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去る2014611日に参議院憲法審査会で国民投票法の改正案が可決され、13日の本会議で成立し、憲法改正の国民投票が可能となりました。
 
この参議院憲法審査会における可決の際に、将来において、立憲主義に反する憲法改正を防ぎ、また、目前の課題である解釈改憲に対し、事前に解釈変更の案などについて十分な国会審議を受けることを内閣に義務付けることによりそれを阻止する、以下のような附帯決議を付させて頂きました。(全体は下記を参照)
 
一、 本法律の施行に当たり、憲法審査会においては、主権者たる国民がその意思に基づき憲法において国家権力の行使の在り方について定め、これにより国民の基本的人権を保障するという日本国憲法を始めとする近代憲法の基本となる考え方である立憲主義に基づいて、徹底的に審議を尽くすこと
 
六、 本法律の施行に当たっては、憲法の最高法規性及び国民代表機関たる国会の国権の最高機関としての地位に鑑み、政府にあっては、憲法の解釈を変更しようとするときは、当該解釈の変更の案及び第四項における政府の憲法解釈の考え方に係る原則への適合性について、国会での審議を十分に踏まえること
 
※ なお、この附帯決議については、本日15日付の朝日新聞「天声人語」においても、大変分かりやすくご説明頂いております。
 
附帯決議とは、法的拘束力はないものの、法案可決に当たっての国会の委員会の立法意思を示すものとして、大きな政治的拘束力を有し、事実上の法規範として機能し得るものです。この附帯決議採択の際にも、委員会出席の谷垣法務大臣、新藤総務大臣はそれぞれ、「決議の趣旨を尊重し、適切に対処する」旨の発言を行っています。
 
私は憲法審査会の幹事を務めていますが、①安倍総理という立憲主義や憲法13条などを全く理解せず、また、解釈改憲という暴挙を強行しようとする危険な最大権力者が存在し、さらに、②大日本帝国憲法と憲法的には同質の自民党草案が存在する状況のもとで、拙速に国民投票法の改正を行うことは、国民の皆様に対して極めて危険なことであると考えてきました。
 
それ故に、「国民投票法を成立させる条件として、安倍総理の憲法観の撤回と自民党草案の撤回を国会審議や党首討論などで突き付けるべき」という主張を民主党の会議の中でも再三述べてきました。
 
もし、現在の解釈改憲の危機のように、立憲主義等に理解のない政治勢力が圧倒的多数を占め、自民党憲法草案のような改正案が国会で発議され、それがかつての郵政解散のような政治権力の情報操作による混乱のもと国民投票で可決してしまったら、つまり、一旦憲法が壊れてしまったら、もはや誰も国民の皆様を守れる者がいなくなります。
 
誤った憲法のもとで内閣は容易に国民の自由や権利の侵害を起こし、それに対し、国会は誤った憲法のもと人権侵害を許容する立法しかできず、さらに、最高裁も誤った憲法により人権侵害を放置する判決しか出せなくなります。
 
こうした危機意識を有しながらも、『党として解釈改憲に反対し、そして、安倍総理に対して「堂々と憲法改正で勝負してみろ」と迫るためには、その改正手続法を成立させない訳にはいかない』という民主党の議論の中で、苦渋の判断をした次第ですが、何としてでも自らの責任でその危険を排除するとともに、現下の解釈改憲の強行を打撃する決意でおりました。
 
そうした決意のもと、民主党の白 眞勲(はく しんくん)筆頭幹事にご相談し、附帯決議案を起草し、白筆頭幹事の百戦錬磨の戦略・戦術のご指導のもとに与党自民党と協議を重ね、最後は、審査会の直前まで協議を行い、その結果、一定の内容を確保したまま、自民党を含む賛成多数の可決に至ることができました。
 
今後の衆参の憲法審査会の審議と政府の憲法解釈やその変更は、この附帯決議の内容を踏まえて行われることになります。
 
国民主権や立憲主義を蹂躙しようとする空前絶後の誤った政治状況の中、今と将来の国民の皆様を守るために、参議院として非常に重要な取り組みをさせて頂けたものと考えています。
 
早速、集団的自衛権行使の解釈改憲について、この附帯決議第六項の遵守を内閣に求める質問主意書を613日付けで提出致しましたが(20日が答弁期日)、引き続き、全力で安倍政権と対峙して参ります。
 
 以下に、各項目の概要をご説明させて頂きます。(※下線などは小西加工による)
 
――――――――――――――――――――――――――――
日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議
平成二十六年六月十一日 参議院憲法審査会
 
一、 本法律の施行に当たり、憲法審査会においては、主権者たる国民がその意思に基づき憲法において国家権力の行使の在り方について定め、これにより国民の基本的人権を保障するという日本国憲法を始めとする近代憲法の基本となる考え方である立憲主義に基づいて、徹底的に審議を尽くすこと
 
二、 本法律の施行に当たり、憲法審査会においては、日本国憲法の定める国民主権、基本的人権の尊重及び恒久平和主義の基本原理に基づいて、徹底的に審議を尽くすこと
 
三、 本法律の施行に当たり、憲法審査会においては、日本国憲法の定める憲法の最高法規性並びに国民主権及び間接民主制の趣旨にのっとり、立法措置によって可能とすることができるかどうかについて、徹底的に審議を尽くすこと
 
