二人の後ろ姿を見送りながら、不覚にも涙がにじんだ。 決してSちゃんに見せてはいけない涙だった。 4月になったら、あの玄関の明かりも消えてしまう・・・。 車で彼女の家の角を曲がりながら、無意識に玄関の明かりが消える日をカウントダウンしていた。 辛くなると写経をした。 2時間かけて書き終え、最後に為書きをし、○○ ○○書と自分の名前を書いては落ち着いたものだった。 12月に、三回忌の法要を済ませ、 1月に、町内会の新年会を執り行い、 2月に、総会で新役員の選出を終え、一年間の協力に感謝の言葉を述べ、4月に転出していくことを報告した。 この地で、今まで育み見守って貰った組の人たちにお礼を述べ、今後の益々の発展を望んでくれる事も忘れなかった。 3月に、地区の春祭りを取り仕切って、組長としての仕事を全てやり終えた。 「引っ越し前後にお手伝いすることがある?」 と聞いた私に 「大きい物は兄と相談して事前に運び出します。細々とした物はMもいるのでプロの業者にお願いしました。『何もすることは無いですよ。』と言われてはいるのですが・・・。」 「うん。分かった。何かあったら連絡してね。力になれることが有るかも知れないから。」 彼女が愛した鏡台やチェスト、飾り棚、文机、収集していたコーヒーカップ等は誰のところへ引き取られるのか知るよしもない。 彼女をこよなく愛した彼女のご兄弟、Sちゃん、お兄ちゃん、お孫さん達の元に貰われ、大切に使い込まれていくのだ。 本音を書くなら、私も何か貰いたかった。 「形見の品」 でも、そんなこと言えるわけもなく、 Sちゃんとしても「もらって。」など、言えなかったと思う。 彼女が使い込んだハンカチでよいから欲しかった。
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pipiさん わかる。
親友さんの使っていた物は、ぜひとも欲しい。
Sちゃんは、使い古した物だから、失礼だと思ってしまうのでしょう。使っていたものだからこそ嬉しいのに。
pipiさん! 今から言っちゃいましょう。
何か一つ、形見にちょうだいって。
(ほんとうは、もっとあれこれ・・・)
うちの娘を可愛がってくれていた友人(私の)がガンだとわかった時、もう助からないとわかった時、こまごましたものを娘に渡していました。友人には女の子がいなかったから。
娘、どこかに出かける時「○○さんと一緒に行こう」と、ネックレスつけたりしています。本当に死んでしまうなら、もっともっと要求してたらよかったな、と。
pipiさん、言いにくいけど、言っちゃいましょう。まだ、引越し終わってないのでしょ?
2010/2/19(金) 午後 3:44 [ noni ]
noniさん、
引っ越しはもう終わっているのですよ。
今は更地になってしまっていて・・・。
そうなのです。
「ちょうだい。」って言うとSちゃんきっと「こんな古い物・・・。」とか「新品で未使用の物では意味ないし・・・。」とか、気を使って悩むだろうと思うと、言えませんでした。
でも、それなりに納得できる物をゲットしちゃいましたから!そのこともいずれ書きますね。
それとは別に、彼女から貰ったものはとても貴重で今も大切に使っています。
2010/2/22(月) 午前 9:35
えー?
三月中はまだ大丈夫だと、勝手に思ってた・・・。
あの時、ガーデニングなさってた花たちは?
pipiさんのこらえた涙が迫ってきます。つらいですね。
2010/2/22(月) 午後 1:45 [ noni ]
親友が逝ってしまったのが2005年12月、
それから一年間(2006年)四六時中玄関に電気を点けてあって、
次の一年(2007年度)は組長の仕事を引き受けて(もちろん電気は点け続けて有りましたが)、
Sちゃんが引っ越したのは2008年4月のことでした。
あの花たち、ご近所や九州、名古屋まで、希望する方達のお庭へちゃんと貰われて行ったのですよ。
2010/2/22(月) 午後 10:54
パートナーを亡くした場合、パートナーが好きだった家に思い出として残るか、引っ越してしまうかのどちらかになりますが、亡くなった方がまだお若い場合は多分引っ越して新しい人生を築くことでしょう。私も43歳で夫を亡くした時は前を見て生きざるを得ないですから引っ越しましたね〜。
これは経験者にしか判らない心境なんです。
お友達を思うpipiさんの優しい気持ちに★
2010/3/4(木) 午前 0:07 [ 一葉 ]
一葉さん、
そういう気持ちになるのですね。
Sちゃんには、新しい人生に大きく羽ばたいて欲しいと思います。親友もそれを望んでいると思います。
ただ、残された者(他人の私)は気持ちの落としどころを探さなくてはなりません。故人への想いが深いほど辛い作業ですね。
Sちゃんよりも私の方が立ち止まってしまっている気持ちです。
ポチありがとうございます。
2010/3/7(日) 午前 9:51