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    重力ピエロ
         伊坂幸太郎   新潮社       



主人公は、遺伝子情報を扱う会社に勤める泉水
母は他界し、父は癌をわずらい闘病中。
弟のは、泉水にとっては異父兄弟。

彼は、母が十代の強姦魔にレイプされ生まれた子だったのだ。
その為、彼は「性的なもの」すべてに憎しみと嫌悪感を抱いていた。

仙台市内は放火が多発していた。
ある日、春から「兄貴の会社が放火にあうかもしれない」という警告の電話をもらい、翌日本当に放火が起る。

春は、街に描かれた落書きを消す仕事をしていて、そのグラフィアートと放火の関連性があるのではとないかと気付いたことを泉水に話す。

泉水は、落書きの現場と放火現場が遺伝子の二重螺旋構造を意味しているのではないかと推理。
果たして、泉水と春、二人の「スプリング」の推理通りなのか?

放火犯の正体とは?

遺伝子と連続放火事件の物語。

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/b4/b7/popkun_55/folder/1458312/img_1458312_37166400_7?2006-06-06.gif

伊坂作品はリンクしあっていて、それを探すのが私の楽しみの一つ。
本書にも、大好きな黒澤さんが出てきたり、「オーデュボンの祈り」カカシの話が出てきて「神様のレシピ」がキーワードになったりと、お楽しみが満載でした。

黒澤は泉水に「泥棒の家に泥棒が入る」という話をしますが、、「ラッシュライフ」での、自身の体験談ですよね?

青葉山の橋の上で、泉水は不思議な人物と出会います。
彼の名は明かされませんが、『伊藤?』
でも、伊藤の場合"胸の谷間にライターをはさんだバニーガールを追いかけて島にたどり着いた"わけではないので、多分別人?
いずれにせよ、不思議な島はまだ存在しているのかも…と思ったりして、楽しくなったり♪

遺伝子が関わるお話だけに、リチャード・ドーキンス「利己的な遺伝子」からの抜粋が物語の大きなモチーフの一つになっていた気がします。

題名に関わると思った印象的な箇所を抜粋。
「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」
「重いものを背負いながらタップを踏むように」by春

「ふわりと飛ぶピエロに重力なんて関係ないんだから」
「そうね。あたしやあなたは、そのうち宙に浮く」by母

「そうとも、重力は消えるんだ」
「楽しそうに生きてればな。地球の重力なんてなくなる」by父    

そして、伊坂作品の記事には恒例としている登場人物覚え書き。
泉水:遺伝子情報を扱う会社「G」の社員。
春:泉水の異父兄弟。ピカソが没した1991年5月20日生まれで絵画の才能に恵まれている。
高木:泉水の会社の同期。
仁:泉水の会社の社長。自らを「ジーンリッチ」と呼び「未来を選べ」が口癖。
郷田順子:整形手術までして春をストーキング。別名「夏子さん」
葛城将一:売春斡旋会社社長。泉水の顧客。
黒澤:探偵が副業という、優秀な探偵。
英雄:泉水の優秀な友人であり、同期。
穂高:街に落書きをし、反省の色がない赤いモヒカンの若者。    

私は読み始めてしばらくてすぐに、放火犯とその犯罪の意味の推理がつきました。
物語の主題は多分推理ではなく、理不尽な犯罪とその被害者を苦しめている重い「G」を描きたかったのではと思いました。

泉水の会社名「G」は遺伝子のGEANから取っているとのことですが、私は重力の「G」も隠れている気がしました。

レイプという悲劇により生まれた命、春。
事件は許されないが、もしなかったとしたら愛すべき春は存在しない。
そんな悲しい葛藤を繰り返し、苦しみ続けている家族。
その一方、何も反省することもなく自己肯定の上で胡坐をかき続けている元強姦魔。

法治国家において私刑は許されませんが、この物語の世界においてはどうしても肯定したくなってしまいます…。

宙を飛んだ春は、どこへ行きつくのか気になるラストシーン。
読み手により、異なる解釈があることでしょう。

私は…。
高校生の時のと同じだと信じたい。
飛ぶことによって、心機一転、新しい春が訪れると…。


追記
「死神の精度」の中で、春の肉声に触れ、彼の考えをより理解することが出来ました。
大満足です♪

映画「重力ピエロ」の記事はこちらから→http://blogs.yahoo.co.jp/konpeitou_06/47416528.html/

閉じる コメント(18)

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被害者を苦しめている思い「G」!
なるほど!と思いました。
題材がちょっと重かったかなぁ…
トラバさせてくださいね♪

2008/8/10(日) 午後 5:45 ばんび 返信する

なるほどねぇ〜「G」にそういう解釈もあったか。
重力とはあらがえないもののように考えられますが、この親子はそれをも否定してしまう。あっけらかんと。
現実的には理解し難いですが、何か違和感は感じませんでした。
TBさせてください。