 
・ 第一項は、将来、立憲主義に反する自民党憲法草案第13条のような憲法改正案が審議されることとなった際に、それが、立憲主義に反しないかどうか徹底的に審議を行い、それを排除する(改正案として発議しない)ことを定めたものです。
 
  「国家権力を制限し、国民の自由や権利を保障する」という立憲主義と適合する内容以外のことを憲法に一言たりとも書き込んではいけません。それをした瞬間に、大日本帝国憲法と同じように治安維持法などの法律で如何様にも国民の皆様に対する人権侵害を国家権力が犯すことができるようになります。
   (参考: 自民党草案13条が明治憲法と憲法的に同質であることを示す「芦部憲法」抜粋)
 
・ 第二項は、将来、恒久平和主義などの憲法の三大原理を破壊する憲法改正案が提出された場合にそうした改正案を排除し、発議されることを防ぐためのものです。
 
憲法の三大原理は義務教育から全日本国民が習っていることではありますが、これを否定する自民党憲法草案などがある中、絶対に国会が過ちを起こさぬようこれを防ぐことにより、将来の国民の皆様を守るための規定です。
 
・ 第三項は、そもそも憲法改正によらず法律で実現可能なものは立法措置のみで対処することを義務付ける趣旨です。
 
  実は、憲法改正の発議により主権者である国民の皆様に国民投票をお願いする必要があるときは、国会がある政策を実現しようとするときに憲法の条文を変えない限り国会としてどうしても法律が作れない(=違憲立法になる)ときのみです。
 
それ以外の場合は、法律で速やかに実現すればいいだけであり、むしろ、法律でできることをわざわざ憲法に書き込むことは憲法全体の価値をおとしめ、憲法の有する法規範力を低下させることになります。こうしたことを、憲法学的には「人権のインフレ現象」といいます。
この意味で、環境権などについても、既に、環境基本法も環境省もあるのに本当に憲法改正の必要があるのか徹底的な審議が求められます。
 
なお、この第三項は、自民党草案のようなある特定の歴史や伝統文化による憲法改正原案が持ち込まれたときに、「どうしてもやりたいなら、思想良心の自由や政教分離など憲法が許す範囲内で、法律でやればいい」とそれを排除するためのものでもあります。
特定の歴史観等を憲法規範とし国家価値とすることは第一項の立憲主義にも反しますが、二重の意味で国会が誤った改正発議をすることを防ぐための規定です
 
 
四、 本法律の施行に当たり、政府にあっては、『 憲法を始めとする法令の解釈は、当該法令の規定の文言、趣旨等に即しつつ、立案者の意図や立案の背景となる社会情勢等を考慮し、また、議論の積み重ねのあるものについては全体の整合性を保つことにも留意して論理的に確定されるべきものであり、政府による憲法の解釈は、このような考え方に基づき、それぞれ論理的な追求の結果として示されたものであって、諸情勢の変化とそれから生ずる新たな要請を考慮すべきことは当然であるとしても、なお、前記のような考え方を離れて政府が自由に当該解釈を変更することができるという性質のものではなく、仮に政府において、憲法解釈を便宜的、意図的に変更するようなことをするとすれば、政府の解釈ひいては憲法規範そのものに対する国民の信頼が損なわれかねず、このようなことを前提に検討を行った結果、従前の解釈を変更することが至当であるとの結論が得られた場合には、これを変更することがおよそ許されないというものではないが、いずれにせよ、その当否については、個別的、具体的に検討されるべきものである 』と政府自身も憲法の解釈の変更に関する審議で明らかにしているところであり、それを十分に踏まえること。
 
注:『 』の中が第二次安倍内閣も引き継ぐと答弁している政府の「憲法の解釈変更のルール」。
 
 
五、 本法律の施行に当たり、政府においては、前項に基づき、解釈に当たっては、立憲主義及び国民主権の原理に基づき憲法規範そのものに対する国民の信頼を保持し、かつ、日本国憲法を国の最高法規とする法秩序の維持のために、取り組むこと。
 
六、 本法律の施行に当たっては、憲法の最高法規性及び国民代表機関たる国会の国権の最高機関としての地位に鑑み、政府にあっては、憲法の解釈を変更しようとするときは、当該解釈の変更の案及び第四項における政府の憲法解釈の考え方に係る原則への適合性について、国会での審議を十分に踏まえること
 
 
・ 第四項及び第五項は、政府自らが明らかにし、第二次安倍内閣においても引き継ぐとしている、論理的整合性の必要などの「解釈変更のルール」を逸脱した解釈変更を禁止し(第四項)、さらに、立憲主義や国民主権に反するような解釈変更を禁止し、かつ、そうした解釈改憲は、国民の憲法規範への信頼の喪失や法秩序の崩壊を意味するとして(第五項)、解釈改憲を内容的に阻止するとともに次の第六項の国会監督規定の布石としているものです。
 
・ 第六項は、解釈改憲を手続的にも阻止するためのものであり、仮に政府が憲法解釈の変更が可能と考えるときは、閣議決定の事前に、その解釈の変更の法的根拠とそれが第四項の「解釈変更のルール」を逸脱していないことの証明を国会に対して行い、国会で十分な審議を受け、それを踏まえなければならないとしているものです。
 
