中国側から見る、野田首相が尖閣諸島に自衛隊派遣を言い出した理由?
香港紙『信報』 2012.7.28の記事より
香港紙 『信報』 の7月28日の記事からです。
日中の釣魚島をめぐる争いは、ヒートアップしている。もし野田政権がこのままの政策をとり続ければ、中国は限界に達する。北京当局は国内外の複雑で敏感な情勢により、弱みを見せにくい。そのため、東シナ海で軍事衝突が起きるかもしれない。
釣魚島の争いは、1971年にアメリカが沖縄を日本に返還する際に、中国領土の釣魚島がその地域内に入っていたことに端を発し、日中の釣魚島に関する紛争はすでに40年になる。ただ、過去偶発的にもめ事が発生した時以外、両国政府は争いを棚上げしてきた。
しかし、ここ数年来、国際的に中国脅威論が商売となり、日本の右翼勢力が
台頭してきた。 しかも釣魚島水域の海底油田の埋蔵量の豊富なことがわかり、東シナ海の天然ガスの採掘が始まると、釣魚島の争い遂に最前線となった。
東京都の石原都知事は、アメリカで公然と釣魚島を購入することを宣言して、
日中関係は次第に緊張してきた。野田首相は石原都知事を制止するどころか、釣魚島の国有化を宣言した。
先日は更に国会で、「もし釣魚島を含む日本領土と領海において、他国の違法行為があれば、必要に応じて自衛隊の出動を考慮する。」と述べた。
野田政権は、明らかに強攻策をとってきている。「集団的自衛権の行使」の
解釈も変えたし、アメリカのオスプレイを配備して中国に対処しようとしている。
しかし、今まで両国の釣魚島での争いは軍人は出てきておらず、中国側の最も強硬な行動でさえ、漁業と漁船監視船の巡航だけだった。それがここに至って、野田総理は自衛隊の出動に言及したが、これは中国に対応するというより、むしろ国内の右翼勢力の歓心を買うためだ。
野田内閣の苦しい立場は誰の目にも明白で、支持率の低下は著しく、就任時より30ポイント以上下がって、今月では既に21.3%にまで下落し、危険水域に達している。
その上小沢一郎が民主党を離れ、衆参両院の議席を大幅減少させ、与党の地位も危なくなっている。9月の代表戦で、野田首相は対外強硬策で、民衆の経済政策に対する不満を逸らす等、有権者の歓心をかおうとしている。
明らかに、日本政府の釣魚島への対応は見かけ倒しだ。野田総理の発言の後、防衛大臣は法律の統制を受けるとしているし、内閣官房長官も急いで沈静化に努め、「野田総理の自衛隊の発言は、ただ理論の上の可能性だけのことであり、中国を牽制するためではない。」と述べている。
釣魚島の紛争がどの様になるにしろ、両国は他に共通の経済的利益を有している。日中国交樹立から40年、貿易額の増加は340倍を超え、昨年は3500億ドル近くにまで達した。
両国の経済と貿易の補完性が強くて、貿易額も多く、近年の経済が停滞している日本にとって、中国という貿易相手を失うことがどうして可能であろうか。
政治学に関係するものらしきものより
さて、中国側しての報道としては、とても冷静に分析した記事だと思いました。
ただ、最後の結論が日本だけが困ることになるだろうということになっていますが、困るのは中国も同じだろうと思いました。まあ、言わんとすることは理解できますし、戦争になったら、お互い、困る事ばかりだよということなのでしょう。
これを見て本当に思うのは、片や日本の主義主張の首尾一貫性のなさです。尖閣諸島の国有化にしても何のために国有化するのか、その理由を明確にしていません。
石原都知事が言い出したことに明らかに翻弄されており、下手に都知事に買収でもされた日には何をされるかわからないということから、国有化を言い出したのでしょうが、あまりにもお粗末で、如何にこの問題について、日頃から考えてきていなかったかを露呈してしまっています。
オスプレイの配備にしても、中国では「対中国」という意識で見ているわけですが、日本では事故の発生だけに焦点が当てられており、全くこうした安全保障的観点から必要性が検討されていないのが現状です
本来であれば、安全保障上、尖閣諸島についてどの様に対処していくのか
検討した上で、中国の出方などを考慮しつつ、対応策を考えるべきだと思うのですが、いきなり自衛隊の対応云々と言い出すわけですから、あきれてしまいます。
念のため述べておきますが、私は自衛隊を派遣することに反対しているわけではありません。ただし、外交とは駆け引きであり、様々な対応策を検討すべきであるにもかかわらず、いきなり最終手段である軍の派遣を言い出す指導者は
如何なものかと思っているだけです。
考えてみると、戦後、日本の外交政策でまともなものは、一つもありません。
内政については、役人たちの言いなりになって、ただ、動くだけで、国民無視の官僚と財界の利権につながる政治だけを進めてきたわけです。そして、外交
政策については、これも、アメリカ様の言いなりになって、動いているだけで、
日本の国益など、一切、考えたことなどありません。
そして、唐突に、なんの考えもなく、自衛隊派遣などと口にする総理。
やはり、日本の政治は、終わっています。
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内緒さん
野田首相の自衛隊派遣発言は、選挙に向けた、人気取りのパフォーマンスなのかもしれませんね。
2012/7/29(日) 午後 8:00