2008/8/10(日) 午後 9:39 [ - ] 返信する

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テーマは重いんだけど…春の言葉どおり、本当に深刻なことは陽気に伝えてくれてるような気がする作品でした。
(陽気…ではないかな?ww)
こちらからもトラバさせてくださいね♬

2008/8/10(日) 午後 10:21 チュウ 返信する

あたしはこの本が「初伊坂」でした。私刑による復讐というあやういテーマを納得させてくれる「伊坂ワールド」は、『あひると鴨のコインロッカー』とも通じていますね。

2008/8/11(月) 午前 6:37 りぼん 返信する

ばんびさん。題材は重いのに、不思議とあっさり読ませてしまうのは伊坂さんだからだという気がしました。
復讐や私刑について考えてしまいました…。

2008/8/11(月) 午前 11:06 金平糖 返信する

ミニオさん。そうなんです。設定に色々と無理や不思議があるのに違和感を感じさせず読ませてしまう伊坂さんってすごいと思います。
トラバありがとうございました♪

2008/8/11(月) 午前 11:08 金平糖 返信する

チュウさん。春はすべてのことを超越しているかのように思えたのですが、一人重たい荷物を背負っていたのですね…(T_T)
トラバ返しありがとうございました♪

2008/8/11(月) 午前 11:22 金平糖 返信する

りぼんさん。伊坂ワールドは、現実社会に思えて別世界でもある不思議な空間。その世界では起こりえても不思議ではないと思わせる力がある気がします。

2008/8/11(月) 午前 11:23 金平糖 返信する

伊坂幸太郎さんの本の二冊目がこの本でした。金平糖さんの記事でもう一度読みたくなりました。トラバさせてください。

2008/8/11(月) 午後 7:20 ひまわり 返信する

ひまわりさん。伊坂作品を一気に三冊読み、今、頭の中はこんがらがっています…。作品同士がリンクしているのがきっと大きな要因なのでしょう。黒澤は本当にカッコいいですよね♪
トラバ見当つからなかったので、私の方からさせていただいてきちゃいました(*・∀-)☆

2008/8/12(火) 午前 7:58 金平糖 返信する

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初めての伊坂作品がこの本でした〜
しかし、車の中で子ども達の送迎の合間にちょこちょこ読んでいた
本なので、自分の中にあんまり残ってないんです(-_-)

もう1回読み直してみようかな。。

2008/8/12(火) 午後 11:50 くろねこ 返信する

くろねこかあさん。伊坂作品は集中して読まないと面白味が半減してしまう場合もありますよね。
子どもたちがいると、つい短編集やアンソロジーに傾いてしまいます。
夏休みも残り三週間。頑張りましょうね(*・∀-)☆

2008/8/13(水) 午前 9:16 金平糖 返信する

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重い内容なのにサラッとした文体が好印象でした。
おしゃれなのに考えさせられるいい作品でした。TBさせて下さいね。

2008/8/23(土) 午後 2:08 fuwachibiprin 返信する

ふわちびさん。冒頭の一文にドキッとさせられ、表紙絵を思わず見返してしまいました。
語り手が落ち着いているので仰るとおりサラッと読めますよね。で、読後つい考えさせられてしまう…。

2008/8/24(日) 午後 5:58 金平糖 返信する

私はこれが初伊坂作品でした!
「春が二階から落ちてきた。」小説の冒頭としては、素晴らしいオープニングです♪
加瀬亮主演の映画も楽しみですねぇ〜^^

2009/4/7(火) 午後 3:39 やっくん 返信する

やっくんさん。印象的な一文で始まる作品ですよね。
映画は、明日、試写会に行く予定なんです。どう描かれているのか、ドキドキしています。
トラバありがとうございました♪

2009/4/8(水) 午前 11:10 金平糖 返信する

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春の行動は法治国家では許されちゃだめなんでしょうけど、泉水が肯定する気持ちはわかります。
深刻なテーマをさらりと書いて、まさに実現された作品ですよね。
「死神の精度」を先に読んでしまったので、再読しなければ!と思っているところです。
トラバさせてください。

2009/5/12(火) 午後 8:00 [ とくだ ] 返信する

プラチナさん。自分の犯した罪の重さを認識できず、反省も償いも出来ないような人間には、人情的にも私刑が許され手もいいのではと思ってしまいます。彼らは、法を逆手にとって、法の上に胡坐をかいているかのような印象を受けてしまう…。
もうすぐ公開予定の映画の出来も大変よかったので、是非(*・∀-)☆
トラバありがとうございました♪

2009/5/14(木) 午前 6:11 金平糖 返信する

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