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前回はボルドーの赤について,ぶどう品種による違いを体験しました.
今回はボルドーの格付け,
とくに1855年に行われたメドック(赤)とソーテルヌ(白)に対する格付けついて整理するとともに,
赤を題材にして飲み比べを行いました.
[ボルドーに関するワインの格付け制度]
a)AOC(統制原産地呼称):1936年に制定されたフランス政府による全国的な格付け
地方名AC(ボルドーAC)
地区名AC(メドックAC,オー・メドックAC,etc.)
村名AC(マルゴー,サン・ジュリアン,etc.)
クレマン・ド・ボルドー(発泡ワイン用)
b)各地方の歴史的格付け:今回テーマとする地域別の格付け
1855年の格付け(1855年)メドック(赤),ソーテルヌ(白)等に対する最も上位の格付け,
グラーブも1シャトー(Chateau Haut-Brion)のみ一級に格付け
メドックのブルジャワ級(1932年-1969年改-1984年改)1855年格付けの次位の格付け
サン・テミリオンの格付け(1954年)
グラーヴの格付け(1959年),etc.
[1855年格付け(Le Classement de 1855, BORDEAUX)]
メドックとはボルドー北部,ジロンド河左岸の地域名です.北部と南部に大別されます.
ソーテルヌはボルドー南東部の小さな地域名です.
1855年のパリ万博に出展するためのガイドとして,
ナポレオン三世によりこれらの地域を主とするボルドーワインの格付けが行われました.
この地域に属する約7,000シャトーのうち,特に優秀なシャトーを選出し,
赤ワインに対して5段階(57シャトー),
白ワインに対して3段階(21シャトー)の格付けが実施されました.
驚くことに,その後の変更はたったの1シャトーの格上げのみで,
150年も前に行われた格付けは,今でもその重要性を失っていません.
その理由は,前回お話した土壌質とブドウの関係からお分かりになると思います.
また,格付け150周年にあたる今年は,秋以降に特別な催し物も目白押しで,
ボルドーワインを狙うには千載一遇のチャンスかもしれません!
[背景(Le contexte)]
ボルドーは一時期,英国領にも属していた貿易都市で,
ここの名産品であったワインは,当時は陸路のつながっていなかったパリよりも,
海路を通じて英国,北欧,ロシア等の外国で高い評価を受けていました.
このように意外にもフランスでは無名産地であったボルドーでしたが,
この格付け実施と,同時期のパリーボルドー間の鉄道開通によって,
一気にフランスでの地位を確立していく契機となりました.
しかし,このボルドーの優遇策は,ボルドーワインを評価して実施されたというよりは,
ナポレオン三世のフランス統治政策の一環として行われたと考える方が,
冷静な分析といえるでしょうょう.
[赤ワインの格付け(Classement de 1855 des Vins Rouges de la Gironde)]
1er. Crus(一級)4-Ch.s(Ch. Lafite, Ch. Margaux, Ch. Latour, Haut-Brion)
2e. Crus(二級)12-Ch.s(Ch. Mouton-Rothschildのみが1973年に一級へ昇格)
3e. Crus(三級)14-Ch.s
4e. Crus(四級)10-Ch.s
5e. Crus(五級)17-Ch.s(今回,Ch. Cantemerleを試飲)
[白ワインの格付け(Classement de 1855 des Vins Blancs de la Gironde)]
近年,特に日本では,「ボルドー=赤」のイメージが強いですが,
この格付けで白のみに「特一級」が付けられたのことは,とても興味深いことです.
1er. Cru Superieur(特一級)1-Ch(Ch. d'Yquem)
1er. Crus(一級)9-Ch.s
2e. Crus(二級)11-Ch.s
[今週のテイスティング(Les Vins de cette semaine)]
まず,白ワインで口慣らしをした後,徐々に格付けを上げながらその変化を体験しましたが,
格付け通りの評価となりました.(笑)
しかし,格付けがしたのワインもとても優秀で,
コストなどを総合的に評価すれば文句のない良い品ばかりでした.
a) Blanc/A.C. Bordeaux --->口慣らし
b) Rouge/ Ch. de MARSAN, 2002 --->○
c) Rouge/Cru Artisan(生産者格付け); Ch. de COUDOT, 2001 --->○
d) Rouge/Cru Bourgeois(ブルジョワ級); Ch. CHARMAIL, 2001 --->◎
e) Rouge/Grand Cru(1855年格付け五級); Ch. CANTEMERLE, 1998 --->☆!
お高めなe)がずば抜けて美味しかったことが,ちょっと悔しくもあります.
日常的には飲めないワインですからネ.
ワイン講習会で摂取したアルコールは,翌日のテニスでしっかりと流し去りました(笑)
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