魚住昭氏
この判決がどうなるか、というのが23日前からドキドキしていた。
無罪か有罪かで、この日本の司法の未来がどうなるか非常に影響を及ぼす。
一番懸念していたのが、有罪になって、虚偽報告書問題、田代検事とか、特捜部の上層部が関与したのがうやむやになることを一番恐れていた。
この虚偽報告書問題というのは特捜検察が抱えている病理というものが、如実に表れている話であり、この真相を解明しない限り検察の改革の道は拓けないだろうと思っていて、検察の将来のためにも、この虚偽報告書問題を徹底究明してほしい。そのためには、無罪が出てほしいというのが私の気持ちだった。
判決では、確か裁判長が「虚偽報告書問題を徹底究明しなさい」と言っていた。
検察庁も人事で処分してお茶を濁すというようなことは、もうできなくなったんではないか。
江川紹子さんや郷原先生が検察庁や法務省にそういった申し入れをされているので、これからの世論の盛り上がり方にもかかっているが、そうでもしないと検察庁は自浄能力がないから、同じ過ちを繰り返していく。
無罪判決が出たことで、検察庁の改革に向けて新たな動きが始まるだろうと期待が持てた。また、何よりも日本の裁判所が「法と証拠」に基づいた、ある程度まともな判決を出す可能性があるんだということについて、望みを繋いだ。裁判所の将来にとってもいいことではないか。
佐藤優氏
魚住さんに教えて欲しいんですが、もし石川知裕さんが、もし隠し撮りをしていなければ、判決に影響があったでしょうか、なかったでしょうか。
魚住昭氏
あの隠し撮りがなければ、たぶん、今の裁判所の動向だと、世論に迎合するという形で、ほぼ確実に有罪だったと思う。
やはり隠し撮りをしてそれに照らし合わせて虚偽の捜査報告書がつくられていた、ということがあかるみに出たっていうことは、今回の裁判を決定づけたというふうに思っています。
佐藤優氏
そこが一つのポイントだと思う。
隠し撮りの問題に関して、いろんな有識者の方と是非メディアのみなさんも聞いてほしいんです。要するに、検察官出身の人とか、検察に批判的ではないような法曹の専門家に今回、隠し撮りがあった場合と無い場合でどう違ったのか。
隠し撮りが無かった場合を今シミュレーションしてみましょう。そうしたら、私は小沢さん、有罪になっていたと思う。
それはどうしてかというと、そういう証拠があるから。
世論の迎合してとか小沢さんを陥れてやろうということでなくして、そういう証拠を見て本当に小沢さんが犯罪をやった、そういうふうに思ったから。ただ、小沢さんのこと、今回隠し撮りがあったから真実が明らかになったんですけれども、石川さんのことでも大久保さんでも、もし隠し撮りがあったら、はなし全然違ったかもしれない。
鈴木宗男さんにしても。
・・・
昨日の晩、石川知裕さんとご飯食べてて・・・、
石川さんが「やっぱり佐藤さんに言われて隠し撮りしてよかったと思ってます」と言われた。「検察官より私のほうが怖かった」っていうんです。要するに、私は「隠し撮りをしろ」とすごく強く言ったんです。そしたら石川さん「したくない」っていうんですよ。
どうしてかっていろいろ突き詰めると、「自分の性に合わないんです」と、そういうことは・・・。それはどうしてかと聞くと、「卑怯だ」と。
(中略)
それで、日本の司法の立て直しのために、この件を使うってことなんだと思うんですよ。
昨日、やっぱり、結局勇気をもって録音してよかったという話になって、今日、小沢さんに判決出た直後、石川さんと電話で話したら、彼がほんとにしみじみと言ったのは、「国策捜査はこれで最後にしてほしい。ほんとにそう思います」と。
それで石川さんと二人で話したんですね。
結局、この小沢騒動で何か日本の国家にとって、世界にとっていいことありました?この無駄なエネルギー。これもっと別のことに使うべきだったと。特に去年の3月11日の東日本大震災以降、まだ日本は危機的な状況にある。
それだから、政治部の記者たちを中心に政局の話の流れのほうに、いろんなことを聞いてきて、もっていこうとするんだと思う。それもほんとにいいのかなあと。
もっと根源的なところで、どうやったら日本が危機から抜け出して、日本の国を強化していくのかと。そっち方向で考えないといけないと思うんですね。
だから、検察が憎いであるとか、今回のよくもあいつやりやがったな、というところで、こっちの調子がいいからやり返してやれ、あるいは小沢が何やってくるかわかんないから、これはどういうふうにして締めるやるかと。
こういうの、もう止めにして、それこそ、その小沢さんの問題を卒業して普通の政治をやらないといけないし、普通の司法になってほしいと、こう思うんです。
ただ、そのためには、誰が何をやったかという事ははっきりさせて、その持分に応じて責任をやっぱりとってもらわなければいけないと思うんですよね。
だから、そこのところは、心を鬼にしてまでも、石川さんには取調室の中で、何があったのかということを、別の観点から真実を明らかにしてもらわないといけない。
魚住さん、本を読んで混同したということ、どう思います?
