旧お盆前です。考えてみます【土・日曜日に書く】論説副委員長・渡部裕明 お盆に「生と死」を考える ◆朝の紅顔、夕の白骨
東京での夏を体験して思ったのは、「7月のお盆」に対する違和感である。15日の前後、あちこちで盆踊りの案内や、墓参りをする人の姿を見かけた。
長く暮らした関西では、なかった光景である。お盆といえば、やはり8月。「京都五山の送り火」(8月16日)に代表されるように、8月が来ないと実感はわかない。
お盆は正確には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といい、祖先の霊を家庭に迎えて食べ物を供え、冥福を祈る仏教行事である。釈迦(しゃか)の十大弟子、目連(もくれん)の亡き母が餓鬼道(がきどう)に落ち、地獄の苦しみを味わっていたのを助けるためご馳走(ちそう)を用意したのに由来する「施餓鬼(せがき)法要」をあわせ行う地域も多い。
筆者はつい先日、身近な人を見送った。95歳だったから、世間でいえば天寿を全うしたのだろうが、「もう、そこにはいない」という厳然とした事実が、なかなか受け入れがたい。
その葬儀のおり、導師をつとめた浄土真宗の僧侶は蓮如(れんにょ)の「白骨(はっこつ)の御文章(ごぶんしょう)」を読み上げた。蓮如は親鸞に始まる本願寺の第8世で室町時代、弱小教団だった本願寺を真宗を代表する大教団へと育て上げた人物である。
全国の門徒に真宗の教えを分かりやすく説くため、蓮如はおびただしい手紙を書き送った。それが御文章(御文(おふみ))である。
《朝(あした)には紅顔(こうがん)ありて、夕(ゆうべ)には白骨となれる身なり》
朝には元気だった者も、夕方には死んで骨になるかもしれないという、人間の命のはかなさを端的に表現した文章として記憶にある読者も少なくないだろう。
◆平均寿命は伸びたが…
人間はだれもが、「どのように生きるか」という現実的な問題とともに、「なぜ死なねばならないのか」「どう死ぬのか」という課題に突き当たってきた。宗教の歩みは、その問いと戦い続けた歴史といってもいい。
だがその問いは、ふだんは切迫感がない。だれも避けることのできないテーマであることは分かっていても、できるだけ遠ざけておきたい問題だからである。
先日発表された日本人の平均寿命は男79・59歳、女86・44歳と、4年連続で過去最高を記録した。女性に限れば、何と25年連続で長寿世界一だという。
長寿は確かに喜ばしいが、それによって、「死」や「老い」への思いが遠ざけられ、ただ長生きすることのみが目的となるなら、逆に不幸といえるのではないか。筆者はそう考えている。
地獄や極楽というと、現在では迷信だと笑う人がほとんどだろう。死後の世界に対する恐怖が地獄を生み出し、生前の倫理を求めて極楽が描き出されたとする合理的解釈も不可能ではない。
だが、地獄や極楽を生み出した日本人の想像力については、高く評価しなければならない。しばらく前まで、わが祖先は自分の行動を厳しく律し、倫理や道徳を失ってしまうことを恐れていた。「仏罰があたる」というのは、自然、普遍の感覚だったのである。
◆よりよく生きるために
先の目連の話を続けよう。目連は自慢の神通力で母を供養しようとしたが、母は業火(ごうか)のせいで食べ物はおろか、水も燃えあがってしまい飲食できない。母を救う手だてがないものか、目連は釈迦に尋ねた。すると釈迦は、次のように答えた。
「お前の母親の罪はとても重い。生前は人に施さず、自分勝手だったので餓鬼道に落ちたのだ。その償いとして、多くの僧が雨期の90日間の修行を終える7月15日に、ご馳走を用意して経を読み、心から供養しなさい」
目連が早速その通りにすると、母親は餓鬼の苦しみから救われたという。この話は強欲に対する戒めと、他人のための無償の行為の尊さを語りかけている。
筆者の縁者は亡くなる直前、「住み慣れた家に帰りたい」ともらした。病院での治療を打ち切り、家に連れて戻った4日後、静かに息を引き取った。安らかな表情だった。
西洋には「メメント・モリ」(memento mori=ラテン語で「死を忘れるな」)という言葉がある。中世ヨーロッパでペストが猛威をふるい、人口の3分の1が死んでいったときに生まれた言葉だという。蓮如の「白骨の御文章」の無常観と、実によく似ているではないか。
「死」が身近となるこの季節。「よりよく生きる」ために、「生と死」の意味を考えたい。(わたなべ ひろあき) |
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今日、コメントが3000に達しました。
やった〜3000と喜べませんでした。
だって、自爆してしまったのですから
あと、直近は訪問者7000人目ですね。
気をつけます。
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最近、納骨に生かせていただいていて感じていたことがニュースになった。
最近、洋型の墓が増えていると感じていましたが、案の定その通りだったようです。
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カナシキカナヤ道俗ノ
良時吉日エラバシメ
天神地祇ヲアガメツツ
ト占祭祀ツトメトス
正信念仏偈和讃二百十丁左から
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今日は仕事はオフです。
マッタリしています。
日頃の溜まった
そして今、以下の通り見ています。
堪能しています。
でも、後でまた試験勉強しなくちゃ
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