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皇国の興廃この一戦に在り奮励せよ!天は正義に与し、神は至誠に感ず
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    74年前(昭和16年)の今日1月8日は、「戦陣訓」が発布された日である。

「戦陣訓」
本訓 其の一

第一 皇国

大日本は皇国。日本には、万世一系の天皇がおわします。
天皇は、国のはじめからの皇謨(こうぼ=天皇が国を統治する計画)を紹継して、とだえることなく君臨されている。天皇のご恩は、皇恩万民にあまねく、聖徳は世界に光を覆っている。

我々皇国臣民は、忠孝勇武の血を、祖先から受け継いでいる。
我々、皇国の道義を宣揚し、天の業を補佐し、君民一体となって皇国の隆昌をはかっていかなければならない。
戦陣の将兵は、我々日本の国体の本義を体得して、牢固で、決してくじけぬ信念を持って、誓って皇国守護の大任を完遂する者。

第二 皇軍

日本の軍は、天皇が統帥し、神武天皇以来の精神を体現するための組織。
軍の将兵はみな、皇国の威徳を天下万民に示す役割を担っている。
そのことによって、日本の未来を築くという役割を担っている。

我々軍人は、常に、陛下の大御心を奉じ、常に正しい道を歩み、武人として人にやさしく(=仁)、世界の平和を築く役割を担っている。
これが神武天皇以来の「日本国の武人」の基本精神である。

帝国軍人は、常に「武」は厳格に、「仁」は幅広くという精神が必要。
いやしくも皇軍に敵対する者があれば、帝国軍人は烈々たる武威をふるい、断固、その者を撃破する。
敵を屈服させたときは、降伏した敵は撃たず、従う敵には慈しみの心を持って接する。
そうでなければ、皇軍兵士としての責務をまっとうしたことにならない。

「武」は驕(おご)らず、「仁」は飾らず。
その姿勢があふれんばかりに、常に行われることが尊いのである。

皇軍の本領は、「恩」と「威」が等しく並んで行われること。
そうすることで、天下万民に陛下の大御心を広めて行くのだ。

第三 皇紀

皇軍の軍紀の神髄は、おそれおおくも大元帥であらせられる陛下に対し奉り、絶対的に随順する、という崇高な精神にある。

上下ひとしく陛下の統帥の尊厳を尊重し、感銘する。
上に立つ者は、陛下のご意思を承り、これを謹厳に実行する。
下の者は、謹んで陛下に服従する至誠をまっとうする。

そうすることで、軍人ひとりひとりの「忠」を尽くす真心(=赤誠)が重なり合う。脈絡が一貫する。こうして全軍一致、一令のもとに、わずかの乱れもなく活動できる。
これこそが、戦いにあたって必須の要件であり、治安確保の要道。

特に戦陣は、服従の精神実践の極致を発揮すべき。戦陣は、死生困苦の間に在る。
そこでは、命令一下、欣然として死地に身を投じ、黙々として献身服行の実を挙げるのが、皇軍兵士たる軍人の精神の精華である。

第四 団結

軍は、おそれおおくも大元帥陛下を頭首と仰ぎ奉る。
軍は、あつく陛下のお考えを身を以て体現し、忠誠の至情に和し、軍をあげて、全員が一心一体となるところである。

軍隊は統率の本義にのっとって、隊長を核心とし、強固であってしかも和気藹々とした団結をしなければならない。
上下各々、その「分(ぶ)」を厳守し、常に隊長の意図に従い、誠心を仲間たち腹中に置き、生死利害を超越して、全体のために、己を没するの覚悟が必要。

