようになり、やがては米国ですら世界の管理から手を引く。

「安倍政権が掲げる『働き方改革』の本丸『同一労働同一賃金』に関するガイドライン(指針)案が示された。非正規社員の待遇を抜本的に改善する内容が盛り込まれている。賃金は労使の話し合いで決めるべきもの。政府の関与は間接的かつ限定的にならざるを得ないが、政府と労使は指針案の趣旨が実現するよう協力して取り組むべきだ。指針案は(1)基本給。(2)賞与・各種手当。(3)福利厚生。(4)教育訓練・安全管理…に関してどのような待遇差のつけ方が不合理で問題があるのか示した」と「毎日」社説(12月27日)――。

「同一労働同一賃金」!最近、ほぼ連日のように目にしたり、耳にしたり…。火山、正直「隔世の感」を覚える。なぜか――。話は1957(昭和32)年4月に遡る。つまり約60年前…。火山20歳。慶大経済2年生。日吉キャンパスに「サブゼミ」という講座があった。「賃金論」で頭角を現し始めた俊英<K>助教授の担当…。当時、既に「世直し」の意気に燃えていた「若き血」の火山、「思い込んだら命懸け」とばかり、加入を申し込んだ。「日本資本主義発達史講座」というのが看板。当時でも「アカと疑われる」という<定評>があった。

だが当時もバカだった火山、「怖い者知らず」!いや「世間知らず」…。まさに「思い込んだら命懸け」だった――。だが今にして思えば、これも「資本と民主主義の衝突」の一つ。参加してみたら素敵な<美人>女子大生が<君臨>していた。<病弱>で1年留年という。だが火山と毎週<衝突>。激しい<バトル>の連続――。「要するに、君は<労農派>なんだ」と見かねた<K>助教授がポツリ。<無知>な火山、意味不明。だが日本資本主義発達史。明治維新が「絶対主義」か「プロレタリア革命」かを巡り戦前から大論争があった――。

「資本主義はこれまでも挫折を経験、曲折を重ねてきた。100年前野1917年にはロシア革命で世界初の社会主義政権が樹立。第2次世界大戦後の資本主義陣営は社会主義に対抗しつつ、雇用や社会保障を重視する福祉国家を築いた。だが財政負担の拡大やインフレが進み、米国や英国は『小さな政府』を掲げたレーガン・サッチャー路線に転じる。金融も自由化され、活力が戻ったかに見えた半面、貧富の差が再び拡大し、リーマン・ショックに至る暴走の素地も生まれた」と「朝日」社説(1月3日)…。火山、これらを見聞、思索してきた。

「前世紀の経験はソ連など社会主義の失敗も白日の下に曝した。岩井克人・東大名誉教授はチャーチルの民主主義論をもじって言う。『資本主義は最悪の経済システム。これまでに存在した全ての経済システムを除いては』。たとえブレーキの利きが悪い中古車でも当面は資本主義を使い続けるしかない。だとすれば少しでも良くするために何をなすべきか」(朝日)。

「5年前のリーマン・ショック以降、資本主義社会は立ち直ったかに見えます。もちろん景気が蘇ったというにはほど遠いのですが、株価を見る限り少なくとも前の状態に戻ったようにも見えます。バブル以降の失われた20年を体験した日本人にとって、少しでも経済成長の光が見えれば、安心感があるかもしれません。ガラパゴス化した日本から見れば、なるほど資本主義経済は落ち着きを取り戻したかのように見えます」(的場昭弘「マルクスとともに資本主義の終わりを考える」亜紀書房・18頁)…。著者・的場は火山のゼミ後輩――。

何を隠そう、火山は慶大経済学部<A>ゼミ出身。指導教官だった亡きA教授は戦後のマルクス経済学会に流星のように登場した俊秀の学者。東大の宇野弘蔵教授と激しい論争を展開した。当然ながら火山もマルクスの「資本論」を学んだ。卒論のテーマは「絶対的窮乏化法則とプロレタリア革命」…。簡単にいえば「資本主義の終わり」を研究した――。

的場昭弘は「1952年生まれ。神奈川大学経済学部定員外教授」…。「超訳『資本論』」全3巻(祥伝社新書)が有名。NHK教育テレビ「1週間de資本論」で森永卓郎、浜矩子、田中直紀らとも対談。火山の15年後輩だが、ピカピカのマルクス学者。学会に君臨している。彼氏と「ゼミの会」懇親会でワイン片手に議論した。「ところで、資本主義はいつ終わるんですか」…。「ウーン、200年か300年先でしょうか…」「えっ、ナ・ナヌッ」――。唖然!

