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孫子の兵法

 私は戦争や争いは大嫌いです。
起これば必ず全員が不幸になるからです。
もちろん、勝利者なんかいません。
全員が敗北者です。
勝利者だと勘違いしている者たちは、ただ生き残っただけ。
それが戦争なんだと、私は思っています。

 ところが、どういうわけか兵器は大好きです。
(以前にも書きましたが)
たった一つの目的のために作られたという、洗練された存在物だからなのでしょうか。

 さらに、どういうわけか戦略・戦術も好きなんです。
生まれついての平和主義者で戦いなんかは怖くてできない臆病者のくせに、ミッドウェー海戦の艦隊指揮の話とか、赤壁の戦いでの孔明の策略とか、使うはずのないものばかり調べて楽しんでいます。
ここ数日も孫子の兵法をずっと読んでおりました。

 孫子の著した書は「孫子の兵法」と呼ばれ、第一「計」編より第十三「用間」編までの十三にまとめられた兵法の極意書ともいわれております。
中学生の頃より論語とこれだけはよく読んでおりました。
論語は人としての生き方を、孫子はツキのない自分のような人間の処世術を、それぞれ教えてくれました。

 たとえば、「兵とは詭道なり」。
これは、「戦争とは敵の意表をつくことをならいとする」くらいの意味ですね。
正々堂々と「弁護士と相談して…」とか話してしまわずに、相手が知らない間にすべての証拠をそろえておく。
これが詭道です。

 また、「上兵は謀を伐ち、其の次は交を伐ち、其の次は兵を伐ち、其の下は城を攻む」。
これは、「最上の戦術は敵の策謀を打ち破ること、そのつぎは敵と他国との同盟を阻止すること、そして戦いに及ぶことで、最もダメなのが城攻めである」くらいの意味ですか。
「証拠書類は全てそろえてある」と言われそうならこちらは録音その他の生きた証拠を集め、提携して強くなりそうなら先んじてその提携を潰し、そうしてから相手を攻撃すればいいわけです。
相手の属する組織を責めるなんて、時間の無駄・力の無駄なんですね。

 私の好きな話に「赤壁の戦い」があります。
三国志演義で一番盛り上がるシーンのひとつですね。

 最初、孫権・劉備連合軍は曹操軍にまったく歯が立ちませんでした。
何故なら、曹操軍には水軍の天才である蔡瑁がいたからです。
で、孔明と周喩は「蔡瑁が裏切り者だ!」という噂を曹操軍の内部に流したのです。
そしたらそれを信じてしまった曹操は自らの手で蔡瑁を処断してしまい、かくて赤壁のクライマックスである連環の計による曹操軍全船炎上へと物語は進んでいくわけです。

 指揮官が自らの部下たちを疑い出したら軍としてはもう終わりで、統率も取れず軍内部の信頼の絆もがた落ちになります。
それは当たり前のことで、いちいち部下を監視しながら戦争なんてできるわけがないのですから。
指揮官である曹操が部下を疑ったその瞬間、赤壁での敗北が決まってしまったというわけですね。
かくて曹操は圧倒的兵力を誇りながら大敗北を喫することになるわけです。

 などということを知っていても、現代社会にはまるで役に立たないのが残念ですね。(笑)
世が世ならこのような知識を使って王に仕えることすらできたかもしれないのに、いやはや私は生まれる時代を間違えてしまったのでしょうか?

 さらに上の軍師・策士なら、このような話を相手に聞かせることによってさらなる混乱を引き起こすことすらできるのでしょうねぇ。
実と見せかけて虚。虚と思えば実。
死ぬまでに一度やってみたいものです。

http://www.geocities.jp/scole377/ こむりん先生の教育祖談

 そうそう、この間どこかで「中国の古い文献に「勇将のもとに弱卒無し」とあるが」とか読んだような気が…。
あの言葉は明治時代に流行った「講談 猿飛佐助」にでてくるセリフで、「難波戦記冬合戦」で猿飛佐助が「さればにや勇将の下に弱卒なし、一門郎党にも豪傑勇士また尠なからず」と叫ぶシーンは一番盛り上がる所でした。
中国での正しい言い方は「名君の下に愚臣なし」で蜀書後主伝『漢晋春秋』に載っています。
これは大学入試にもでますから、みなさん覚えておきましょうね♪

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