全体表示

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索
【憲法解釈等の補佐機関】
 
内閣法制局は、内閣法制局設置法による内閣の直属機関であり、主に、①内閣が提出する法律案等の審査(法令審査業務)、②憲法を始めとする法令解釈の内閣への意見(=法令意見業務)を行います。
 
法令審査業務においては、国会に提出する法案などに憲法違反の条文がないかなどを審査します。
法令意見業務においては、一旦成立した憲法や法律などの解釈(=運用解釈といいます)を担うのはそれを使って行政執行を行う内閣の責任になりますので、その内閣が誤った憲法解釈などをしないように内閣総理大臣などに意見する役割を担っています。
 
 重要なポイントとしては、憲法や法案の解釈を行うのは「内閣」であって内閣法制局ではありません。内閣法制局長官が憲法9条などの解釈を国会答弁しているのは、本来答弁すべき内閣総理大臣や各省大臣の代理に答弁しているに過ぎず、その喋っている答弁内容は第一次安倍内閣も含めた歴代の「内閣としての憲法解釈となります。
 
 従って、安倍内閣が、憲法解釈を変えたいとするのであれば、「新しい内閣法制局長官が憲法解釈を変えた」では説明にならず、過去に自分が「集団的自衛権の行使は憲法解釈では無理で、条文を変えなければ合憲とできない」としてきた憲法解釈がなぜ変更できるようになったのかについて、安倍総理自身の言葉で説明しなければいけません。
 
 
【高度の専門家組織】
 内閣法制局で上記の業務に従事するのは、霞ヶ関の各省の中で法令解釈などの能力に特に秀でた非常に優秀な官僚が法制局に出向し、そのうちの何人かは転籍により内閣法制局の幹部として勤務していく人事慣行が定着しています。
 これまでの三代の長官になるまでの平均的な経歴は、法制局参事官(5年)、同部長(6〜8年)、同次長(1〜3年)などといったもので、長官就任までにその他のポストも含めて全員19〜20年余りの内閣法制局勤務を経ています
 
 
 
【法の番人】
 ここで、内閣法制局と最高裁判所の関係ですが、我が国は最高法規の憲法のもと法律、政令や、あるいは外国との条約などによって国家運営を行う法治国家です。憲法も含めたこれら全ての法令の最終的な解釈権は最高裁判所が担います。
 しかし、何万何千とある法律や政令等が全て憲法に適合したものかどうかを最高裁が判断している訳ではありません。最高裁は訴訟機関ですので、訴訟に持ち込まれたもののみを判断します。
 
 そうすると、まず、法律や政令などの法令を作る際にそれが憲法に違反したものとなっていないかなどを審査する機関が必要になり(①法令審査業務)、また、それを運用する際に誤った憲法などの法令解釈などを行わないように専門的な見地から意見する機関が必要になります(②法令意見業務)
 従って、最高裁判所が最後に控えているから内閣法制局の役割は大したものではないと言った見解がありますが、それは非常に大きな誤りです。
 
 
 憲法違反の法律案や行政規則などが作られ、あるいは、憲法違反でない法律等であってもそれが誤って(=憲法違反を犯しながら)運用されると、それは国民の自由や権利と言った大切な利益を損なうことになります。
 ましてや、最高法規たる憲法の解釈を正しいものとせずに、憲法違反の解釈を打ち立ててそのもとで憲法違反の法律などを作り行政運営を行って行くと、止めどもない国民への危害が発生します。
 
最高裁は訴訟があった場合の事後救済ですから、失われた命や尊厳は幾ら賠償金をもらっても取り戻せません。
例えるならば、憲法違反の戦争(=集団的自衛権の行使など、我が国を防衛するため必要な最小限度の範囲を超える実力の行使)により国民の生命や財産が犠牲になるのを正しい憲法解釈により防ぐのが内閣法制局の役割で、その憲法違反の戦争の結果、国民が起こした国家賠償請求訴訟に対し判決で事後救済するのが最高裁の役割です。
(※なお、正しい憲法解釈が確保されない事態は「法治国家の崩壊」です)
 
 以上より、憲法により違憲立法審査権を付与された三権の一翼たる最高裁とは比較するべきものでもありませんが、内閣法制局も、我が国の三権分立の仕組みの中で、国民の自由と権利を守るための極めて重要かつ不可欠な、決して損なわれてはならない憲法を含めた「法の番人」としての役割を担っています
 
