こなかっこ通信(子中保育園)

子どもの活動や運営者として思うことをお伝えしていきます(^^)

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 前回の記事に引き続き、1歳児Aくんの朝の身支度について書きます。写真の左上から、(1)〜(8)のように説明していきます。
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朝の身支度としてエプロンとスプーンフォークのセットまでの準備を終えたAくんは、次には遊んで汚れた洋服やタオルを入れる汚れ物袋を準備します。まずはバッグから袋を取り出し(1)、結んである袋をほどいて(2)(3)(4)、自分の汚れ物ボックスに袋をセットします(5)。ただ、入れるだけでなく、きちんと袋をボックスの縁にかぶせるように広げているのがわかるでしょうか。ここまで終えたら、あとは仕上げ。登園バッグを自分のカゴまで持っていき(6)、中に入れます(7)。朝の身支度完了!Aくんのとても満足げな笑顔をお見せできないのが本当に残念なほど(8)。この一連の動作は、手順や段取りを学んでプログラミング的思考を育むだけでなく、Aくんの自己肯定感の涵養にも結び付いています。
 
 これら一連の動作を、K田先生とS先生はできるまで丁寧に子どもたちに教えます。「あれ?子中保育園は、子どもたちに教え込まずに自由にさせる方針じゃなかった?」と思われた方、はい、一部はそのとおりです(^^) 好奇心や創造性を高めるような活動や遊びについては、子どもたちに制約を与えることは殆どありません。

一方、社会生活のうえで最低限必要な事柄については身に付けるまで繰り返し言い諭す、行動を促すといったことをします。例えば、自分のことは自分でするといった生活習慣を身に付けること、自他ともにとっての危険行動をさせないこと(https://blogs.yahoo.co.jp/konaka_hoikuen/50011434.html)については、教え込みます。なぜなら、これらは遊びや活動そのものでなく、創作活動や問題解決活動のための手段・方法に相当するからです。

ルールや手順を学ぶことは子どもたちの自由を奪っているのではなく、自由に思考し創作することの土台をつくっているのです。そして、私たちはこれまでの経験から、可能ならば0歳児、1歳児のうちから始めることがよいと考えています。
 
 教え込むといっても、子どもと保育士との信頼関係がなければ、子どもたちが手順を学び実践するようにはなりません。一方的に、単に強制的に教え込まれていると思ったら子どもたちは保育士に従いません。子どもたちがこのように身支度を実践できるようになるのは信頼関係があってこそです。ただし、私たちのこの保育方針はあまり一般的ではないと思います。4月から新しく着任されたK関先生も最初は戸惑っていました。

一般には、0歳児、1歳児、2歳児は、刺激の少ない保護的環境で穏やかに保育する、未発達でできないことが当然(この考えには私たちは賛同していません)なので保育士が援助する、そのような養護の側面が強調され、子どもの可能性を引き出し、学びを支援するという観点は無いことも多いのです。
 
 K関先生は採用以前にこのブログをすべて読み、私たちの方針に共感して応募してきてくれた保育士です。戸惑いについて対話を重ねました。そのとき、K関先生が口にした言葉、
 
 「今、お話していて思い出しました。保育園って乳児(0歳児〜2歳児)にはあまり注意をしないのに、幼児(3歳児〜5歳児)になった途端に、注意をしたり約束を守らせたりする。乳児と幼児の、その線引きってなんだろう。もっと早くから少しずつ習慣づければいいのになって、私自身思っていたのに」
 
戸惑いを隠さず対話を厭わず自分の考えを述べてくれたK関先生の誠実さを感じて、仲間としてやっていけるなぁと実感しました。少し話が逸れましたが、ここで述べたことは、私たちの保育実践がどうやら保育としては一般的では無いというお話でした(^^) ですから、いくら方針に共感してくれていても戸惑うのは当たり前です。

「みんながやっているから」「保育ってそういうものだから」という一般論を私たちは重視しません。前回記事から引き続き述べてきた哲学や思想のもと、私たちは0歳児、1歳児の保育実践を行っていきます。