第五 協同

全兵士は、心をひとつに、自身の任務に邁進するとともに、全軍が戦いに勝つため、よろこび勇んで、我を忘れて協力しあう精神を発揮しなければならない。

各隊はお互いにその任務を重んじ、名誉を尊び、お互いに信じあい、お互いに援けあい、自ら進んで苦難に就き、力をあわせて目的達成のために力闘せよ。

第六 攻撃精神

戦闘にあたっては、勇猛果敢、常に攻撃精神を以て一貫せよ。

攻撃するときは、果断に、積極的に、相手の機先を制し、剛毅にして不屈、敵を粉砕するまでは決してとどまらず攻撃せよ。

防禦に際しても、常に攻勢の鋭気を包蔵し、必ず主動の地位を確保せよ。
陣地は、たとえ死んでも敵に奪われてはならない。
追撃は、断固として、あくまでも徹底的に行う。

勇猛果敢に、何事にも恐れず、沈着にして大胆不敵、難局に際しても、固い決意を持って困苦に打ち勝ち、あらゆる障害を突破して、ただひたすらに勝利の獲得に邁進せよ。

第七 必勝の信念

信じる心は力。自ら信じ、毅然として戦う者こそ、常に勝者となり得る。 
そして必勝の信念というものは、日頃の千磨必死の訓練から生まれる。
寸暇を惜しんで肝胆を砕き、必ず敵に勝つの実力を養うのである。

勝敗は皇国の隆替に関すること。
光輝ある軍の歴史に鑑み、百戦百勝の伝統に対する己の責務を肝に銘じて、勝つまで戦いをやめるな。それが必ず勝つための唯一の要諦である。

本訓 其の二

第一 敬神

神霊は、天にあって、常に我々を見ている。
心を正し、身を修め、あつく神を敬い、誠を捧げ、常に忠孝を心に念じ、誓って神仏のご加護に恥じないようせよ。

第二 孝道

忠孝の道というのは、我が国の道義精粋の根幹をなすものである。
忠誠の士は、同時に必ず純情で親孝行な子である。

最前線の戦陣にあって、深く父母の志を体し、よく忠の大義に徹して働き、祖先の遺風をみずからの働きで顕彰せよ。

第三 敬礼挙措

敬礼は純真な服従心の発露であり、かつ上下一致の表現である。
戦陣にいるときは、特に厳正な敬礼を行え。
そうすることで礼節の精神が心の内に充満する。
謹厳であり、端正でいるのは、強き武人である証(あかし)である。

第四 戦友道

戦友の道義は、大義のもと、死ぬことも生きることも一緒となり、たがいに信頼の至情を結んで、互いに常に切磋琢磨し、緩急あれば互いに救い、間違いがあれば互いに戒(いま)しめて、ともに軍人の本分をまっとうするにあると心得よ。

第五 率先躬行

幹部は、常に誠意を尽くし、すべての行いについて、みんなの模範となるよう努めよ。
上に立つ者が正しい振る舞いをしなければ、下の者は必ず乱れてしまう。 
戦陣は、実行を尊ぶ。体をもって、皆に先んじて毅然とした行動をとれ。

第六 責任

任務というものは、神聖なものだと心得よ。責任は、極めて重い。

一業一務、おろそかにせず、心魂を傾注して一切の手段を尽くし、その達成にあたって、後悔することのないようにせよ。責任を重んずる者こそが、真にして最大の勇者だ。

第七 生死観

死ぬも生きるも、大切なことは、崇高な献身奉公の精神。 
生死を超越し、ひとすじに任務の完遂に邁進せよ。
身心一切の力を尽くし、従容として悠久の大義に生くることを悦びとせよ。

第八 名を惜しむ

恥を知る者は強い。常に、親兄弟や祖先の面目を思い、ますます奮励して、その期待に答えよ。生きて虜囚の辱を受けず、死して罪禍の汚名を残すことなかれ。

第九 質実剛健

質実をもって陣中の起居を自分自身で律し、剛健な士風を自ら築き上げ、旺盛な士気を振起せよ。陣中の生活は、簡素でなければならない。
いろいろなモノや時間など、さまざまな事柄が常に不自由であることが常態であると思い、何事にも節約に努めよ。奢侈というものは、勇猛の精神を蝕むものである。

第十 清廉潔白

清廉潔白は、武人気質のよって立つ所である。
己に克つことができなくて、物欲に心を捉えられてしまう者が、どうして皇国に身命を捧げることができようか。
我が身を持するにあたっては、自分自身に対して、常に冷厳でいろ。
そして事に対処するに際しては、常に公正であることを心がけよ。
常に天地に恥じない行動をとれ。

