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【憲法解釈等の補佐機関】
 
内閣法制局は、内閣法制局設置法による内閣の直属機関であり、主に、①内閣が提出する法律案等の審査(法令審査業務)、②憲法を始めとする法令解釈の内閣への意見(=法令意見業務)を行います。
 
法令審査業務においては、国会に提出する法案などに憲法違反の条文がないかなどを審査します。
法令意見業務においては、一旦成立した憲法や法律などの解釈(=運用解釈といいます)を担うのはそれを使って行政執行を行う内閣の責任になりますので、その内閣が誤った憲法解釈などをしないように内閣総理大臣などに意見する役割を担っています。
 
 重要なポイントとしては、憲法や法案の解釈を行うのは「内閣」であって内閣法制局ではありません。内閣法制局長官が憲法9条などの解釈を国会答弁しているのは、本来答弁すべき内閣総理大臣や各省大臣の代理に答弁しているに過ぎず、その喋っている答弁内容は第一次安倍内閣も含めた歴代の「内閣としての憲法解釈となります。
 
 従って、安倍内閣が、憲法解釈を変えたいとするのであれば、「新しい内閣法制局長官が憲法解釈を変えた」では説明にならず、過去に自分が「集団的自衛権の行使は憲法解釈では無理で、条文を変えなければ合憲とできない」としてきた憲法解釈がなぜ変更できるようになったのかについて、安倍総理自身の言葉で説明しなければいけません。
 
 
【高度の専門家組織】
 内閣法制局で上記の業務に従事するのは、霞ヶ関の各省の中で法令解釈などの能力に特に秀でた非常に優秀な官僚が法制局に出向し、そのうちの何人かは転籍により内閣法制局の幹部として勤務していく人事慣行が定着しています。
 これまでの三代の長官になるまでの平均的な経歴は、法制局参事官(5年)、同部長(6〜8年)、同次長(1〜3年)などといったもので、長官就任までにその他のポストも含めて全員19〜20年余りの内閣法制局勤務を経ています
 
 
 
【法の番人】
 ここで、内閣法制局と最高裁判所の関係ですが、我が国は最高法規の憲法のもと法律、政令や、あるいは外国との条約などによって国家運営を行う法治国家です。憲法も含めたこれら全ての法令の最終的な解釈権は最高裁判所が担います。
 しかし、何万何千とある法律や政令等が全て憲法に適合したものかどうかを最高裁が判断している訳ではありません。最高裁は訴訟機関ですので、訴訟に持ち込まれたもののみを判断します。
 
 そうすると、まず、法律や政令などの法令を作る際にそれが憲法に違反したものとなっていないかなどを審査する機関が必要になり(①法令審査業務)、また、それを運用する際に誤った憲法などの法令解釈などを行わないように専門的な見地から意見する機関が必要になります(②法令意見業務)
 従って、最高裁判所が最後に控えているから内閣法制局の役割は大したものではないと言った見解がありますが、それは非常に大きな誤りです。
 
 
 憲法違反の法律案や行政規則などが作られ、あるいは、憲法違反でない法律等であってもそれが誤って(=憲法違反を犯しながら)運用されると、それは国民の自由や権利と言った大切な利益を損なうことになります。
 ましてや、最高法規たる憲法の解釈を正しいものとせずに、憲法違反の解釈を打ち立ててそのもとで憲法違反の法律などを作り行政運営を行って行くと、止めどもない国民への危害が発生します。
 
最高裁は訴訟があった場合の事後救済ですから、失われた命や尊厳は幾ら賠償金をもらっても取り戻せません。
例えるならば、憲法違反の戦争(=集団的自衛権の行使など、我が国を防衛するため必要な最小限度の範囲を超える実力の行使)により国民の生命や財産が犠牲になるのを正しい憲法解釈により防ぐのが内閣法制局の役割で、その憲法違反の戦争の結果、国民が起こした国家賠償請求訴訟に対し判決で事後救済するのが最高裁の役割です。
(※なお、正しい憲法解釈が確保されない事態は「法治国家の崩壊」です)
 
 以上より、憲法により違憲立法審査権を付与された三権の一翼たる最高裁とは比較するべきものでもありませんが、内閣法制局も、我が国の三権分立の仕組みの中で、国民の自由と権利を守るための極めて重要かつ不可欠な、決して損なわれてはならない憲法を含めた「法の番人」としての役割を担っています
 
以上
 

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