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サッカーの世界においてオランダという国は大きな位置を占める。
ビッグタイトルにはあまり縁がない。Wカップでも優勝はなく、ユーロ(ヨーロッパ選手権)でも優勝したのは、1回のみである。 常に出場すれば優勝候補の一角には上げられるが、後一歩で優勝できない国である。 そんな勝ちきれない国がサッカー界で重要視されるのは、ひとえに1970年代にミケルス監督の下、世界に衝撃を与えたトータル・フットボールによってである。 そのDNAはミケルス、クライフから現在はその系譜に連なる監督として最高峰に位置するのがグァルディオラである。 ポゼッションを重視した攻撃的なサッカー。現代サッカーの潮流のひとつである。 その系譜にファン・ハールがいる。 私が始めてファン・ハール監督を知ったのは、1994-95シーズンのチャンピオンズリーグ決勝の試合である。試合自体にはあまりスペクタクルだった印象はないが、当時のミランは世界最強とも言われていたので、ミラン目当てでテレビを見ていた。アヤックスの印象は当時珍しかった3-4-3システムを使っており、選手がみな若かった。 この大会でアヤックスはミランを下して優勝するのだが、そのあと優勝メンバーはビッククラブに引き抜かれてアヤックスは再び凋落していく。 オランダサッカーの宿命でもあるが、いい選手は国外のビッククラブに移籍していくのである。 その後も、ファン・ハールには注目していた。 サッカー雑誌などから受けるファン・ハールの印象は、傲岸不遜。元体育教師ということもあり厳格で規律に厳しく、自分の理論には絶対の自信を持っているとの印象を受けた。 私の同僚でもいるが、正しいがゆえに成功するのだが最後には失敗するタイプに思えた。 チームを立て直す、規律を取り戻す、組織を確立する過程では非常に成功するのだが、その成功が続くと、その正しさゆえに周りが窮屈になり最後は追われる。 ずっと、ファン・ハールを見ていて世界でも10本の指に入るぐらいの監督なのに、残念だなとおもっていた。 そして、2014年Wカップでファン・ハールはオランダ代表を率いて、世界に衝撃を与えた。 前世界王者スペインをカウンターで粉砕するのである。 この結果を見て、ファン・ハールは変わったなとおもった。 かたくなに自分の理論にこだわっていたファン・ハールが選手の適正と相手の力量を冷静に測りながら、勝つサッカーを選んだと思った。 そこにはポゼッションサッカー思考のオランダといえども、練習時間が多く取れない代表の難しさもあるのだろうと思った。 そして、現在ファン・ハールはマンチェスターユナイテッドの監督として、プレミアリーグに挑んである。名門を復活させることについては絶対の手腕があるので成功するだろうと思っている。 問題はその後だ。 現在でも名監督だが、ユナイテッドの伝説であるファーガソンやバスビーに肩を並べられるかは今後にかかってくると思う。 楽しみに見てみたい。 |
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