本訓 其の三

第一 戦陣の戒(いましめ)

(1) 一瞬の油断が、不測の大事を招く。常に戦いに備え、自分をいましめよ
それと、大切なことは、敵や住民を、決して軽侮してはならない。
また、小さな成功に安んじて、勤労を嫌がったりすることがないようにせよ。
不注意も、災禍の原因となることをよくわきまえろ。

(2) 軍機を守るには、常に細心でいろ。スパイは、常に身辺にいる。

(3) 哨戒の任務は、重大なものである。
それは一軍の安危を担(にな)い、一隊の軍紀を代表するものである。
身をもって、その重い任務に任じ、厳粛にこれを服行しなければならない。

(4) 思想戦は、現代戦の重要な一面である。
皇国に対する不動の信念を以て、敵の宣伝や欺瞞を見破るだけでなく、進んで皇道の宣布に勉めよ。

(5) 流言蜚語に惑わされるのは、信念が弱いからである。惑ってはならない。動じてもならない。皇軍の実力を確信し、篤く上官を信頼せよ。

(6) 敵の産物や、敵の資産の保護に留意せよ。
徴発、押収、物資の焼却等は、規定に従って、必ず指揮官の命に従え。

(7) 皇軍の本義に鑑みて、無辜の住民を愛護せよ。

(8) 戦陣において、酒色に心を奪われたり、あるいは欲情に駆られて本心を失い、皇軍の威信を損じ、奉公の身を過ぎるようなことは、決してしてはならない。
深くいましめ、自ら慎み、断じて武人の清節を汚してはならない。

(9) 怒(いかり)を抑え、不満を制しせよ。
「怒(いかり)の感情」こそ、敵だと思いなさいと、古人も教えている。
一瞬の激情は、悔(くい)を後日に残すこと多いものである。

軍法が厳しいのは、軍人の栄誉を保持し、皇軍の威信をまっとうするためである。
常に出征当時の決意と感激とを想い起こし、遙かに思いを父母妻子の真情に馳せ、仮初にも身を罪科に曝すことがないようにせよ。

第二 戦陣の嗜(たしなみ)

(1) 尚武の伝統をつちかい、武徳を自分自身の中に育て上げ、技能の練磨に勉めよ。
「毎事退屈するなかれ」とは、古き武将の言葉にもある。

(2) 後顧の憂いを絶ち、ひたすら奉公の道に励み、常に身辺を整え、死後を清くするの嗜(たしなみ)を肝要とせよ。 
屍(しかばね)を戦野に曝すのは、もとより軍人の覚悟である。
たとえ遺骨が祖国に還れないことがあっても、あえて意としないよう、あらかじめ家族に含めておけ。

(3) 戦陣において病気で死ぬのは、まことに遺憾の極みである。
特に衛生を重んじ、おのれの不節制によって奉公に支障を来すようなことは、絶対にないようにせよ。

(4) 刀を魂とし、馬を宝とした古武士の嗜(たしなみ)を心において、戦陣の間は、常に兵器資材を尊重し、軍馬、軍犬などを愛護せよ。 

(5) 陣中の徳義は、戦力のもとである。
常に他の部隊の便益を思って、宿舎や、物資の独占のようなまねは、厳に慎むべし。
また「立つ鳥跡を濁さず」と言う。
雄々しく、古式ゆかしい皇軍の名を、異郷辺土にも永く伝へられるようにせよ。

(6) 武勲は、誇るものではない。功を人に譲るのは、武人の高風である。
また、他の者の栄達を妬(ねた)むものではない。自分が認められないことを、恨むものではない。むしろ、自分自身の「誠」が足りないことを思うようにせよ。

