さて、今まで、人間の免疫機能や免疫細胞の働きなどについて、説明してきました。今回は、私たちの自律神経のバランスが崩れてしまうと、免疫細胞の働きが低下してしまい、その結果として、免疫力が低下してしまうというお話です。
さて、この自律神経なのですが、私たちが、健康を維持するうえで、とても重要であることが、わかってきました。
たとえば、心臓や肺が規則正しく動き、食べると胃腸が消化活動をするとか、また、暑いと汗腺から汗が噴き出てくるなどというのは、この自律神経の働きにより遂行されています。
自律神経には、『緊張の神経』とか『昼の神経』と呼ばれる交感神経と、『リラックスの神経』とか『夜の神経』とかで呼ばれる副交感神経から成り立っていて、それぞれ、バランスをとりながら働いています。
私たち人間は、心身のストレスやプレッシャーを感じると、副腎髄質からアドレナリンというホルモンが分泌され、交感神経が過剰に緊張して、それが長く続くと免疫力が低下してしまうのです。
このことから、ストレスは ⇒ ガンになりやすい という根拠の一つになっているのです。
もう少し詳しく説明すると、人間は、睡眠中、交感神経の緊張がとれ、副交感神経の働きがよくなり、心身ともにリラックスすることができます。すると、ガン細胞やウィルスをやっつけてくれる『NK細胞』や『T細胞』などの働きが活性化されて免疫力が高まってくるのです。
もし、ウィルスや細菌などの病原体が人間の体内に侵入してくると、免疫細胞である白血球を活性化する働きのある『TNF』というサイトカインが、マクロファジーから分泌されます。 じつは、この『TNF』には、睡眠を促す作用があることが確認されています。つまり、眠らせることにより、免疫力を高めようとする体の反応と言えるのです。
このことにより、私たちは、風邪を引いたり、発熱したりすると眠くなります。眠ることにより、免疫力を高めようとする私たち体の免疫機能が働いているわけです。『風邪を引いたら、充分な睡眠を』と、昔から言い伝えられていますが、これは、医学的に正しいのです。
それでは、逆に、睡眠時間が短くなると、どうなるのでしょう?????
じつは、睡眠時間が短くなると免疫機能が低下してきます。
『3時間睡眠』で有名だったナポレオンですが、52歳という若さで、胃ガンにより、亡くなっています。これも、睡眠不足による免疫力低下が一因でしょう。
また、不眠症の人は、風邪を引きやすいなど、睡眠不足により、免疫力が低下してしまい、様々な症状を引き起こしているのです。
このように、睡眠は、免疫力と密接な関係があり、健康維持には極めて大切であります。しかし、ただ、長く眠れば眠るほどよい、という単純なものでもないようです。
じつは、寝すぎると、副交感神経の働きが旺盛になりすぎてしまい、それにより、体がリラックスしすぎてしまうことから、体の代謝が低下してしまい、その結果として、血流が悪くなって血栓ができやすくなったり、心筋梗塞を起こしやすくなることが、わかっています。ですから、寝すぎてもダメということになります。
適度な熟睡により、質の高い睡眠をとることが、免疫力を高めます。
それでは、どうすれば、熟睡することができるかをまとめてみました。
① 早寝早起き
② 朝の日の光を浴びる
③ 入浴・・・・・就寝の1〜2時間前に入浴して体温を上げておくと安眠しやす
い。
④ 運動・・・・特に午後から夕方にかけて筋肉を使う運動(散歩やその他スポー
ツ)を行うと、適度な疲れを誘い、体温も上昇するので、熟睡しやす
い。
⑤ 房事・・・・これも、体を温め、脳内から快楽ホルモンであるβ−エンドルフィ
ンが分泌されるので、誘眠効果がある。
⑥ 頭寒足熱・・・・・・頭に血が昇った状態では安眠できません。健康の原則であ
る頭寒足熱を心がけましょう。
上に書いた熟睡のコツは、アメリカで10年以上にも及ぶ研究により、導かれたものですが、不思議と、私たちの日本においての古くからの言い伝えとほとんど同じであることに驚かされます。
睡眠不足で、風邪ひきました。
いっぱい寝たら、ほとんど良くなり、無理は禁物だと思いました。
気をつけます。
2012/4/7(土) 午後 5:21 [ piroron ]