さて、日本は、ガン治療の先進国と言われています。
ガンの手術においては、患部を切り開いて行う外科手術たげてなく、最近では、胃腸などにファイバースコープ (体内を直接見る医療器械) を挿入して、手術を行う内視鏡手術、また、腹部にあけた小さな穴から特殊な器具を挿入して行う
腹腔鏡手術など、まさに、世界の最先端の外科手術が行われています。
いずれにしても、画像診断などで確認できるガンの病巣部を上記の最先端の手術で取り除いたあと、必要に応じて抗ガン剤やそのほかの薬剤を用いたり、
放射線療法で、ある程度ガンを小さくしておいてから、手術をする場合もあります。
ガン専門の医師であれば、日本のガン医療のレベルは、最先端にあると胸を
はって答えることでしょう。
それであれば、ガンの手術のあとの生存率も、さぞ、高いことでしょうしょう??
しかし、医師たちは、生存率が高いと胸をはって答えることができるのでしょうか??
上のグラフは、都立荏原病院で、ガンの外科手術を行った消化器ガンの5年
生存率を調査したグラフです。対象者は、大腸ガン623例、胃ガン487例、
肝臓ガン143例、合計1406例の消化器ガンの手術を受けた患者さんたちの
調査です。
その患者さんたちの生存率を、1年目、2年目、3年目、4年目、5年目と追って
5年目まで表示したのが上のグラフです。
5年生存率で言えば、最も高い大腸ガンで68%。 次いで、胃ガンの
47%、肝臓ガンの35%でした。最も低いのが、すい臓ガンで、9%でした。
上の調査の結果言えることは、ほぼ、半数にあたる48%の患者さんたちが、手術は成功したにもかかわらず、5年以内に亡くなっているという事実です。
対象となった患者さんたちは、ほとんどの場合、手術後に抗ガン剤の投与や
放射線の治療を受けています。けっして、ほったらかしにされていたわけでは
ありません。これが、日本医療の自慢する『三大療法』である、手術、抗癌剤、放射線治療を駆使した結果なのです。
こんなひどい結果で、本当に、日本の医療が最先端と言えるのでしょうか??
上記の自慢の 『三大療法』 を総動員する治療法を日本では、『 ガンの集学的治療 』と言います。 日本では、20年ほど前に 『 ガン集学的治療財団 』 というものが設立され、当時から効果的と言われていた集学的治療法の研究がされたことがありました。しかし、残念ながら、その結果は、率直に言って、惨憺たるもので、集学的治療の限界を示されただけでした。
どんなに多くの抗ガン剤を、いろいろなコンビネーションで使おうとも、
従来以上の効果をあげることはできなかったのです。
なぜでしょうか???
最も大きな理由は、患者さんの体の条件、すなわち、患者さんの栄養や代謝の状況、さらに、それらの結果としての免疫状態を、まったく、考慮していなかったからです。
日本医学の目指す医療は、『 医者が治す医療 』なのです。
しかし、ガンなどの難病は、『 治る医療 』でないと、決して、完治することはありません。つまり、主体を患者さんにして、患者さん自身の免疫力や代謝に着眼した医療です。
前回も書いたと思いますが、ガンの治療の本質的な位置づけは、食事や生活の改善による免疫力の向上を支えるのが、ガン治療の 『 主 』 であり、手術・
抗ガン剤・放射線は、それを助ける 『 従 』 なのです。そのことを、理解しようとしない日本の医療では、今後も生存率が高くなることはないでしょう。
日本の医療現場では、無視または馬鹿にされている食事療法ですが、欧米の医療現場では、取り入れるところが多くなり、実績もあげています。
日本で、なぜ、食事療法が軽視されるのか、よくわかりませんが、一部の医師たちは、個人的に治療に取り入れているところも、最近は、あるようです。
元日本外科学会名誉会長であられた中山恒明は、次のような言葉を残されています。 『 医師は、自分が病気を治すなどと大それたことを考えてはいけない。体は、患者さん自身が治すものだ。その自然治癒力 (人間の体に本来備わっている病気を治す力) を引き出すのが名医というもの。手術で治せたなどとうぬぼれるな!!』 ・・・・・と。
日本にも、リンジーダンカン博士と同じような考えをもつ名医がいるのですね。
21世紀の日本の医療は、医師が 『治す』 医療から、患者さんが 『治る』 医療に、ぜひ、シフトしていったもらいたいものです。