以上
 
 
 本日(8/1)、麻生副総理兼財務大臣が、729日に行った「ナチスの手口に学ぶべき」とする発言を撤回する旨の文書を公表しました。
恐らく、財務官僚の秘書官などに知恵を絞らせた巧妙な官僚文学だと思いますが、誠に遺憾ながら、私が当初から指摘していた以下の「歴史認識」と「立憲民主主義に関する認識」について実質的な撤回となっていないものと考えます。
 
・ナチスによるワイマール憲法の破壊は、「だれも気付かないで、いつの間にか行われたもの」なのか
・その破壊の過程は、「社会的喧噪の中で行われたものではない」のか
・ユダヤ人迫害等の人権蹂躙の基盤となりワイマール憲法の破壊である「大統領緊急権及び授権法」は、「国民が騒がないで、納得して」定められたものなのか
・ナチスによるワイマール憲法の破壊の過程は、日本国憲法改正の「手口として学ぶべき」ものなのか
 
 また、撤回文書の中にナチスの被害者の方々に対する謝罪が一切ないこと、国内外の非難の後の撤回行為で時期を逸していることなどから、尚更、直ちに解任されるべきであると考えます。
 
以下に、現時点で麻生大臣のナチス政権に関連する発言を最も詳細に報道している朝日新聞及び読売新聞の記事をもとにご説明します。
 
(ご参考)
 私は7月29日の第一報直後から、仮にこの件が放置されるならば日本の民主主義の危機であるという認識で取り組んで参りました。また、これは一国会議員レベルだけで行うべきものではなく、民主党として取り組むべき課題であると海江田代表などに進言し、党としての対応を実現して参りました。 http://kaiedabanri.jp/opnion/201308012914.html (海江田代表のHP)
 なお、麻生大臣の発言の問題の本質についての29日付ブログの説明文は、その後の複数のメディアの報道の参考にされたとの情報も頂いております。
  
 
――――――麻生大臣の撤回文書(注:一部太字下線に加工)――――――
 
7月29日の国家基本問題研究所月例研究会における私のナチス政権に関する発言が、私の真意と異なり誤解を招いたことは遺憾である。
 
 私は、憲法改正については、落ち着いて議論することが極めて重要であると考えている。この点を強調する趣旨で、同研究会においては、喧騒(けんそう)にまぎれて十分な国民的理解及び議論のないまま進んでしまった悪(あ)しき例として、ナチス政権下のワイマール憲法に係る経緯をあげたところである。私がナチス及びワイマール憲法に係る経緯について、極めて否定的にとらえていることは、私の発言全体から明らかである。ただし、この例示が、誤解を招く結果となったので、ナチス政権を例示としてあげたことは撤回したい。
 
平成2581
財務大臣 麻生太郎
――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
 
(1) 当日発言してもないことを「発言した」としていること
 
喧騒(けんそう)にまぎれて十分な国民的理解及び議論のないまま進んでしまった悪(あ)しき例として、ナチス政権下のワイマール憲法に係る経緯をあげたところ」としていますが、報道上の事実関係としてこういう具体的発言を麻生大臣はしていません。
すなわち、麻生大臣の具体的に行った発言は、以下のとおり「ナチスを悪しき例としてではなく、見習うべき手口としてあげている」のであって、巧妙な事実関係のすり替えと考えます。
 
だから、静かにやろうやと。憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。 わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。」(朝日新聞記事より)
 
こうしたすり替えを行うのではなく、「・・・悪(あ)しき例として、ナチス政権下のワイマール憲法に係る経緯をあげるつもりだったと撤回文書で主張することもできたのかもしれません。
 
しかし、これも以下に述べるように、そもそも麻生大臣が一体どこまで適切な歴史認識を有しているのか不明であるために、このような言い訳を幾らしてみても、撤回文書ではナチス政権下の経緯を「喧噪にまぎれた・・・悪しき例」としながら、当日の発言では「気付かれず騒がれず国民に納得されたナチス政権の手口に学ぶべき」と言っている矛盾は解消されません。
 
