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『ねっ今、暇??』
少女のもとに、突然の電話。
『ティキ?暇だけど、どうしたの?』
『どうしたも何もー、今からちょっと出かけない?? 今日親御さんは仕事で帰ってこれないんでしょ』
少女は時計を見上げる。時計の針が示すのは、午後9時。
『もう9時なんだけど・・・』
『いーのいーのっ。なんならちゃーんと迎えに行くから』
ピンポーン
玄関の方からチャイムが鳴る。
「迎えに参りましたよ、お嬢さんっ」
「早いっ!!準備する時間ないじゃんっ、行くってまだ返事してないのに・・・」
人の都合などお構いなしとばかりに訪れるティキに対し、少女はあきれながらもすぐにドアを開ける。
迷惑がっているような言葉とは裏腹に、その顔には喜びさえ感じられた。
「まだ着替えてないの?? ほーらお兄さんが着替えさせてあげようか?」
「変態っ、遠慮します!!! ・・・どこ行く気ですか?」
「散歩だよさーんぽっ。なに?俺がやらしいことすると思ったわけ??」
「んなっ/// たっただどこに行くか聞いただけだもん」
「へーぇ、そうかい。あいにくただの散歩でした。さ、早く準備してよ。
俺はテレビでも観て待っとくからさ。」
ティキはテレビの前に座り、チャンネルをいじり始めた。
少女は部屋へ着替えに向かう。
20分たって、少女が戻ってくる。
「遅かったねー。さ、行こうか」
少女が必死で可愛い服を選び遅くなった事に、ティキは気付かない。
鈍感なんだよなー、と少女は思う。
しかし、チャラい見た目と裏腹に鈍感というギャップが好きなのも事実。
でも頑張っておしゃれした事に気付いて欲しいのが乙女心というもの。
しかし男には乙女心などわからない。
「え、なに急にっ/// 手なんか繋がなくても歩けるからっ」
少女が複雑な心境にいる中、急に少女の手が握られる。
男は少女の手を握ったまま夜道を歩く。
「俺と手ぇ繋ぐの、やなわけ??」
男は、イタズラな笑みで少女を見る。
「・・・・」
顔を赤くする少女。
・・・いつもティキは私の調子を狂わせる。
「まぁまぁ、いいじゃんかたまには。すぐ着くしさ。ほらっあそこだよ!」
ティキの指差す方向には、
「こ、公園?」
「なーに、やっぱり俺が変なことすると思ってたんじゃなーいの?」
意地悪な聞き方。
「思ってないってば!! ただティキが公園なんか来るんだーって。」
そう言って少女は空を見上げた。
「俺は星空観察が趣味なもんでね、よく公園に来るんだ」
そう男が言った瞬間、少女が見上げる夜空に流れ星が流れた。
「・・・いつから星空観察が趣味になったのよ」
「ずっと前から。今日はなんとか流星群があれなんだと」
男は少し照れながらこたえる。
「ふふっ、なーにもわかってないじゃん」
「うっさいなぁ。」
「照れてるでしょ」
「照れてねえよ、ちゃんと空見とけよ」
「はーいはい」
少女は再び空を見上げる。
「・・・流れ星にお願い事したら叶うらしいな。何かお願いしたの??」
「うん、1つだけ」
「へーぇ」
2人は静かに空を見上げる。夜空には次々と流れる星。
「あのさ。」
男はふいに口を開く。
「なにお願いしたの?」
「そういうティキはお願い事したの??」
少女がそう聞くとティキは後ろから少女の肩に手を回した。
「俺は、ずっとこうしてられますように、ってお願いしたんだけど、いい?」
「っ///」
「顔見えないんだからさ、嬉しいか言ってくれなきゃわかんないんだけど」
「・・・よ」
「聞こえないなぁ」
「ずっと、傍にいてよ」
「断られたって、俺はあなたの傍に居ますよ。おじょーさん」
夜空でまたひとつ、星が流れた。
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