「マルクスとともに資本主義の終わりを考える」という彼氏の著書、そんな先の印象から、ほど遠い――。「資本主義の終焉と歴史の危機」(水野和夫・集英社新書)…。「資本主義崩壊の首謀者たち」(広瀬隆・集英社新書)…。「資本主義という謎〜成長なき時代をどう生きるか」(水野和夫・大澤眞幸・NHK出版新書)――。水野和夫は「1953年生まれ。日大国際経済学部教授、三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミストを経て、内閣府大臣官房審議官(経済財政分析担当)など歴任――。いかがでしょう、お立合い!

「資本主義の最終局面にいち早くたつ日本。世界、史上極めてまれな長期にわたるゼロ金利が示すものは、資本を投資しても利潤の出ない資本主義の『死』だ。他の先進国でも日本化は進み、近代を支えてきた資本主義というシステムが音を立てて崩れようとしている」(水野和夫「資本主義の終焉と歴史の危機」(集英社新書・扉)…。第1章のタイトルは、ナント「資本主義の延命策でかえって苦しむアメリカ」――。水野和夫の指摘だ!ウーン。

だがお立合い!火山の意見は、ちょっと異なる…。「窮乏化論とプロレタリア革命」という卒論を火山が書いていたのは昭和34年(1959年)秋。今を去る約55年前だが、同じ火山が<就活>に励んでいた。「60年安保」の国会デモに励み、「平和の会」委員長としてハッスルする火山、<アカ>と疑われ、財閥系企業から軒並み<門前払い>…。だがやっと中堅電機メーカーに拾われ、三次の「社長面接」へ…。当時、松下幸之助と並び称された名物社長が質問した。「景気を良くするには、どうしたらいいか」…。火山、即座に答えた――。

「簡単です。労働者の賃金を上げてください」…。ナント今から<55年>前。「アベノミクス」の<ア>の字もない。社長、ビックリ!「君、そんなんじゃ、ダメだ」。だがもっと驚いたのが陪席していた人事課長…。ドアを閉め、廊下に出ると火山に聞いた。「一つだけ確認したい。君は思想は大丈夫か」(<アカ>じゃないよね)…。火山、即座に答えた。「大丈夫です」(ホントは「危険です。生涯を労働運動に捧げる覚悟…」。でもそう答えたら、またも不合格!もう、イヤだ)…。途端に人事課長、ニッコリ!「よし、合格だ」――。

「『貿易と技術がもたらす利益が平等ではないという現実を経済学者は認めるべきだ』。英国の中央銀行、イングランド銀行のカーニー総裁は昨年末の講演で述べている。国全体にはプラスの変化であっても一部には職や所得を失う人々が生まれる。セーフティーネットが不十分であれば変化そのものが敵視されてしまう。貿易の拡大や技術の進歩に伴って生じる格差は再分配による修正を徹底すべきだ」と「朝日」社説(1月3日)…。火山も賛成。

「グローバル化そのものに背を向ける保護主義的な主張も見られるが現実的ではない。情報や技術、生産体制など基盤は既に国境を越えて広がっている。貿易を通じた新興国の成長は世界的な格差解消を考えれば前進といっていい。国際的な課題にも市場任せでは解決できないものがある。多国籍企業が制度の隙間をついて税負担を逃れようとする動きに対抗するには国同士の協力が必要だ。金融機関の過剰な投資や劣悪な労働条件、環境への悪影響を防ぐための規制にも国際協調が欠かせない」(朝日)…。だがやりよう、いくらでもある。

「この国民にして、この政府あり」。福沢諭吉「学問のすゝめ」(1872年)。信頼し合おう。(平成29年1月3日)

