こなかっこ通信(子中保育園)

子どもの活動や運営者として思うことをお伝えしていきます(^^)

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 今回は、一連の記事の締めくくりです。1歳児が身支度できるようになるためには、保育士も根気よく援助、指導していく必要があります。直接的援助だけでなく、環境も整える必要があります。子どもの代わりにやってあげてしまうほうが、大人にとっても楽ですし時間もかかりません。私自身も自分の子どもが幼少の際、“自分のことを自分でする”を子どもに実践させることができたのは自分に余裕があるわずかなときだけでした。だからこそ、保育所は養護だけでなく、生きる力・学ぶ力を育むデザインと実践を行う場として、0歳児や1歳児でも身支度を自分で整えることのできる環境をつくっていきたいと考えています。

 
 これまでの記事同様、下記写真の左上から(1)〜(8)のように説明していきます。
イメージ 1

写真のAちゃんは1歳5カ月です。まだ0歳児クラスのときから、汚れたタオルや靴下を汚れ物袋に片付ける習慣が身に付いています。Aちゃんが挑戦しているのは自分の上着をハンガーに掛けて、さらにハンガーラックにかけること。この動作、大人にとってはとても簡単ですが、子どもにとっては相当難しいのです。

 Aちゃんもハンガーに服のどの部分を、どのように引っ掛ければよいのかを試行錯誤しています(1)(2)。ハンガーに服を掛けるという行為は、ハンガーと服の形状の類似性を認知した上で、ハンガーの形状に合わせて服を掛けるという動きが必要になります。片側の肩を掛けて、さぁもう一方と思って掛けると、今度は最初に掛けた肩がすべって外れてしまいます。両肩をバランスよく掛ける。この塩梅を把握し実行できることは、それだけで相当な認知能力と運動能力を発揮しているわけです。小さいころから行っていないと、3歳児、4歳児クラスの子どもでもうまくできません。だってこんなに難しいことなんですから(^^) この難関をクリアしたAちゃんの次のハードルは服が掛かったハンガーをハンガーラックに引っ掛けること。ラックのバーより高い位置に上げて(3)、それを下げて(4)引っ掛けようとするのですが、うまくいかない。先生の方を見て“うまくいかないよ”というサインを出すと(5)、S先生は代わりにするのでなく、掛け方・外し方を見せました(6)(7)。ハンガーの向きを縦にすることを理解したAちゃんは無事に自分の上着をハンガーラックに掛けることができました(8)。

 Aちゃんが一連の動作を実現させることができた要因は二つです。Aちゃんがうまくできなかったとき(5)、「やって」と言わずに、両手を上げたまま自分で行う意思を見せたこと。とても意欲的です。それに対してS先生も代わりにするのでなく、方法を示したこと(6)。この両者の対話的関係が成り立ってこそ、Aちゃんは“自分でできた!”を実感できるのです。

 子どもたちはできるようになったことを、しないときもあります。ふざけてしまって、あるいはぐずって身支度をしない、できることなのに「できなーい」と甘える。私は以前「そういうときもあるよね」と考えて、子どもたちがしないことを受容し代わりにやってあげてしまうことがありました。しかし、今はそれを止めています。「あれ、いつもできるのにおかしいね」とか「今、ふざける時間だっけ?」とか「じゃ、一緒にやってみよう」と言い、子どもが自分ですることを促すようにしています。

 私の以前の態度は一見受容的です。表面的に見れば子どもに対して温かく接しているように見えるかもしれません。しかし、子どもたちができるようになったことをしないときには、それをしない“別の理由”があるのです。「私のこと見て」「僕と遊んで」「抱っこして」「お話、聞いて」「ママ/パパと離れて寂しいの」という別の理由を、“できることをしない”という行動によって示しているのです。私よりもずっと先にそのことを理解していたK田先生とS先生は、よほどの事情がない限り、できることはとにかく子どもたちに実行させてきました。その上で、子どもたちからのサインを汲み取り、いつも以上にスキンシップを取ったり、その子との時間を持ったりするのです。子どもの表面的な要求でなく、その背後にある真のニーズを読み取っているわけです。それこそが本当の受容的態度だと思います。

 
 K田先生とS先生が、言葉のおぼつかない0歳児や1歳児との強い信頼関係を築くことができる所以はここにあります。二人とも、ときには厳しい口調で0歳児、1歳児に注意します。この信頼関係に気づいていない人が見たら、「そんなに言わなくてもいいのに、まだ赤ちゃんなんだから」と思うかもしれません。しかし、子どもたちも、自分たちの言いたいこと、考えていることを真に受容してくれる相手というのはわかるものです。だからこそ、二人の話をよく聴きます。優しく話しかけてくれても、自分たちの話を聴かずに一方的に接する大人の言うことは聴きません。人の話を聴くということと、言いなりになるというのはぜんぜん違います。大切な話ですが、ちょっと本題から逸れたので、このトピックはまた今度(^^;


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