  最高法規である憲法は主権者国民の皆様のものであり、内閣による憲法の運用解釈が国民の手を離れ恣意的かつ意図的なものになることがないよう、主権者国民の代表機関である国会が国会審議等により内閣を監督することになっています(=国民主権、間接民主制、議院内閣制)。従って、内閣が憲法解釈の変更を行うときは、事前に、その変更案とその適正について国会で徹底的な審議を受ける必要があります
 
特に、憲法第九条については、半世紀以上にわたりこうした主権者国民に代わる監督を内閣に対して国会が何千回という国会審議を積み重ねることにより行ってきたものであり、これを一内閣の閣議決定だけで解釈変更を行うことは、議会の否定、ひいては主権者国民を否定する絶対に許されない政治的クーデターというべき蛮行です。
 
つまり、第四項〜第六項は、一言で言えば、閣議決定による解釈改憲をその内容面・手続面の双方で縛りを掛け、それを断固封じるためのものです。
安倍総理は、憲法第九条の解釈改憲の論理的整合性などについて、国会で本格的な論戦を行えば到底持ちこたえられないために、議院内閣制やその前提の国民主権等を蹂躙し、閣議決定だけで解釈改憲を強行しようとしています。
そうした暴挙を国民の皆様の代表機関である国会で、断固として阻止するための附帯決議です。
 
 
※ なお、他にも国民投票運動の過度の規制を阻止するための規定(第十五項、第十六項)など衆院附帯決議にはない多くの項目を全20項目盛り込んであります。決議の全体は参議院HPの当日の憲法審査会の議事録末尾でご確認頂けます。
 
1954年の自衛隊創設に当たり、「自衛隊が海外で武力行使をすることがないよう、憲法が拡張解釈される危険を一掃する」ために、参議院本会議で全会一致で可決された決議(「自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議」)があります。
 
自衛隊の海外での武力行使とは集団的自衛権の行使そのものであり、この本会議決議は、一言で言えば、「集団的自衛権行使の解釈改憲を禁止する」という国権の最高機関の立法府の意思を示すものです。
 
また、この本会議決議は、その後、平成20年代に至るまで数十回以上、自衛隊法改正などの際に、参議院でその趣旨が政府との間で繰り返し確認されてきた、議院内閣制のもとで内閣を拘束する決議です。
 
本日(05/28)の参議院の本会議代表質問において、「こうした参議院の本会議決議がありながら、閣議決定のみで解釈改憲を強行することは、議院内閣制を否定し、何より主権者国民を否定する、絶対に許してはならない蛮行である」ことを、菅官房長官に追及いたしました。
 
 以下に、私の発言録(未定稿)をご紹介させて頂きます。1954年の本会議決議の際の、提案者である鶴見議員の趣旨説明は、現在の集団的自衛権の論争にも通用する名演説ですので、ぜひ、お目通しいただければ幸いです。
(※動画07:00頃より: 時間の関係から聞き取りにくい早口をお詫びいたします。)
 
 私が、一番、強調したかったのは、質疑の最後の、「閣議決定はもちろん、この本会議場で議決する自衛隊法改正等の法律によっても、なお奪うことのできない自衛隊員や国民のかけがえのない命がある。それを決めることができるのは、主権者国民の国民投票による憲法改正でしかない。」という、立憲主義の意義についての訴えです。
 
 自衛隊員は「戦う道具」ではなく、主権者国民のための公務員であり、何より、我々と同じかけがえのない「尊厳ある存在」です。時の権力者の一存で、憲法で禁止されてきた新しい戦争(=集団的自衛権の行使)で自衛隊員を戦死させることは許されない。それを判断できる唯一の者は、安倍総理でも国会でもなく、主権者である国民のみです。
 
 また、集団的自衛権の行使は、日本が武力行使を行う相手国からの反撃により、国民の命が失われる可能性がある戦争です。こうした国家の行為(戦争)を憲法上可能とするかどうかを判断できる唯一の者は、安倍総理でも国会でもなく、主権者である国民のみです。
 
 この憲法9条の解釈改憲を禁止する本会議決議は参議院にしかなく、これまで、安倍総理への質疑(2014/03/12)や防衛大臣への質疑(2014/05/12)でも取り上げてきました。
 
本日は、本会議場の演壇で、60年ぶりにこの決議を読み上げることで、全参議院議員の皆様に、解釈改憲という蛮行から、国民の皆様を守ることを訴えさせて頂きました。
 
国会議員と立法府の存在意義に懸けて、引き続き、懸命に頑張って参ります。
 
 
――――――――――――――発言録(未定稿)―――――――――――――
 
○ さて、安倍内閣が、その真の姿として、また、この法案審議の前提として、主権者国民及び国会を尊重し、立憲主義及び議院内閣制を遵守する意思があるかについて、より明瞭に追及したく、議場の先輩同僚議員の皆様に、丁度、今から60年前の195462日に、この本会議場で、全会一致で可決されたある決議文を朗読させて頂きます。
 
 ■自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議
 
「 本院は、自衛隊の創設に際し、現行憲法の条章と、わが国民の熾烈なる平和愛好精神に照し、海外出動はこれを行わないことを、茲に更めて確認する。  右決議する。 」
 
  注:読み仮名  熾烈(しれつ)  茲に更めて(ここにあらためて)
 
○ これは自衛隊創設に当たり、「自衛隊の海外出動」、つまりは、「自衛隊の海外派兵たる、海外における武力行使はこれを行わない」、すなわち、「自衛隊による集団的自衛権の行使はこれを許さない」という憲法第9条の解釈を、我らが参議院が確定した決議であり、当時の鶴見祐輔(つるみゆうすけ)議員は、その趣旨説明演説において、その内容を以下のように明瞭に述べています。
 