 
(2) 発言に対して実質的な撤回がなされていないこと
 
「ナチスの手口に学ぶべき」とする麻生大臣発言に対し、私が当初から問うていることは以下の問題点です。そして、これらのことを認識も理解もなく「ナチスの手口に学ぶべき」と発言した場合にあっては、それは結果的に、ナチスの行為を肯定的に評価するものと判断されざるを得ず、その政治責任は即刻の解任に値すると考えます。
 
・ 麻生大臣はナチスによるワイマール憲法の破壊の政治的プロセス(大統領緊急権や授権法等)を本当に知っていたのか
・ 有名なホロコーストだけではなく、ワイマール憲法の破壊の過程で行われたユダヤ人や共産党員等に対する人権弾圧の歴史を知っていたのか
・ そしてそれは、ナチスを支持する社会的狂乱の中における迫害を受ける被害者の悲痛の叫びと必死の抵抗の歴史であったことを知っていたのか
 
 これらは、麻生大臣が披瀝している「ヒトラーはドイツ国民による選挙で選ばれた」、「当時もっとも進んだワイマール憲法下で、ヒトラーが出てきた。憲法はよくても、そういうことはありうる」といった一般的な歴史見解に過ぎない発言からは伺い知れないことです。
 
要するに、「ナチス及びワイマール憲法に係る経緯について、極めて否定的にとらえていることは、発言全体から明らか」とあくまでも自分の歴任認識は当初から何ら間違っていなかったという弁明を行ってはいますが、では、上記の問題点につき、一体、どの程度のどういう歴史認識だったのかについては具体的に何の説明もなされていません。
 
加えて、これらに関する誤った歴史認識である「いつの間にか、誰も気付かず、騒ぎもせず、国民納得の上でワイマール憲法が変わった」という発言や、立憲民主主義に反する「ナチスの手口を学ぶべき」といった発言につき、そうした発言をなぜ行ったのかについては明確な説明を何ら行わずに、ただ単に「ナチス政権を例示としてあげたことを撤回する」として、一気に丸ごとの免罪を求めているのです。
 
 一言で言えば、自分の実際の発言と根本的に矛盾する見解を撤回文書で出しておいて、その矛盾に対して何ら具体的な説明を行わずに、ただ単に、「誤解を招く結果となったので」という文脈のずれた理由を持って発言を撤回したいとしているのです。
 
以上から、仮に、麻生大臣の発言が如何に「憲法改正を狂騒の中でやって欲しくない」という基本認識に根ざしていたものであったとしても、その具体例として挙げたナチス政権のワイマール憲法の破壊の経緯について「いつの間にか、誰も気付かず、騒ぎもせず、国民納得の上でワイマール憲法が変わった」との認識を示し、かつ、そうした「ナチスの手口に学ぶべき」と発言している以上、麻生大臣の発言は他に例をみないほどの歴史的暴言であると考えます
 
 
(3) 最後に
 
麻生大臣は29日の発言があった時点で即刻に解任されるべきであったと考えますが、以下の点からも今後直ちに解任されるべきであると考えます。
麻生大臣の罷免権は安倍総理が有しており、麻生大臣の在任を放置している安倍総理の政治責任は更に増大していると考えます。
 
・この度の撤回文書は発言の実質的な撤回がなされておらず、国内外の不信に対する明確な説明ができていないこと
 
・何より、「誤解を招いたことは遺憾」とあるだけで、撤回文書の中にはナチスによる被害者の方々に対する謝罪が一切ないこと
 
・既に、国内外から批判と不信の声が上がっており、撤回行為自体が時機を逸していること
http://www.wiesenthal.com/site/apps/nlnet/content2.aspx?c=lsKWLbPJLnF&b=4441467&ct=13229277#.UfnQcaxrqSr (ユダヤ人権団体サイモン・ウィーゼンタール・センター)
 
・この度の撤回行為も官房長官の進言を受けたものとされ、責任ある閣僚としての自浄能力が認め難いこと
http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201308/01_a.html(菅官房長官 記者会見01:34〜 麻生大臣発言関係)
 
以上
報道によれば、麻生副総理兼財務大臣が講演の場で、憲法改正について、以下のような発言を行ったとされています。
 
ナチスの手口学んだら…憲法改正で麻生氏講演
 
 麻生副総理は29日、都内で開かれた講演会で憲法改正について、「狂騒、狂乱の中で決めてほしくない。落ち着いた世論の上に成し遂げるべきものだ」と述べた。 
その上で、ドイツでかつて、最も民主的と言われたワイマール憲法下でヒトラー政権が誕生したことを挙げ、「ワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。あの手口を学んだらどうか。(国民が)騒がないで、納得して変わっている。喧騒の中で決めないでほしい」と語った。
20137300732  読売新聞)
 