(7) あらゆることに正直を旨とし、誇張や虚言を恥とせよ。

(8) 常に大国民として襟をただし、正しいことを実戦し、義を貫いて、皇国の威風を世界に宣揚せよ。国際の儀礼を、軽んじないようにせよ。

(9) 万死に一生を得て、祖国に帰還することができたならば、思いを亡くなった護国の英霊に致し、言行を慎んで国民の範となれ。
そして帝国臣民として、いよいよ奉公の覚悟を固くせよ。

    
    各自は、この「戦陣訓」を、戦陣における道義として実践し、もって任務の完璧を期すようにせよ。戦陣の将兵は、すべからくこの趣旨を実行し、いよいよ奉公の至誠をひときわぬきんでて実践し、よく軍人の本分をまっとうして、厚い皇恩に答へ奉れ。


【戦陣訓】


夫れ戦陣は、大命に基き、皇軍の神髄を発揮し、攻むれば必ず取り、戦へば必ず勝ち、遍く皇道を宣布し、敵をして仰いで御稜威の尊厳を感銘せしむる処なり。されば戦陣に臨む者は、深く皇国の使命を体し、堅く皇軍の道義を持し、皇国の威徳を四海に宣揚せんことを期せざるべからず。 
惟ふに軍人精神の根本義は、畏くも軍人に賜はりたる勅諭に炳乎として明かなり。而して戦闘並に練習等に関し準拠すべき要綱は、又典令の綱領に教示せられたり。然るに戦陣の環境たる、兎もすれば眼前の事象に促はれて大本を逸し、時に其の行動軍人の本分に戻るが如きことなしとせず。深く慎まざるべけんや。乃ち既往の経験に鑑み、常に戦陣に於て勅諭を仰ぎて之が服行の完璧を期せむが為、具体的行動の憑拠を示し、以て皇軍道義の昂揚を図らんとす。是戦陣訓の本旨とする所なり。

本訓 其の一

第一 皇国

大日本は皇国なり。万世一系の天皇上に在しまし、肇国の皇謨を紹継して無窮に君臨し給ふ。皇恩万民に遍く、聖徳八紘に光被す。臣民亦忠孝勇武祖孫相承け、皇国の道義を宣揚して天業を翼賛し奉り、君民一体以て克く国運の隆昌を致せり。 
戦陣の将兵、宜しく我が国体の本義を体得し、牢固不抜の信念を堅持し、誓つて皇国守護の大任を完遂せんことを期すべし。

第二 皇軍

軍は天皇統帥の下、神武の精神を体現し、以て皇国の威徳を顕揚し皇運の扶翼に任ず。常に大御心を奉じ、正にして武、武にして仁、克く世界の大和を現ずるもの是神武の精神なり。武は厳なるべし仁は遍きを要す。苟も皇軍に抗する敵あらば、烈々たる武威を振ひ断乎之を撃砕すべし。仮令峻厳の威克く敵を屈服せしむとも、服するは撃たず従ふは慈しむの徳に欠くるあらば、未だ以て全しとは言ひ難し。武は驕らず仁は飾らず、自ら溢るるを以て尊しとなす。皇軍の本領は恩威並び行はれ、遍く御綾威を仰がしむるに在り。

第三 皇紀

皇軍軍紀の神髄は、畏くも大元帥陛下に対し奉る絶対随順の崇高なる精神に存す。 
上下斉しく統帥の尊厳なる所以を感銘し、上は大意の承行を謹厳にし、下は謹んで服従の至誠を致すべし。尽忠の赤誠相結び、脈絡一貫、全軍一令の下に寸毫紊るるなきは、是戦捷必須の要件にして、又実に治安確保の要道たり。 
特に戦陣は、服従の精神実践の極致を発揮すべき処とす。死生困苦の間に処し、命令一下欣然として死地に投じ、黙々として献身服行の実を挙ぐるもの、実に我が軍人精神の精華なり。

第四 団結

軍は、畏くも大元帥陛下を頭首と仰ぎ奉る。渥き聖慮を体し、忠誠の至情に和し、挙軍一心一体の実を致さざるべからず。 軍隊は統率の本義に則り、隊長を核心とし、鞏固にして而も和気藹々たる団結を固成すべし。上下各々其の分を厳守し、常に隊長の意図に従ひ、誠心を他の腹中に置き、生死利害を超越して、全体の為己を没するの覚悟なかるべからず。