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「中心があるなら周辺もある。『2015年度を中心とする期間』とは一定の幅で過去も含むと解せる。日銀の掲げる物価上昇目標2%の達成時期のことだ。時を言い表すなら『最速で』とか『早ければ』の方がなじむ。はずれた場合に『信認』に関わると避けたのか。黒田東彦総裁は自らの政策を「しっかり機能している』と誇る。強気の日銀に『シャーマン(霊能者)化』との言説も出るが、資源安は肝心の物価の頭を抑え、消費は曇りがち。爆買いした国債や財政規律の行方も気になる」と「日経」コラム「春秋」(4月17日)――。

「日銀の掲げる物価上昇目標2%の達成時期のことだ」と「日経」は鋭く迫る。火山、<爆発>したくなる。ここにも「<エセ>専門家」がいる!何が「日銀の国債<爆買い>」だ!アベノミクスは始まってまだ、まさに<2年余>だ。その前の「失われた<20年>」の間、日本のメディアは何を書いていたのか。どれだけ「<巨額>な富」が無為に失われたか、計算したことがあるのか…。長期の「円高」「デフレ」!<15年>ぶりの<賃上げ><株高>が起こるまで<企業><雇用><消費>がどれほどの<打撃>を受けたか、考えたのか。

「▼異次元緩和から2年余り。企業業績は回復し株価も一時2万円を超え、賃金、雇用は改善した」(コラム「春秋」)と簡単に書く。「白川日銀」の<無為無策>を忘れたのか――。「<株高>の起点は日米欧など主要国の金融緩和。潤沢な資金が株式などのリスク資産の価格を押し上げ、日銀の緩和は円安など複数の経路で企業収益にプラスに作用している。2012年11月14日に当時の野田佳彦首相の解散宣言で始まった『アベノミクス』は<デフレ脱却>期待を盛り上げた」と「日経」電子版(4月11日)――。

「デフレ脱却」――。重要なキーワードだ。「失われた20年」で「消費意欲」「投資意欲」は冷え切り、縮みこんだ。これこそ<白川方明>日銀の<大罪>――。安倍内閣の経済顧問となった浜田宏一。「アメリカは日本経済の復活を知っている」(講談社。2013年1月8日)で「教え子<白川>」を厳しく叱責、同時に反省を語った――。

「友人がいうように教え子の日本銀行総裁、白川方明氏を正しく導くことができなかった。20年間もデフレに苦しむ日本の不況は、ほぼすべて日銀の金融政策に由来する。白川総裁はアダム・スミスから数えても200年あまり経済学の泰斗たちが営々と築き上げてきた『水は高いところから低いところに流れる』といった普遍の法則を無視している。世界孤高の『日銀流理論』を振りかざし、円高を招き、マネーの動きを阻害し、株安を作り、失業や倒産を生み出している。年間3万人を超える自殺者も金融政策と無関係ではない」(1頁)。

「外国人学者のほとんど全ては、潜在成長率の遥か下で運営されている日本経済(白川日銀時代)を『ナンセンスだ』と考えている」(3頁)…。だから「脱デフレ」なのだ――。「日産に加え、トヨタ自動車など自動車大手の労働組合が18日、一斉に月6千円相当の賃上げを求める要求書を提出した。各労組が高水準のベアを統一要求するのは2000年以降で初めて。東芝とNECの労組も同日、月6000円の賃金改善を求めて交渉に入った」と「日経」(2月19日)は続く…。♪ 賃上げの 好循環や 春を待つ――。<火山>の名句だ。

「社長100人アンケートは国内主要企業の社長(会長、頭取などを含む)を対象に3カ月に1度実施している。今回は3月4〜20日に145社から回答を得た。経営者の景況感が改善したのは13年12月調査以来となる。景況感は消費増税直前の14年3月調査から4回連続で悪化していた。(だが3月21日のまとめでは)国内景気は『緩やかながら拡大している』とした経営者が全体の74.5%を占めた。円安や米国経済の回復を受け、前回2014年12月調査を34.4ポイント上回り、景況感が大幅に改善した」と「日経」(3月22日)――。