「・・・ 何ものが自衛戦争であり、何ものが侵略戦争であつたかということは、結局水掛論であつて、歴史上判明いたしません。故に我が国のごとき憲法を有する国におきましては、これを厳格に具体的に一定しておく必要が痛切であると思うのであります。
 
自衛とは、我が国が不当に侵略された場合に行う正当防衛行為であつて、それは我が国土を守るという具体的な場合に限るべきものであります。
 
幸い我が国は島国でありますから、国土の意味は、誠に明瞭であります。故に我が国の場合には、自衛とは海外に出動しないということでなければなりません。
 
如何なる場合においても、一度この限界を越えると、際限もなく遠い外国に出動することになることは、先般の太平洋戦争の経験で明白であります。
それは窮窟であつても、不便であつても、憲法第九条の存する限り、この制限は破つてはならないのであります。
 
外国においては、・・・今日の日本の戦闘力を利用せんとする向きも絶無であるとは申せないと思うのであります。さような場合に、・・・憲法の明文が拡張解釈されることは、誠に危険なことであります。
 
故にその危険を一掃する上からいつても、海外に出動せずということを、国民の総意として表明しておくことは、日本国民を守り、日本の民主主義を守るゆえんであると思うのであります。 」 
 
○ 以上、すなわち、この「自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議」は、「日本国民を守り、日本の民主主義を守るために、憲法第9条の明文が拡張解釈されるその危険を一掃する」、つまり、「内閣による解釈改憲の危険を許さず、これを絶対に封じる」ために、「国権の最高機関たる参議院において、国民の総意」として、全会一致で可決されたものであります。
 
○ そして、「憲法第9条の拡張解釈による、自衛隊の海外出動たる海外派兵、すなわち、集団的自衛権の行使はこれを絶対に許さない」というこの本会議決議は、その後の本院における自衛隊法などの審議の際に、繰り返し、繰り返し、必ずといってよいほど、その趣旨が政府との間で、確認されてきたものです。
 
○ 例えば、「平成171212日のイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会」における当時の安倍晋三官房長官、すなわち、現在の安倍総理は、本決議の趣旨を問われ、「(自衛隊を)海外に派遣をして、そしてこの自衛隊が言わば武力行使をするということを念頭に置いているのではないかと、このように思います。」と、明快に、本決議が自衛隊の海外における武力行使、すなわち、集団的自衛権の行使を禁止したものであるとの認識を答弁しております。
 
○ 同様の政府答弁は、平成20年代の新テロ特措法、イラク特措法、旧テロ特措法、周辺事態法制、PKO法に係る審議等々、その数は優に数十回を超え、まさに、憲法第9条の解釈に係る本決議は、参議院と政府の間で積み重ねられた、法規範に匹敵する、内閣を揺るぎなく強固に拘束する決議であります。
 
○ ここで安倍内閣を代表して、菅官房長官にお尋ねします。
  安倍内閣として、この「自衛隊の海外における武力行使、すなわち、集団的自衛権の行使はこれを許さない。そして、日本国民と日本の民主主義を守るために、そうした内閣による憲法9条の拡張解釈は断じてこれを許さない。」という参議院の確固たる本会議決議を前にして、それでもなお、安倍内閣の閣議決定だけで、憲法9条の解釈改憲を強行することが許されるとお考えですか。
 
○ そのような蛮行は、国権の最高機関である参議院を否定し、議院内閣制を否定し、さらに、山崎正昭議長以下、242名の全参議院議員と、それらを選出した主権者国民を否定する、断じて許されない行為との認識はございませんか。
 
○ 本日28日、明日29日と衆参で解釈改憲問題の集中審議がなされますが、かつての60年安保改定では155時間、PKO法案では193時間、周辺事態法制では161時間の衆参の国会審議を行っています。
 
○ これらを含め、これまでの全ての安全保障法制の審議は、集団的自衛権の行使は憲法違反であるとの前提のもとに行われております。
 
○ この前提そのものを解釈の変更により覆そうとするのであれば、その憲法9条の解釈の変更案を、紙芝居ではない集団的自衛権行使の具体的かつ詳細な政策的必要性とともに、衆参の国会に提出して、その新たな解釈の論理的整合性やこれまでの国会論議との整合性について、憲法審査会や特別委員会の場などを含め、まずは、徹底的に数百時間以上の審議を受けるべきではないでしょうか。
 
○ それが「自称、闘う政治家」である安倍総理が取るべき道であり、何より、それが、国民のために立憲主義を守る内閣の責務であると考えないのでしょうか。
 
○ 以上、これらについて、この参議院本会議場の演壇の上で、内閣として、今日ここに集う三権の長たる山崎議長以下、全参議院議員に対し、そして主権者国民に対し、逃げることのない、明確な、菅官房長官の答弁を求めます。
 
○ 最後に、日本国憲法の前文においては、「日本国民は、・・・政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」とあります。
 
○ この趣旨は、我らが日本国民は、国家による戦争の惨禍から永久に国民自身を守るために、そのことを目的として、国民主権原理を憲法に採用したことを意味します。
 
○ すなわち、憲法9条の内閣による解釈改憲は、憲法第99条の憲法の尊重・擁護義務に違反するのみならず、この憲法前文の恒久平和主義に立脚した国民主権原理を否定する、憲法違反行為そのものであり、まさに、立憲主義そのものを否定する空前絶後の蛮行であります。
 