第五 協同

諸兵心を一にし、己の任務に邁進すると共に、全軍戦捷の為欣然として没我協力の精神を発揮すべし。 
各隊は互に其の任務を重んじ、名誉を尊び、相信じ相援け、自ら進んで苦難に就き、戮力協心相携へて目的達成の為力闘せざるべからず。

第六 攻撃精神

凡そ戦闘は勇猛果敢、常に攻撃精神を以て一貫すべし。 
攻撃に方りては果断積極機先を制し、剛毅不屈、敵を粉砕せずんば已まざるべし。防禦又克く攻勢の鋭気を包蔵し、必ず主動の地位を確保せよ。陣地は死すとも敵に委すること勿れ。追撃は断々乎として飽く迄も徹底的なるべし。 
勇往邁進百事懼れず、沈著大胆難局に処し、堅忍不抜困苦に克ち、有ゆる障碍を突破して一意勝利の獲得に邁進すべし。

第七 必勝の信念

信は力なり。自ら信じ毅然として戦ふ者常に克く勝者たり。 
必勝の信念は千磨必死の訓練に生ず。須く寸暇を惜しみ肝胆を砕き、必ず敵に勝つの実力を涵養すべし。 
勝敗は皇国の隆替に関す。光輝ある軍の歴史に鑑み、百戦百勝の伝統に対する己の責務を銘肝し、勝たずば断じて已むべからず。

本訓 其の二

第一 敬神

神霊上に在りて照覧し給ふ。 
心を正し身を修め篤く敬神の誠を捧げ、常に忠孝を心に念じ、仰いで神明の加護に恥ぢざるべし。

第二 孝道

忠孝一本は我が国道義の精粋にして、忠誠の士は又必ず純情の孝子なり。 
戦陣深く父母の志を体して、克く尽忠の大義に徹し、以て祖先の遺風を顕彰せんことを期すべし。

第三 敬礼挙措

敬礼は至純の服従心の発露にして、又上下一致の表現なり。戦陣の間特に厳正なる敬礼を行はざるべからず。 
礼節の精神内に充溢し、挙措謹厳にして端正なるは強き武人たるの証左なり。

第四 戦友道

戦友の道義は、大義の下死生相結び、互に信頼の至情を致し、常に切磋琢磨し、緩急相救ひ、非違相戒めて、倶に軍人の本分を完うするに在り。

第五 率先躬行

幹部は熱誠以て百行の範たるべし。上正しからざけば下必ず紊る。 
戦陣は実行を尚ぶ。躬を以て衆に先んじ毅然として行ふべし。

第六 責任

任務は神聖なり。責任は極めて重し。一業一務忽せにせず、心魂を傾注して一切の手段を尽くし、之が達成に遺憾なきを期すべし。 
責任を重んずる者、是真に戦場に於ける最大の勇者なり。

第七 生死観

死生を貫くものは崇高なる献身奉公の精神なり。 
生死を超越し一意任務の完遂に邁進すべし。身心一切の力を尽くし、従容として悠久の大義に生くることを悦びとすべし。

第八 名を惜しむ

恥を知る者は強し。常に郷党家門の面目を思ひ、愈々奮励して其の期待に答ふべし。生きて虜囚の辱を受けず、死して罪禍の汚名を残すこと勿れ。

第九 質実剛健

質実以て陣中の起居を律し、剛健なる士風を作興し、旺盛なる士気を振起すべし。 
陣中の生活は簡素ならざるべからず。不自由は常なるを思ひ、毎事節約に努むべし。奢侈は勇猛の精神を蝕むものなり。

第十 清廉潔白

清廉潔白は、武人気質の由つて立つ所なり。己に克つこと能はずして物慾に捉はるる者、争でか皇国に身命を捧ぐるを得ん。 
身を持するに冷厳なれ。事に処するに公正なれ。行ひて俯仰天地に愧ぢざるべし。

