かつて明治政府がどの国も実効支配していないことを確認した上で尖閣諸島を領土とした。そして民間人からカツオ加工工場などを建設するから貸してほしいとの申し出により貸した。後の1933年にその人に払い下げした、というのが尖閣諸島が個人所有となった経緯のようだ。
その後、所有者が一度代わって、現在の人の所有となっている。ただ、所有者は、国の申し出により賃貸契約を結び、実際は国が設置されている灯台の管理などを行っている。
東京都が購入を持ち掛けて、去年から所有者と接触していたようだが、石原都知事は、随分と以前から所有者と接触があったようだ。そうした経緯があるにせよ「国は何もしないからオレが買い取るんだ」と放言するのも、いかがなものだろうか??
石原氏は、東京都知事だから公的な立場として発言しているのだろう。
個人的な所有は、良くないというのだから東京都が購入するのなら議会で予算措置の審議をしなければならない。つまり、都議会の賛成を得てはじめて、石原氏の発言は現実的となる。
しかし、東京都が購入してどうするというのだろうか。現実に個人と賃貸契約を国が締結しているから、地上権は国にあり、東京都は地上権が設定されている底地を買うだけの話だ。つまり、尖閣諸島を購入しても東京都が実際に尖閣諸島で何か出来るかといえば何も出来ない。たとえ契約期間が満了して賃貸契約の継続を東京都が拒否したところで、現実的に東京都は、軍隊を持っていない。まさか都の職員が尖閣諸島に常駐して、無腰で辺境の地を守ることも出来ないだろう。
石原氏は民主党政権を「頼りないから駄目だ」と批判しているが、それなら永らく尖閣諸島を国有化しなかったのは自問党政権でも自・公政権でも同じだった。
つまり、個人所有の尖閣諸島を国有化しなければならないという議論はこれまでほとんど表面化しなかっただけの話ではないだろうか??
最近、中国が尖閣諸島に突然触手を伸ばしてきて声高に「中国のものだ」と発言し始め、中国の厚かましいほどの恥知らずに驚いているのが現状だろう。
実効支配は、当然、国が行うべきで、日本が国家として所有し国家として自衛隊を常駐させるのが本筋だろう。そして、中国が大きな顔をして尖閣諸島に上陸でもしようものなら、武力で追っ払う備えをしなければならない。国家による侵略には武力で対抗するしかないのが人間の叡智の限界なのだ。
中国は、実に好戦的な国で、これまでも国境線を巡って旧ソ連やインドと熾烈な紛争を繰り返して来た歴史を持つ。平和的に話し合えば分かるだろう、と決して思わないことだ。
だから、東京都が所有しても実効支配の証しとはならないのは言うまでもなく、国家による所有と国軍の常駐こそ望ましい。まさしく「オン・ザ・フラッグ」を実施しなければならないだろう。