○ 先輩同僚の議員の皆様におかれましては、
 
 「 閣議決定はもちろん、この本会議場で議決する自衛隊法改正等の法律によっても、なお奪うことのできない自衛隊員や国民のかけがえのない命がある。それを決めることができるのは、主権者国民の国民投票による憲法改正でしかない。」 
 
   この、まさに立憲主義の原理そのものを破壊しようとする安倍政権の政治的クーデターともいうべき過ちから、国民を守る、その国民の擁護者として、今こそ、我々「良識の府」たる参議院の存在意義とその真価が問われていることを、深く御願い御訴え申し上げまして、私の質疑とさせて頂きます。
  
ご静聴有り難うございました。
以上
本日(5月22日)、与野党の8会派にまたがる60人の衆参国会議員の連名で、ノルウェーのノーベル委員会に憲法第9条のノーベル平和賞の授与を陳情する文書を提出しました。
 
May 17, 2014
His Excellency Thorbjørn Jagland
The Norwegian Nobel Committee
 
Dear Chairman Jagland and Norwegian Nobel Committee Members,
 
We the undersigned members of the Japanese Diet would like to congratulate the people of Norway on the 200th anniversary of the adoption of your constitution.
 
Our own constitution is a much younger one, and under its Article 9, which renounces war and prohibits the maintenance of war potential, we have led a remarkable 68-year journey as a pacifist nation. We are deeply honored that this same Article 9, as realized by the people of Japan over the past seven decades, has been officially nominated for the Nobel Peace Prize.
 
This nomination was made by the people and for the people and as such, we speak from a position of political neutrality.  We do, however, humbly urge you to select this nominee for the ultimate honor.
 
May there be peace on Earth,
 
 
(和訳要旨) 
2014517日 ノーベル委員会御中
私ども、下記したる日本国国会議員は、本日貴国憲法制定200年の記念日に、謹んでお祝いを申し上げます。
我が国は、戦争の放棄と戦力の不保持を定めた憲法第九条のもと、68年間にわたり平和国家としての道を歩んできました。 この度、我が日本国民の平和憲法が、2014年度の栄えあるノーベル平和賞にnomination(推薦受理)されたと伺い、誠に光栄に存じます。
全ての推薦者の方々からの本推薦に係る政治的中立を表明しつつ、是非の授与をお願い申し上げます。
                              共に世界の平和を願いつつ
 
(参考)517日に制定200周年を迎えたノルウェー憲法への祝意を添えています。
  ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 
 
ノーベル委員会とは、アルフレッド・ノーベルの遺言によりノルウェー国会が任命する5名からなるノーベル平和賞の授与を決定する委員会(現委員長は元ノルウェー国総理)です。
 
ノーベル平和賞の候補の推薦は大学教授等の特定の立場の者しか資格がなく、憲法第9条の推薦に当たっては、国内外から複数の推薦がノーベル委員会に対してなされ、その結果、ノーベル委員会において278候補の一つとして受理されたとされています。
 
この度の有志の国会議員によるノーベル委員会への平和賞授与の陳情は、こうした国内外から行われている推薦行為のいずれにも関わることなく、既に受理が表明されている憲法9条に関わるノーベル平和賞の授与について陳情を行ったものです(※1)。
 
 陳情文書への署名は、個々の議員の判断によるものであり、「憲法9条がノーベル平和賞にふさわしい」とするそれぞれの見解によるものです。
 
私個人の意思としては、恒久平和主義の理念のもと主権国家として専守防衛に徹するとともに世界平和創造の活動を積み重ねてきた基盤である日本国憲法は、現時点で、また、今後の世界の平和創造への貢献の観点からノーベル平和賞に相応しいと考えたものです。
(私のこの取り組みは、世界で最も権威がある政治経済誌の一つであるThe Economistでも紹介されました。http://www.economist.com/blogs/banyan/2014/05/japans-pacifist-constitution
 
 また、現在、安倍総理による解釈改憲により、日本国民の平和憲法が大きく変質(=破壊)されようとする中、ノーベル委員会に世界の平和創造におけるそのかけがえのない価値をぜひ判断してもらいたいと考えたものです。
 
 取り組みの発起人の一人として署名活動の共同事務局を務めさせて頂きましたが、短期間のうちに自民党を含む8会派閥(政党)の60名の衆参議員の賛同を得ることができました。
 
 この度の活動は、ノーベル委員会において5月中に行われる第一次審査(ショートリスト作成)を念頭においたものですが、10月の最終決定までに、引き続きさまざまな活動を行っていくつもりです。
 
 なお、仮に、10月までに安倍総理に解釈改憲を強行された場合にも、①その解釈改憲の行為自体が憲法前文の明文に違反する無効行為であるとともに(※2)、②いずれにしても、その変わらない条文とともに存在し続ける「日本国民の平和憲法」(※3)への意義ある世界的評価の一つとして、ノーベル平和賞が授与される価値があると考えています。
 
