なんと、ちょっと古いけど、こんな記事が見つかりました。
http://www.jlp.net/letter/100325.html
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労働新聞 2010年3月25日号 通信・投稿
超勤、イジメ、暴言、
管理強化……
民営化で労働環境さらに悪化
休憩時間を削って働く
郵便局は病んでいる
郵便局労働者 桑原 亮輔
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私は郵便局で働いています。仕事は集配です。分かりやすく言えば郵便配達で、町でよく見かける郵便屋さんです。二〇〇七年に日本郵政公社が民営・分社化され、今は郵便事業株式会社の社員です。ちなみに、郵便局の窓口業務は郵便局株式会社、郵貯はゆうちょ銀行、簡保はかんぽ生命保険と、それぞれ別会社になりました。職場が仕切られ、労働者同士の交流もなくなっています。
1日200通の書留配達も
郵政民営化が進められてきたこの十年ぐらい、私たちの仕事は大きく変わりました。それも悪い方にです。受け持ち区(一人が一日に配達する区域のこと)はかなり広くなり、軒数も増えました。一人ではとても配り切れませんので、アルバイトなどが入り分担して配ったりしています。ちなみに郵便局では職員よりアルバイトが多いところもあり、郵政グループ全体では二十万人以上もいます。
受け持ち区にバイトが二人入って、普通郵便はバイトが配り、書留だけを本チャン(職員のことを局ではこう呼んでいます)が配ることもあるのです。書留だけ、とビックリするかもしれませんね。以前は、一日に書留がせいぜい二十通もあれば多いほうでしたが、今は百通は普通のことですし、多い日には二百通を超えます。やたらクレジットカードが普及したせいでしょう。
以前は、郵便物を配達していればよかったんですが、今ではそうはいきません。以前は書留はハンコをもらって用紙に押すだけでよかったのですが、今は違います。端末入力器を持たされ、配るたびに入力操作をしなくてはなりません。携帯端末ですから表示画面が小さくて、とても見えません。「おーい、若いやつにやらせろ。とてもじゃないが老眼で見えない」というのが、よく交わされる会話です。
しかも、配り終えて局に帰っても、端末操作をして本体へ入れたものを確認し、さらに書類にも記入しなくてはなりません。こんな状態ですから、とても忙しい毎日で、超勤(残業のことを超過勤務と言います)は当たり前です。
誤配、交通事故も多発
ところが最近、管理職が「超勤をするな」と言い出しています。それは、簡保や郵貯が黒字なのに郵便が赤字なので、赤字を減らせ、という会社の指示です。実際には超勤しなくては終わらない仕事量なのです。昼休みを削って、休み時間中から仕事をする人、遅く帰ってきても超勤をつけない人などもいます。皆、おかしいとは思っているのですが、査定で給料を下げられることを考えると、つい勤務時間を無視してしまいます。
こうした状態ですから、郵便物の誤配が増えましたし、交通事故が深刻な問題になっています。たぶん、郵便局が交通事故日本一だと思います。超勤するな、ということでどうしても急いで配ろうと無理をする人が増えています。アルバイトが郵便を配達しますが、当然、本チャンほど道路事情に詳しくはありませんので大変です。たまには、ベテラン・アルバイトでホンちゃんより詳しい人もいますが。
もっと深刻なのが局内のイジメです。皆ストレスがたまっていますし、精神疾患にかかっている人も多くいます。局内で仕分け作業(配達順に郵便物を並べる作業)をしていると、奇声を発する人もいます。
また、これは管理職に多いのですが、職員の仕事が遅いと「辞めてしまえ」「超勤を付けないぞ」「死ね」などという暴言をはくことが平然とまかり通っています。また、年配になってどうしても仕事が遅くなったり、特に端末操作などうまくいかなくなると、若いやつが「もう辞めたほうがいいんじゃないの」などと年配者をバカにします。こんな状態で、本当に郵便局は病んでいると思います。
ちなみに郵便局にも「何とか道場」というのがあって、成績の悪い人はそこへ送られるそうです。ウワサでは、そこへ行った人は年収が百万円近く減ったそうです。これもとんでもない話です。
労組が新人事制を提案?
労働組合ですが、かつての郵便局には全逓と全郵政がありましたが、今は統合してJP(日本郵政グループ)労組になりました。私は全逓に所属していました。全逓当時は、まだ権利意識もあり闘いもありましたが、今はどうにもならないとさえ思えます。
たとえば、労働組合が職員のやる気を出すために、人事評価制度を新しくしようとしています。職員全体の給料の三割分を、AからEの五段階に分けて評価して、配分しようというのです。そうすれば若い人や仕事のできる人がやる気を出せる、というのが理由です。それにしても労働組合がそんなことを提案してどうするんだ。その話を聞いてびっくりするやら頭にくるやら、です。
これまでも人事評価制度はありました。管理職が職員を評価し、職員がアルバイトを評価するのです。これもいやな仕事です。一生懸命やっても遅いアルバイトの人もいるし、いい加減でも仕事は早い人もいます。ですからできるだけ一生懸命やる人を高く評価するようにしていますが……。
その上、五十五歳で退職して契約社員で再雇用をしようとも言っています。ふざけるな! 年金支給が遅くなるだろうといわれる中、六十歳定年を五歳も引き下げて、年金支給までの十年間を契約社員で安く働けとでも言うのか。
こんな職場ですから、知り合いで辞めていく人も確かにいます。でも、労働者の生活や権利を守ることを本気で考えたら、労働組合をまともな方向に変えていくように努力しないといけません。また、飲みに行ったりするとそう思っている人たちがかなりいることが分かります。全逓青年部の役員だったのですから、それくらいのことはがんばらないと、と思っています。
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