「8664円から2万円へ、日経平均は2.3倍になった。同じ期間で2倍になった中国、欧州中央銀行(ECB)の金融緩和で5〜7割高となったドイツやフランスと比べても上昇率が大きい。金融緩和に加えて、日本の変化という固有の材料も注目されていることが背景にある。お金をため込む傾向が強かった日本企業が、海外企業の買収や株主還元に資金を使い始めた。2014年度の業績は最高益水準。アベノミクスの後押しで稼ぐ力を高め、自力で投資マネーを引き付けることができるようになったのだ」(「日経」電子版・4月11日)――。

「大阪・キタに綱敷天神社がある。九州へ流される菅原道真が船上に丸めた纜(ともづな)の上で、捲(けん)土(ど)重来(ちょうらい)を期し、梅をめでた故事が由来だ。そういえば、1985年のプラザ合意後のバブル懸念を当時の日銀、三重野康副総裁は『乾いた薪の上に座っている』と表現した。今なお拭い切れない長い停滞感の出発点は、この辺りだった」と「日経」コラム「春秋」(4月17日)は、シツコイ――。過去の「日銀」に失策があったのは事実…。だが「経済学」「経済政策」に学習や進歩・発展がないとは言えない――。

「古の賢人は時間の不思議さをこう語った。『誰も私に尋ねなければ時間とは何かを知っている。しかし問われて説明しようとするとわからなくなる』。全ての変数をかみ砕き進軍する時間。米国の金融緩和は出口へ向かう観測だが我が方は奈辺をさ迷うのか。総裁は何に座した心境で就任3度目の若葉を眺めるだろう」と「春秋」。言論は自由!だが<正否>は別。

「専攻は理論経済学」!昭和34年(1969)秋。就活の「社長面接」に臨んだ火山、胸を張った。「景気を良くするには、どうしたらよいか」。業界名士<創業>社長のご下問…。「簡単です。労働者の賃金を上げてください」――。「君、そんなんじゃ、ダメ」!社長も陪席の人事課長も<仰天>!<55年>もの昔。当時「アベノミクス」の<ア>の字もなかった。
(平成27年4月17日)

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+++これはこの「書棚」の<シリーズ>の第1回。つまり、火山が三田山上の「ゼミの会」で、今春4月27日(土)に講演をした、その<冒頭>部分。以下、次の「韓国はリーマン・ショック後、『インフレ目標<3%>』で<ウォン安>堅持。(講演2) 」に続きます。

「失われた<20年>」――。「今、最も責められるべきは日銀」と1年2ヵ月以上も前、民主党・野田政権時代に、数学者の藤原正彦が「週刊新潮」(2月16日号)に発表した。「デフレ不況を十数年も放置してきた責任の大半は日銀。リーマン危機以来、アメリカは通貨供給量を3倍に増やすなど、米英中韓その他の中央銀行は猛然と紙幣を刷り、景気を刺激した。日銀は微増させただけ。静観を決め込んでいる。

この3年間で円がドル、ユーロ、ウォンなどに、3割から4割も高くなったのは、このせい。日銀が数十兆円の札を刷り国債を買い、政府が震災復興など公共投資を大々的に行い、名目成長率を上げるべき。札が増えれば<円安>になる。工場の海外移転にも歯止めがかかる。この14年間、経済的困窮による自殺者が毎年1万人も出ている」――。驚くなかれ、アベノミクスの<ア>の字もない1年2ヵ月前。数学者の藤原正彦が語っていた。

今やアベノミクスの理論的支柱・イェール大名誉教授の浜田宏一。「まさに私が唱えていた意見が簡にして要に描かれている。当時は日銀はじめ、学者には私の意見に反対する声が強かった。勇気づけられ、非常に嬉しく感じた」と「文芸春秋」(5月号)。「残念ながら日銀には、金融政策が庶民の生活に直結しているという意識がなかった。デフレでモノの値段が下がると、雇用減や賃金低下を招く。庶民生活を直撃する。日銀は動かなかった」。