魚住昭氏
5月17日付の捜査報告書なんですね、田代検事が報告したというのは、田代検事は法廷で、5月17日の石川さんを再聴取した後数日かけて書いた、と・・・。
なぜ事実と違うことを書いたかというと、数日かけて書いたので記憶が混同したということと、もう一つは石川さんの著書などを読んでいたので、記憶が混同したと二つ理由を公判で証言している。
5月17日の時点であるいは5月17日から数日間の時点で、石川さんの著書というのは全く出ておりません。
さっき佐藤さんがあげてくれた本というのは8月付の本なんですが、その前に、6月の5日前後に『G2』という月刊誌があるんですが、私が石川さんの獄中日記のエッセンスみたいなものを出してますので、一番早くても6月5日。
ということは、5月17日から後数日かけて書いたということと、本を読んで記憶が混同したという証言が矛盾してしまう。
もしかしたら、本を読んで記憶が混同したというのが事実ならば、あの5月17日付の調書は、実は6月5日以降にバックデートされて書かれたものかもしれない。
どっちにしろ田代検事が法廷で言ったことはウソになる、事実に反します。記憶の混同などはおこりようがない。
佐藤優氏
そうするとコンピュータのサーバーに何時に更新されたか文章の、そのデータ残ってるはずですよね。
ですから、そのデータの保全をきちんとしておく。そのデータがもし無くなっているならば、それはそれとしてまた問題ですよね。ですから、これは物証がちゃんと取れる話なんです。
それからさらに本を読んで、記憶まで混同しているということならば、この人はいったい大丈夫かっていう話になっちゃうんですね。それで、石川さん、録音の時の話をもう一回してほしいんですね。もう一回と言っても、皆さんの前でしたことないですよね。
石川知裕議員
そうですよね・・・。
・・・・
佐藤優氏
・・・
けっこう検事って途中で席立ってたでしょ?
石川知裕議員
東京拘置所っていうのは私が取り調べを受けてると、目の前が取調官だとしましたら、ここに(あための上の後ろ側を手で指して)光るボタンが二つ付いてまして、1・2と番号があったかどうかは記憶してませんが、光ると別室にいくわけです、呼ばれる、それが合図になってるんです。音が鳴らないようになってるんですが、呼ばれて上司に説得されて、もう一回来て取り調べる、というのが日常的にありましたね。
・・・
佐藤優氏
あえて、小沢さんに近い人達に申し上げたいんですけれども、浮かれないで欲しいということです。
国民の小沢さんや小沢さんのグループに対して見てる目は非常に厳しい。そこのところは是非浮かれないで、勝った時こそそこのところで・・・。
要するに、こんな騒動が起きたっていうことは率直に申し上げて、皆さんの力が足りないからですよ。
力がきちんとあれば、検察がこんな事件作り上げることできなかった。ここで浮かれると、国民からの遊離は益々拡大すると思う。
ですから、民主党は中で政争を起こすということになるんだったら、相当に双方共にズレているということになると思う。
・・・
野田総理を支持している人達に・お願いしたい。
こんなのそもそも党員資格停止したのが間違いなんですよ。無罪推定の原則があるわけでしょ。
あのクソ外務省だって最高裁確定するまでクビにしなかったんですからね。その外務省以下のことを民主党がやるというのはおかしな話だと思う。
その点からして、最初から間違えていたんだから、党員資格停止をしたっていうこと自体が、これは民主主義の原則に反している。
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小沢さんの力を政権の中にきちんと取り入れて欲しいと思うんですよ。小沢さんが副総理として入る。それで、復興のためにきちんとやっていただくと。
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