 
※2013年8月1日付 朝日新聞 「麻生副総理の憲法改正めぐる発言の詳細」より抜粋
 
 「 憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。
 わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、しかし、私どもは重ねて言いますが、喧噪(けんそう)のなかで決めてほしくない。
 
 
 
 この発言は、仮にそれが事実であるならば、以下のように、政治家として「ナチスによるユダヤ人迫害等に至る経緯を正当評価する歴史認識なき暴言」かつ「立憲民主主義に関する見識なき暴言」であり、麻生副総理兼財務大臣は即刻解任されるべき又は自ら辞任すべきものと考えます。
 
また、この問題は、ナチスドイツによるワイマール憲法の破壊は同憲法48条の「大統領緊急権」の濫用とその後の「授権法」等によるものであり、それらと同等の濫用効力を有する自民党憲法草案98条以下の「緊急事態条項」の危険性とも合わせて追求すべき問題であると考えます。
 
【説明】
(1) まず、「ワイマール憲法は、いつの間にかナチス憲法に変わっていった」のではなく、ヒトラー内閣の誕生後の1933228に実行されたワイマール憲法48条の「大統領緊急権」の濫用によって、人身の自由、言論報道の自由、集会結社の自由など当時世界で最も民主的であったワイマール憲法の基本的人権条項が停止されてしまったことが契機となります。
 
(2) そして、続く1933324日に、「ヒトラー政府に対し国会に代わり立法権を与え、かつ、その立法はワイマール憲法に矛盾してもよい」とする通称『授権法(正式名称「民族および国家の危急を除去するための法律」』が制定され、これにより、ワイマール憲法は実質的に破壊されることになり、その後、ナチスドイツは同年4月のユダヤ人公務員を全員休職処分にする「職業官吏制度再建法」を皮切りとして、ユダヤ人迫害等を可能とする数々の法制度を制定し、人類史上例のない虐殺等の人権蹂躙を犯して行きました。
 
(3) そして、これらに至るユダヤ人迫害等の方針は1920年のナチス綱領で宣明されたものであり、またこの間の人権弾圧は、ナチスのドイツ国民に対する巧妙かつ強圧的な宣伝工作のもと、ユダヤ人以外の共産主義者などに対しても行われ(上記の「大統領緊急権」は共産主義者弾圧を大義名分としたもの)、こうした憲法破壊の経緯は、到底、「国民が)騒がないで、納得して変わっている」などとは言えないものであると考えます。(もちろん、「喧噪の中で決めていない」ものではなく、悲痛な叫びの中で実行されたものと考えます。)
 
(4) 以上から、麻生副総理兼財務大臣の「あの手口(=ナチスの手口)を学んだらどうか」という発言は、ワイマール憲法がナチスドイツのもとで破壊された歴史について何も理解せず(なお、麻生発言にある「ナチス憲法」というものは法的には存在しません)、何より、そのもとで、如何に恐ろしいユダヤ人等に対する人権蹂躙が繰り広げられたかを何も踏まえない発言をしていることになります。
 
(5) これは、日本国憲法に国際協調主義を掲げる日本社会はもとより、国際社会において到底受け入れられない暴言であり、安倍総理は麻生副総理兼財務大臣を即刻解任すべき(もしくは、直ちに自ら辞任すべき)であると考えます。
 
また、麻生副総理兼財務大臣はアベノミクスを国際会議等で各国首脳に説明する担当大臣でもあり、国民経済を高度の危険に晒すアベノミクスというリスク政策の最大限の(せめてもの)安全保障という観点からも即刻解任されるべきであると考えます。
 
 
 