「この国民にして、この政府あり」――。福沢諭吉「学問のすすめ」。福沢が<慶應義塾>の名称を正式に採用したのは1868年<明治元年>。上野で旧幕府軍の彰義隊と新政府軍が激突。国内を二分した<戊申戦争>真っただ中。「福翁自伝」にも「上野の大戦争、大砲の轟音が鳴り響く中、英書in Englishで<経済>を講義していた」とある。福沢が提唱したのは<実学>は、世の中を動かし、人生を変える学問。<福沢>は<虚学>を嫌っていた。「デフレと超円高」を解決できない経済学は「虚学」か「実学」か――。

「アベノミクス」が始まって<円安・株高>が進んだ。「日本経済新聞」は4月12日、黒田日銀の「異次元緩和」を特集。金融緩和が日本の印象を一変させた。英国金融機関シティーで日本のバンカーが嬉しい悲鳴をあげている。「『次はアベ』世界が注目」と「米欧の大物投資家や金融機関首脳との面会がポンポン入る。円は1ドル=100円目前まで下落。『2段ロケットに点火した感覚』(欧州の金融筋)。お金の供給を倍増させる結果、名目国内総生産(GDP)比の日銀の資産規模は米欧中央銀行の2倍を超す――。

「資産規模が米欧中央銀行の2倍」…。意味、お分かりですか。「資産規模」とは「バランスシート」(貸借対照表)の表示――。2008年9月15日、米国の大手証券会社で投資銀行リーマン・ブラザースが破綻。世界的な金融危機と世界同時不況が起った。原因は「米国の低所得者向け住宅融資(サブプライム・ローン)の焦げ付き。巨大な債務超過が表面化。世界中の市場で<株価暴落>――。

この時、米国中央銀行<FRB=Federal Reserve Board>(連邦準備制度理事会)は<大胆>な金融緩和に踏み切り、世界的<金融危機>を救った。通常の金融緩和は「政策金利」(公定歩合)を下げるのが主体。だがFRBはこの時、「非伝統的金融政策」を決断、ドル紙幣を大量に印刷、米国国債を大量に買い取った。「バランスシート」は<2.5倍>に膨らんだ。中央銀行が発行する紙幣は「借用証書」…。

バランスシート(貸借対照表)右側の「負債」に計上される。だから「総資産」が増える。これが<資産膨張>――。FRBは大胆な対応。「日銀」は<慎重>――。バランスシートはほとんど膨張しなかった。経済危機が大、これが<デフレ・超円高>を招いた。
(平成25年5月24日・再)

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安倍晋三の復活――。実は秘かに予想していた。キッカケは2年前、安倍の地元での講演。<美女>政治評論家・桜井よしこと一緒に来た。安倍の話を聞き、カブリツキで眺めて確信した。きっともう一度<総理>になる。民主党の破綻を見て、確信を深めた。急に「岸信介」の伝記を読みたくなった。福田和也「悪と徳と岸信介と未完の日本」(産経新聞社)。工藤美代子「絢爛たる悪運、岸信介伝」(幻冬舎)。「60年安保」に反対した自分が恥ずかしくなった。

安倍晋三政権が誕生するとすぐ、小川榮太郎「約束の日〜安倍晋三試論」(幻冬舎)を読み、正直、感銘を受けた。「明確な理念と果断な実行力で日本を改造しようとした政治家の、ドラマチックな挫折と葛藤――。もっとも勇敢に官僚の壁と戦い、戦後の利権構造を打破しようとした安倍晋三が、なぜ一年で政権を投げ出さざるを得なかったか?

最後にお話したいのが「官報複合体〜権力と一体化した新聞の大罪」――。元日本経済新聞記者<牧野洋>。これまた偶然。慶応の経済学部出身。「父は熱心な新聞記者だった。新聞記事の客観性や信憑性を疑うことは全くなかった。就職先として日経に内定した時は飛び上がるようにして喜んだ。だがそんな牧野が「パラダイム変化」を体験したのが、新聞記者4年目の1987年。