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 MITメディアラボのレズニックが『ライフロング・キンダーガーテン』という本を出し、日本語訳も出ました。幼稚園や保育園の子どものように、遊びながら学ぶことが学びの本質であることを述べています。

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レズニックはプログラミング言語「スクラッチ」の開発者です。スクラッチは誰にでも扱いやすいプログラミング言語であるため、日本では2020年に小学校でプログラミングが必修化されるにあたり注目されています。私も少し前には5歳児クラスに導入することを検討していました。5歳児なら十分操作可能です。そしてスクラッチはプログラミング自体を遊び感覚で行えるので、“遊びの中で学ぶ”という私たちの方針にも合っています。しかし、今は「今のところ、私たちの園では導入しない」と考えています。理由は、私たちの園でしかできない子どもの育ちのデザインと実践をしようと判断したためです。
 
プログラミング言語を扱えるようになるということは、文字を覚えて読み書きができるようになること、数字を覚えて数を数えたり、量を測ったりできるようになることと同じです。物事を理解し、問題解決のために思考する手段や道具を身に付けることです。

 私たちが子どもたちに求める姿は、手段や道具を身に付けるより先に、「これ何だろう?」「何故こうなってるの?」「不思議だな」「おもしろいな」「こうすれば、変わるかな?」という好奇心、探究心を身に付けること。この好奇心、探究心を身に付ける方法として、子どもたちが豊かな自然の中で思いっきり体を動かして遊び、ときに、保育士たちがファシリテーターとなって子どもたちの興味・関心を次のステップに促し、「おもしろい」「不思議」と子どもたちが感じたことはプロジェクトとして一緒に探究する、という進め方が自分たちの環境では最適であると考えました。でも実はこの実践が、生涯、人間が学び続けるために重要な方法であることを、先に紹介した『ライフロング・キンダーガーテン』の中でレズニックも書いています。また、本書で最後に紹介されているのが私たちが尊敬するローリス・マラグッツィのレッジョアプローチ!
 
 プログラミングは導入しないことにしましたが、それに勝るとも劣らず、おそらく子どもたちのプログラミング的思考を育てるだろうと考えている保育実践に、私たちは力を入れています。それが、タイトルに挙げた1歳児から始める身支度。
 
 プログラミング的思考とは、物事には手順があると知ること、手順を踏むにはその準備も必要という段取りを知ること、手順や段取りを理解して実行すると物事をうまく解決できることを知ること、このように論理的に考えていく力のことです。子どもたちがルールのある遊びをする中で、このような力が身に付くというのは幼児教育の分野でもよく言われています。しかし、プログラミング的思考力がつくようなルールのある遊びはさすがに0歳児、1歳児では難しい。むしろ、身支度、片付け、食事、排泄など自分たちの身の回りのことにプログラミング的思考の練習はあふれているのです。「え、そんな小さいときからプログラミング的思考なんて必要なの?」と思われたみなさん、0歳児、1歳児を侮ってはいけません(笑)。人は生まれた時から考える力を持っているのですから。
 
 写真は1歳児クラスのAくん。もうすぐ満2歳になります。写真の左上から、(1)〜(8)のように説明していきます。朝、登園してから自分の荷物を取り出し、所定の位置に配置する一連の動作の様子です。
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 まずは水筒を取り出し(1)(2)、所定の場所に置きます(3)。次にタオルを取り出し(4)、自分のタオル掛けの位置にはさみます(5)。届かないかなと見た2歳児クラスのBちゃんが代わりに挟んであげました(6)。Bちゃんはこの4月から入園したばかりの子どもです。でも、すっかり自分よりも小さい子を助けてあげるというこなかっこ精神が身に付いている様子(^^)。タオルをお任せしたAくんは次の手順へ(6)。次に、お昼ごはん時に使用するエプロンとスプーンセットを取り出し(7)、決まった容器に入れます(8)。Aくんの朝の身支度はまだ続きます(^^)。長くなったのでまずはここまで。


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