本訓 其の三

第一 戦陣の戒

一 一瞬の油断、不測の大事を生ず。常に備へ厳に警めざるべからず。
敵及住民を軽侮するを止めよ。小成に安んじて労を厭ふこと勿れ。不注意も亦災禍の因と知るべし。 
二 軍機を守るに細心なれ。諜者は常に身辺に在り。 
三 哨務は重大なり。一軍の安危を担ひ、一隊の軍紀を代表す。宜しく身を以て其の重きに任じ、厳粛に之を服行すべし。哨兵の身分は又深く之を尊重せざるべからず。 
四 思想戦は、現代戦の重要なる一面なり。皇国に対する不動の信念を以て、敵の宣伝欺瞞を破摧するのみならず、進んで皇道の宣布に勉むべし。 
五 流言蜚語は信念の弱きに生ず。惑ふこと勿れ、動ずること勿れ。皇軍の実力を確信し、篤く上官を信頼すべし。 
六 敵産、敵資の保護に留意するを要す。徴発、押収、物資の燼滅等は規定に従ひ、必ず指揮官の命に依るべし。 
七 皇軍の本義に鑑み、仁恕の心能く無辜の住民を愛護すべし。 
八 戦陣苟も酒色に心奪はれ、又は慾情に駆られて本心を失ひ、皇軍の威信を損じ、奉公の身を過るが如きことあるべからず。深く戒慎し、断じて武人の清節を汚さざらんことを期すべし。 
九 怒を抑へ不満を制すべし。「怒は敵と思へ」と古人も教へたり。一瞬の激情悔を後日に残すこと多し。 軍法の峻厳なるは特に軍人の栄誉を保持し、皇軍の威信を完うせんが為なり。常に出征当時の決意と感激とを想起し、遙かに思を父母妻子の真情に馳せ、仮初にも身を罪科に曝すこと勿れ。 

第二 戦陣の嗜

一 尚武の伝統に培ひ、武徳の涵養、技能の練磨に勉むべし。「毎事退屈する勿れ」とは古き武将の言葉にも見えたり。 
二 後顧の憂を絶ちて只管奉公の道に励み、常に身辺を整へて死後を清くするの嗜を肝要とす。 
屍を戦野に曝すは固より軍人の覚悟なり。縦ひ遺骨の還らざることあるも、敢て意とせざる様予て家人に含め置くべし。 
三 戦陣病魔に斃るるは遺憾の極なり。特に衛生を重んじ、己の不節制に因り奉公に支障を来すが如きことあるべからず。 
四 刀を魂とし馬を宝と為せる古武士の嗜を心とし、戦陣の間常に兵器資材を尊重し、馬匹を愛護せよ。 
五 陣中の徳義は戦力の因なり。常に他隊の便益を思ひ、宿舎、物資の独占の如きは慎むべし。 
「立つ鳥跡を濁さず」と言へり。雄々しく床しき皇軍の名を、異郷辺土にも永く伝へられたきものなり。 
六 総じて武勲を誇らず、功を人に譲るは武人の高風とする所なり。 
他の栄達を嫉まず己の認められざるを恨まず、省みて我が誠の足らざるを思ふべし。 
七 諸事正直を旨とし、誇張虚言を恥とせよ。 
八 常に大国民たるの襟度を持し、正を践み義を貫きて皇国の威風を世界に宣揚すべし。 国際の儀礼亦軽んずべからず。 
九 万死に一生を得て帰還の大命に浴することあらば、具に思を護国の英霊に致し、言行を慎みて国民の範となり、愈々奉公の覚悟を固くすべし。 


以上述ぶる所は、悉く勅諭に発し、又之に帰するものなり。されば之を戦陣道義の実践に資し、以て聖諭服行の完璧を期せざるべからず。 
戦陣の将兵、須く此趣旨を体し、愈々奉公の至誠を擢んで、克く軍人の本分を完うして、皇恩の渥きに答へ奉るべし。 

転載元転載元: 皇国の興廃この一戦に在り奮励せよ!天は正義に与し、神は至誠に感ず

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