今年の首都圏の私立中学受験者数は、2月1日の午前の受験者数でみると、3万7835人で、 昨年より、2463人少なく、6.1%も減少してしまいました。 ちなみに、この間の、1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)の公立小学校の卒業者数は、2008年 に若干減った以外は、むしろ増加傾向にあります。 公立小学校の卒業者に占める私立中学校受験者数の数字を調べると、08年の14.8%から3年連続 で低下し、今春は、12.7%と、02年の以来の12%台に落ち込みました。 なお、公立中高一貫校は、今年も多くの受験生を集めたようで、都立富士は、男子で、 前年比28%増、女子で、前年比46%増とさらに受験者を増やしました。 そして、公立の中高一貫校の「適正検査」問題は、年々、私立中学の入試問題に近づいてきて いるようです。 入試の難易度別に数字をみると、偏差値の低い学校、つまり、下位校ほど、受験生の減少率が 大きくなっています。(2年間で、男子22.8%減、女子で30.8%減) 女子の場合は、偏差値50前後の中堅校といわれる学校も、大きく減っているようです。 これも、不況による影響なのでしょうか?? これは、学校側からみれば、非常に深刻な事態といえます。私立中学の募集定員は、04年以降 年々、増え続けてきました。中学受験ブームに乗って、新設校が次々と誕生したり、高校募集を やめて、中学の定員を増やす学校が増えたからです。 今年も、埼玉、千葉で各1校の私立中学が開校し、埼玉の栄東は、定員を倍増し、東京の海城は 高校募集を停止したかわりに、中学の定員を増やしました。 その結果、今年の募集定員は、計4万1564人となり、近年最高となりました。 一方で、受験者数は、減少を続け、昨年は、なんと7年ぶりに募集定員のほうが、受験者数を 上回ってしまいました。これは、定員が埋まらない学校が多数あるということです。 東京では、偏差値50以下の学校は、ここ数年、相当数が共学化を進めました。 受験者数が、著しく減り続けているのは、中下位にある伝統的な女子高やプロテタント校となって います。こうした学校は、昔から変わらない、きちんとした教育を続けているのですが、人気の 低迷は、止まらないようです。 定員割れが続くようでは、確実に経営を蝕みます。手遅れにならないうちに、何らかの対策を 打たないと、大変なことになるでしょう。 一方、公立高校の授業料無償化により、公立の『復権』が、顕著となってきました。 すでに、埼玉では昨年度から、千葉では、今年より、推薦入試が実質的に廃止され、学力重視に 転換しました。東京、神奈川でも、近いうちに、学力重視に転換する予定です。 これにより、さらに公立の『復権』は、スピードを増していくはずです。 しかし、公立高校にとって、最大の問題は、公立中学です。公立中学を立て直さない限り、 公立の完全なる『復権』は、困難でしょう。 公立中学の統廃合をすすめ、優秀な管理職を各公立中学に置き、改革を進めることが急務と なります。しかし、公立中学の統廃合には、政治的な反対が根強く、簡単には進みません。 私立は、トップが決断すれば、改革は早いのですが、公立の場合は、そうもいかないようです。 |
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