 なお、ノーベル委員会の規則上、受賞資格者は「個人又は団体」とされているところ、憲法9条に関する受賞資格者は、「主権者たる日本国民」、「国会(衆参議院)」、安倍総理の内閣は当然資格外として、2012年のEU受賞の例なども踏まえると「日本国」というのもあり得るのかもしれませんが、この度の陳情文書の中では特に明示を行ってはおりません。
(憲法9条に反対の日本国民の方もいらっしゃると考えられますが、これまで憲法改正を行ってこなかった「主権者である日本国民の総体」という考え方は可能ではないかと思慮します)
 
 最後に、重要なことはノーベル平和賞が授与されることではなく、日本国民と衆参の国会議員が、憲法9条の価値を専守防衛という軍事的な機能に止めることなく、憲法前文の理念と相まって、より積極的かつ主体的な国際平和創造の基盤として、その具体的な取り組みと成果をいっそう積み重ねていくことです。
 
 もちろん、この平和創造の取り組みは、中国の超大国化などの安全保障環境の変化の中における、戦略的かつ堅実な安全保障政策と外交政策の総合的取り組みによるものでなければなりません。
 例えば、中国に対しては、堅実な個別的自衛権(日米安保含む)による抑止力を保持しつつ、他方で、中国の最大の国政課題である環境や社会格差などの国内問題への協力などにより、もう一つの強力な抑止力たる互恵的な社会経済関係を構築していく必要があります。
(この点、安倍総理の解釈改憲は、「外交なき誤った軍事路線」と考えています)
 
私の、「積極的平和創造主議」による「平和創造会議Peace Creation Conference」構想は、恒久平和主義を国是とする我が国における、社会の総力を挙げたこれらの外交・安全保障の総合的戦略を実行していくための基盤となる仕組みであり、その立法化を目指して参ります。
 
 
※1 こうした中立的立場を明らかにするため、陳情文書の中にも、「全ての推薦者の方々からの本推薦に係る政治的中立を表明しつつ、」という断り書きを明記させて頂きました。
  この点、一部の報道に、「文書の提出は、9条へのノーベル平和賞授与を求め推薦運動を進めている神奈川県の主婦らの運動を後押しするのが目的」とありますが、この度の陳情はいずれの推薦にも関わることなくノーベル委員会の主体的な判断のみに働きかけるものであり、この報道内容は誤報です。
 
※2 2014512日決算委員会質疑の説明と資料を参照下さい。
 
※3 恒久平和主義の発展を党綱領とする民主党が政権を奪還した時に解釈を再変更して戻します
 
※4 もっと以前に、我が国にこの「平和創造会議Peace Creation Conference」が設置されていたら、これ自体に(あるいは日本国に)ノーベル平和賞が授与されていたと考えます。
去る15日に「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会報告書」が安倍総理に提出されました。http://www.kantei.go.jp/jp/singi/anzenhosyou2/
 
私はかつて霞ヶ関官僚としてこうした政府に置かれた有識者会議の報告書を取りまとめる仕事を担い、また、国会議員時代を含めこうした報告書を何百冊と精読してきました。 
 
この度の安保懇報告書は、私のこうした経験値を超絶したものとなっています。
 
それは、そのあまりの政策的かつ政治的な重要性にも関わらず驚くべき程のボリュームの無さであり(全部で40ページにも満たない、政府の報告書で最も薄いレベルです)、また、何より、その肝心の内容についても以下のようにおよそ政府の提言書のレベルにはほど遠いものであることです。
 
(1) 憲法論も含めた「法的基盤の再構築」としながらも、法的論理性を逸脱した独善的理屈で仕立て上げられた支離滅裂な内容となっていること。(第二次安倍政権で国会答弁等行っている憲法解釈等と異なる見解も複数記載されています)
 
(2) 法的基盤の再構築の根拠であるはずの「安全保障政策論」としても、わずかな文量の中に特定の世界観などを披瀝した上で、非合理的または非現実的な点が否定できない個別例を列挙するなどしていること
 
一言で言えば、政策や法的見解の提言というよりは、目的ありきのアジテーション文書のレベルだと考えますが、本報告書の問題点について、これから一つ一つ指摘をしてきたいと考えています。(憲法9条の政府解釈には何ら変遷はないこと、砂川判決を論拠とすることの暴論性など)
 
この場では、当日の夜に安倍総理が会見で述べた「政府の基本的方向性」のうち、集団的自衛権の行使について「二つの異なる考え方を示していただいた」との発言が、丸っきり事実に反することを指摘いたします。
 
すなわち、本報告書は、①いわゆる芦田修正論と同様の見解に立って集団的自衛権の行使は可能であると憲法9条を再解釈し(「Ⅱ.あるべき憲法解釈 1.憲法第9条第1項及び第2項」)、その上で、②集団的自衛権の行使に係る要件論を記述しているに過ぎず(「Ⅱ.あるべき憲法解釈 2.憲法上認められる自衛権」)、安倍総理が会見で述べているいわゆる「限定容認論」を体系だった憲法解釈論としては何ら展開していません。
 
つまり、報告書には憲法解釈論としては「一つの考え方」しか存在しないのに、「二つの異なる考え方」があると安倍総理は勝手にねじ曲げて言っているだけなのです。
 
 この安保懇には安倍総理は毎回出席していました。にもかかわらず、その報告書には明記されていない憲法解釈を今後自らの政権で追及していくとする。内閣総理大臣直下はおろか、霞ヶ関の全省庁において、こんな不様で愚かな行政運営の例を私は知りません。
 