※ナチス迫害の拡大を悔悟するマルチン・ニーメラー牧師の有名な言葉
 
    彼らが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった
  私は共産主義者ではなかったから
 
社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった
  私は社会民主主義ではなかったから
 
彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
  私は労働組合員ではなかったから
 
彼らがユダヤ人たちを連れて行ったとき、私は声をあげなかった
  私はユダヤ人などではなかったから
 
そして、彼らが私を攻撃したとき
  私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった
 
 
■自民党憲法草案の「緊急事態条項」(98条、99条)がワイマール憲法を破壊した「大統領緊急権」及び「授権法」を共に包含する強力な濫用効力を持つことについて
 
○ 自民党憲法草案98条、99条に規定されている「緊急事態条項」は、①内閣総理大臣の非常事態宣言によって国会の立法権を停止し(98条)、②それに代わって内閣が「法律と同一の効力を有する政令」を制定し(991項)、それによって国民の自由や権利を強度に制限することを可能とするものです。
 
○ ところが、草案98条等においては、この「法律と同一の効力を有する政令」が規定し得る事項については何の制限もなく(要するに文言上はあらゆる人権弾圧法令が制定できる)、また、この「法律と同一の効力を有する政令」は第98条及び99条に「法律の定めるところにより」とある「法律」についても「政令」で改正することにより国会の立法権そのものを葬り去ることも可能となっています。
 
○ 以上より、自民党憲法草案の「緊急事態条項」はナチスが濫用した「大統領緊急権」やその下で制定した「授権法(民族および国家の危急を除去するための法律)」と同じ効力を有するものと憲法的に解釈できることになります。
 
○ なお、基本的人権の包括規定である憲法13条において国民の自由や権利たる「幸福追求権」よりも「公益及び公の秩序」が優先するとする自民党草案においては、98条及び99条の文言解釈のみならず草案全体を通じた憲法解釈上もあらゆる人権弾圧法令を止めるすべが全くないことになります。(13条などを破壊している以上、993項の基本的人権の尊重規定は無意味な条文です)
 
○ 従って、麻生副大臣兼財務大臣の発言は、「ナチスドイツがワイマール憲法を改正(注:法的には「破壊」)したやり方に学んで日本国憲法を改正すべき」と言いつつ、その改正案として「ナチスドイツがワイマール憲法を破壊していった仕組みをフルパッケージで提供する自民党草案を主張している」という意味においても、日本国憲法の立憲主義を守るために決して看過してはならない暴言であると考えます。
 
 
(ご参考)
・ いわゆる「国家緊急権」についてはフランスやドイツのものが有名ですが、ドイツのものは正にナチスドイツ時代の反省を踏まえ、国会の監督下の緊急権となっています。そして、大統領制の下での政府に強大な緊急権を付与しているフランス憲法のものよりも、自民党草案の「緊急事態条項」は上述以外に「緊急事態の宣言の要件に限界がないこと」等々の点でも非常に恐ろしい(=濫用の危険が大きい)ものです。
 
・ 大規模な自然災害や外敵からの武力攻撃に際して、国民の生命・財産等を守るために「立法権を停止して、内閣総理大臣に立法権を白紙委任する」とする「国家緊急権」を憲法上解禁するべきでないかについては、私は、「以下の理由」から不要であるという考えです。
 
  ① 政策的に意義を認め難い
a.現行憲法下の緊急権法制である災害対策基本法(東日本大震災を踏まえ拡充済み)や国民保護法等による対応があり、その「想定外」への備えとしては定足数等を絞るなどした緊急事態特別委員会を国会に常設するなど国会と内閣の連携確保の措置で足りる、b.そもそも「想定外」対処には「内容の詰まっていない中央権限を定めて満足する」のではなく各被災想定地域での関係者の具体的な協力連携体制構築等をひたすら積み重ねていくことが本質である等)
 
  ② 「国家緊急権」は「内閣総理大臣の白紙委任」でなければ憲法上設ける意味がない。とすると、ナチスドイツのみならず大日本帝国憲法下における「治安維持法の拡充改正」等の「緊急勅令」の濫用などの国家権力の暴走の危険がどのようにしても否定できない。
 
・ これらについては、別の機会にご説明しますが、以下の国会議事録をご参考としてご紹介いたします。自民党草案の「緊急事態条項」が論点ともなっていますが、日本を代表する憲法学者の見解に対して自民党議員から何のまともな議論もできていない永田町の実態についてご理解を頂ける資料でもあります。
 
