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今では世界中に多くのファンを有する新世界のワイン.
その新世界のワインの代表のひとつがカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニオンです.
「ワイン」という飲み物の歴史はとても古いのですが,
前回のボルドーの格付けでも見たように,
現行のような格付けが行われ,整然と評価されたのは最近のことなのです.
[パリ対決]
意外かもしれませんが,
カリフォルニアワインが確たる評価を幅広く受けたのも,ごく最近のことです.
そのきっかけとなったのが,1976年のアメリカ合衆国建国200周年を記念して行われた「パリ対決」です.
これは,フランスを代表するワインの専門家を集め,
フランスワインとカリフォルニアワインをブラインドで比較するという試みでした.
その結果,最も高い評価を得たのがカリフォルニアワインだったのです.
この出来事を境にして,それまでも一部では人気のあったカリフォルニアワインは,
爆発的に国際市場での高い評価を得ることになりました.
[ボルドーとカリフォルニアの違い]
極めて単純に言うと「テロワールのボルドー」と「ブレンドのカリフォルニア」となります.
「少量生産のボルドー」と「大量生産のカリフォルニア」とも言えるでしょう.
カリフォルニアは大量に生産されるブドウの品種の個性を活かすように,
ブレンドスキルなどの醸造システム全般の改革を実行しました.
その背後にはカリフォルニア大学ディヴィス校の理論的貢献が有りました.
これはボルドーにおけるボルドー大学と,ベクトルはまったく異なるものの,
同様の役割であったと言えます.
それともうひとつ,ワイン生産のターゲットが異なります.
カリフォルニアは日常レベルのボリュームバンドをターゲットに据えて,
マーケティングも含めて,大量のワインを低コストで供給できるシステムを確立したのです.
以上の予備知識を頭において,今回はカリフォルニアの実力とボルドーの底力を比較しました.
(ただし,最後のカリフォルニアはブティックワイナリーによる極少量生産品ですので対象外です)
a)《カ》カルロ・ロッシ(Carlo Rossi)
・参考価格:\500
・低価格のボリュームゾーン(日常のテーブル)をマーケティングターゲット
・色,香りともに華やかで軽快
・アタック,後口に豊かで甘酸っぱさが飲み心地良く,渋みなし
b)《ボ》シャトー・ラ・ブロンシュテリィ(Ch. la Blanchetterie)2003
・参考価格:\1,500,A.C.Bordeaux(プティ・シャトー級)
・カヴェルネ・ソーヴィニオンらしい鮮やかで力強いルビー色
・香りは複雑で,ベリー系(カシス)の香りが真正面に出ている
・甘みは無く,アタックは強いものの,酸と渋みをまろやかに包み込むつくり
c)《カ》キャニオン・ロード(Canyon Road)2001
・参考価格:\2,300
・香りは2段階,強いフルーツ系の爽やかさに若干の醗酵物の香り
・アタックは優しく,舌先に甘みを感じる.酸と渋みのバランスも良い
・後口も長くしっかりとしている
・ボルドーのテロワールのようなミネラルが味わえる
d)《ボ》シャトームーラン・ド・ラ・トーネル(Ch. Moulin de la Tounelle)2003
・参考価格:\1,800,A.C.Bordeaux(プティ・シャトー級の上位)
・濃縮間の感じられる深みのあるルビー色,輝きもあり,しっかりとした足
・姿同様,奥深い香り.ベリー系(カシス),樹木(杉)など
・まろやかなアタックで,甘み,酸,渋みが溶け合っている.ミネラル分が豊富
e)《カ》フランシス・コッポラ・ロッソ(Francis Coppola Rosso)2002
・参考価格:\10,000,ブティック・ワイナリー
・ジンファンデル49%,シラー28%,カベルネソーヴィニオン23%
・赤黒く活き活きとした輝き
・香りはベリー系,樹木(杉),青枝など重厚
・しっかりとしているがイヤミの無いアタック,バランスの良い味
・完成されたフルボディ
※《カ》:カリフォルニア,《ボ》ボルドー
※ ジンファンデル(Zinfandel):カリフォルニアで栽培される黒色系ぶどう品種
毎日飲むワインとして,カリフォルニアの低価格域はとても良く出来ています.
きっと,日常の明るく楽しい食卓をしっかりと彩ってくれるはずです.
しかし,ワインを噛み締めて味わう場合にはその単純さが物足りないかもしれません.
そのような,作りの深さを要求する場合,
どうしてもテロワールのクセのあるミネラルを欲してしまいます.
そして,このクセこそが,ワインと飽きることなく付き合うためには必要な要素なのです.
一方,ボルドーについては,以上のカリフォルニアの裏返しと理解すれば良いでしょう.
ボルドーとカリフォルニア,フランスと新世界.
最近ではカリフォルニアでもテロワールの重要性が認識されており,
生産者の関心が土地へ土壌へと向けられつつあります.
しばらくは両者のトレンドに気を払いながら,好みのワインを選ぶ手間が必要でしょう.
さらには,旧世界でもイタリア,ドイツ,スペイン,ポルトガルなどが,
新世界でもオーストラリア,チリ,アフリカなどが個性を進化させています.
ワインの世界,ますます混沌.
しかし,そのようなワイン勢力図の変化が過渡期にあることを幸運と考え,
時代の生き証人となること目指すのも愉快なことかもしれません.
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こんな庶民的なワインも召し上がるのですね^^普段、夕食などと一緒にいただくには、ちょっと物足りない位のさらっとした飲み心地のお酒もいいですね。
2005/7/10(日) 午前 6:36 [ おゆう ]
なるほど〜。私はチリワインは安心していただけますが、まだまだカリフォルニアワインには抵抗感が残っています。どんどん進化してるんですね〜。参考にさせていただきます。
2005/7/10(日) 午前 10:19
《ぺふちんさん》ワイン愛好家の方が読んだらお怒りになるかもしれませんが,私はワインの原点は毎日の食事のお供だと思っています.ですから料理を胃に流し込むためのワインという考え方もひとつだと.そういう意味でも,安価で出来の良いワインを高く評価します.
2005/7/10(日) 午前 11:35
《bokumichyさん》私は,まだまだフランス国内で精一杯ですが,他の地域もボチボチと,と考えています.
2005/7/10(日) 午前 11:43
ワインってピンキリなんですねぇ。旅行で一週間くらい行った時全部お食事付きツアーだったんですがワインは当然のようについてきました。(私はあっという間に真っ赤になるので数回しかいただけませんでしたが・・)
2005/7/11(月) 午前 1:30
食卓での水やお茶と同じですよね.逆にヨーロッパでは水も頼まないと出てこない場合が多いですし,素朴な田舎ではオーダー無しでもグラスワイン(無料)が出てくることも有ります.私がワイン講習に通う目的は,日常の飾らない食卓用ワインを見つけられるようになることです.
2005/7/11(月) 午前 11:30