「あなたの孫を抱っこさせて貰ったよ。Aちゃんと同じで、泣かないで抱かれてくれたよ。ニコニコしてくれたよ。あなたの望んだとおりの孫よ!」 直ぐに彼女へ報告した。 他人にも泣かないで抱っこして貰う孫を、彼女はどんなに喜んでいるだろうと思った。 ただ、 彼女の手にその重さが伝わらないのが悲しかった。 そんな平穏と思われる日々にも、リミットは確実に近づいていた。 Sちゃん達が組長の役目を終わる3月31日。 それは多分お別れの日。 12月の小春日和の日、抱っこベルトにMちゃんを入れて、各戸の郵便受けに配布物を配りがてら、Sちゃんが声を掛けてくれた。 思いがけない訪問に私が小躍りしたのは言うまでもない。 Mちゃんと戯れる私を暫く見守っていたSちゃんは、おもむろに言った。 「来年4月に引っ越すことになりました。」 やっぱり・・・ 分かっていた。。。 分かっていることだった。 当然だった。 「・・・そうね。ここからではお仕事に通うの大変だものね。 どこに住むことになるの?」 「○○です。母の生前、一緒に私たちの土地を探していたこともあって・・・。」 「そんなこともあったの。。。」 「・・・やっぱり・・・・・。 話していなかったのですね。 母は絶対に同居はしないと言っていましたから、話さなかったのでしょうね。 近くですから遊びに来てくださいね。子育て、教えてくださいね。」 別れを寂しがるであろう私の気持ちを十二分に分かっているSちゃんの、精一杯の言葉だったと思う。 別れはすなわち彼女たちの門出だ。 私はあえて明るく言った。 「うん! ありがとう。 お邪魔させて貰うね。引っ越しの日が決まったら教えて。お手伝いが出来たら嬉しいし・・・。」 「はい。またお世話になるかと思います。」 二人の後ろ姿を見送りながら、不覚にも涙がにじんだ。 決してSちゃんに見せてはいけない涙だった。 4月になったら、あの玄関の明かりも消えてしまう・・・。
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続いて読んでますが、友への切々とした気持ちが
伝わってきます。
逝かれた方に「あなたはとても素晴らしい友達を持たれましたね」って報告してあげたい気持ちにさえなります。感動のポチ★
2010/2/5(金) 午後 3:06 [ 一葉 ]
一葉さん、
拙い文章を続けて読んでくださっているとのこと、ありがとうございます。
大人になってからの親友は我が身と同じ感覚ですよね。お互いの想いがそのまま自分の物のような気がします。
親友も、その娘のSちゃんも、孫のMちゃんまでも自慢したくなってしまうのです。
高松では一葉さんの親友達(ゴリラ仲間)が手ぐすね引いて待っていらっしゃることでしょう。とっても羨ましいです。
ポチをありがとうございます。
2010/2/5(金) 午後 10:48
「千の風になって」がTV&ラジオに流れ出した頃のピピさんの記事を思い出してしまいました。(涙)
2010/2/7(日) 午前 8:10
ハイチャさん、
そうです。「千の風になって」が流行っていた頃でした。
『彼女は絶対にわたしの近くにいて、ニコニコ笑いながら全てを見てくれている』と信じていましたし、今もこの当たりに居るような気がしています。
覚えていてくださったなんて感激です。ありがとうございます。
2010/2/7(日) 午後 10:21
Sちゃん、りっぱですね。
お母様にかわって組長を務められて。できないことです。思いつかないことですよね。
普通の引越しの場合でも、来年は組長だと決まっていても延ばしたりしないで仕方ないことだと越していってしまったりするのに。
さすが、親友さんのお嬢さんですね。教えられました。
pipiさん、寂しいですね。
でもお近くらしいので、親友さんの代わりにMちゃんを抱っこしに行けますね。
見守ってあげてください。
2010/2/15(月) 午後 5:11 [ noni ]
noniさん、
Sちゃんって凄いですよね!
その後、新築の御祝いに行ったり、一緒に食事をしたりしました。
今、Sちゃんのお腹には二人目のお子さんが育っています。見守っていきたいと思っています。
2010/2/17(水) 午後 2:39