ニューヨークにあるコロンビア大学大学院ジャーナリズムスクール(Jスクール)へ留学した時。新聞王ピューリツァーが創設したJスクール。アメリカの新聞報道は「権力のチェック」を強化する方向で100年以上も進化してきた。その典型が1970年代、首都ワシントンで発行される「ワシントン・ポスト」がウォーターゲート事件で特報を放ち、当時のニクソン政権を崩壊に追い込んだ。これが調査報道の金字塔となった。

『権力のチェック役』ならぬ『権力の応援団』的な報道が行き過ぎるとどうなるか――。小出裕章「原発のウソ」(扶桑社新書)を読めば「原発がなくても<電力>不足は起きない。原発は安くも、クリーンでもない」ことが明白。でも政府も東電もウソとデラメで「既得権益」を守り、メディアも「権力の応援団」に徹している。恐ろしい現実。

「貿易収支が2012年に過去最大の赤字となった。世界経済の減速などで輸出が減り、火力発電所の燃料を中心に輸入が増えた結果だ。海外からの配当や利子を含む所得収支の黒字はなお大きい。これで貿易赤字を相殺、総合的な海外取引の状況を示す経常収支の黒字を今は確保することができる。だが貿易赤字の定着に高齢者の貯蓄の取り崩しなどが重なって、10年代にも経常赤字に転落するとの見方が出ている。

そのリスクを重く受け止め、日本経済の稼ぐ力を高めなければならない」と始まる。問題は「世界経済の減速などで輸出が減り、火力発電所の燃料を中心に輸入が増えた結果」という指摘。(「日経」12月28日)。「火力発電所の燃料」とはLNG輸入のこと。世界最大級の輸入元である東電は「国際比<4倍>の高値で“平然”と輸入している。「カタールは<3ドル>で輸出しているが、日本には<10ドル以下>では売らない。

日本の稚拙な調達戦略を見抜いている。日本の電力会社は<原燃料費調整制度>で守られ、調達コストが上昇しても<自動的>に電気料金に反映できる。LNG輸出国にとって常識。マレーシア国営石油企業のぺトロナスは<国内生産>天然ガスの代わりに、カタールから<3ドル>で購入したLNGを日本に<12ドル>で販売、平然と“利ざや”を稼いでいる」。

「日本の問題はLNG価格決定方式にも…。世界が『スポット市場連動方式』に移行する中、日本は計画段階から電力企業が関わり<S字カーブ契約>という原油価格連動方式。<割高>な原油価格リンクで買取り価格を保証。見返りに<安定供給>を約束してもらう。だが<LNG需給緩和>が進んだ現状では完全に<時代錯誤>」――。予定の<30分>となります。ご清聴、有難うございました。

質疑、いや意見交換ですが、一つだけお願いがある。できる限り、多くのご意見を伺いたい。ご発言、恐縮ですが、お一人<5分>以内という「ルール厳守」でお願いします。
(平成25年5月7日)

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最後が<TPP>――。2週間前の4月13日、新聞各紙は「TPP、日米協議が決着!」と一斉に報じた。TPPが<国益>なのは「自明の理」!でも抵抗勢力が幅を利かせた。
「TPPに多くの農家・農民が<不安>を持つ」とメディアは騒ぐ。だがここには大きなウソがある。実は私の家内は青森の<農家>の生まれ。兄弟姉妹、従兄弟が青森に住み、コメも作る。彼らの暮らし、気持ちは私も知っている。「五能線」の五所川原が家内の郷里。駅前の商店街はいわゆるゴーストタウンに近い。だが彼らの不安はコメではない。

「こんな農協はいらない」――。「WEDGE」(2008年9月号)で山下一仁が論陣を張った。山下は2008年まで<前農水省農村振興局次長>。著書に「農協の大罪」「農協の陰謀」がある。いずれも「宝島社新書」――。「農村社会を崩壊させている」のは<農政トライアングル>!「JA農協、農林族、農林官僚」…。これが「農協の大罪」のエッセンス。「『農協の大罪』に反論するものは<農水省>にはいない」と山下一仁は断言する。「大罪」が出版されたのは2009年1月――。既に4年が過ぎている。