 これは、現在、安倍総理が強行しようとしている集団的自衛権行使の解釈改憲が十分な組織的対応による理論武装(※1)の上に準備できていないことを示しているものと推察されます。
これが端的に現れたのが、安倍総理が会見で使った二つのフリップ、集団的自衛権行使の場面とは明らかに違う事例(PKO)、非現実的かつあるとしても警察権の行使等で対処できる事例(邦人避難)と考えられます。
 
 しかし、こうした状況は敵失というより、安倍総理が今後更に強引な手法で閣議決定に持ち込む恐れがあるものと危惧すべき事態であると考えます。
 
私の霞ヶ関での法制執務の経験や国会議員としての立法経験に照らしても、憲法9条から集団的自衛権の行使を可能にするというのは、もはや憲法解釈の世界ではなく、憲法を憲法として扱わない憲法破壊というべき行為です。
 
それは、国民投票を行うことなく戦争を可能にするという立憲主義への違反や平和主義を根本的に変質させてしまう(=破壊)という問題だけではなく、どうやっても読み取りようがないものを無理矢理に可能にするという事例としての余りの程度の悪さの点でも深刻な問題を孕んでいます。
 
こうしたことを一度行ってしまうと、戦争を可能にする憲法9条ですら、しかも、どうやっても読み取りようがないものを無理矢理に可能とできたのだからこの憲法の条文でも解釈改憲をしてよいではないかということになります。あらゆる権力のもとでこうした事態は必ず生じます。
 
つまり、第9条の解釈改憲は、我が国の立憲主義や法の支配の破壊であり、ワイマール憲法を滅ぼした「ナチスの手口」と憲法論的に同質の行為なのです。
 
安倍総理が強行しようとしている解釈改憲に対する永田町の状況は非常に厳しいものがありますが、この空前絶後のクーデターを何が何でも阻止するために、広く党派を超えて、全力で取り組んで行く所存です。
 
 
※1 そもそも、「日本語が日本語である限り、かつ、論理が論理である限り、憲法9条から集団的自衛権の行使を導き出すことは不可能」であり、つまり、「憲法の条文改正以外に手段がない」とされてきたものにまともな法的論理を編み出すことは不能であると私は考えています。http://blogs.yahoo.co.jp/konishi_hiroyuki_524/18078491.html
 ようするに、「正面からまともに議論をしたら到底持たないから」、安倍総理は国民主権や議院内閣制に背いて、国会を無視し、閣議決定だけで解釈改憲を強行しようとしているのです。
 
※2 なお、私は、いわゆるグレーゾーン問題など現行憲法の規範性の範囲内で対処できる課題については、その政策的必要性について検討した上で、必要なものは当然に法律レベルで一定の措置を講じるべきであるという考えです。
 
安倍総理は、自衛隊艦船の近傍に位置する米軍艦船がミサイル攻撃を受ける例などを挙げつつ、「日本が集団的自衛権を行使して米軍艦船を守らないと、日米同盟が著しく毀損される、あるいは、危機的な状況になる」などと繰り返し主張しています。
 
また、515日に提出された安保法制懇報告書においても、集団的自衛権の行使要件とする「我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるとき」の該当根拠の最重要事項の一つとして「日米同盟の信頼が著しく傷付きその抑止力が大きく損なわれ得る」ことを挙げています。
 
しかし、日本と米国が国際法上のまともな主権国家としての関係にある以上、我が国が米国のために集団的自衛権を行使することが無くとも、このような日米同盟の存立そのものが毀損されるに至るような事態は生じ得ないと考えます。
 
なぜなら、(1)日本政府は、これまで一度たりとも、米国政府から憲法上の制約を解決して集団的自衛権の行使を可能にするように要求されたことがなく、また、(2)実は、そもそも、日米安全保障条約第3条に、「日本は米国のために集団的自衛権の行使を行う必要はない」と明文で規定されているからです。
 
 
まず、この(1)については、「集団的自衛権行使の解釈変更について、米国から指示を受けた事実はない。」(平成26312日安倍総理答弁)、「集団的自衛権行使の憲法上の見直しについて米国から要求されたことはない。」(平成26512日 岸田外務大臣答弁)との旨が明らかにされています。(※後者は、文末の小西の質疑参照)
 
 また、(2)の日米安保条約第3条で「集団的自衛権の行使は不要」とされていることについては、以下にご説明するとおりです。
 ポイントは、単に、「日米関係において、日本は米国のために集団的自衛権を憲法上行使できない」ということではなく、「日本は集団的自衛権を憲法上行使できないところ、日本が米国のために集団的自衛権を行使する必要はないことは日米間の了解事項であり、しかも、そのことが日米安全保障条約上にも明記されている」ということです。
 

第3条 締約国は、個別的に及び相互に協力して、継続的かつ効果的な自助及び相互援助により、武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力を、憲法上の規定に従うことを条件として、維持し発展させる。
 

 
 
 
 