平成24516日第180回国会参議院憲法審査会
(『東日本大震災と憲法』のうち大震災と国家緊急権について)
 高見勝利参考人(上智大学法科大学院教授)意見
 
本日、参議院本会議で安倍総理への問責決議案を可決させ、通常国会が終了しました。
 
問責決議の理由は、安倍総理と関係の大臣が行った「憲法違反行為」に対してのものです。
 
憲法63条は、「内閣総理大臣その他の国務大臣は、・・・答弁又は説明のため出席を求められたときは、(議院に)出席しなければならない。 」と、内閣総理大臣及び大臣の「国会への出席義務」を課しています。
 
これは、議院内閣制の下、国権の最高機関である国会が内閣を監督していくために不可欠な制度として設けられたものです。
 
 
去る24日に参議院で予算委員会を開催し、安倍総理が各方面で発表している成長戦略(アベノミクスの第三の矢)などの重要課題について、今国会で初めて審議を行うこととなっていました。
 
これは、「委員の1/3から開催を求められた場合に委員長は委員会を開催しなければならない」とする参議院規則38条にもとづいて、予算委員長が職権で開催したものでした。
 
また、去る25日には参議院の厚生労働委員会が開催されることが、理事懇談会の与野党合意で決まっていました。
 
このそれぞれの委員会について、委員長は憲法の規定に基づき安倍総理及び関係の大臣に各委員会への出席要請を行いましたが、安倍総理等はこれを拒絶しました。
 
理由は、「来る参議院選挙の前に、全国放送のNHK中継の前で、アベノミクスの問題点や自らの資質などについて、厳しい追及を受けたくない。」ということであるというのが、マスコミを含めた永田町の支配的な見解です。
 
 
内閣総理大臣が憲法が定める国会出席義務を拒否して逃げ通すというのは、前代未聞の出来事であり、議院内閣制を破壊する絶対に許されない暴挙です。
 
そのことを明らかにするために、本日、安倍内閣に対し、質問主意書を提出しました。
質問主意書とは、参議院として内閣にその行政運営などの見解を求める「国会対内閣」の位置付けとなる非常に重い手続きです。
 
国会議員の対政府への強力な武器の一つですが、答弁を作成する官僚の負担も大きく(私もかつて何本も答弁を書きました)、(また、政策等を実現するためこの武器を使用する必要もなかったため)私はこれまで使用を控えてきましたが、この問題は決して看過できないものであるという考えにもとづき提出しました。
 
最後に、こうした憲法違反行為を犯してまでも参院選を乗り切りたいとする安倍総理と自民党に対し全力で立ち向かっていくことをお誓い申し上げます。
 
(※ なお、安倍政権のこうしたなりふり構わぬ行為のために、私も委員会で質疑を行った生活保護法改正案など、重要な法律が廃案となりました。)
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
安倍内閣総理大臣及び国務大臣の委員会出席拒否に関する質問主意書
 
右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。
 
  平成二十五年六月二十六日
 
参議院議員 小西 洋之
 
       参議院議長 平田 健二 殿
 
 
 
安倍内閣総理大臣及び国務大臣の委員会出席拒否に関する質問主意書
 
 
安倍内閣総理大臣及び関係の国務大臣は、平成二十五年六月二十四日及び二十五日に開催された参議院予算委員会等に対し予算委員長等からの出席要請があったにも関わらずこれを拒否した。これは日本国憲法第六十三条に定める内閣総理大臣その他の国務大臣の議院への出席義務に違反する重大な事件であり、議院内閣制の根幹を否定する暴挙である。そこで、以下、質問する。
なお、不明確な答弁に際しては、再質問を行うので留意されたい。
 
 
一 憲法第六十三条に規定する内閣総理大臣その他の国務大臣の議院への出席義務の趣旨は何か。何故にこうした義務が課せられているのか、具体的かつ網羅的に答弁されたい。
 
二 本件について、予算委員会等に提出された「6月21日付国務大臣等の出席ご要求について」、「6月24日付国務大臣等の出席ご要求について」との標題の文書は、政府内の誰がどのような権限に基づいて作成し、かつ提出を行ったものであるのか、具体的かつ網羅的に答弁されたい。
 