「農業の衰退に歯止めがかからない。食料自給率は1960年の79%から40%までに低下。日本農業には<不変の三大基本数字>といわれるものがあった。農業面積600万ヘクタール、農業就業人口1400万人、農家戸数550万戸だ。明治初期の1875年から1960年までの85年間、この3つの数字に大きな変化はなかった。大きな変化が生じたのは農業基本法(農地維持と食料安全保障。零細農業の構造改善が目的)が作られた61年以降。それは農業にとっては好転ではなく、暗転だった」(「農協の大罪」・22頁)。

「60年から2005年までの50年の推移を見ると、GDPに占める農業生産は9%から1%へ、農業人口は1196万人から252万人へ、総就業人口に占める農業人口の割合は27%から4%へ、農家戸数は606万戸から285万戸へと、いずれも減少している」(22頁)。GDP<1%>の農業、いや農協に巨大な<政治力><利権>があって解決できなかった。

「参院選挙制度は農村部の小県が定数1の小選挙区で、中規模以上の都道府県が定数2以上の中選挙区であることにより、農村部を基盤とした政党が圧倒的に有利となる仕組み。勝者総取りの1人区は他党との差を稼ぎやすく、比例的な中選挙区では他党に差を広げられにくい結果、55年体制下の参院で自民党は圧倒的支配力を保つことができた。

現在の政党配置状況は農村を基盤とする自民党と、都市部に立脚する群小政党という、55年体制同様の構図」(菅原琢「55年体制の再来を避けるには」=PHP「Voice」3月号・35頁)。「TPP」というが、農村部を基盤とした<政治力><利権>との戦い。「昔陸軍、今農協」と山下一仁。私も同感。あの太平洋戦争の悲劇を二度と繰り返してはならない。

「メディアは日銀や財務省のポチか」(長谷川幸洋「運命の参院選へ霞ヶ関との死闘」・「VOICE」3月号・126頁)――。長谷川幸洋は第一次安倍政権で「政府税調」、今回の第二次でも「規制改革」委員で安倍に接し、個人的にも電話やメール、会食等で総理と率直な意見交換、内情に精通。その長谷川は「安倍政権が注力するのは、一つはデフレ脱却・景気回復。もう一つが日米関係の再構築。この二つが内政と外交の最重要課題」(126頁)。

「デフレ脱却のために、安倍は三本の矢からなる『アベノミクス』を用意した。2%の物価安定目標と徹底的な金融緩和、拡張的財政政策、それと『成長戦略』である。2%の物価目標付きの金融緩和+拡張的財政政策(ポリシーミックス)は必ず効く。経済学のイロハのイだ」――。「経済学のイロハのイ」!同じゼミに学んだ。呵呵大笑。全く同感。

「日本では『金融緩和も財政出動も効かない。経済の生産性を高めないとダメ』といったような話が大手を振って流れている。記者たちも一見もっともらしい話に毒されている。もっといえば日銀と財務省に毒されている。私は第一次安倍政権で政府税調はじめ審議会をいくつも経験して、経済学者やエコノミストの実態を見てきた。彼らの多くは日銀や財務省とケンカできない。学者は研究材料と機会を提供してもらっている。エコノミストは出身母体の金融機関が国債売買などで財務省や日銀のお世話になっている」(126頁)――。

「TPPへの対応は貿易自由化と日米関係の強化という二つの文脈がある。私はどちらの文脈で考えても、TPP交渉に参加すべきと思う。「国民皆保険制度が破壊される」「食の安全は大丈夫か」――。ウソとデタラメが氾濫した。片棒を平然と担いだのがメディア、ジャーナリズム。渡邉頼純「TPP<参加>の決断」(ウェッジ)で明快。

<渡邉頼純>は慶應大学<総合政策学部>教授。GATT事務局、欧州連合日本政府代表部、外務省経済局参事官、外務省参与を歴任している。結論を急ごう…。「営利目的の医療機関は適用除外。混合診療も健康保険制度が各国で異なるので、共通ルールにはなりにくい」――。「安全でない食品や農産物が輸入される」という恐れもない。TPPには『衛生植物検疫措置』(SPS)に関する作業部会があり、食品安全規制の在り方も議論されている。なぜ、ウソやデマで大騒ぎになるのか。この方がよっぽど不思議。
(平成25年5月6日)

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