タカシです!
FTによりますと欧州各国の雇用データは、改めて「二極化する欧州」を浮き彫りにしたようです。スペインでは失業者の数が5ヶ月連続で増える一方で、ドイツでは失業者が過去20年で最少となりました。季節調整後の
失業率ではスペインが22.8%で、ドイツは6.8%だからスペインの失業率はドイツの3倍となります。
スペインの失業者数は、過去4年で、とうとう2倍以上に拡大したわけです。スペインで失業者が増えている大きな理由は、ユーロ導入(1999年)により不動産市場に資金が流れ込み建築ブームが続いていたことの反動とみられています。建築ブームは、07年に始まる不動産不況とリーマンショックにより、完全に終焉しました。
07年当時のスペインのGDP産業構成比を見ると建設業は9.4%で、ドイツの3.7%、フランスの5.1%較べてかなり高い数値でした。因みに
ギリシャも建設業の比率が7.3%とかなり高いです。
FTの記事は「(昨年12月に)新しく首相になったラホイ政権は、硬直化した労働市場の積極的な改革と中小企業へのインセンティブにより、財政赤字削減のために財政支出削減と増税を行なっても雇用を創出できるだろうと主張している」と結んでいます。
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確かにドイツは2003年から05年にかけての労働市場の改革により
工業分野における世界的な競争力を回復し、堅固な労働市場を維持しています。だからといってスペインが、ドイツのマネをして労働市場の改革をしようにも、世界と競争できる工業などの産業がありません。いったい、どうやって、雇用を拡大しようというのでしょう??
ドイツの製造業がGDPに占める割合は24%程度ですが、スペインのそれは17%程度です。これはユーロ圏全体の平均(20%弱)よりも低い数値です。
スペインでは流通・観光・交通等のシェア(25%)や建設業のシェア(9%)がドイツ(流通・観光・交通18%、建設4%)よりも高く、経済成長の牽引力となる輸出を生み出す製造業のシェアが低いのです。
スペインやギリシャが産業構造を転換していかないとドイツのような労働市場を持つことはできません。
このことは、我々日本にも言えることで、製造業〜しかも最終製品まで作り出すドイツ型の製造業〜の経済成長と雇用における重要性を改めて教えられます。
ということで、ユーロは、ドイツを除いて、ほとんどの国は、経済悪化が止まりそうにありません。フランスも、昨年度より、経済悪化が止まらないようです。さらに、ユーロ各国は、景気刺激のために財政出動を繰り返し、特に南欧諸国の国債償還問題が深刻化していますので、これ以上の、財政出動も難しい状況です。ユーロ安は、どこで止まるのでしょうか??