 この「憲法上の規定に従うことを条件」としてという文言が規定された理由について、外務省HPにある安保条約の解説では以下のように説明されています。

○第3
 この規定は、我が国から見れば、米国の対日防衛義務に対応して、我が国も憲法の範囲内で自らの防衛能力の整備に努めるとともに、米国の防衛能力向上について応分の協力をするとの原則を定めたものである。
 これは、沿革的には、米国の上院で1948年に決議されたヴァンデンバーク決議を背景とするものであり、NATO(北大西洋条約機構)その他の防衛条約にも類似の規定がある。同決議の趣旨は、米国が他国を防衛する義務を負う以上は、その相手国は、自らの防衛のために自助努力を行ない、また、米国に対しても、防衛面で協力する意思を持った国でなければならないということである。
 ただし、我が国の場合には、「相互援助」といっても、集団的自衛権の行使を禁じている憲法の範囲内のものに限られることを明確にするために、「憲法上の規定に従うことを条件」としている。
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 つまり、『 米国政府が他国と防衛条約を締結する際には、米国上院の決議に従い、その締結相手国に対して一定の米国防衛の義務を求めなければならないとされている。
しかし、日米安全保障条約においては、この日本が求められる米国防衛の協力義務のうち、集団的自衛権の行使は日本国憲法において憲法違反であることから、「日本は、米国のために集団的自衛権を行使する必要はない」旨を「憲法上の規定に従うことを条件として」という文言により明文で確認した。』ということです。
 
 なお、上記の解説文からも明らかですが、私が外務省の日米安保の担当者から確認したところによれば、この第3条の「憲法上の規定に従うことを条件として」という文言は、日本側の要求により、日米両国の明確な意思のもとに規定された文言であるとのことです。(なお、第3条は1960年改訂の際に新設された条文です)
 
 私もかつて霞ヶ関で働いていた際に、国際条約に関する業務に従事していたことがありますが、申し上げるまでもなく、主権国家同士の納得の交渉の上に、国際関係上の権利義務を確定するのが条約の役割です。
(あくまでも、市民社会における個々の人間の間の義理や人情とは次元の異なる、国益等を懸けた峻厳な権利義務を確定するものであり、それに尽きます)
 
 「日本は、米国のために集団的自衛権を行使する必要はない」と日米安保条約に明文で規定されている以上、米国は我が国に対し、集団的自衛権の行使を行わなかったことを主権国家として非難する道理はありません。
 
それは、例えば、仮にTPPを巡る日米二国間条約が締結された後において、米国が日本に対し、「前回嫌々締結した牛肉の関税率は高過ぎたから、けしからん。よって、日本に通商上のペナルティーを課すことにする。」などと主張することは有り得ないのと同じことです。
もし、このようなことが可能になるのであれば、あらゆる主権国家の間において国際条約は成り立たないことになります。
 
 ましてや、米国政府は未だ一度たりとも日本政府に、憲法上の制約を解決して集団的自衛権の行使を可能とするよう要求を行ったことはないのですから、米国は我が国を非難することなどできませんし、米国が国際条約を遵守する国である限りするはずもありません。
(米国が、日米同盟が著しく毀損すると考えているのであれば、少なくとも両国間で我が国の集団的自衛権行使の必要性について議論を行うべく努めるはずです)
 
そして、現実的ケースで考えてみても、日米防衛協力ガイドライン等、日米の防衛協力の全てのルールは、日本が米国のために集団的自衛権の行使を行わないことを前提に組み立てられています。
よって、冒頭の両国の艦船を巡るケースにおいても、米軍艦船は両国間の防衛協力ルール上、自衛隊艦船が米国艦船のために集団的自衛権を行使しないことを前提に自らの軍事行動の全て(ミサイルへの対処等々)を想定し、行動することになります。
 
そもそも、この日本近海の両国艦船のケース自体が集団的自衛権行使の事例として合理性を欠いている(米国艦船を攻撃する国は同時に在日米軍基地を攻撃するはずであり、それは日本有事そのものであるなど)と指摘されていますが、いずれにしても、米軍には厳しい軍法会議規律がある以上、日本が行わない集団的自衛権の行使には一切頼ることもあてにすることもない軍事行動を米軍は実行するはずです。
 
また、日米関係の理解の前提として、米国が超大国であることを可能あらしめているのは日米同盟の存在であり、米国にとっても日米安保は死活的に重要な二国間条約であり、かつ、思いやり予算を含め大きなメリットを有するものであることを踏まえておく必要もあります。
 
以上より、(そもそも想定し難い具体例を前提にした上で)「日本が集団的自衛権を行使して米軍艦船を守らないと、日米同盟が著しく毀損される、あるいは、危機的な状況になる」とする安倍総理の主張は、国民を欺く総理大臣にあるまじき卑怯な言説であると考えます。
 
 また、こうした安保条約の明文規定の存在を指摘することもなく、「日米同盟の信頼が著しく傷付きその抑止力が大きく損なわれ得る」という集団的自衛権行使の根拠を挙げる安保懇報告書は、まさに「目的ありき」であり、政府報告書にあるまじき不当な姿勢であると考えます。
 
まともな民主主義国家ではあり得ない解釈改憲というクーデター行為の過程では、冷静かつ論理的な議論は隅に追いやられ、こうした目を疑うような暴論が跋扈する状況となっていますが、事柄の本質を突くような追及を引き続き頑張って参ります。
 
 
 
※ 以上の論点については、去る512日の決算委員会で取り上げました。岸田外務大臣は、はぐらかしの答弁に終始しましたが、上記の外務省HPの条約解説がある以上、外務省の事務方は逃げようがなく、担当局長が「我が国が、米国のために集団的自衛権を行使しなくてよい」という趣旨として、そのまま当該解説文を読み上げました。
 
■配付資料
■質疑情報

 
 
 
 

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