三 平成二十五年六月二十四日及び二十五日に開催された参議院予算委員会については参議院規則第三十八条第二項の手続きを踏まえ予算委員長の職権により開催されたものであり、平成二十五年六月二十五日に開催された参議院厚生労働委員会は同二十一日の理事会合意にもとづき開催されたものであった。
「二」に掲げる両文書に記載のある「与野党の協議で合意されたものでなく」及び「参院議長に対する不信任決議案も提出されその処理もなされていない状況にあること」のそれぞれは、「一」で答弁を求めている内閣総理大臣その他の国務大臣の議院出席義務を免除する根拠となるものと考えているのか、その理由について、それぞれの委員会ごとに、具体的かつ網羅的に答弁されたい。
 
四 「三」で「根拠とならない」趣旨の答弁をする場合において、他のいかなる理由で、予算委員会にあっては安倍総理大臣その他の国務大臣、厚生労働委員会にあっては田村国務大臣は、平成二十五年六月二十四日及び二十五日の当該委員会への出席を拒否したのか、具体的かつ網羅的に答弁されたい。
 
五 「三」、「四」の関連として、第七十五回参議院法務委員会(昭和五十年六月五日)における吉國内閣法制局第一部長答弁にある「出席をも不可能にするような事由がある場合」に内閣総理大臣その他の国務大臣の議院への出席義務を免除される余地があると考えているのか。
また、今回の件が当該「出席をも不可能にするような事由がある場合」に該当するものと考えているのか、該当すると考える場合はその理由について具体的かつ網羅的に答弁されたい。
 
六 この度の参議院予算委員会への安倍総理その他の国務大臣の出席拒否及び参議院厚生労働委員会への田村大臣の出席拒否は、内閣総理大臣その他の国務大臣の議院への出席義務を課した日本国憲法第六十三条に違反するのではないか、明確に答弁されたい。
なお、「違反あるいは抵触しない」趣旨の答弁を行う場合は、そのように判断する理由について、具体的かつ網羅的に答弁されたい。
 
七 平成二十五年六月二十四日に開催された予算委員会のための質問通告に対し、予算委員長の職権開催の決定の後刻に参議院議長不信任決議案が自民党及び公明党から提出されたにも関わらず、霞ヶ関の担当省庁が質問通告にもとづくいわゆる質問取りを拒否するという事態が生じ、これに対し、同日中に石井予算委員長より安倍総理大臣に対し文書をもって国務大臣等の出席を求めることを要求しているところである。
  当該事件について、政府内のいかなる者がいかなる理由並びに権限にもとづいて、質問通告を受けた各省庁に対し、質問取りを拒否するよう指示を行ったのか、具体的かつ網羅的に答弁されたい。
 
以上
 
長らく更新ができずに大変失礼いたしました。
 
この間、休む間もなく、また、この三年間で最大級の疲労蓄積を抱えながら複数の立法や憲法問題などに懸命に働かせて頂きました。
 
これらについては、また、順次ご報告させて頂きますが、本日午後には、6月12日の与野党実務者協議で成案を得て、一昨日に国会に提出された「いじめ防止対策推進法案」の参議院文教委員会での審議があり、現在(AM2時半過ぎ)その準備に追われております。
 
私が、昨年の夏の終わりに構想を描き、総選挙前にほぼ完成をさせ、2月に民主党の機関決定、4月に国会提出をした、「いじめ対策推進基本法案」の重要な骨格は全て与野党協議の成案の中に入れ込むことができました。
 
事前のものも含めると10回以上に及んだ協議は非常な困難もあったものであり、政治故に決して全てに満足をしている法案ではありませんが、この法案なら子ども達をいじめから守り救うことができるはずという確信のもとに、21日の参議院本会議で成立をさせます。
 
明日の審議では、与野党協議をの内容を踏まえ、子ども達を間違いなく救うために解釈を明らかにしておく必要のある論点などを質疑で取り上げます。
いじめ法案の立案に着手してから数えて(確か)9回目の完全徹夜にならないよう頑張ります!
(ちなみに、明日は午前中に厚生労働委員会で「生活保護法改正案、生活困窮者自立支援法」の質疑も行います。。。)
 
※なお、昨日の午後には、同じく私が立案した「体罰等の防止に関する対策の推進に関する法律」を参議院に提出いたしました。

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!
いまならもらえる!ウィスパーうすさら
薄いしモレを防ぐ尿ケアパッド
話題の新製品を10,000名様にプレゼント
いまならもらえる!ウィスパーWガード
薄いしモレを防ぐパンティライナー
話題の新製品を10,000名様にプレゼント

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事